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Blue の商品レビュー

3.9

29件のお客様レビュー

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2024/09/15

平成の格差社会が生んだ闇を浮き彫りにするクライムノベル。 平成元年に生まれた無国籍児、青(通称ブルー)に何があったのか。 平成という時代を象徴する事柄がふんだんに散りばめられ、振り返りながらの読書となりました。 しかし重たいです。 貧困、暴力、虐待、外国人労働者、薬物などの問題...

平成の格差社会が生んだ闇を浮き彫りにするクライムノベル。 平成元年に生まれた無国籍児、青(通称ブルー)に何があったのか。 平成という時代を象徴する事柄がふんだんに散りばめられ、振り返りながらの読書となりました。 しかし重たいです。 貧困、暴力、虐待、外国人労働者、薬物などの問題が盛りだくさんで、戦争はなかったけれども歪んでいた社会の実情が容赦なく突き付けられます。 切なく悲しい物語です。 二部構成で二件の殺人事件、二人の刑事の視点で語られる構成が効果的。 追う側の刑事たちも家庭に問題を抱えているところもリアリティがあって、物語に深みを与えていた気がします。 親や環境は選べない。様々な親子関係、負の連鎖が描かれていて考えさせられました。 これからの未来が子供たちにとって明るく希望が持てるものであるよう願ってやみません。 葉真中顕さんに外れなしです。 個人的に「絶叫」は傑作だと思っているのですが、今作で奥貫刑事が再登場。 最新作も奥貫刑事なのですね。 余談ですが ドラマ「絶叫」(全4話)アマプラで観ました。 なかなか良かったけどドラマで知ってしまうのはもったいない。ぜひぜひ原作を読んで絶叫してほしいです(笑)

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2024/07/26

小さい頃に欲しくても手に入らなくて悔しかったものを、人が持ってると、どうしようもなく嫉妬で狂いそうなことってあるなと思った。

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2024/07/14

 各所に挟まれる平成史と共に少年ブルーの影を追う。どんなに酷い虐待やネグレクトを受けても、お母さんに愛されたくて、笑ってほしくて健気に耐える子どもの描写を見ていられない。外国人技能実習生の過酷な労働環境や貧困・虐待の連鎖など辛く目を背けたくなるテーマが盛りだくさん。自らの行いを悔...

 各所に挟まれる平成史と共に少年ブルーの影を追う。どんなに酷い虐待やネグレクトを受けても、お母さんに愛されたくて、笑ってほしくて健気に耐える子どもの描写を見ていられない。外国人技能実習生の過酷な労働環境や貧困・虐待の連鎖など辛く目を背けたくなるテーマが盛りだくさん。自らの行いを悔い、自分以上に壮絶な虐待を受けていた子どもを助けようとした点は同情の余地があるかもしれないが、贖罪の方向が間違っているところが哀れ。無戸籍児問題は今だに相当数存在するのかと驚いた。

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2024/07/08

社会派ミステリーらしいけど、ミステリーである以上、最後の最後での驚きが大切と思ってます。 前作の『絶叫』はそういう意味で凄かったのに… 今作は気が抜けて温くなったコーラでした。 前作のに引き続き「奥貫」さんが出てますが、「奥歯」さんになってます。奥歯、奥歯、奥歯って、しつけぇー...

社会派ミステリーらしいけど、ミステリーである以上、最後の最後での驚きが大切と思ってます。 前作の『絶叫』はそういう意味で凄かったのに… 今作は気が抜けて温くなったコーラでした。 前作のに引き続き「奥貫」さんが出てますが、「奥歯」さんになってます。奥歯、奥歯、奥歯って、しつけぇーー

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2024/05/16

「人は憎しみながらも同時に愛することができる動物」という一文が良かった。今日聞いた歌の中にも、「愛憎混じった四小節」というフレーズが出てきて運命的なものを感じた

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2024/05/08

先日ロストケアを読み終わり、著者の他の本も読んでみたいと思い手に取りました。 平和で平凡な日常を送っている自分には、にわかに信じられない世界…でも実際にこのようにつらい人生を歩んでいる子供達もいるんだろうな、、と悲しい気持ちになりました。 読み終わって気分がスッキリ…とは決し...

先日ロストケアを読み終わり、著者の他の本も読んでみたいと思い手に取りました。 平和で平凡な日常を送っている自分には、にわかに信じられない世界…でも実際にこのようにつらい人生を歩んでいる子供達もいるんだろうな、、と悲しい気持ちになりました。 読み終わって気分がスッキリ…とは決して言えないけど、色々考えさせられる話でした。 話の展開はおもしろくて、サクサク読めて二日で読了しました。

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2024/01/27

図書館本 ブルーという、戸籍のない子の物語。 虐待とか毒親、貧困、外国人労働者など、この社会の澱を掬って一つの物語を作り上げた感じ。 読んでいてスッキリすることなんてないけれど、 これに近い現実があるんだと、読み進めてしまう。

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2024/01/10

 本作は、「格差社会が生んだ闇」をテーマにした重厚な犯罪小説でした。読後は、何ともやるせない悲痛な気持ちになりました。慟哭必至の物語です。  児童虐待、毒親、子供の貧困、無戸籍児、外国人労働者からの搾取等、多くの社会問題を背景にしています。  2つの殺人事件、そして無戸籍で生ま...

