日本人のための議論と対話の教科書 の商品レビュー
元マッキンゼー、現在は中小向けコンサルを手掛ける著者による「本当の対話」「具体的な問題解決」を実現するための教科書、とのこと。 個別のエピソードや考え方等、良著だなぁと思いつつ、結論から言うとイマイチ個人的な問題意識には刺さりませんでした。なんでだろう…と思いを馳せてみると、下記...
元マッキンゼー、現在は中小向けコンサルを手掛ける著者による「本当の対話」「具体的な問題解決」を実現するための教科書、とのこと。 個別のエピソードや考え方等、良著だなぁと思いつつ、結論から言うとイマイチ個人的な問題意識には刺さりませんでした。なんでだろう…と思いを馳せてみると、下記要因があるのかなと思いました。 ①自分に必要なのはこの手前? ②マクロ例にフォーカスしていて日常と乖離? ①自分に必要なのはこの手前? 本著の冒頭、問題解決のためにはメタな視点を持つことが重要、ということで著者の「メタ正義トライアングル質問表」というフレームワークが登場します。 その第1問目「あなたが殺してやりたいほど憎んでいる敵は誰ですか?」 ・・・・・いない(笑 そんな狂おしいほどの感情は持っていないけど、現状に満足している訳ではなく、むしろ問題を認識して敵を特定することで、ひょっとするとそれほどの感情に至ることができるのかもしれない。。 そうなると、自分の問題意識は本著のスコープの外にある気がしました。と言うか、毎日そこまで強いネガティブ感情を抱えてはいられないなぁとも。 ②マクロ例にフォーカスしていて日常と乖離? 第2章からは、具体的に議論が対立している事例を取り上げて著者の考え方を当てはめていきます。 ただ新自由主義的な話であったり、コロナ禍の病床対応の話であったり、どうにもマクロだなと…。本著のタイトルに「日本人のための」とあるのはつまりそういうことかとも思いました。ネットで発信している右翼/左翼層に「教科書」というワードが果たして刺さるのかわかりませんが…。(そもそもわかり合おうとしていないのならそこにニーズはない気も) 東京新聞の望月記者のツイートを「反権力を叫べるなら中身はどうでもいい型陰謀論」として事実誤認を指摘しているのはまぁファクトだなぁと思いつつ、これも私が求めている日常の問題解決とは別のフィールドの話だなぁと感じました。 本著、著者が本来読んでほしい層に届くと良いのですが…。
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「正義」をキーワードとし、経営の話から政治の話へと展開しているが、このつなぎが上手くいっていない印象。正義をベタとメタに分類して論じているわけだが、これらが経営の世界では適用できても政治の世界で適用できるのか否か?そもそも政治の世界でメタ正義なんてものは幻想なのではないか?仮にあ...
「正義」をキーワードとし、経営の話から政治の話へと展開しているが、このつなぎが上手くいっていない印象。正義をベタとメタに分類して論じているわけだが、これらが経営の世界では適用できても政治の世界で適用できるのか否か?そもそも政治の世界でメタ正義なんてものは幻想なのではないか?仮にあるとするならば、それは全体主義なのではないか?という疑問が沸き起こる。また、著者はコロナについても論じているが、正義に拘るあまり事実と価値の区分認識ができていないようであり、所謂トランスサイエンスへの認識も欠如しているように思える。さらに言えば、国際政治の世界でメタ正義があるのなら、ロシア・ウクライナ問題は生じないはずである。これらの点を踏まえると、著者は理想主義者であるとも言えるが、最後の方では「妥協」についても論じており、そこには所謂「政治は妥協のアート」というやや現実的な側面も垣間見える。ただしそれは「M字から凸字へ」という図式とは違うものである。あえていえば、互いの山を削ってなだらかなM字へと移行するとでも表現すべきか。 本書はコンサルが政治の世界に入っても中々上手く行かないのがなんとなくわかるという意味においては有益な一冊ではある。ちなみにマッキンゼーから政治家になって成功しているのは茂木ぐらいだが、総理にでもなれば「元コンサル」が注目される日がくるのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第1章 社員の年収を150万円上げる方法 「論破」よりも大事なのは、抵抗勢力を「理解する」こと 「必要な丁寧さ」はその環境と文化によって違う 第2章 資本主義を乗りこなせ! 岸田政権の「新しい資本主義」という曖昧なビジョンに「中身」を詰めていく 市場原理主義者(ネオリベ)の象徴としての「竹中平蔵」 第3章 「コロナ議論」から「全てがイデオロギー対立に見える病気」を克服する 日本の「コロナ対策」は大失敗だったのか? 「極論を言う人」との適切な距離感が大事 第4章 日本が歩む、再生の道 今後の人類社会における日本の役割 「先鋭化した理想」に「減速ギア」を入れることが必要
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右派と左派で議論が両極端になる場合、政治レベルであれば、国の分断を生む。そこまででなくても、企業や個人どうしでも、経営が行き詰まったり、絶縁関係になることもある。両者の良いところどりは、中途半端な結果になる。 必要なのは、メタ正義。個人的な認識ですが、もう一つ上の目線で、相手の意...
