人生はゲームなのだろうか? の商品レビュー
人生はゲームかを明らかにするための考え方を示した本。まず前提を定めそれに当てはまるかどうかで結論を導き出す考え方は他にも活かせそう。本書でも受験、掃除、戦争、宗教、恋愛など取り上げて分かりやすい。先生に教えてもらっているのに、一緒に考えているような「我々はこう考えました」と言う語...
人生はゲームかを明らかにするための考え方を示した本。まず前提を定めそれに当てはまるかどうかで結論を導き出す考え方は他にも活かせそう。本書でも受験、掃除、戦争、宗教、恋愛など取り上げて分かりやすい。先生に教えてもらっているのに、一緒に考えているような「我々はこう考えました」と言う語り口の文章で読みやすいです。巻末に読書案内として掲載された参考文献も読んでみたい。
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「哲学する」方法を具体的にやってみせた、哲学的考え方のお手本のような本。「哲学する」ことに興味がある人にはおすすめの入門書。
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本書は「人生とは何か?」という基本的だが普段あまり考えない問いについて、人生をゲームにたとえ、考察することを提案している。 各問に対する自分の考えは下記の通り。 人生とは何か?という問いに明確に回答できる人は少ないと思う。自分もそう。何から考えていけば分からず、思考停止してしま...
本書は「人生とは何か?」という基本的だが普段あまり考えない問いについて、人生をゲームにたとえ、考察することを提案している。 各問に対する自分の考えは下記の通り。 人生とは何か?という問いに明確に回答できる人は少ないと思う。自分もそう。何から考えていけば分からず、思考停止してしまう。ただ、ゲームに置き換えれば、とっつきやすくなる。 人生というゲームのルールはなにか? →与えられた身体、仕事、お金でどれだけ自分、そして他人を幸せにできるというゲーム。きっと法律的に禁止されていることはあるが、それも時と場合によるだろう。このルールは人によって違うもの。そしてそのことすら考えずに生きている人の方が多いのではないかと思った。またルールは固定されたものではなく、時間と状況によって変化するもの。ただ、それもこのゲームの醍醐味なのかもしれない。 主人公は誰なのか? →もちろん自分。ただ、周囲の人間関係から様々な物語があるわけで。主体的に生きることが大事かも。 攻略法はあるのか? →完全な再現性があるものは少ないが、それでもありそう。 書籍等で過去の偉人たちの知識を使ったり、試行錯誤して編み出していくのもゲームの醍醐味なのか。 ゲームオーバー(死?)とは? そもそもなぜゲームをするのか? →知らない間にゲームが始まってしまった。それならゲームオーバーまで楽しむとしよう。諸行無常。 人生には明確な正解はない。ただ意味を見出すことはできる。そのきっかけになるよい本であった。
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『人生はゲームなのだろうか?』 著者 平尾昌宏 ちくまプリマー新書 2022年 結論だけを知ってもしょうがないことがあると知ったのはいつからだろうか。学問を学んでいったり、仕事の実務を覚えていったり、または人として大切なことを会得していったり。そのような中で、結論や答えを教え...
『人生はゲームなのだろうか?』 著者 平尾昌宏 ちくまプリマー新書 2022年 結論だけを知ってもしょうがないことがあると知ったのはいつからだろうか。学問を学んでいったり、仕事の実務を覚えていったり、または人として大切なことを会得していったり。そのような中で、結論や答えを教えてもらっても、納得できなかったり、納得はできても、ただの知識で終わり、そのままということもある。 いろんなことを知っていく中で、結論だけを知っても意味がない。過程をしることで改めて見えてくるものがある。そんなことを教えてくれるのが、本書である。 この本では、上記の通り、結論だけを知っても意味がない。それはこの本の副題「<答えのなさそうな問題>に答える哲学」が雄弁に物語っている。 この本は著者が1人で答えを導くような、そんな感じの本ではない。この本では、読者とともに考えるということを視野に入れている。テーマを決めて、自分たちで答えを出す。著者はそう書いている。もちろん、本という媒体上、限界はあるが、読んでみれば、「この本は確かに、結論だけを知ってもしょうがない」と思えるはずだ。 読者と考えていくとはどういうことなのか?ここで、本書のタイトルをみてみると『人生はゲームなのだろうか?』である。つまり、人生がゲームであるかどうかを読者と考えるということである。この本では考える過程を示し、それに読者が呼応するような形で、進んでいく。少し引用しよう。 ゲームとは何か。言い換えると、「ゲームの本質」と言ってもいいです。あるいは、「ゲームの概念」と呼ぶこともできます。「概念」というのは、英語だとコンセプト、ドイツ語だとペグリフと言いますが、これは両方とも「掴む」という意味の動詞からできた言葉です。ゲームならゲームってものを、どう捉えるか、どう掴まえるか、捕まえた内容が概念。 (中略) だから、「ゲームが成り立つための必須の条件」を考える。こっちの方がやりやすいでしょう。 このような考え方を本書では採用し、この論を進めていくことで、人生がゲームであるのかどうか、はたまた人生以外でも、戦争や受験、宗教などの事柄がゲームであるかどうかを判断していく。 本書はいわゆる哲学的思考を身につけるための本である。このような本は幾百とあるが、この本が他の本と違うところは著者の親しみやすい文章と思考の根拠や理由をはっきりと示しながら尚且つそれを読者自身にも考えさせやすいように、著者自身の考えがわかりやすいようにしてあるところだと思う。 最後に、印象に残った箇所を引用する。 たぶんですけど、「もっと深く、もっと突っ込んで」という面を見ると、「やっぱり哲学って答えがないんだな」と思ってしまう人もいるだろうと思います。だけど、そうじゃなくて、例えば、「人生はゲームか」については一定の答えが出せたわけです。ただ、たとえ答えが出せたとしても、その上で、「もっと先まで、もっと広く」、あるいは、「もっと深く、もっと突っ込んで」っていうのも可能だってことです。それは「答えがない」というのとは全く違ってて、言うんだったら「哲学には終わりがない」と言った方がいい。区切り区切りで、一定の答えを出すことはできる。だけど、それをさらに広げたり、掘り下げることもできる。そう言う意味では、終わりがない、いつまでも続けられる(楽しい!)。
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〈読む前〉 人生はゲーム化すればおもしろくなると思ってる。 〈読んだ後〉 「問い」を通して問題の本質を掴むことが大事。その答えに至るまでの前提条件や思考回路がどうなるのかなしに得た答えは、答えになり得ない。
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「人生はゲーム」というフレーズは、自分にとっては「スローなブギにしてくれ」が最も印象的かな。そしてなかなか印象的なフレーズだ。本当にそうなのかなという意味でも。 そんな積年のほわっとした疑問の答えを求めてこの本を読んでみた。何となく「人生はゲームなのだろうか」という命題について考...
