ななみの海 の商品レビュー
近所の図書館で借りて。 読みやすく、サラサラ読めた。 児童養護施設で暮らす女子高生、ななみのお話し。ななみや、「寮の子」たちの心理描写がとても丁寧で、物語に引き込まれました。親友、みえきょんとの絆にも感動しました。 「いい大人が増えれば、困らない子どもも増える」っていうお話しの部...
近所の図書館で借りて。 読みやすく、サラサラ読めた。 児童養護施設で暮らす女子高生、ななみのお話し。ななみや、「寮の子」たちの心理描写がとても丁寧で、物語に引き込まれました。親友、みえきょんとの絆にも感動しました。 「いい大人が増えれば、困らない子どもも増える」っていうお話しの部分、ななみに感情移入し過ぎて涙が出た…。 そんな世界になるように、私も生きていきたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
児童養護施設から高校へ通うななみの受験や部活や施設での日常を描いた物語。 ななみは努力を惜しまないとても良い子なのである。医者を目指してトップクラスの成績を維持するほど勉強し、学祭で部活のダンスを披露するため練習し、施設では一緒に住む年下の子たちの面倒も観て… だけど、当然ながらティーンエイジの不安定さも持っているし、18歳になると施設を出ていかないといけない(そういえばそのためにバイトして全額貯金もしてるんだった、どれだけエラいんだこの子は)という焦燥感もあるし、親がいる友人たちに対する葛藤もある。、「馬鹿にされちゃアいけない、誰にも負けちゃアいけない」と育てられた祖母の言葉の呪縛、親のいる友達たちの言動に違和感を感じ、施設の窮屈さにストレスを抱える。 イライラする毎に爪を噛むクセが頻出し、指に血がにじむこともしょっちゅう…あぁ、これはひょっとしてななみがいつか決壊して崩壊してしまう哀しい物語なのかもなぁ…と思って読み進めたが。 そんな黒い小説ではなかった、読んでよかったと思える読後感。青春応援譚ではあるが、是非我々大人が読んでも十分に面白い、というかむしろ我々が読むべき小説なのかも。 良い大人になろう。良い大人がたくさんいる世の中にしよう。
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読んだ後、「他者理解のありようはななみのように変容していくか」という問いが浮かび、私もななみのように変化したと考えた。この小説では序盤、ななみは施設に居ながら一緒に施設で暮らす子どもや職員を疎外していた。終盤になると、疎外していた世界を受容していく。これは様々な経験を積み、他者の...
読んだ後、「他者理解のありようはななみのように変容していくか」という問いが浮かび、私もななみのように変化したと考えた。この小説では序盤、ななみは施設に居ながら一緒に施設で暮らす子どもや職員を疎外していた。終盤になると、疎外していた世界を受容していく。これは様々な経験を積み、他者の気持ちが想像できるようになることで他者や自己の理解が深まったからだと考えた。人間性が未熟な内は他者が希薄になっていくが、年齢を重ね、経験を積むことで他者の立場や気持ちが慮れるようななる。そのようなプロセスを自分自身も経てきたと思った。
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伝えたいものがある人が書くものは強い。 作者の伝えたいことがまっすぐ届いて、途中何度も泣きそうになった。 ストーリー展開は「翼の翼」の方が凝っていて、読ませるものだったけど、こちらはストレート。もう少し友達の背景を知りたかった。けど、ななみの心情を第一にしてるから仕方ないのかな...
伝えたいものがある人が書くものは強い。 作者の伝えたいことがまっすぐ届いて、途中何度も泣きそうになった。 ストーリー展開は「翼の翼」の方が凝っていて、読ませるものだったけど、こちらはストレート。もう少し友達の背景を知りたかった。けど、ななみの心情を第一にしてるから仕方ないのかな。
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有川浩さんの「明日の子供たち」が頭に浮かんだ。 いい大人になりたいと真摯に考え前向きに進む高校生ななみの姿が眩しかった。 同じ施設で暮らす弟妹の様な子どもたちに向ける優しさや割り切れない悶々とした気持ち、施設外の友人達との関係etc… 親に頼れない子ども達… 子どもに罪はない。 ...
