もうやってらんない の商品レビュー
私の読み方が悪かったのか、アリックスがエミラに執着(恋?)しはじめるのが、急に思えた アリックスやケリーは、エミラをとても気に入っているし、黒人差別をしていると直接的には言い難い。 しかし、本当に些細な、微妙なところで認識や行動に引っかかりを感じる。最後の方、アリックスは、自分...
私の読み方が悪かったのか、アリックスがエミラに執着(恋?)しはじめるのが、急に思えた アリックスやケリーは、エミラをとても気に入っているし、黒人差別をしていると直接的には言い難い。 しかし、本当に些細な、微妙なところで認識や行動に引っかかりを感じる。最後の方、アリックスは、自分のキャリアのためにエミラを利用しているように感じられたし、そもそも無断で動画をばら撒き、それでいてエミラのためを思ってのことだとその行為を正当化している時点で独りよがりであるのは間違いない。 アリックスの過去のケリーに関する事実を曲げての正当化もそうだけど、自分の都合のいいように物事を解釈し、歪めていっている様がちょっと気持ち悪かった。 あとがきで、差別に関して意識が高い人でも、無意識の偏見や行動の現れを完全に無くすことは難しいといっていたが、その通りであるし、それを鮮明にユーモアを交えて描いてくれたこの作品が好きだなと思う。 最後のテレビの生放送のシーン、スカッとしたし、ケリーとよりを戻さなかったことも含め、エミラの聡明さ、最後の自立した彼女の姿を心地よく思える物語だった。
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舞台はアメリカのフィラデルフィア。 ニューヨークから引っ越して来たばかりの裕福な共働き夫婦と3歳と0歳の娘。 母親は執筆活動のために黒人の26歳ベビーシッターを雇う。 父親の職場でのいざこざから自宅に警察が来ることに… 長女を自宅から避難させたい夫婦は、深夜にも関わらずベビーシッ...
舞台はアメリカのフィラデルフィア。 ニューヨークから引っ越して来たばかりの裕福な共働き夫婦と3歳と0歳の娘。 母親は執筆活動のために黒人の26歳ベビーシッターを雇う。 父親の職場でのいざこざから自宅に警察が来ることに… 長女を自宅から避難させたい夫婦は、深夜にも関わらずベビーシッターに連絡し、近くのスーパーマーケットまで行って来て欲しいと頼む。 そこで、彼女は警備員に誘拐を疑われ、その事がこの夫婦とベビーシッター、更にはその時に出会う白人の男性(後にベビーシッターの恋人になるひと)との関係を複雑なものにして行く… まず、私は翻訳の本を読むのは少し苦手だ。 翻訳家さんにもよるのだろうと思うけど。 それと、人種差別を考える時、どうしても自分には知識が無さすぎる… 勉強不足なだけなのだけど。 なので、人種差別のもっと深いところを知っていれば、もっと理解できたようにも思う。 でも、、、難しいのかな。 例えば、白人の恋人が黒人の彼女を連れて夜中に入ったバーの描写。 「白人の男性が何人かカウンターで飲んでいて、壁にはジョンウェインとカウボーイの写真が飾られている。」 この場所に来た事を、後で彼女は「2度とあそこには連れて行かないで」と激怒する。 初めのお店の描写の時に、私は彼女が嫌がるだろうなと想像できなかった。 そのため、また戻って読み返すことになった。 それに、度々出てくるベビーシッターであるエミラと友達たちが集まるお店やバー、それから頼む食べ物。 きっと黒人の好きなテイストで、それが好きな人たちが集まる場所として描写されていると思うのだけど、自分にはイマイチ「ピン」と来てない。 これもまた後から読み戻って、なるほどそうなのかなと思う。。 エミラが友達とシッター宅へ行った時、友達が放った言葉。 「この家プランテーションの雰囲気があるね」 きっとこの言葉も、差別的な何かを感じ取った友達の言葉なのだろう。 そんな細かな「もっと理解できたら」な点があっても、この本の内容は刺さるものがある。 この本には、潜在的な差別、それは人種だけでなく貧富の差や、都会と田舎の差だったり、親の子供達への愛情の偏り、そういった差別が描かれていて、 かつ親からの自立や、自分の将来への展望、労働環境、、、様々な問題が描かれている。 