砂嵐に星屑 の商品レビュー
本屋大賞ノミネートの「スモールワールズ」が消化不良だったものの、他の作品も読んでみようと思って手に取りました。 …が、こちらも何だかいまいち刺さりませんでした。 テレビ局を舞台にした連作短編集で、それぞれ色々なことを抱えながら日々生活をしているんだなぁとは思うのですが、共感も驚き...
本屋大賞ノミネートの「スモールワールズ」が消化不良だったものの、他の作品も読んでみようと思って手に取りました。 …が、こちらも何だかいまいち刺さりませんでした。 テレビ局を舞台にした連作短編集で、それぞれ色々なことを抱えながら日々生活をしているんだなぁとは思うのですが、共感も驚きも感動もなく、少し退屈でした。 ほっこり系ではない日常を描く物語の場合、共感できる何かがないとこうなっちゃうのかもですね。 近しい年代や経験をお持ちなら、また違うのかもしれません。
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私には縁遠いテレビ局の世界を垣間見るだけでもおもしろい。そこで働く人達になんだか一人一人に寄り添いたくなった。
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社内不倫がバレて転勤させられた女性アナウンサー、 早期退職や娘に悩む男性報道デスク、 ゲイの人と同棲している女性タイムキーパー 野心があまりなく、30代で非正規の現実に悩む男性AD テレビ局で働く四人が年齢も性別もバラバラだが、直面する仕事や恋に悩みながらも、奔走していく物語。 ...
社内不倫がバレて転勤させられた女性アナウンサー、 早期退職や娘に悩む男性報道デスク、 ゲイの人と同棲している女性タイムキーパー 野心があまりなく、30代で非正規の現実に悩む男性AD テレビ局で働く四人が年齢も性別もバラバラだが、直面する仕事や恋に悩みながらも、奔走していく物語。 一穂さんは、BL作品も多く書かれていることもあり、心理描写がとても丁寧だなという印象がありました。心にグサリと刺さるくらい、共感する部分もあってリアルでした。 ただ、しっとりと響くのもあるのですが、全体的に関西弁のノリもあってか、コミカルに書かれていて、比較的楽な気持ちで読めました。時折クスッとさせられました。 というのも、最初のアナウンサーの章では、幽霊が登場します。凸凹コンビの女子アナが、ドタバタで面白いながらも、そこから垣間見えてくるそれぞれの心情がじんわりとくるので、最初の章からグッとつかまされました。 次の章では、非現実とは違い、震災にまつわる話です。東日本や熊本の震災が起きた時、報道に携わっていたデスクが、当時何を思っていたのか?当時を振り返りながら、今の現状にも触れられています。 50代、周りが辞めていく中で、自分はどうしていこうか? 冷戦状態の娘ともどう向き合っていくのか? こちらは逆に比較的暗い話なのですが、コミカルな部分を挿し込んでくれるので、楽な気持ちで読めましたし、しっとりとした雰囲気にもなりました。 第3章では、一穂さんの得意分野⁉︎と思えるような恋愛要素の話でした。最初はルームシェアで同居することになった二人。一人はゲイで相手のことは興味なし。もう一人は、同居していくうちに段々と好きになってしまったタイムキーパー。好き好きオーラを放つ女と、それを払いのける男のコミカルな会話が面白かったです。ただ面白いだけでなく、それぞれがどのように悩んでいるのか、丁寧に書いているので、リアルな部分も垣間見れました。 そういった意味では、BL作品に通じるものがあるなと思いました。 最後は、コミカルとは一変、ドキッとさせてくれる恋愛の展開になって、しっとりとした雰囲気でした。 最後の章では、30代で向上心ゼロ、非正規に悩む物語です。「情熱大陸」のような密着ドキュメントに携わることになった主人公が、ある一人の芸人さんに密着したことをきっかけにちょっとずつ変わっていきます。 先輩からのテレビならではの演出や今の立ち位置に、もがき悩んでいますが、こちらも主人公の苦悩する描写が丁寧でした。 芸人さんがどのような人生を歩んできたのか?その背景となった震災にふれながら、芸を披露する姿にジーンときてしまいました。 それを半ば強引に感動的に演出しようとする描写はちょいイラっとしましたが、そこからのズコッとさせてくれるような展開は、面白かったです。 四人とも共通しているのは、いつの世代も悩み多き人生だなと思いました。あまり頑張りすぎずに、ちょっと一息入れてからでもいいかなと思いました。
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「たぶんみんな、訊くだろう。 中島さん、なんで笑ってるんですか?(P137)」 テレビ局を舞台にして、20代~50代の男女を主人公にしたあらゆる世代に刺さるであろう群像劇(著者は一穂ミチさん)。4篇収録の短篇集で、40代の独身女性アナウンサーや20代のタイムキーパーなど、全員がそ...