有川浩さんの「明日の子供たち」が頭に浮かんだ。 いい大人になりたいと真摯に考え前向きに進む高校生ななみの姿が眩しかった。 同じ施設で暮らす弟妹の様な子どもたちに向ける優しさや割り切れない悶々とした気持ち、施設外の友人達との関係etc… 親に頼れない子ども達… 子どもに罪はない。 守られなければいけない。 いい大人でありたいと思った。
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朝比奈あすかさん…子供たちの揺れる感情を文章にすることに長けてますよね!ホント、読んでいて物語上のことながら、私が同年代だったころ、うちの子供たちが同年代だったころのことを自然と思い出させてくれます。 こちらの作品は、児童養護施設で暮らしている高校生のなつみが主人公…。医学...
朝比奈あすかさん…子供たちの揺れる感情を文章にすることに長けてますよね!ホント、読んでいて物語上のことながら、私が同年代だったころ、うちの子供たちが同年代だったころのことを自然と思い出させてくれます。 こちらの作品は、児童養護施設で暮らしている高校生のなつみが主人公…。医学部への進学を目指して勉学に励むとともにバイトもしている。さらにダンス部で友達と切磋琢磨しつつ友情を育み、同じ目標を持つ彼氏もできる…。一見して、順風満帆のような高校生活だが、友達や彼氏との関係、同じ施設で生活する子供たちと職員との関係、将来の夢と、過去のトラウマなど…悩みも多く感じている…。そんな、ななみの成長の物語…。 作中、気になったのは、『子どもって、大人次第じゃん?』『だったら、いい大人が増えれば、困らない子どもも増えるっていう、単純な原理。でも、本当はそれが世界でいちばん大事なことだと思う』という会話のシーン…。いい大人になるためになるため、子供たちもだけれど、大人だって気をつけなきゃならない…そう感じました。子供たちの数だけ、様々な人生があるし、夢もある…。それを応援できるいい大人でありたいです。
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朝比奈さんの作品を読むのは『翼の翼』『人生のピース』に続けて3冊目。電車で終点まで行くと海がある街の児童養護施設で暮らす、高校生のみなみが主人公。 母が病気で亡くなってから一緒に暮らしていた祖母も認知症になってしまい、施設で暮らすことになったみなみ。祖母宅から施設に移るまでの描写は読むのが辛かった。 亡き祖母からの刷り込みで寮の子たちに取り続けていたマウント、それ故に作られていた医者になりたいというみなみの夢。親に言われて何となく医学部受験を目指している子たちは実際にいそう。 みなみの進路変更の一因は血や解剖が苦手なことだったが、医学部に入った後で気づいてしまう人もいるのだろうか…。 幸せそうなお嬢様として描かれていたズミの高校中退、いかにも賢そうな浅見くんの浪人など、読者の思い込みと真逆に振れる結末も面白かった。 寮の子や職員に時に冷たい態度を取りつつも、勉強を教えて心の底では子どもたちを気にかけていたななみ。きっと良い先生になれる。
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家の子、寮(児童養護施設)の子。 ななみは寮の子だけど、そのことを友だちには隠している。 勉強、バイト、恋愛、高校生の普通の悩みに加えて、自分の環境や、将来のこと、友だちづきあい、いろいろ。 ななみがまじめに考え、成長していく。 ちょっと全体にかたかった気がするので星は3つ。
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大学受験を目指していた頃、友達関係や家族関係、いろいろ同時並行で悩んでいたことを思い出した。多感なこの頃に、どのような大人に出会うのかは、本当に人生を左右する。 また、他の人からみたらあれ?と思いような決断も、本人の満足度や幸福の基準とは違うこともある。 難しいよね。難しいけど、...
大学受験を目指していた頃、友達関係や家族関係、いろいろ同時並行で悩んでいたことを思い出した。多感なこの頃に、どのような大人に出会うのかは、本当に人生を左右する。 また、他の人からみたらあれ?と思いような決断も、本人の満足度や幸福の基準とは違うこともある。 難しいよね。難しいけど、悩み抜いて自分の決断に自信を持って欲しいし、それを支えられる大人になりたいと思う。
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児童養護施設で育っている子供達の話、ななみの生活を中心に繰り広げられている。 実際に「寮」という表現はするのだろうか。 浅見くんみたいな人はいるけど、会話するのはしんどそう。 やはり施設の子ども達の支援方法はもっと考えられるべき。
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