それにしても、、 雇い主であるミセス・チェンバレンも、エミラの白人の恋人も、無意識にいつも上から目線だ。 私達はあなたの味方よ、家族と思っているのよ、君のためを思って言ってるんだよ、そんな感じが満載。 白人が黒人を救ったり敬ったりする事に対して、もちろんそれはとても良い事だけど、この人たちの場合、それを自分の為の道具としている感じにも受ける。 あぁ。なんて難しい問題。 だけど、その問題をダイレクトに書いたこの作品だから、様々な賞を受賞したのだと思う。 日本は日本で島国であるが故の差別や偏見がある。 自分の中にもあるだろう潜在的偏見や差別を考えざるおえない内容だった。
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物語の序盤にフィラデルフィアのスーパーマーケットの近くを白人の子供ブライヤーと歩く黒人のベビーシッターのエミラ・タッカーに、警備員が誘拐を疑い声をかけるエピソードが描かれ、人種、特権階級、ジェンダーに対するマイクロアグレッション、無意識の偏見(unconscious bias)を...
物語の序盤にフィラデルフィアのスーパーマーケットの近くを白人の子供ブライヤーと歩く黒人のベビーシッターのエミラ・タッカーに、警備員が誘拐を疑い声をかけるエピソードが描かれ、人種、特権階級、ジェンダーに対するマイクロアグレッション、無意識の偏見(unconscious bias)を体験させられる。雇い主である白人のアリックス・チェンバレンのように善意の持ち主だと信じる教養ある白人が最も多く行っている「自分でも気づいていない日常の家庭内偏見」(everyday domestic biases that we don’t even know we have.)が物語の各所に描かれる。
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ふだん無意識に差別をしてしまっているのかも知れないと思ったり、私も英語圏に行ったら差別されるかも知れない。自分はどんな振る舞いを選んで生活していこう、と考えさせられる作品でした。
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黒人だからと誘拐犯に疑われたベビーシッターのエミラに、犯人を告発すべきだと主張する白人の雇い主。エミラと付き合う白人の彼は、元カノ全員黒人だった。 黒人差別という問題がカジュアルな日常でも永遠に意識にあるアメリカの社会の物語。 現代の差別は、差別の顔をしていない。...
黒人だからと誘拐犯に疑われたベビーシッターのエミラに、犯人を告発すべきだと主張する白人の雇い主。エミラと付き合う白人の彼は、元カノ全員黒人だった。 黒人差別という問題がカジュアルな日常でも永遠に意識にあるアメリカの社会の物語。 現代の差別は、差別の顔をしていない。だからこそ怖いし、モヤモヤする。 終盤、主人公と親友がお風呂場に隠れ、今いる勤め先と新しく口がもらえそうな職場とを比べ、電話で交渉する場面がある。切羽詰まった状況の中で、価格や福利厚生についてああでもないこうでもないといいながら、価格交渉をするという流れは、その社会でその色の肌で生きていかなければならない現実を最も現代的な戦いとして描いている場面に感じた。 カバーを外した時、主人公の肌色が際立つデザインがハッとする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
理解しきった感覚はないが、人種差別をそれぞれがどのように受け止めているのか、どんなバイアスがあるのか理解が進んだ またストーリー自体も少し入れ違いになるところが凝っていてものが自体も純水に面白い
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アフリカ系アメリカ人のエミラは、自分がやりたい仕事がわからず売れっ子のインスタグラマー夫妻チェンバレンのベビーシッターのアルバイトでどうにか暮らしている。夜、友人のパーティーに出ている時、急に電話で呼び出される。家に警察を呼ばなければならなくなってしまったので、シッターをしている...