「たぶんみんな、訊くだろう。 中島さん、なんで笑ってるんですか?(P137)」 テレビ局を舞台にして、20代~50代の男女を主人公にしたあらゆる世代に刺さるであろう群像劇(著者は一穂ミチさん)。4篇収録の短篇集で、40代の独身女性アナウンサーや20代のタイムキーパーなど、全員がそれぞれに悩みを抱えて生活しており、読み終わるとなんか上手くいかない人生でも「真面目にやってりゃなんとかなるんだな」と思わされる元気のでる作品。個人的には「泥船のモラトリアム」が一番面白かった。仕事で悩みを抱えているあらゆる世代にオススメの一冊。
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どれが1番好きかな〜。どれもみんな良かったな。 年代も性別も違うそれぞれの主人公たちに、共感する部分も多かった。一穂さんの頭の中って、どうなってるんだろう。 気になったのは、結花。 雪乃のお話が読んでみたいな、と思った。 みんな本当はなんかちょっとしんどい。 大それた夢も希望...
どれが1番好きかな〜。どれもみんな良かったな。 年代も性別も違うそれぞれの主人公たちに、共感する部分も多かった。一穂さんの頭の中って、どうなってるんだろう。 気になったのは、結花。 雪乃のお話が読んでみたいな、と思った。 みんな本当はなんかちょっとしんどい。 大それた夢も希望もビジョンなくて、選んだのか、流されたのか、流されることを選んだのか、来てしまう今日を生きている。 何かしらの過去の傷と一緒に生きている登場人物たち。 でもその傷とうまく折り合いをつけて、また明日を生きる。ささやかな希望をじんわり、そして軽やかに感じさせてくれるお話たちでした。 大阪に縁がないから、架空の街と同じ感覚だけど、馴染みがあれば、もっと楽しめそう。 そして、やはり一穂ミチさんの文章は優しいなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これは大阪にあるテレビ局で働く人たちの、決して順風満帆とは言えない毎日のあれこれ。 誰もいない暗い部屋で見る砂嵐。何の意味もなく、何も伝えてこないただただ続く無防備な粒の集まり。 その砂嵐の向こう側で、昨日も今日も明日も働く人がいる。 それぞれちょっとうまくいかなかった昨日を引きずったまま歩く今日。あったはずの理想がこんなはずじゃなかった現実で塗り替えられていく。立ち止まって座り込みたくなる日もある。明日なんて来なければいいと思いながら寝る夜もある。そんな私が見つけた小さな星屑。 読み終わった後、変わりたいのに変われない、そんな自分を抱きしめたくなる。
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大阪のテレビ局を舞台にした連作短編。各章の登場人物たちの抱えてるちょっと後ろ暗いものがちょこちょことこちらの胸にも刺さる。震災の話題がわりと多い。結花と由朗の関係がちょっと好き。
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また大阪が舞台やん。よう知ってる場所ばっかし出てくるからほんま親近感わく。一穂ミチさんってどんな人なんやろと思ってネット検索しても全然ヒットせぇへん。今回の話も、なんでそんなにテレビ局のこと詳しいんやろうと思った。それぞれの世代が抱える悩みとかもリアルに感じる。分かりすぎて、ほん...