 本作は、「格差社会が生んだ闇」をテーマにした重厚な犯罪小説でした。読後は、何ともやるせない悲痛な気持ちになりました。慟哭必至の物語です。  児童虐待、毒親、子供の貧困、無戸籍児、外国人労働者からの搾取等、多くの社会問題を背景にしています。  2つの殺人事件、そして無戸籍で生まれ、暴力と貧困を経て市井に紛れた男<ブルー>‥。これらが一本の糸でつながっていく展開です。  平成という時代の光と闇の中で、<ブルー>の存在とは何だったのか? 社会を強烈にえぐり、読み手に重い諸々の問題を突きつける内容は、葉真中顕さんの真骨頂?ではないでしょうか。  平成時代の出来事、文化、風俗、流行などを俯瞰し、時に細かく、時に具体的に物語に重ねて描き込んでいるため、リアル世代の方は既視感を覚えるでしょう。物語の世界観に没入する要因になっている気がします。  特に物語で焦点化され、最重要テーマと言えるのが、「親と子の関係」だと思います。我が子を愛せない、愛さない親が多く登場(刑事側にも)し、これが負の連鎖のように続くので、私たちに自分事と捉えさせます。  描かれた闇は平成に限ったことではなく、多くの問題をやや盛り込み過ぎの感もありました。  それでも、「かわいそう」「仕方ない」では済ませられない、子育てに関する親の責任の重さを痛感します。  読後、本当に悲しく、切なく、いたたまれない感情を処理しきれない状況に陥りますが、読んでよかった、読むべき一冊だったと言いきれます。心の琴線に触れる作品でした。

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2023/09/23

名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。。。 ブルーにはない、愛と幸福に満たされた家庭 それを滅茶苦茶に崩壊したいという気持ちに翻弄されます 苦しみもがき、平成という太く短い時代を生きたブルーの人生を追います 躾とは言えない幼児虐待、貧困、無戸籍児、外国人の低賃金労働、違法売春、ド...

名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。。。 ブルーにはない、愛と幸福に満たされた家庭 それを滅茶苦茶に崩壊したいという気持ちに翻弄されます 苦しみもがき、平成という太く短い時代を生きたブルーの人生を追います 躾とは言えない幼児虐待、貧困、無戸籍児、外国人の低賃金労働、違法売春、ドラッグ、様々な社会問題が生んだ犯罪小説です バブルが弾けた平成の世相に、一つの事件をきっかけに二つの殺人事件が起きてしまいます ブルーが気に入っていた『早朝のごく短い時間だけ、水と光と霧が奇跡のバランスで織りなす、美しい〝運命の湖”』の写真 ブルーはそれに何を思い馳せたのでしょうか そう思うだけで、悲しく切ない気持ちになってしまいます 出来事や流行った物・ヒット曲等が作中に随時出て来ますので、平成史を懐かしく、振り返りました 正直言って、そんなに前だっけ?そんなに最近だっけ?と自分が持っていたイメージや記憶と現実が所々ずれていて、苦笑いでした( ̄▽ ̄;) 東日本大震災、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、米国同時多発テロ、就職氷河期、世界で一つだけの花♪、尾崎豊、ハイパーヨーヨー、ゲームボーイ、たまごっち、ルーズソックス、ポケモン、スーパーファミコン、ティラミス。。。。 初めましての葉真中輝さんの作品でした 本の分厚さの割に、平日隙間時間の読書で毎日ちびちびとしか進まず、今読み終えてホッとしています そして、令和の今も尚続いている社会問題を突きつけられ、今日のスッキリしない天気の様に気持ちもドヨヨーンとしています ε-( ̄◇ ̄;) 少しあけて、違う作品も読もうと思っています

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2023/08/15

葉真中先生の作品は『絶叫』がど真ん中、どストライク。『ロストケア』で悶絶したのだが、『コクーン』で失速。。。コクーンのみ、ちょっと私の好みではなかった。 そしてこの『Blue』。 購入に躊躇していたのだが、フォロワーさんの評価も悪くないようなのでAmazonで思い切ってポチっ...

葉真中先生の作品は『絶叫』がど真ん中、どストライク。『ロストケア』で悶絶したのだが、『コクーン』で失速。。。コクーンのみ、ちょっと私の好みではなかった。 そしてこの『Blue』。 購入に躊躇していたのだが、フォロワーさんの評価も悪くないようなのでAmazonで思い切ってポチってみた。古本だが(^◇^;) そしたら、ページが本から千切れているよ。。。 何てこったい。 最悪だ(-。-; オンライン購入の中古本は時々大失敗がある(-。-; 何とか糊で貼り付けて読み始める。 これは壮大な平成誌。 平成を生きてきた人間にはどこか懐かしく読み進められるのではないか。 その平成という時代と共に、2つの大きな事件が語られていく。 その中心に居たのがBlueと呼ばれる人物。 彼は何処にいるのか、何故殺さなくてはならなかったのか。 児童虐待、貧困家庭、外国人の低賃金労働等々様々な社会問題に触れられている。 これだけの厚み、これだけの物語。 この作者様はいつも凄い。 読み終わった後の恍惚感も凄い。 ただ、この平成という時代を生きたというのは、、、短すぎやしないか。。。 彼にはもっと生きて欲しかったよ。。。

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