アフリカ系アメリカ人のエミラは、自分がやりたい仕事がわからず売れっ子のインスタグラマー夫妻チェンバレンのベビーシッターのアルバイトでどうにか暮らしている。夜、友人のパーティーに出ている時、急に電話で呼び出される。家に警察を呼ばなければならなくなってしまったので、シッターをしているブライアーをしばらく外に連れ出してほしいと言われる。近くの高給スーパーで時間をつぶしていると、警備員に白人の子どもを誘拐してきたと思われてしまう。ミスターチェンバレンが来て疑いは晴れたが、居合わせた白人男性に動画を取ったのでスーパーを訴えるよう言われる。自分の映像がネット上に出ることは好まないエミラは、断る。エミラは、その後その男性と付き合う事になるが、彼は雇い主のミセスチェンバレンの高校時代の恋人だったのだ。 BLMを扱った本にありがちなシリアスなものと違い、コメディタッチなところもあるが、扱っている内容は深い。米国の労働環境や、人種とは別に富裕層との基本的な考え方の違いなどなど、日本とは違う事が多くて解らない事は多いが、自分は差別などしていないと思っていても、本当にそうなのか。いろいろ考えさせられる。 天衣無縫に描かれるブライアーが、妹のように自分もかまってほしいと思っていることがせつなかった。
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黒人のベビーシッター、エミラが、休みの日のパーティの夜に急遽ベビーシッターの要請で子供を預かって近くのマーケットへ連れて行った際、「白人の子供を連れた、派手な身なりの黒人」として警備員にしつこく追及されるところから話は始まります。 その事件を中心に彼女の周囲の人間関係に変化が現れ...
黒人のベビーシッター、エミラが、休みの日のパーティの夜に急遽ベビーシッターの要請で子供を預かって近くのマーケットへ連れて行った際、「白人の子供を連れた、派手な身なりの黒人」として警備員にしつこく追及されるところから話は始まります。 その事件を中心に彼女の周囲の人間関係に変化が現れ、主人公の「もう私のことはほっといて!」という切なる願いも裏腹に、様々な事件が起きる話です。 簡単に言うと「善意の差別」と言えばわかりやすいでしょうか? 静かに暮らしたいだけのエミラに対し優しさを向けながらも、「かわいそうな黒人を私が助けてやってる」という型に当てはめた考え方で接する、当事者不在の「善行」が、たびたびエミラを辟易させることになります。 いっぱいいっぱいになったエミラはついに・・・ 差別というのは、暴力を受けたり、搾取されたりするだけではない。 黒人大統領も当選する現代では見えにくくなってしまった、現代ならではの「黒人の生きづらさ」が描かれていて、大変興味深い本です。
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本の帯に『黒人差別してないつもり?』とあったので購入、私はなにを期待していたのでしょうか?。読んでいくと自分がまさにアリックス・チェンバレンと同様な人間であることに気が付きました。外国人に対して良い悪いに関わらず、日本人に対するのとは違う感情を持ってしまう。しかし、好意を持ってス...
本の帯に『黒人差別してないつもり?』とあったので購入、私はなにを期待していたのでしょうか?。読んでいくと自分がまさにアリックス・チェンバレンと同様な人間であることに気が付きました。外国人に対して良い悪いに関わらず、日本人に対するのとは違う感情を持ってしまう。しかし、好意を持ってストーキングしたり、良かれと思い罠にはめてしまう事はしません。そこらへんのサイコな行為がこの小説の面白いところ。
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不思議な展開 やっぱり海外の人が書く本は雰囲気が違う。言い回しなのか、日本人が翻訳してるはずなのにな 子どもの頃から読み慣れている本とは違く、新しい まあそのまま終わらないだろうとも思ったけどそのまま終わってくれ、とも願った ブライアーはかわいい。母親がブライアーの1番じゃないこ...
不思議な展開 やっぱり海外の人が書く本は雰囲気が違う。言い回しなのか、日本人が翻訳してるはずなのにな 子どもの頃から読み慣れている本とは違く、新しい まあそのまま終わらないだろうとも思ったけどそのまま終わってくれ、とも願った ブライアーはかわいい。母親がブライアーの1番じゃないこと
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