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人でなしの櫻 の商品レビュー

3.5

42件のお客様レビュー

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2022/08/09

芸術家の心のうちは、自分のような凡人にはとても理解できないであろう。 まさに狂気に満ちた感情の中に、無意識のうちに飲み込まれ溺れてしまう。 胸を打ち、心が熱くなる作品を自分は楽しむ側でよかった。 ここに心に染みていくようなじんわりとした恐怖があった。 文字で描かれ...

芸術家の心のうちは、自分のような凡人にはとても理解できないであろう。 まさに狂気に満ちた感情の中に、無意識のうちに飲み込まれ溺れてしまう。 胸を打ち、心が熱くなる作品を自分は楽しむ側でよかった。 ここに心に染みていくようなじんわりとした恐怖があった。 文字で描かれた絵がなんとなく頭に思い浮かぶ。 作家さんの表現力、筆力。 これも芸術的だなぁ。

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2022/08/02

初 遠田潤子作品 料理界で天才と言われた父 康則が死んだ。 父が死んだマンションに駆け付けると 11年間監禁されていた裸の少女がいた。 彼女の名前は蓮子。 主人公である画家の清秀の最愛の妻とともに 生まれずに亡くなった娘につけていた名前と同じだった。 憎悪と共に18年絶縁してい...

初 遠田潤子作品 料理界で天才と言われた父 康則が死んだ。 父が死んだマンションに駆け付けると 11年間監禁されていた裸の少女がいた。 彼女の名前は蓮子。 主人公である画家の清秀の最愛の妻とともに 生まれずに亡くなった娘につけていた名前と同じだった。 憎悪と共に18年絶縁していた父は 死んでもなお清秀を苦しめる。 (蓮子を描きたい)その衝動は 父と同じ異常な血のせいなのか。 センセーショナルな事件から始まるこの小説 おぞましい人間の業を強く感じ 絵を描くことへの主人公の執念が力強く表現されていて 読み手を異様な世界へ引きずり込んでいく。 監禁されていた少女 蓮子も儚く、なまめかしく、そして強い。 彼女の存在も魅惑的で あっという間に読んでしまった。 ちょっと今までにない 面白い本でした。おすすめです。

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2024/09/07

ひたすら絵に打ち込む姿は鬼気迫るものがあったが、もうひと展開欲しかった。。 これに尽きる。 ★3.2

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2022/06/29

父親と決別し、家を飛び出して18年、35歳で末期癌の日本画家、竹井清秀が、京都のみならず、日本屈指の料亭のカリスマ料理人にして経営者の父親の秘書に呼び出され、訪れたタワーマンションで見たものは、死んだ父親と、父親が、8歳で誘拐し、11年監禁していた少女の姿だった。「洗脳」され、監...

父親と決別し、家を飛び出して18年、35歳で末期癌の日本画家、竹井清秀が、京都のみならず、日本屈指の料亭のカリスマ料理人にして経営者の父親の秘書に呼び出され、訪れたタワーマンションで見たものは、死んだ父親と、父親が、8歳で誘拐し、11年監禁していた少女の姿だった。「洗脳」され、監禁されていたという意識がない少女は、11年振りに会った家族より、今度は清秀だけに心を寄せる。そして、死を前に、少女を描きたいと渇望した清秀は・・・。生きることより、今、絵を描くことへの執着。これが芸術家の「生き様」か。壮絶の一言。

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2022/10/30
  • ネタバレ

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天才料理人の父親が徹頭徹尾鬼畜。その息子の日本画家の主人公も彼の目線で進む話なのでついつい誤魔化されそうになるけれどどんな弁明を尽くしても、嫌悪していた父親と同様ただの身勝手な犯罪者。芸術に奉じるという言い訳で少女と家族の人生を奪って良い理由はない。 なのに。 業、サガ、妄執、エゴ、憎しみ、怨み、、、 全てがごちゃ混ぜに迫ってきて、逃亡劇の終盤、血を吐きながら失禁しながら気を失いながら絵筆を離さない狂気の様が美しくも感じられ、絵の完成を願ってしまう。 少女には残酷で醜悪な一部始終なはずなのに、純度の高い純愛物語だったのかもとさえ思えた。 なにより情景や絵を目の当たりにしているかに描写する作者の筆力に圧倒された。

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2022/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

親子の歪んだ愛憎と天才料理人の父によって壊された二人の女性、母と蓮子に捉われる画家清秀の物語。 8才の子を拐っての監禁生活を思うだけでおぞましいが、後半彼女と逃避行しながら絵を完成させる清秀にはおぞましさを突き抜けて神々しさを感じた。これが芸術の持つ周りをねじ伏せる力なのか?

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2022/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妻子を亡くした日本画家の清秀のもとにかかってきた電話。 それは、絶縁した天才料理人といわれる父の死だった。 そして、その家には11年にもわたり父が密かに匿っていた少女がいた。 父を憎悪する気持ちに変わりはないが、19歳の蓮子に惹かれる。 描きたい気持ちが抑えられずに妻子を亡くした古家に連れて行き、死に際まで描き続ける。 なんとも親子の業の深さにことばを失くすほど。 描き続けることの執念も蓮子に執着する気持ちも壮絶さしかない。 父や母の愛情を知らずに育ったからこそ、余計に愛ではない怖さや畏れを感じてしまった。

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2022/05/31

天才故の業?の熱量たっぷりの作品だが正直不快この上なかった。手塚治虫の『奇子』に『美味しんぼ』をミックスしたような内容。お互いに憎み合っている天才料理人の父と画家の息子。父は金を払って誘拐した少女、蓮子を11年間監禁していた鬼畜。息子は少女を発見した際、身体は19歳の大人の女性、...

天才故の業?の熱量たっぷりの作品だが正直不快この上なかった。手塚治虫の『奇子』に『美味しんぼ』をミックスしたような内容。お互いに憎み合っている天才料理人の父と画家の息子。父は金を払って誘拐した少女、蓮子を11年間監禁していた鬼畜。息子は少女を発見した際、身体は19歳の大人の女性、だが心は8歳の子どものままのアンバランスさに取りつかれ「彼女を描きたい」と渇望する。親子2代にわたっていたいけな少女の人生をぶち壊した父と息子がおぞましすぎる。憎み合っていても結局はエゴイストの似た者同士だ。ロリコンよ滅びろ!!!

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2022/05/23

日本画家の清秀、母は自殺した。絶縁してた天才料理人の父親が死んだ。そこでは8歳の時に拉致監禁され11年過ごした蓮子がいた。蓮子に惹かれる清秀。 大好きだった遠田潤子の想像と妄想についてゆけなくなってしまった。 性的にアブノーマルな人はこういう思考回路なのかも知れないとか、日本...

日本画家の清秀、母は自殺した。絶縁してた天才料理人の父親が死んだ。そこでは8歳の時に拉致監禁され11年過ごした蓮子がいた。蓮子に惹かれる清秀。 大好きだった遠田潤子の想像と妄想についてゆけなくなってしまった。 性的にアブノーマルな人はこういう思考回路なのかも知れないとか、日本画の技法については興味深く読んだ。しかし、ストーリーは全く面白くなかった。正直、読む時間の無駄だった。

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2022/05/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「人でなし」たちの物語。 結局康則はどうしてあんなに子供を憎み、どうして蓮子を必要としたのか、わからなかった。わかりたくなかっただけかもしれないけど。人でなしだ、嫌な話だ、と思っているのに読まされてしまう上手さがすごい。ただラストは納得いかない…(私が納得してもどうにもならんけど!)

Posted byブクログ