すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集 の商品レビュー
本当に良かった。 海外の文学とはこういうものなのかと最初は思ってたけどたぶん彼女の書き方故なんだろう。常に孤独が付き纏っていてハッピーエンドとかではない。なんかクスッとなるような文末だったりとにかく楽しい。長編ばかり読んでたけど短編っていいなと思った。 1番好きな本なに?と聞かれ...
本当に良かった。 海外の文学とはこういうものなのかと最初は思ってたけどたぶん彼女の書き方故なんだろう。常に孤独が付き纏っていてハッピーエンドとかではない。なんかクスッとなるような文末だったりとにかく楽しい。長編ばかり読んでたけど短編っていいなと思った。 1番好きな本なに?と聞かれた時の答えが決まった。
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これだけ多彩な経験をしてきた作者は何者なんだ。それにしても作中の人々は実に生き生きして大胆で優しく、とても悲しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一冊目と同じ渋い装丁がかっこ良い。表紙の、著者とおぼしき写真の女性の見上げた意志の強そうな目にインパクトを感じます。 全19編の短編集。どの話もそれほどの長さではないのに場面が立ち上がってくるようなくっきりした筆致で匂いや熱や空気感まで感じられそうなリアルさがあります。 ままならない習慣や関係性に翻弄されて、苦しくなるような状況にまとわりつくような湿ったものを感じるのに、読み心地はなぜかドライ。 それぞれの短編のラストが、まるで断ち切るような終わり方をするものが多く、さらにはそれが登場人物たちのこれからが思いやられるような、激しい孤独や断絶を感じされられるようなバッドエンドだからでしょうか。 しかし、ものすごく近い距離から人物を描いていると思ったら、急に視点が俯瞰になったりそのバランス感覚がすごいと思わされます。 小説というよりも本人の実話でしょう、ほぼ。と思う話が多いけれど(前著もそうだったような)、この方プロフィールを見ても、あまりにも職業遍歴や恋愛や婚外恋愛、結婚・離婚歴が多くて、人生何人分経験してらっしゃるの?と驚きを通り越して呆れるような途方もない気持ちにさせられます。 どれもすごかったけど「緊急救急室ノート、一九七七年」のドライさは日本人にはちょっとついていけないのではと感じ。 しかしあまりにも大変な人たちを続けざまにあしらわなければならない身になったらこうなるのかなとも。毒もここまであからさまというかバッサリ書かれるといっそ痛快な気もしてくる不思議さ。 そして「ミヒート」の主人公とその子どもの悲惨さ。社会的弱者の立場に置かれること、そして言葉が通じないということの残酷さに打ちのめされるような読み心地。この短編に描かれた障害者のあり様「この夜のすべてのトビーたち」に対する著者の目線の優しさを感じることでなおさらこの話の結末のやりきれなさが際立つように感じました。 「メリーナ」や「カルメン」も読後思わず、うっと声が出ました。 誰にでもはお勧めしにくい作品ですが、米英以外の海外文学を読みたい人がいたらちょっと紹介したい一冊。 もう一作翻訳があるようなので手に取りたいですね。
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本書の元になっているのは、"A Manual for Cleaning Women"というアメリカで発行された本で、そこには43の短編が収められている。その本が日本では、2冊に分けて翻訳され発行されている。 1冊目が、「掃除婦のための手引き書」であり、2冊目が...