「人生はゲーム」というフレーズは、自分にとっては「スローなブギにしてくれ」が最も印象的かな。そしてなかなか印象的なフレーズだ。本当にそうなのかなという意味でも。 そんな積年のほわっとした疑問の答えを求めてこの本を読んでみた。何となく「人生はゲームなのだろうか」という命題について考えを巡らせていく感じかと思いきや、サクッと哲学的な理屈でわりと前半で「ゲームじゃない」ってことになっちゃう。ゲームの条件は「ルールやマニュアル」と「目的、終わり」という必須条件があるけど、人生はそれを満たさない……らしい。……というか、このへんあまりよくわからないまま読んでしまった気がする(読めたことになってないけど)。 そして、そもそも「人生はゲーム」だと思う人にとってはゲームだし、そう思わない人にとってはゲームじゃないんじゃないの。それでいいんじゃないのとも思った。 ちくまプリマー新書のテイストなのか、難し気なテーマをおしゃべりのようにへんなのりツッコミとか入れながら進んでいくのが何だか鼻についちゃう。先生だけが面白いと悦に入りながらスベってる授業を聞いてるみたい。
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第94回アワヒニビブリオバトル「全国大会予選会&通常会」第1ゲーム(第8回ビブリオバトル全国大会inいこま予選会)で紹介された本です。ハイブリッド開催。チャンプ本。 2022.12 .30
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「人生はゲームかどうか」というタイトルと切り口で、人生論の話かと思ったら哲学の話だった。 そもそもゲームって何?人生って何?とそれぞれを成り立たせる要素を抜き出して定義をはっきりさせ、それに当てはまるか当てはまらないかで考えを進めていく…という手順を読み進めるのが楽しかった。 ...
「人生はゲームかどうか」というタイトルと切り口で、人生論の話かと思ったら哲学の話だった。 そもそもゲームって何?人生って何?とそれぞれを成り立たせる要素を抜き出して定義をはっきりさせ、それに当てはまるか当てはまらないかで考えを進めていく…という手順を読み進めるのが楽しかった。 人生は中も外も始まりも終わりもないもの、自殺はゲームをするかしないかの選択をやめること、という考えが心に残る。
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明晰かつ判明に人生はゲームなのかについて哲学している本。 独特な語り口のおかげなのか内容が頭に入ってきやすい。 以下、印象に残った部分をまとめる。 ・対話は討論とは違う。意見をぶつけ合わせ勝敗を決めるのが討論、対話は意見を言い合い、案をより良いものにしていくこと。 ・人生の中で...
明晰かつ判明に人生はゲームなのかについて哲学している本。 独特な語り口のおかげなのか内容が頭に入ってきやすい。 以下、印象に残った部分をまとめる。 ・対話は討論とは違う。意見をぶつけ合わせ勝敗を決めるのが討論、対話は意見を言い合い、案をより良いものにしていくこと。 ・人生の中で自分が得意なゲームを見つける。無理に自分のしたくないゲーム、苦手なゲームに参加する必要はない。
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人生はゲームだ。 仕事はゲームだ。 巷ではこういう切り口の本が売られています。 そこで感じた違和感は、「いや、人生/仕事はゲームみたいに単純じゃないだろ」 じゃあ、人生/仕事でうまくいっていない自分は、ゲームみたいな単純なものを攻略し損なっているダメ人間なのか。そう、言われ...
人生はゲームだ。 仕事はゲームだ。 巷ではこういう切り口の本が売られています。 そこで感じた違和感は、「いや、人生/仕事はゲームみたいに単純じゃないだろ」 じゃあ、人生/仕事でうまくいっていない自分は、ゲームみたいな単純なものを攻略し損なっているダメ人間なのか。そう、言われているような気さえしてきます。 本書では、ゲーム(ビデオゲーム以外も含む)の定義を挙げ、人生そして受験や恋愛などがゲームであるか、比較し論証していく形式をとっています。 結論はここでは言いませんが、普段私たちが頭でものごとを考えるときには、数秒で答えがでるような浅い考え方をしがちです。 本書では、論理的に筋道立てて議論を進めていくことで思考を深め、納得できる答えを得ることができました。 哲学というと「うっ」と抵抗をかんじてしまいそうですが、本書は話し言葉の文体なのでYoutuberのトークのように気楽にすいすい、そして楽しく読めてしまいます。 僕のように「人生はゲーム」論に不快感を感じる方、またゲームってなんだろうと思っている方におすすめの一冊です。
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