まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう の商品レビュー
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行政DXを進めるにあたり、これまで私は主に「市民サービスの電子化」や「内部事務の効率化」という観点から捉えていた。 しかし本書では、デジタル技術を民主主義のための基盤として活用し、市民参加を促す仕組みをつくるという視点が提示されており、これまであまり意識してこなかった観点だと感じた。 日本でも、チームみらいが公約への要望をリアルタイムで反映する仕組みを取り入れ、議席を獲得した事例がある。 こうした動きを見ると、今後はデジタル技術の活用によって、民主主義のあり方そのものが変化していく可能性があるのではないかと感じた。 ちょうどそのようなことを考えていたタイミングで本書を手に取ったため、非常にタイムリーな内容だったと思う。 また、国レベルよりも自治体レベルの方が市民の声を拾いやすい側面があると感じている。 今後は業務を進める中でも、市民の声をデジタルで収集・反映できる仕組みをつくれないかという視点を持ちながら物事を見ていく習慣を持ちたいと思った。
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IT革命は、人類の幸福を広げる力になる。 理由は、人と人のつながりが一気に増えるからだ。 距離や年齢をこえて、誰とでもつながれる。 つなぎ目のない社会は、より自由で流動的になる。 人は、だれかとつながっているときに幸せを感じる。 何歳になっても同じだ。 だからこそ、自分をオー...
IT革命は、人類の幸福を広げる力になる。 理由は、人と人のつながりが一気に増えるからだ。 距離や年齢をこえて、誰とでもつながれる。 つなぎ目のない社会は、より自由で流動的になる。 人は、だれかとつながっているときに幸せを感じる。 何歳になっても同じだ。 だからこそ、自分をオープンにすることが大切だ。 オープンソースのように、誰とでも学び合える状態にする。 この考え方は、行政にも必要だ。 情報を開き、市民とつながる。 それだけで、暮らしはもっと豊かになる。 「少し難しそう」「でも面白そう」 その一歩を超えること。 小さな挑戦の積み重ねが、イノベーションになる。 多くの人に否定されたこと。 そこに種がある。 批判されたらやめるのではない。 磨き続ける。 自分も常にアップデートする。 柔らかく、しなやかに。 それが、これからの進化だ。
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オードリー・タン氏の理想のAIもドラえもんというのが面白い。その道の最前線を行く人たちには共通イメージがあるのかな。
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未来のために何かできそうな気がしました。しかし、台湾と日本ではだいぶ状況が違うのかなぁ、とも思いました。
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筆者の柔和な人柄が伝わってくる文章で、好感が持てました。同時に今まで興味すらもってなかった台湾という国に大いに興味が湧き、いつか訪れてみたいと思いました。1エンジニアとして参加できることにはすぐにでもアクセスして飛び込んでみようと思います。
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台湾のデジタル環境大臣、オードリー・タンさんのインタビューを一冊にまとめたもの。(環境問題、SDGS、デジタル化が進む社会)で私たちが未来のためにできることを、現在、氏が取り組んでいる施作の具体例がたくさん挙げられています。 p.108 協業すること。「価値観から相手を知る」 ...
台湾のデジタル環境大臣、オードリー・タンさんのインタビューを一冊にまとめたもの。(環境問題、SDGS、デジタル化が進む社会)で私たちが未来のためにできることを、現在、氏が取り組んでいる施作の具体例がたくさん挙げられています。 p.108 協業すること。「価値観から相手を知る」 p.116 価値観の共有だけでなく、事実を共有すること。 p.119 難易度の高い議題についての投票だけでなく、簡単な議題も用意することで、皆が参加しやすいようにハードルをさげることも大切。頻繁に自らの票を投じるような習慣を作る事。 p.124 台湾では5Gの通信基地の設置を山岳地帯や離島から行っている(リモートによる医療や教育がより必要とされているため) p.168 公共サービス手続きのデジタル化よりも政策決定への参加が大切(達成感、満足度を感じるため) p.189 氏の、好きなレナード・コーエンの歌詞 「 まだ鳴ることのできる鐘を鳴らそう 完璧さを求めるのは忘れよう すべてのものには裂け目がある 裂け目があるからこそ、そこから光が差し込む ことができる」
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55冊目『まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう』(オードリー・タン 語り、近藤弥生子 執筆、2022年3月、SBクリエイティブ) 35歳という若さで蔡英文政権のデジタル担当大臣に就任した天才プログラマーが、自身の考える「未来」のヴィジョンについて語った教養新書。 古い考えに...
