ゴールドサンセット の商品レビュー
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諦めや不安、後悔など感情を失くしたものから怒りや焦り、恐怖など感情が渦巻くようなものまで、生きている上で必ず芽生えたことがあるものに否応なく晒される。様々な行き場のない気持ちが、積み重ねる人生と共に交錯していく様はそのまま読書中ずっと感情の起伏として同期する。いくつになっても「自分」は変わらないのかもしれないけど、演劇や舞台を通して希望に向かう姿や活力が漲る姿が心に沁みる。 「ジジババ謎多すぎ-なんなんあの人たち」 年老いていくことにもなんか勇気が持てる。こんなことを言われる老人になっていたら、生きてきて楽しかったって思える気がする。
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55歳以上の素人中高年たちによる劇団トーラスシアター。 人生の中でいろんなことにつまずき、いろんなことに傷つき、いろんなことから目をそらして生きている人々が、少しずつ重なってつながってとある一日へと集約されていく。壮大な最終章のその場面、胸が熱くなる。 劇を役を演じることの意味。自分とは別の人の人生を、見た目の考え方も全く違う人を演じること。そこから生まれる何か。 誰もが持っている、誰かに伝えたい何か。 変わりたい、今の自分じゃない何かに変りたい。その心の声が何重にもなって聞こえてくる。 変わりたい変えたい、でも変われない。そんな誰かの心に届けたい、そんな一冊。 一番心に滲みたのは第四章 なつかしい夕映え。 切なさと優しさが淡い光となって明日を照らしてくれる。
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