ななみの海 の商品レビュー
中学受験の塾の先生からおすすめされて、娘のために図書館から借りてきました。国語のテストに出そうだよー、とのことでしたが、当人は夏期講習で忙しく、全然読めそうになったので私が読むことにしました。 がしかし、二週間も家にあったのにもかかわらず触手が全然伸びず、貸出期限が来てあえなく返...
中学受験の塾の先生からおすすめされて、娘のために図書館から借りてきました。国語のテストに出そうだよー、とのことでしたが、当人は夏期講習で忙しく、全然読めそうになったので私が読むことにしました。 がしかし、二週間も家にあったのにもかかわらず触手が全然伸びず、貸出期限が来てあえなく返却することになりました。それでも二回ほど手にとって読んでみたものの、主人公が高校生、という設定が、あまりにも私から遠すぎるせいか、もしくは主人公とは性格が違いすぎるのか、心境がよく理解できず、8ページ目で断念です。 雰囲気はきれいです。時間が湯水のごとくあれば、読み進められたかもしれません。
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とても読みやすいのでどんどん進められるが、内容は濃い。心の描写が素晴らしい。明るいだけの話ではないが、なぜか前向きな気持ちになる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前半は、今どきの高校生たちの会話について行けず、いまいち感情がはいらなかったが、後半はよかった。 児童養護施設で暮らすななみのお話。 ラスト、みえきょんがななみに「何も話してくれても、話さなくてもそれは関係ない。ななみんだから大好きだ。」というシーンが感動した。高校生、いろいろ友人関係もあるし自分の立場もあるし、言いたくない事もある、それを全部含めて友達なんだ。というみえきょんの気持ちがよかった。それをどうしても今日中にななみに伝えたいという熱い気持ちがうらやまし!!! 児童養護施設でのななみ以外の子供たちのエピソードもいろいろあるが、特に玲奈ちゃんのお母さん、どうか玲奈ちゃんと幸せに生活してほしい!と心から願う。 養護施設で過ごす高校生の大学進学率は低い、お金がない子が多く、ななみも進学校に通いながら大学進学のためのアルバイトをしていた。本当に学びたい子がしんどい思いをせず学べる世の中になったほしいと思う。
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高校生の気持ちをこんなに繊細に表現できるなんてすごいと思う。ただこんなに繊細で気を遣わなくてはいけない生活は、自分にはできない。息苦しく辛い。
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児童養護施設を舞台とした小説。有川浩さんの作品を思い出しつつ、どうしても比較しながら読んでしまう意識がある…。施設に入っていないから普通?幸せ?、等とは言えない現実。様々な境遇を抱えながら親友として付き合っていく危ういバランス。はらはらしつつも、しみじみ読了させて頂きました。
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児童養護施設で暮らすななみの物語。 大変な環境の話だけど、暗くなりすぎずに高校生らしい爽やかな雰囲気で描かれているところが読みやすかった。 「いい大人が増えれば、困らない子どもも増えるっていう、単純な原理。」 に同感。 ちょっとでもいい大人になろうと思った。
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児童養護施設で暮らす高校2年生のななみ 仲の良い学校の友達にも施設で暮らしていることは明かしておらず、普通の高校生としての毎日を送っている こういう物語としてありがちな いじめだとか偏見だとか酷い嫌がらせは出てこない かといって、出てくる人物がみんないい人だったりもしない た...