本書の元になっているのは、"A Manual for Cleaning Women"というアメリカで発行された本で、そこには43の短編が収められている。その本が日本では、2冊に分けて翻訳され発行されている。 1冊目が、「掃除婦のための手引き書」であり、2冊目が、本書「すべての月、すべての年」である。元の本に収められていた43の短編のうち、24冊が「掃除婦のための手引き書」で翻訳され、残りの19編が、本書で翻訳されている。 私は「掃除婦のための手引き書」も読み、そして2冊目の本書も手にした。 「掃除婦のための手引き書」の感想として、ブグログに、彼女の人生について、引用したものがあったので再掲する。 【引用】 1936年アラスカ生まれ。鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より北米の炭鉱町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。3回の結婚と離婚を経て4人の息子をシングルマザーとして育てながら、高校教師、掃除婦、電話交換手、看護師などをして働く。いっぽうでアルコール依存症に苦しむ。20代から自身の経験に根ざした小説を書きはじめる。90年代に入ってサンフランシスコ郡刑務所などで創作を教えるようになり、のちにコロラド大学准教授になる。2004年逝去。 【引用終わり】 1冊目の「掃除婦のための手引き書」はとても面白く読んだ。ブグログの感想には、「本書を読んだ人は、私もそうであるが、まずは2つのことに驚くのではないか。ひとつは、彼女の波乱万丈の人生に対して。もうひとつは、それを物語に仕立てる彼女の作家としての腕前に対して」と書いている。 2冊目となる本書は、「彼女の波乱万丈の人生」をテーマとした(例えばアルコール依存症の苦しみを作品にしたもの等)短編は少ない。もちろん、「作家としての腕前」は、同じ短編集が元になっているのだから同じである。しかし、1冊目ほど、この2冊目は楽しく読めなかったのは、私がこの作家に慣れてしまったのか、あるいは、「波乱万丈の人生」を扱った短編が少なかったことが残念だったのか。
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辛い、哀しい、寂しい…幾多の思いを閉じ込めた扉をそっと開け、共に寄り添ってくれる時間。ルシアの凛とした言葉の中にある、温かみやユーモアの語りの切実さに胸がギュッとなり、泣きながら読んだ。私を在るべき場所まで連れ戻してくれる最愛の書。(2022年6月19日読了)
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圧倒的な観察眼と人間描写。離婚、ドラッグ、アルコール中毒、不遇な家庭など、著者の人生経験に基づいたような設定の短編が多く、少し胸が痛い部分も多いながら引き込まれるように読了。
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すごく好きだった! 実体ベース、そうそう生きてるってこういうことっていうのが感じられる 目に浮かぶ鮮やかな描写が素敵 言葉の端々が素敵 好きな作家はスコットフィッツジェラルドだったけれど、新しく好きな作家を見つけられて嬉しい 南米にさらに行ってみたくなった
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初ルシア・ベルリン。実体験がベースになっていたりするのかな?自伝的要素が下地になっていそうな小説集。作者の力量なんだろうけど、作品の中の世界にぐいぐい引き込まれる。短編だから、あっという間に読み終わって我に返り、その時に自分が作品世界にどっぷり没入してたことにびっくりする。ルシア...
初ルシア・ベルリン。実体験がベースになっていたりするのかな?自伝的要素が下地になっていそうな小説集。作者の力量なんだろうけど、作品の中の世界にぐいぐい引き込まれる。短編だから、あっという間に読み終わって我に返り、その時に自分が作品世界にどっぷり没入してたことにびっくりする。ルシア・ベルリン×岸本佐知子、他の作品も読まねば!
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ルシア・ベルリンの第二集、前作に引き続き凄まじい。前作はユーモラスな作品が多め、本作は暴力ドラッグセックスの退廃的な70年代の描写が目立つ。どの作品も孤独さが張り付くがそれを前提として生きている様に引き込まれる。一編ごとに本を閉じ、息を吐いて天井を眺めた。 "だがそれ...
ルシア・ベルリンの第二集、前作に引き続き凄まじい。前作はユーモラスな作品が多め、本作は暴力ドラッグセックスの退廃的な70年代の描写が目立つ。どの作品も孤独さが張り付くがそれを前提として生きている様に引き込まれる。一編ごとに本を閉じ、息を吐いて天井を眺めた。 "だがそれほどににぎやかに人物たち彩られていながら、彼女の書くものにはつねに孤独がぴったりと張りついている。" "だが作者はそれを寂しいとも悲しいとも書かない。独りであることはすでに人生の前提だとでもいうように。" あとがきからの引用。未だ孤独を受け止め生きられないぼくには刺さるのだ。
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世界はただ続いていく。大事なことなんてこの世に一つもありはしない、本当に意味のある大事なことは。それでもときどきほんの一瞬、こんなふうに天の恵みがおとずれて、やっぱり人生にはすごく意味があるんだと思わされる。
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