ゴールドサンセット の商品レビュー
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死にたい理由を数え上げる中学2年生の琴音は、公園で奇矯に走る老人が落とした小銭入れを拾ってしまう…。 そんな冒頭から始まって、物語は老人を中心にした劇団にまつわる人々を描く連作短編集だということが読み進めるにつれてわかり出す。直接劇団の関係者が主人公の物語もあれば、彼らの家族や知り合いが主人公の作品もある。 全ての短編に共通するのは、どこかに生きづらさを抱える人々、多様性とかLGBT、差別、ハラスメント…そういう問題を内包する物語だということ。 そして老いた人間に何ができるのか、老いた人間はどう生きるのかという問いかけがあること。 56歳の俺は他人ごとではない、自分もいよいよ老人に片足突っ込んでいるわけだし、介護の問題も他人ごとではない、登場人物の中で一番クソ野郎が言った「あの時代はみんなそうだっただろ」という言い訳は、俺の心にも正直あるもんだし、挑み続けず逃げた後悔なんてブクオフの100円コーナー位の分量で抱えている。 1篇ずつが他人事ではなく、読んでいて怖くなったり情けなくなったり猛省したりとオロオロしているうちにも、物語は伏線を回収する、その収斂の見事さよ。 ほんまね、まずは何歳になっても自分のやるべきこととやりたいことを精一杯やろう。そして他人がやってる精一杯は自分の価値観に合わなくても、自分に直接害をなさない限り許容しよう。それだけでも世の中きっと良くなっていくはずだから。
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こんなん読んじゃったら、自分で自分を大切にして死を迎えるその時まで毎日をちゃんと生きなきゃって思っちゃったよね。
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シニア劇団で演じる老人と関わる人々のそれぞれの悩み、葛藤を1章ごとに主役を変えながら、ラストは公演シーンと、皆の話が全てまとまるという構成もストーリーもすごくよかった! 男尊女卑な昭和的場面も多々あり。でもこれは決して小説の中だけでなく現実にあることだったんだろうなぁ… 現代の男...
シニア劇団で演じる老人と関わる人々のそれぞれの悩み、葛藤を1章ごとに主役を変えながら、ラストは公演シーンと、皆の話が全てまとまるという構成もストーリーもすごくよかった! 男尊女卑な昭和的場面も多々あり。でもこれは決して小説の中だけでなく現実にあることだったんだろうなぁ… 現代の男女平等もパーフェクトではないけど、この昭和の悪き状況が変わってきてるのは本当にありがたい。 4章の認知症の男性の話が一番じーんときた。 終章は圧巻。
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認知症を患っているであろう元中学校校長の話は、描写が秀逸だった。まず、認知症とは明言されていないが、読んでいるうちに予想が確信に変わっていく瞬間があったこと。記憶が薄れゆき、思い出が抜け落ちていく様は現実味があった。加えて、家族との思い出や過去の出来事を自身が回想するだけでなく、...
認知症を患っているであろう元中学校校長の話は、描写が秀逸だった。まず、認知症とは明言されていないが、読んでいるうちに予想が確信に変わっていく瞬間があったこと。記憶が薄れゆき、思い出が抜け落ちていく様は現実味があった。加えて、家族との思い出や過去の出来事を自身が回想するだけでなく、家でまどろんでいると他者が話しているのが漏れ聞こえてくるという描写こそが、家という1つの空間に家族や来訪者など複数人が存在し会話する場となりうることを描いており、単身世帯が増えた今それは現実でなく理想なのかもしれないが、家とその家族の描写の"リアルさ"に驚いた。
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49最初は高齢者がシェイクスピアに挑戦するユーモアチャレンジ小説と思って読んだらこれが大違い。それぞれの懸命で、しかし少しずれていた人生に対する挑戦が描かれていて心惹かれる作品でした。最後の舞台でそれまでの登場人物をもう少し描いて欲しかった気もする。
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『いまは、空しか見えない』で嵌った白尾悠さん。 本作も刺さる。 中高年限定の劇団をモチーフに、其々の順風満帆とは言えない人生を丁寧に掬い上げた作品。 「この世界から消えるべき理由」を数える女子中学生、突然解雇を言い渡された40代独身女性、傲慢を絵に描いた様な中高年男性など登場...
『いまは、空しか見えない』で嵌った白尾悠さん。 本作も刺さる。 中高年限定の劇団をモチーフに、其々の順風満帆とは言えない人生を丁寧に掬い上げた作品。 「この世界から消えるべき理由」を数える女子中学生、突然解雇を言い渡された40代独身女性、傲慢を絵に描いた様な中高年男性など登場人物は皆、私達の身近にいそうな人達。 善良な人もいれば悪意しか感じない人もいる。 本文中の「歳月が降り積もっても、人そのものはたいして変わらない」の言葉に共感する。 登場人物に自分を重ね、過去の出来事を反芻し想いを巡らせながら心が浄化されていく。
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『無意識のハラスメント、その先に見出す希望の光』 中高年限定の劇団に関わる人達の人生の機微を丁寧に描いた、心に刺さる作品。何かに囚われ、無意識のうちにハラスメントをする人、受ける人。各章ごとに様々な異なる感情を感じさせられ、心揺さぶられる良作。
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人生も折り返し地点の方やサンセット(晩年)の方の55歳以上のアマチュア劇団員の物語です。 第一章の今日、ひろった光から終幕の今日、ゴールドライトまでの連作短編小説です。 人生の先輩の生き様は正に演技の範疇で留めてない。 自分もいつか来る老いに悔いを残さず黄昏(ゴールド)を過ご...
人生も折り返し地点の方やサンセット(晩年)の方の55歳以上のアマチュア劇団員の物語です。 第一章の今日、ひろった光から終幕の今日、ゴールドライトまでの連作短編小説です。 人生の先輩の生き様は正に演技の範疇で留めてない。 自分もいつか来る老いに悔いを残さず黄昏(ゴールド)を過ごしたい。そう切なく涙を流しました。 自分に正直に前向きに老後を考えて行きたい。
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あまりにもばらばらだから連作短編に思えず、第一幕と第二幕好きだなーとかふわふわと読んでたら最後がとんでもなかった。たくさんの主題を詰め込んでいてちょっと欲張りなような気もしたけど、このページ数でよくまとめたなと、最後少し震えてしまった。よかった。
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これ一体どう繋がるの?完全に短編なの?って思いながら読んでたけど最後になるにつれて全部見えてくる 普段だったらたぶん選ばない本だったけどおもしろかった
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