また大阪が舞台やん。よう知ってる場所ばっかし出てくるからほんま親近感わく。一穂ミチさんってどんな人なんやろと思ってネット検索しても全然ヒットせぇへん。今回の話も、なんでそんなにテレビ局のこと詳しいんやろうと思った。それぞれの世代が抱える悩みとかもリアルに感じる。分かりすぎて、ほんで自分と重ねて泣きそうにもなる。前回は若手漫才界の話やったし、一穂ミチさんってマスコミ関係で働いてはるんやろうかと思ったりした。しかし、電子書籍で読んでしまったから「砂嵐に花びら」読まれへんやん。知ってたら紙媒体で買ったのに!
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年齢も性別も立場も違う、大阪のテレビ局で働く四人の人間模様。 仕事に勤しむ人を描くのが抜群にうまい×BL作品でも女性の解像度が極めて高い一穂さんの抜群の強さは今作も健在。 なんだかんだと仕事ができて、自らに与えられた役割に喜びを感じてイキイキしているところが魅力の旭テレビの面々...
年齢も性別も立場も違う、大阪のテレビ局で働く四人の人間模様。 仕事に勤しむ人を描くのが抜群にうまい×BL作品でも女性の解像度が極めて高い一穂さんの抜群の強さは今作も健在。 なんだかんだと仕事ができて、自らに与えられた役割に喜びを感じてイキイキしているところが魅力の旭テレビの面々とは打って変わって、こちらのなにわテレビの皆さんは『行きがかり上この仕事に就いてしまった』泥舟でみっともなくもがく人たちばかり。 平成の終わりを間近に控え、サグラダファミリアよろしく『終わりの見えない工事』に思えた梅田エリアの再開発はグランフロントとステーションシティシネマのオープンにより北エリアの景観と導線を一変させ、大阪北部地震と台風による大きな被害は阪神大震災をふたたび思い起こさせるのと同時に、災害の記憶を『過去のもの』として風化させていく。 コロナウイルスなど影も形も存在しなかった『2018年の大阪』の風景とともに、人々の感情をあまりに鮮やかに切り取っていく。 誰も順風満帆な人生なんて過ごしていない、人に言えない小さな秘密やわだかまりや不安を抱えて、それでもそのひとつひとつを噛み砕きながら必死に生きている。 登場人物が物語の進む中で『ちいさな秘密』を打ち明けていくさまはまるで推理小説で明かされていくトリックのようだ。 彼らから明かされるここだけの打ち明け話に耳を傾けていくうちに、息苦しさと優しさにぎゅっと胸を掴まれて泣いてしまう。 どの関係性もただ優しいわけではない、BLのように運命の恋が彼らを救うことはない。決してドラマチックではない、感動を押し付けてくるわけでもない。それなのに、彼らが生きているこの世で、見上げた空に浮かぶささやかな星の光をともにみつけたような気持ちにいつしかさせられてしまう。 やりきれなくて苦しい。それなのに、ここには懸命に生きる彼らが誰かと心で心で通じ合えた一瞬の煌めきが込められていて、そのあたたかさに胸を詰まらされてしまう。 こんな気持ちにさせられる作品、ほかには見つからない。
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2022/02/09リクエスト 2 テレビ局で働く人の姿を描いた本。 社内不倫がバレて大阪から東京に移動になった女子アナウンサー。 娘に無視され同期は早期退職、そんな中で悩んでいる報道デスク。 好きな人はゲイで望みもないのに同居している、タイムキーパーの女性。 評価高く楽しみ...
2022/02/09リクエスト 2 テレビ局で働く人の姿を描いた本。 社内不倫がバレて大阪から東京に移動になった女子アナウンサー。 娘に無視され同期は早期退職、そんな中で悩んでいる報道デスク。 好きな人はゲイで望みもないのに同居している、タイムキーパーの女性。 評価高く楽しみにしていたが、特に面白くもなく。 多分、年代的に合わないのだろう。 響く年齢の人には、いいのでは。
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