くらやみガールズトーク の商品レビュー
『わたし、定時で帰ります。』で働く女性たちの日常をリアルに描いた朱野帰子さんが、本作では一転して女子たちの“くらやみ”を描く。 『幽』などに掲載された八編を収録。とはいえ、いずれも単なる怪談ではない。 仕事や人間関係の中で揺れる女性たちを、あまりにも現実的に描くがゆえにホラーと...
『わたし、定時で帰ります。』で働く女性たちの日常をリアルに描いた朱野帰子さんが、本作では一転して女子たちの“くらやみ”を描く。 『幽』などに掲載された八編を収録。とはいえ、いずれも単なる怪談ではない。 仕事や人間関係の中で揺れる女性たちを、あまりにも現実的に描くがゆえにホラーとなるもの、逆に少しファンタジーの気配を帯びたものと、作品ごとに設定を変えながら“女子たちのくらやみ”を読ませてくれる。 ホラー風味の物語の底には、職場の温度、家族や親族関係の中に潜む言葉にしづらい違和感を潜ませています。 中でも「花嫁衣装」に描かれた、昭和には確かに存在した“嫁ホラー”の気配が印象的でした。
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解説でホラーと書かれているのをみて納得した。全部読み終わると女性特有の人生での分岐点が死としてそこから生まれ変わる話だとわかった。これまでの自分を失ってもちゃんと生きていけると言われたようで心強い。
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訪れた人生の転機に伴い、周りから課せられる軋轢や抑圧。主に女性に起こるそのことは、よくあることと言ってしまえばそれまでだけれど、溜め込んだ鬱屈はどこへ行くべきなのか。現実に即しているのに、読むうちに現世と幽世の境目があやふやになってしまうような、独特の読み口の怪談短編集です。 一...
訪れた人生の転機に伴い、周りから課せられる軋轢や抑圧。主に女性に起こるそのことは、よくあることと言ってしまえばそれまでだけれど、溜め込んだ鬱屈はどこへ行くべきなのか。現実に即しているのに、読むうちに現世と幽世の境目があやふやになってしまうような、独特の読み口の怪談短編集です。 一番印象的なのは「花嫁衣裳」でした。ここでで描かれるのは、結婚。本来は誰にでも祝福されるようなことだし喜ぶべきことなのに、この不安と不快感は何なのでしょう。新生活というのが新しい自分として生きることなら、古い自分は死んだということのか。押しつぶされすり減っていく主人公の前に現れた怪異は恐ろしいのだけれど、どこかしら優しさも感じられました。そういえばその前の「鏡の男」の怪異もなんだか優しいんだよね。人間の方がよほど醜悪に思えます。 一番怖いのは「藁人形」です。これはいわゆる怪異は登場せず、ひたすら人間の情念の物語で、どこまでも邪悪で救いようがありません。これと比べると、本当に他の怪異の優しさが身に沁みました。「ガールズトーク」のあの子たちすら可愛いとしか思えませんよ。 ラストの「帰り道」にははらはらどきどきしっぱなしでした。迷い込んでしまった異世界から、少女は無事に帰れるのか。彼女が見た世界の不思議さも魅力的。謎の看板の数々が、センス良すぎでした。
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対岸の家事のドラマをみて原作者が気になったので手に取った一冊。 タイトルからブラックな女子トークの話か…?と 思いきや、なかなかのホラー!! 鏡の男を読み終わってこわくなったので 日の出ている時間に読み切りました。笑 子育て真っ只中世代として『獣の夜』は分かりみが過ぎる…!!抱っこした時にふと気づく、我が子の真っ白に輝くすべすべ肌と自分のカサカサくすんだ手のコントラストを見るたびに話中の「人間をやめた」というフレーズを思い出すようになりました。 自分はどうあれ絶対にこの子は守らなければと思う気持ちは本当に獣の本能でしかない。人間も所詮は動物なんだなと思い知らされる。 『花嫁衣裳』の気持ち悪さもわかるし、 『子育て幽霊』の切なさも沁みたな。 短編集のようで読みやすいけれども、 女性の人生が詰まった濃い〜〜一冊でした。
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ちょっとファンタジー要素あり。ファンタジーをあんまり読むタイプじゃないので、世界観に入っていくのに少し時間がかかった。前半はこの本あんまり合わないかも?と思っていたけど、後半になるにつれどんどん合う内容になっていった。 なので、好きだったのはラスト2編 「変わるために死にゆくあな...