右派と左派で議論が両極端になる場合、政治レベルであれば、国の分断を生む。そこまででなくても、企業や個人どうしでも、経営が行き詰まったり、絶縁関係になることもある。両者の良いところどりは、中途半端な結果になる。 必要なのは、メタ正義。個人的な認識ですが、もう一つ上の目線で、相手の意見をみることかなと。 敵の存在意義を知ることで、こちら側の陣営に取り込んだり、でなければ、静かに退場頂く。 アメリカの様に、トランプVS反トランプの様に、表面的な対立が現れると難しいかもしれないが、メタ正義の視点に立ってみれば、事前に防げるかもしれない。 冒頭のスラムダンクの安西監督の「私だけかね。まだ勝てると思っているのは」 閉塞的な日本で、簡単に浮上することは簡単でないかもしれませんが、自民党をぶっ壊すの様な、心地よいワンフレーズで、拍手喝采を送るような政治は必要ないかなと感じました。
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p7 こんなやり方で世の中を帰ることなどできない。そうやって気に入らないものに石を投げつけているだけなら、成功にはほど遠い 2019/10/29 シカゴ、オバマ氏 p8 カズオ・イシグロ 世界中の恵まれた立場にいる同じ仲間とだけ付きあう横の旅行でなはく、同じ国に暮らしている、...
p7 こんなやり方で世の中を帰ることなどできない。そうやって気に入らないものに石を投げつけているだけなら、成功にはほど遠い 2019/10/29 シカゴ、オバマ氏 p8 カズオ・イシグロ 世界中の恵まれた立場にいる同じ仲間とだけ付きあう横の旅行でなはく、同じ国に暮らしている、普段は考え方や生活の違いから接することの少ない人と出会う縦の旅行こそが今重要なのではないか p12 みんな自分の立場から見える世界観でしか問題を見ておらず、自分とは逆の立場にいる人との対話関係が完全に途絶してしまっているので、ワアワアと責任をなすりつけ合う罵倒合戦だけが続いて疲弊しているのだ p29 論破よりも大事なのは、抵抗勢力を理解すること 最終的には、あなたの理想をちゃんと押し切って本当に実現するためにこそ、むしろ初期段階でちゃんと相手側の敬意を払っておくことが大事なのだ p34 本書の狙いは、社会の中で何かを変えていくプロセスを、平成時代の「抵抗勢力をぶっ壊せと叫ぶ方式」よりも「あと一歩丁寧に」行うことで、「改革によって排除された存在」が恨みを溜め込んでありとあらゆる細部で邪魔をしてきて、どこにも進めなくなるような事態を招かずに済む、そういう方法を示すことにあります。 p96 発酵食品を作るようなプロセスで、市場(水の力)と現場(油の力)を混ぜ合わせながら統合を進める動きです p112 脊髄反射で湧いてくる紋切り型の議論は、どれも幽霊相手にケンカをしているような空疎な議論なのです p116 全なる俺たちvs絶対悪のあいつら的な空論で大騒ぎする人たちから、日本社会の主導権を取り戻していく p127 極論を言う人との適切な距離感が大事 p128 極論を言う人の中には社会に対する憎悪の塊みたいになってしまっていている人もいて、ついつい黙殺してしまいたくなります。しかしメタ正義感覚を持って、彼らの存在意義を自陣営に取り込もうとしないと、彼らは恨みを溜め込んで延々と自分たち以外を攻撃し続けるでしょう。 社会全体が、メタ正義体質化するためには、自分たちだけのベタな正義を主張する人々の意見を拒否しないで、その存在意義をメタ正義的に取り込んでいくことが必要となります。 p136 政府を批判するにしても、現状認識が正しくなければ、対処を間違える、ということです。政府が間違っているなら、どの程度の問題なのかを適切に情報として取り上げなければ、政府批判派がどんどん現実離れしていくからです p138 今の日本にはこういう反権力を叫べるなら中身はどうでもいい型陰謀論があふれています p141 そういう防波堤としての暴論に出会ったときに、その暴論の内容にロジカルに反論することよりも、彼らがそういうことを言う理由の方を深堀りすることが重要です p150 次々と変化していく情勢に応じて、常にこういう対話を社会のあちこちでできれば、どちらの事情も吸い上げて進歩していくことができたはずです p157 私達のこれからの課題は、今隅っこにおいやられてしまっているちゃんとメタ正義的対話ができる層が、世の中のすべてが権力闘争に見えるビョーキの人たちから主導権を取り戻していくことです p159 「そもそも論」的なレベルでなぜこうなるかと言えば、結局そういう「極端な理想主義者」の意見を、「現実とすり合わせて細部まで詰めていく」存在が今の日本にはだれもいなかったからでしょう p188 モンスター化する論客さんたちの自業自得の自滅効果をうまく利用することで、彼らをシグナルとしての異端者の場所でうけとめることができるようになる p190 先鋭化した理想に減速ギアを入れることが必要 日本が地道に築き上げてきた高効率石炭火力発電を適ししすぎないことが人類全体として大事なんだ p195 現在の日本の理想家は、理想を重視するあまり、ダメだった時ようのプランを考えてくれるはずの存在を敵視し攻撃してしまいがちです p211 俺たちvsあいつらを完全に分離する欧米的なやり方自体が、そういう意味では完全に失敗していることを我々は直視すべき時代なのではないでしょうか p212 オオクニヌシは苦労しながら国造りを実際に行った一番の功労者なのですが、国譲り神話では出雲に引っ込んでしまう神様でもあるのです p213 敵を完全に征服せず、一緒に協力し合うことでお互いを受け入れるという解決のあり方が必要とされる時代が、世界的にやってきていると私は考えています p211 神田明神(千代田区外神田) 将門塚(千代田区大手町)
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