児童養護施設で暮らす高校2年生のななみ 仲の良い学校の友達にも施設で暮らしていることは明かしておらず、普通の高校生としての毎日を送っている こういう物語としてありがちな いじめだとか偏見だとか酷い嫌がらせは出てこない かといって、出てくる人物がみんないい人だったりもしない ただ、普通の人たちが『普通に』暮らす中に入ると 施設に過ごすななみはそこここに隔絶を感じてしまう やはり一番大きいのはお金の問題 アルバイトをしながら進学費用を稼ぎ、その疲れた体で定期試験を受け、大学に入るための勉強もしなくてはいけない 『家の子』が親に言われて嫌々塾に行って勉強をするのに対して 『寮の子』は自分がここから抜け出すために必死で頑張っている 家の子だからといって幸せな家庭ばかりではない ななみから見たらとても裕福な家庭で問題なさそうな家の子であっても 心に暗い闇を抱えていたりする また、寮の子にも更に一人ひとりの違った家庭環境があり 親がいても一緒に暮らせない場合もある その関係性もまた難しい どんなところで育っていたとしても 子どもが何かを願った時に それが叶えられる世界であったら幸せなのにな そう思う
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施設で暮らす高校生 ななみの、「18歳で施設を出て自立しなければならない」という現実が重い。 帰る場所があって一人頑張るのと、そうではなく一人で頑張らないといけないのとでは気持ちの上では大きく違う。 医学部を目指すななみの青春の日々。受験、部活、恋、アルバイト、友人とのすれ違い...
施設で暮らす高校生 ななみの、「18歳で施設を出て自立しなければならない」という現実が重い。 帰る場所があって一人頑張るのと、そうではなく一人で頑張らないといけないのとでは気持ちの上では大きく違う。 医学部を目指すななみの青春の日々。受験、部活、恋、アルバイト、友人とのすれ違い…。 焦りや不安、いろんな苦しみや葛藤を乗り越えて、ななみが本当に喜びを感じる道に向かえて良かった。 『子どもって、大人次第じゃん?』 『だったら、いい大人が増えれば、困らない子どもも増えるっていう、単純な原理。 でも、本当はそれが世界でいちばん大事なことだと思う』 ななみと友人の会話が胸に深く刺さった。ホントその通りだと思う。 虐待のニュースを見るたびに心が痛む。 学校も、親も、社会に出たって現実は素晴らしい大人ばかりじゃない。だからこそ、子どもたちに心の拠り所や救いとなる存在の大人がいて欲しいと思う。 痛みを知るななみが、将来子どもたちが頼れる大人の一人になってくれたら嬉しい。 どうか子どもたちの未来が素敵な出会いにあふれ、明るいものでありますように。 自分も誰かにとっての頼れる大人の一人でありたいと思いました。
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この作者の本を読むのは、3冊目。どの作品も思春期の女子のモヤモヤする気持ちが、詳細に描かれている。作品と同じ年齢の時に読んでいたら、自分の内面をすべてのぞかれているようで息苦しいぐらいだったかも。
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施設の子のおはなし。 施設の子には、施設の子らしさというものがあるのだろう。それは僕ら社会学者からすれば、当然のようにあるはずだ。 だけど、幸福な家庭はどれも似ているが、不幸な家庭がみな違うように、施設の子にも様々なあり方がある。そしてそうした子たちと一緒にされたくないという子も...
施設の子のおはなし。 施設の子には、施設の子らしさというものがあるのだろう。それは僕ら社会学者からすれば、当然のようにあるはずだ。 だけど、幸福な家庭はどれも似ているが、不幸な家庭がみな違うように、施設の子にも様々なあり方がある。そしてそうした子たちと一緒にされたくないという子も当然出てくる。それも中産階級の黒人の子のような、ある種の法則性に則った葛藤と言えなくもない。 この作品は、親をなくし、育ててくれた祖母も認知症で子育てができなくなり、施設にひきとられていった子が、施設の子という劣等感をはねかえそうとがんばりつつ、徐々にそうしたアイデンティティを上手に受け入れていくお話と言えそう。 一緒の施設の子たちや学校の友達など、たくさんの子どもたちが描かれ、その誰もが葛藤を抱えていて、そのさまが実にリアル。本当にいそうな感じで、丁寧に取材をした上で書かれていることがよく伝わってくる。 主人公は自分自身の抱えている感情について、とても自覚的でそれについて深く考え、悩み、自分をごまかさずにまっすぐに悩み続けているので、文章としてはかなり重いし、読んでいて若干疲れるところもあるのだが、その悩みが無下にできず、ともに考えたいという気持ちにさせられる。 はじめて読むが、信頼できる作家さんだなあと感じさせられた。他の作品もぜひ読んでみたい。
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