夏の体温 の商品レビュー
瀬尾まいこさんの本はいつもちょっぴり切なくて、でも読み終わると心がホカホカ温かくなって大好きです。 「魅惑の極悪人ファイル」のストブラ(倉橋さん)と大原さん、ふたりともとても良かった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「病院の中では自分の気持ちをどう動かすのが正解なのか、どんな感情を持つのが正しいのかよくわからなくなってしまう」 病気は子供を不相応に大人にさせる。 不本意な時間は永遠にも思えて 楽しい時間は、でも、あっという間で。 瀬尾さんの描く子供は、せつなくて、やるせない。 たった3日間の友情は、焦燥感と高揚感がないまぜの、濃密でキラキラした夏そのもののよう。干乾びたバッタの死骸は標本のようで、きっと二人で共有した一瞬一瞬を、その時々の感情もそのままに、色褪せない思い出として留めてくれる。
Posted by
連日の暑さの中で見る、本のタイトル、 チョッと暑っ苦しい感じだけど、 中身はとってもさわやかだった! 「夏の体温」 長期入院している瑛介にとっての初めての親友ができたみたいで、親のようにうれしくて感激した。 病気を抱えて生活しなければならない子供達やその家族にとっては、大変だと...
連日の暑さの中で見る、本のタイトル、 チョッと暑っ苦しい感じだけど、 中身はとってもさわやかだった! 「夏の体温」 長期入院している瑛介にとっての初めての親友ができたみたいで、親のようにうれしくて感激した。 病気を抱えて生活しなければならない子供達やその家族にとっては、大変だと思う。 表紙の絵もほっこりとする。 「魅惑の極悪人ファイル」 大学生で小説家の大原と、ストラブとの出会い、 コントのような掛け合いが楽しかった。 「花曇りの向こう」 転校生の微妙な心理描写、おばあちゃんとの会話、 瀬尾さんらしさが出てた。教科書にピッタリ。
Posted by
夏の体温...読了後は、娘が大きくなって、読書をするようになったら、瀬尾まいこさんをすすめたいなぁと思った。 二編目の「魅惑の極悪人ファイル」は、最近読書にハマって本ばかり読んでいる私に優しく語りかけてくれたような気がした。 本や妄想で感情が動くこと、豊かになることはもちろんあ...
夏の体温...読了後は、娘が大きくなって、読書をするようになったら、瀬尾まいこさんをすすめたいなぁと思った。 二編目の「魅惑の極悪人ファイル」は、最近読書にハマって本ばかり読んでいる私に優しく語りかけてくれたような気がした。 本や妄想で感情が動くこと、豊かになることはもちろんあるけれども、やっぱり人と人との関わりで心を動かすことも必要よねって。 大人になると、そんなにがっつり人と向き合うことって少ないからなかなか難しいけど、まずは自分の手の届くところって何かなぁなんて考えるなどした。 心に爽やかな風を感じるような短編集でした。
Posted by
早く読まなきゃ夏休み終わっちゃう!って借りてる本の中から優先的に読んでみた。 この夏は足を骨折しているせいで仕事以外はほぼ引きこもりみたいな生活をしているけども、病院の中はもっと窮屈だよなぁ。 しかも私のギプスのように終わりが見えている訳じゃないもんなぁ。 上の子を産んだ時、私は...
早く読まなきゃ夏休み終わっちゃう!って借りてる本の中から優先的に読んでみた。 この夏は足を骨折しているせいで仕事以外はほぼ引きこもりみたいな生活をしているけども、病院の中はもっと窮屈だよなぁ。 しかも私のギプスのように終わりが見えている訳じゃないもんなぁ。 上の子を産んだ時、私は予定通りに退院できなかったの。 帝王切開の術後の傷の問題でね。 周りがどんどん退院していく中で、終わりの見えない入院期間に突入した時は気分が滅入ったもんなぁ。 でもどの話も最後に希望が見えるのがいいよね。 裏表紙に隠された意味に気付いた時にもよくできた本だなって思った。
Posted by
瀬尾まいこさんの未読作品。短編集。他の作品よりややラノベ感があり意外に思いましたが、面白かったです。
Posted by
爽やかな小説だった。絶望するほどでは無いけれど、どこか虚しさや劣等感を感じている主人公達が少しずつ変わっていくお話。共感できるところが沢山あり、こちらに優しくこちらに寄り添ってくれるような感じがした。
Posted by
オーディブルにて。 病気の子の、でも全然トクベツじゃない、イマドキの子の目線。苦しみも嬉しさも子どもらしさと現代らしい「空気を読む」対応力、友達と出会えた喜び等々が活き活きと描かれていてついつい先へと進んでしまう。 大きな悲劇もドラマティックな大事件もないけれど、彼らを支える人達...
オーディブルにて。 病気の子の、でも全然トクベツじゃない、イマドキの子の目線。苦しみも嬉しさも子どもらしさと現代らしい「空気を読む」対応力、友達と出会えた喜び等々が活き活きと描かれていてついつい先へと進んでしまう。 大きな悲劇もドラマティックな大事件もないけれど、彼らを支える人達も含めて、それぞれの場でそれぞれの運命を受入、それぞれが頑張っている様子全部を応援したくなっている自分に気付く。 一緒に入っている短編も良かった。 ラクではないけど自分なりに頑張って行こう。 そう思わせてくれる一冊。
Posted by
どの話もたまらなく好きなんだけど、極悪人の話がクリーンヒットでした。もしこれを学生時代に読んでいたら私の人生が変わったかもしれないし、今読んだおかげで心と現実の目がかっぴらいた 瀬尾さんワールド健在。瀬尾さんの書く子供たちがとても好きです。ぜひこの世界の温度感のままでいてほしい
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小児病棟で1ヶ月以上入院している瑛介が、検査のため入院してきた同い年の壮太と出会って、友情を育む表題作。 表題作は私がイメージしていた瀬尾まいこ先生独特の、少しとぼけたような気の抜けた感じが少なく感じた。 でも2人が今の自分の置かれた立場や環境を前向きに捉えて、二人がら会えたことや友達になれたことを肯定的に考えられるの素敵だな。 2作目の、人間の暗い部分や悪人を描くべきとアドバイスを受けた作家が、腹黒であるとして「ストマックブラック」、「ストブラ」と呼ばれている同級生に、取材に行く「魅惑の極悪人ファイル」。 読みながら何度もふふっと笑ってしまった。こちらはイメージしていた瀬尾まいこ先生の話に近くて好き。 ストブラの高校時代のバスケ部の話を聞いて、不条理を感じたり腹が立って、振る舞おうとしていた生キャラメルをストブラに「私、そんな気分じゃないので」と切らせる主人公がとても好ましい。 この2人、すごくいいコンビだよ。 実際に友人に助けて欲しい時は、事故の時でも病気の時でもなくて、「学食での昼ごはん、いつもだと一人でもいいんですけど、たまに周りが知り合いばかりで、でもその知り合いたちはみんな誰かと一緒で、一人でいることが浮いてしまう時に声をかけてくれるとか、夜中ふと心細くなって、でもスマホのアドレス開いてみても、自分にはたやすく連絡できる相手が誰もいないと気づいた時に電話できるとか」なんだよね。共感ポイント。 転校を繰り返す主人公が、新しいクラスメイトと仲良くなれそうなきっかけの話「花曇りの向こう」も爽やかで穏やかな気持ちになれるお話だった。
Posted by