55冊目『まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう』(オードリー・タン 語り、近藤弥生子 執筆、2022年3月、SBクリエイティブ) 35歳という若さで蔡英文政権のデジタル担当大臣に就任した天才プログラマーが、自身の考える「未来」のヴィジョンについて語った教養新書。 古い考えに固執せず台湾のデジタル民主主義を推し進めた氏から学ぶことは多い。 〈私が思うITの強みとは、“新しく何かが発明された時、それをとても簡単に、ほとんどコストを必要とせず、他の場所にいる人に使ってもらうことができる“ということです〉
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「世の中に良くなってほしいけど、何から始めればいいのか分からない」――そんなモヤモヤを抱える人に、この本は静かに、でも確かな道筋を示してくれます。 著者は、台湾のデジタル担当大臣として世界的に注目されたオードリー・タン氏。本書では、AIやオープンデータといったデジタル技術の話か...
「世の中に良くなってほしいけど、何から始めればいいのか分からない」――そんなモヤモヤを抱える人に、この本は静かに、でも確かな道筋を示してくれます。 著者は、台湾のデジタル担当大臣として世界的に注目されたオードリー・タン氏。本書では、AIやオープンデータといったデジタル技術の話から、民主主義や教育、社会参加の在り方までを、驚くほどやさしい言葉で語ってくれます。未来をつくる話というと遠い話に思えるかもしれませんが、この本はどこまでも“自分ごと”として語られます。 驚かされたのは、「オープンデータ」を活用することで、行政の仕事が単に効率化されるだけでなく、そこから市民の創造性や自発的な取り組みが生まれていくという視点。たとえば、公務員が毎回同じ問い合わせに対応する代わりに、必要な情報を公開しておけば、その時間をもっと価値ある仕事に使える。そして市民はその情報をもとに、新たなサービスや仕組みを考えられる。つまり、“情報を開くこと”が、官民の自然な協働を生み出すんです。 公務員になりたい人が減っている昨今、国の行政を担う仕事が創造的になり、なりたい仕事に返り咲くことを期待せずにはいられません。 さらにタン氏は、AIを“人工知能”ではなく“補助知能(Assistive Intelligence)”と呼びます。人間の判断や感性をサポートする存在としてAIを捉えることで、「人間が人間らしくあれる社会」の設計図が見えてくるのです。(ターミネーターではなく、ドラえもん的世界観) 終盤に引用されるレナード・コーエンの詩「There is a crack in everything / That’s how the light gets in(すべてのものには裂け目がある。そこから光が差し込む)」は、完璧じゃない自分にも希望をもたらしてくれるようでした。 読後、「社会は変わらないもの」ではなく、「変えていいもの」なんだと前向きになれます。未来は誰かが決めるのではなく、私たち一人ひとりが参加して、共につくっていくもの。その出発点に立たせてくれる一冊です。
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2016年オードリー・タン氏が台湾デジタル担当大臣として就任し、コロナ禍でのマスク不足解消のためにマスク管理在庫システムをすぐさま構築し、どの店に在庫が残っているのか各人スマホで確認購入出来る仕組みを3日間で稼働させたスピード感は心底羨ましかった。 その台湾を見て、日本も遅ればせながらデジタル改革担当大臣を2020年に設置。当初予定では、伊藤穣一氏に決まりかけていたが、スキャンダルが発覚し流れた。 そのスキャンダルとは、 《2019年、児童性犯罪者として有罪判決を受けたジェフリー・エプスタインとのつながりが明らかになり、エプスタインがメディアラボやMIT以外の伊藤のスタートアップにどの程度の金銭を贈与していたのかが明らかになった。伊藤は当初、謝罪文を書いたが、辞任はしなかった。