人生はゲームなのだろうか? の商品レビュー
これまでの著者の作風と同様、「哲学を学ぶ」のではなく、自分たちで「哲学する」ために、「人生はゲームといえるか?」という命題について著者とともに考えていくという作品です。 一つずつ丁寧に思考を重ねていき、後半になるほど、人生について深い考察を展開していくことになります。 宗教、...
これまでの著者の作風と同様、「哲学を学ぶ」のではなく、自分たちで「哲学する」ために、「人生はゲームといえるか?」という命題について著者とともに考えていくという作品です。 一つずつ丁寧に思考を重ねていき、後半になるほど、人生について深い考察を展開していくことになります。 宗教、マネーゲーム、教育、恋愛なども考察対象に取り上げながら、それらと関連させて多角的に人生の本質に迫っていく流れは巧みです。 高校生や大学生には是非一度読んでほしいですし、生きていることに息苦しさや窮屈さを感じている社会人にも読んでみてほしいですね。
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私はほんとに哲学っぽいものに対する興味みたいなの失なってしまった、というかほとんどのこってないような気さえする。
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「人生はゲームか?」をテーマに、一冊を通して考察を重ねていく。哲学・倫理学を専門とする著者によるもので、大学の講義における学生とのやり取りが原型となっているようだ。約230ページで、体感的なボリュームとしては短い。若者にとっての読まれやすさを意識し、かなり砕けた語り口調で一貫して...
「人生はゲームか?」をテーマに、一冊を通して考察を重ねていく。哲学・倫理学を専門とする著者によるもので、大学の講義における学生とのやり取りが原型となっているようだ。約230ページで、体感的なボリュームとしては短い。若者にとっての読まれやすさを意識し、かなり砕けた語り口調で一貫している。哲学といっても著名な哲学者の名前や概念はほとんど登場しない。一つのテーマを通して、哲学の基本的な探求のアプローチを読み手に体験させることを旨としている。 タイトルにある問いかけへの回答そのものは、実は全4パートのうちのパート1の時点で、ゲームの重要な二つの定義とあわせて結論が導き出される。回答そのものも、本書を読むまでもなく想像がつく程度の至って普通なものといえる。しかし、そもそも答えだけを得ることにあまり意味がなく、その理由や過程を知ることこそが重要だとする、本書の大前提となる著者の方針があるため、ここから派生するパート2以降の考察にも大きな意義があるということになる。 本書では「人生はゲームか?」という問いを考えるために、「ゲームとは何か?」と「人生とは何か?」について様々な例を俎上にあげて考察を重ねていき、概ねそれぞれの問いに前半と後半が対応する形になる。前述の通り、結論そのものはパート1で提示されており、起承転結のストーリー的な展開ではなく、ひとつのテーマに対して円状に話題が拡がっていくようなイメージの構成となっている。また、各章末などに「練習問題」や「コラム」も挿入される。 全体を通しての感想としては、検討の対象となる例をいくつも提示しながらも、結局は似たような話に終始してしまうことが多く、相当に薄く引き伸ばして一冊の本に仕上げたという印象が否めない。いくら若者向けの入門的なコンセプトの新書とはいえ、少し度が過ぎているように感じる。もう一点、本書タイトルのような問いかけで、現代の若者を読者対象にしているとあれば、狭義のデジタル・ゲームがイメージされやすいことは想定のうえだと思うのだが(帯文からもそのことが窺える)、本書の定義する"ゲーム"はスポーツも含む広義であり、とくにデジタル・ゲームに特化した考察を期待した読み手に不満を抱かせるおそれがある。 巻末には本書のテーマやアプローチに関連のある図書についての読書案内が収められている。他の著書でもたびたび目にした、『ホモ・ルーデンス』と『遊びと人間』が気になる。
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