ちょっとファンタジー要素あり。ファンタジーをあんまり読むタイプじゃないので、世界観に入っていくのに少し時間がかかった。前半はこの本あんまり合わないかも?と思っていたけど、後半になるにつれどんどん合う内容になっていった。 なので、好きだったのはラスト2編 「変わるために死にゆくあなたへ」 「帰り道」 いろんなきっかけで今の自分が死に、新しい自分が生まれる。っていう考え方が新鮮でいいと思った。私だけじゃない、みんな今の自分が死ぬのは怖いんだってことがわかったのは、うれしかった。 ほっこり系小説が続いていて刺激的な内容を求めていたので、表紙がイマドキで面白そうという理由で借りた。笑やっぱり味変も大事!
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鏡の男 私 実家から脱出した。 母 つねに妹のことを心配している。 父 自信のある男。 彼 夢遊病。 花嫁衣装 私 父方の伯父 祖母 職場の先輩 二年前に結婚して妊娠九ヶ月目。 大伯父 ガールズトーク 私 こけしを集めている。 四十代後半の会社経営者 こけしを収集している。 藁人形 松本祐実 まじめに、人に迷惑もかけずに、一生懸命生きてきた。冷凍食品を製造する会社に勤めている。三十三歳。 高田圭介 大手スーパーに勤める営業部員。経営企画室に異動。 鶴橋 祐実の先輩。ふっくらした美人。三十六歳。バツイチ。 坂口 祐実と一緒に冷凍ピザの開発をしている。 芽衣子 圭介の妻。 獣の夜 子供を産んでから完全な眠った夜はない。 子育て幽霊 芙美 母 アルツハイマー。 変わるために死にゆくあなたへ 松木陽菜 小学六年生。中学に進学。 母 恋愛なんかしなくても幸せになれるわよた陽菜に言った。 原口翔 陽菜がいいなと思った同じクラスにいる男子。 帰り道 鈴音 小学三年生。 ひいおばあちゃん 九十八歳で亡くなる。 お母さん 妊娠中。 おばあちゃん
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選択的夫婦別姓制度を調べていて見つけた本。 『花嫁衣装』という作品が、姓を扱っていました 結婚して今までの姓から夫の姓になり、義父母や親族から、同じ姓を名乗る身内として束縛を受けていく様子が描かれています。 いまどき、ここまでの呪縛があるかどうかはわからないけど、婚姻によっ...
選択的夫婦別姓制度を調べていて見つけた本。 『花嫁衣装』という作品が、姓を扱っていました 結婚して今までの姓から夫の姓になり、義父母や親族から、同じ姓を名乗る身内として束縛を受けていく様子が描かれています。 いまどき、ここまでの呪縛があるかどうかはわからないけど、婚姻によって姓を変えるのは、ほとんどが女性。「1回死んだ」と思って夫の姓に変わったと言う、主人公の職場の同僚の言葉は重いです。 専業主婦が圧倒的に多かった時代とは異なり、女性の社会進出(これも死語か?)は、もはや当たり前。働き手世代が減っている中、政府が女性の労働力の活用とか言っている。(活用ということばは大嫌い!)(すぐに、活躍と言葉を変えてたけどね) そんな時勢に、雇用の途中で姓が変わるとか、面倒くさくてたまらない。家父長制の残滓とか言われても仕方ないのじゃないかな。 わたしは、早く制度導入されれば良いと思いますけどね。選択的夫婦別氏(姓)。 選択肢が増えることで、自分の人生を自主的に考えるきっかけができると思います。 以下、法務省のホームページより引用 夫婦の氏に関する制度は国によって様々ですが、平成22年に法務省が行った調査等によれば、 ⑴ 夫婦同氏と夫婦別氏の選択を認めている国として、アメリカ合衆国(ニューヨーク州の例)、イギリス、ドイツ、ロシア、 ⑵ 夫婦別氏を原則とする国として、カナダ(ケベック州の例)、韓国、中華人民共和国、フランス、 ⑶ 結婚の際に夫の氏は変わらず、妻が結合氏となる国として、イタリア があります。 もっとも、法務省が把握する限りでは、結婚後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならないとする制度を採用している国は、日本だけです。
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もやもやするーー!!そして、わかるーー!! って感じ。 オムニバス形式で8話からなる短編集。 ポップで可愛い表紙からは想像できない、ちょっとゾゾっとしてしまうようなお話ばかり。 どんな怖さっていうかというと、強いものに虐げられて踏みにじられてしまう女性たちの本音が、淡々としてて、...