伊藤は後に、エプスタインからラボのために52万5,000ドルの資金提供を受け、エプスタインが伊藤の個人投資ファンドに120万ドルを投資することを許可したことを認めた。2019年8月、複数の少女への性的虐待と児童買春で有罪判決を受けた実業家ジェフリー・エプスタインからメディアラボと伊藤自身が匿名での資金提供を受けていたことを明らかにし、謝罪した。本件への抗議のために研究員2名が辞任している。 伊藤は同年9月7日付でメディアラボ所長を含むMITでの関連職を辞任した》。 その後釜には、デジタル素人の平井卓也氏が任命され、その後も派閥人事のたらい回し役職となっているのはご存知の通り。(松島かれん、河野太郎、平将明) せめて伊藤穣一氏の代わりに、初代大臣に苫米地英人氏を選んでいたら現状を打開するチャンスだったのにと残念です。 さて、本書です。 オードリー・タン氏、面白い新たな取り組みに挑戦していてさすがです。 例えば、「二乗投票」システムの構想。 1人一票が原則の投票では、帯に短し襷に長しの候補が複数人いた時に困ります。この方法は、1人99ポイント持ち点があり、1票1ポイント、2票(2×2)4ポイント、3票(3×3)9ポイントで一人の候補につき最大9票(9×9)81ポイントまで使用可能です。この方法では、人ではなく政策重視の選択が可能となりますが、これは投票率の高い台湾だからこそ有効(2020年の台湾総統選挙での20代の投票率は約90%)なのかもしれません。日本では、総理自ら選挙公約は国民との約束ではないという趣旨の答弁を平気でしたり、毎回投票するのは利益団体や党員という日本では、逆におかしな結果になりそうです。現状では、まず投票率を上げて、民意が反映出来る状態にすることが急務です。 また本書の「ソーシャルイノベーションは地方にこそ必要」という意味は、地元民がいつでもアクセス出来る公開資料を増やすほど、まずは地方政治と市民が近づき、さらに国家の政策にも関心をもってもらえる効果を狙ったものです。 日本の黒塗り資料(のり弁)とは真逆の方向ですが、日本の為政者が国民を軽んじ、国家の決め事は「(民に)知らしむべからず」という状況下では、選挙への関心が低いのもある意味仕方ありません。 また本書で初めて知ったのが1987年まで続いた台湾の「白色革命(テロ)」。あまりの黒歴史のため、数十年前まで台湾の一般家庭で話題にすら出来なかったらしい。 《“白色テロ”とは、中国国民党政府の民衆弾圧の引き金となった1947年2月28日に台湾の台北市で発生し、全土に広がった“二・二八事件”以降、反体制派に対して政治的弾圧が行われた時代。1947年と1949年から敷かれた二度の戒厳令が1987年に解かれるまで、40年にわたって恐怖政治が続いた台湾の負の歴史だ。そもそも台湾は、戦後、半世紀におよぶ日本の統治が終了し、国民政府が失地回復のため行政を引き継ぎ、中国の一部、中華民国台湾省となるが(台湾光復)、国共内戦の結果、中国本土で中華人民共和国が成立すると、敗れた国民政府が亡命政府として南京から移転してきた…という特殊な背景を持つ場所。 本土から移り住んできた国民政府の外省人たちは、台湾に元々住んでいた民衆(本省人)に対して支配者的に振る舞い、それに対し、二・二八事件で不満を爆発させた本省人のインテリ層や学生が共産主義に傾倒。すると反共の色を強めた戒厳令が敷かれ、集会やデモ等の禁止、出版物の検閲などを政府が実施し、市民の逮捕や投獄、殺害も行われ、思想や言論の自由が恐怖政治によって奪われてきた》。 そして、印象に残った言葉。 「なぜ誰もやらないんだと嘆くより、まずは自分がその“誰もやらないうちの1人”であることを認めよう」 政治は人によって大きく変わるし、変えられる、という事実がよくわかりますね。
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2020年代の思想のひとつとして読みました。 理想論すぎるところはあるかもしれませんが、コロナ前とは色々なことが変わった世の中で、生き方や考え方のヒントをいただけたように思います。 SDGsへの向き合い方、とても腑に落ちました。
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