もやもやするーー!!そして、わかるーー!! って感じ。 オムニバス形式で8話からなる短編集。 ポップで可愛い表紙からは想像できない、ちょっとゾゾっとしてしまうようなお話ばかり。 どんな怖さっていうかというと、強いものに虐げられて踏みにじられてしまう女性たちの本音が、淡々としてて、だけど静かな炎のように熱く揺らめく感じ。 諦めとか、でも堪え切れない憤りとか、愛情とか。 ある種の怨念?みたいなものを感じるんだよねー。 しかも、男性側は悪意がないと思ってるところがまた...。 あたしが印象的だったのは「花嫁衣装」 結婚したら当たり前のように夫の姓を与えられて、嫁にもらわれたとの名目のもと、まるで「モノ」のようにされてしまうのではないか、という不安と嫌悪感がものすごく怖い。 妊娠中、義父にお腹を触られ、「いつから私は勝手に身体を触られてもいいような人間になったのだろうか?」(本が手元にないので、ニュアンスです。) ってところは、ほんとにわかりすぎて、気持ち悪すぎて倒れそうになった...。。 そして夫は「悪い風にとらないでよ。」って、わかってくれない。。 怖いよーー。 でも各編、最後は希望があるラストだったりもするので、ズーンとはならないかな。
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女性が主人公のほの暗い話の短編集。 ひとつひとつが短くて読みやすい。 「花嫁衣装」 花嫁衣装が白いのは、一度死んで、婚家の人間として生まれ変わるという意味があるから。女性が姓を変えるのが当たり前の時代。でも、それまで一緒に生きてきた苗字を捨てていく作業は、自分が死んでいくように感...
女性が主人公のほの暗い話の短編集。 ひとつひとつが短くて読みやすい。 「花嫁衣装」 花嫁衣装が白いのは、一度死んで、婚家の人間として生まれ変わるという意味があるから。女性が姓を変えるのが当たり前の時代。でも、それまで一緒に生きてきた苗字を捨てていく作業は、自分が死んでいくように感じる。なんだかそのモヤモヤな当たり前は、変えていきたいところだと思う。 「藁人形」 呪の藁人形。恋は人を変えると言うけど、この短編は恋に狂わされる女性が多く描かれており、本作の主人公もそのひとり。 「獣の夜」「子育て幽霊」 子育ての壮絶さというか、母が命を削って子育てをしているのだなと感じる。 「変わるために死にゆくあなたへ」 カースト上位グループを祝福組と呼ぶのが斬新。ちな下位は「そうでない組」
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ライフステージが変わる度に、元の自分は死んでいく……結婚、出産、子育て、介護。 経験してることは殆ど無い(失恋のみ)なのに心に刺さるので、経験者だともっと心にくるんだろうと思います。 「鏡の男」と「花嫁衣装」の描写がキツくて読むのを諦めそうになりましたが、「獣の夜」「子育て幽霊」...
ライフステージが変わる度に、元の自分は死んでいく……結婚、出産、子育て、介護。 経験してることは殆ど無い(失恋のみ)なのに心に刺さるので、経験者だともっと心にくるんだろうと思います。 「鏡の男」と「花嫁衣装」の描写がキツくて読むのを諦めそうになりましたが、「獣の夜」「子育て幽霊」が圧巻でした。あんまり大きく出るのは好きじゃないけど、老若男女読んで欲しいこれ。。。ここの4篇だけでも。 ラストの「帰り道」もしみじみ良かった。良い話だ…と思ったらラストそうきたか…。びっくりだけれど彼女は強く生きていくだろうな。 思ってたより怪談話でした。しんといけれど面白かった。
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