新しい世界の資源地図 の商品レビュー
分量は多いが、スラスラ読める。石油を通じた世界の流れが分かりやすく書かれているため、イメージしやすく非常に勉強になる。 こういう内容を高校とかで学ぶと面白いし、大学で何を学ぶかのヒントにもなると思う。
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かなり勉強になりました。世の中は、それぞれの国が自己主張する不安定な世界で、お互いバランスを取らないと戦争の引き金を引いてしまう関係になっています。その原因や関係性を理解する上でとてもいい本でした。
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エネルギーの視点で世界を読み解き、驚くほど近現代史の解像度を上げてくれる良書。エネルギーは経済を動かすだけではなく、世界を動かす重要な要素なのだ。 アメリカ、ロシア、中国、中東の各地域を順に読み解き、アメリカのシェール革命によるゲームチェンジ、ロシアにとってのウクライナの重要性、...
エネルギーの視点で世界を読み解き、驚くほど近現代史の解像度を上げてくれる良書。エネルギーは経済を動かすだけではなく、世界を動かす重要な要素なのだ。 アメリカ、ロシア、中国、中東の各地域を順に読み解き、アメリカのシェール革命によるゲームチェンジ、ロシアにとってのウクライナの重要性、中国による南シナ海への進出、中東の紛争など、ニュースで伝えられる断片的な事象の背景などが、線としてつながりで理解することができた。 話は自動車、環境と進み、石油・天然ガスからのエネルギーのシフトの行く末まで網羅されており、読み応え十分の内容であった。
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ダニエル・ヤーギンの「石油の世紀」は名著だと思っていたところ、この新刊。ロシアとウクライナの戦争を理解するためにも必要な本だと思って購入。 再エネを追いかけているだけでは理解できない、生々しいエネルギーの地政学。とても勉強になる。 そして中東がここまでぐちゃぐちゃになったのは、む...
ダニエル・ヤーギンの「石油の世紀」は名著だと思っていたところ、この新刊。ロシアとウクライナの戦争を理解するためにも必要な本だと思って購入。 再エネを追いかけているだけでは理解できない、生々しいエネルギーの地政学。とても勉強になる。 そして中東がここまでぐちゃぐちゃになったのは、むしろ21世紀に入ってからだということがわかり、愕然とする。
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シェール革命 軽くて品質の良い原油 米国の原油輸入 2019年 ペルシャ湾11% カナダ50% 品質の低い重質油用の米国の製油施設 2015年輸出禁止解禁 輸入量 2008年 総供給量の60%が 2019年3%以下に LNG輸入から輸出へ 2018年世界最大の産油国へ...
シェール革命 軽くて品質の良い原油 米国の原油輸入 2019年 ペルシャ湾11% カナダ50% 品質の低い重質油用の米国の製油施設 2015年輸出禁止解禁 輸入量 2008年 総供給量の60%が 2019年3%以下に LNG輸入から輸出へ 2018年世界最大の産油国へ ロシア 石油と天然ガス 歳入の40~50%、輸出収入の55~60% GDPの30% 原油価格の急落 1991年12月 ソ連死亡宣言 ウクライナ=辺境の地 中世 キエフ大公国 1994年ブダペスト覚書で核放棄 欧州への天然ガス80%がウクライナ経由 関税 2011年 ノルドストリーム開通式 天然ガス35%ロシア産 EU全エネルギー9% 東方シフト 中国とロシア「パワー オブ シベリア」2019年開通 カザフスタンの石油の20%が中国向け 中国 輸出 対露350億ドル 対米4100億ドル 「トゥキディデスの罠」覇権国と新興国の戦争 アテネとスパルタ 中国 石油の75%を輸入 世界エネルギー消費の25% 85%が化石燃料 太陽光パネル 中国で70%生産 2010年から9年間で85%価格低下 ソーラーウェハー95%が中国製 ポリシリコン生産量の60% 2019年 設備容量 642ギガワット 10年前の14倍 実際の発電量はその20% 風力発電 2019年 618ギガワット 40%アジアのうち3/4中国 95%が陸上 利用率25% 2010年から9年間で50%価格低下 原子力発電 2011年福島の後、2019年の間 ドイツ17基停止、中国34基新設 インド 半数が「バイオマス=汚い」非商業エネルギーを利用 商業電力の75%が石炭 すべてのエネルギー源を組み合わせる独自の考え 薪オーブン→プロパンガス ディーゼルエンジン車→天然ガス 太陽光パネルに関税で障壁 海洋ゴミの90%はアジアとアフリカの10河川から 薬や試薬の99%は石油由来の原料から 石油需要のピークは2030年代半ば? 風力タービン1基=鉄1500トン、コンクリート2500トン、プラスチック45トン 電気自動車一台のバッテリー 23万キロの原料を採掘 実質ゼロ 「カーボンニュートラル」 1.炭素回収 植樹 回収エンジニアリング 2.水素 エネルギー密度高い 再生可能エネルギーでグリーン水素を作る 3.電力貯蔵 リチウムイオンバッテリーのコストと廃棄 レアアース
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ロシアとウクライナの戦争を契機に資源価格が高騰している背景をより深く知りたくて、本書を読んだ。地政学の第一人者である著者が、アメリカ、中国、ロシア、中東のエネルギー事情を丁寧に紐解いており、分かりやすかった。 日本は東北大震災以降、原発稼働を最小限にしているため、電力供給を火力...
ロシアとウクライナの戦争を契機に資源価格が高騰している背景をより深く知りたくて、本書を読んだ。地政学の第一人者である著者が、アメリカ、中国、ロシア、中東のエネルギー事情を丁寧に紐解いており、分かりやすかった。 日本は東北大震災以降、原発稼働を最小限にしているため、電力供給を火力発電に多く依存している。火力発電の燃料となる石炭・天然ガスは輸入していることから、海外の紛争や政治リスクは、エネルギー供給を不安定化させ、日本にとっても重要な問題である。 本書で面白かった点のまとめ ①アメリカはシェールオイル・ガスの発展により、世界有数の石油・天然ガスの輸出国となった ・紛争リストが高い中東に天然資源の輸入を依存するのは、アメリカ経済にとって打撃を被る可能性がある。そのため、シェールオイル産業の発展で、自国内で天然資源のサプライチェーンを構築できたことは、経済安全保障において重要。 ・アメリカがイラン核合意でイランの石油輸出に制裁を課すことができたのも、アメリカのシェールオイルガスで供給が増えたから。 ・とはいえ、中東諸国の石油産油量は世界トップであり、石油価格は中東諸国の動向によっても影響される。石油価格の高騰はアメリカ経済にとっても負の影響があるため、中東諸国への介入をアメリカがゼロにすることは考えにくい。 ②中国の東シナ海の進出は、天然資源の確保と航路を抑えることが目的 ・中国が東シナ海進出の歴史的根拠としているのは、第一次世界大戦時に中国が作った地図。欧米と日本に領土割譲をされていた、当時の中国は、軍事力では欧米諸国には叶わないため、自国領土の正当性を地図で示し、その地図において、現在の東シナ海までを中国領土としていた ③ロシアとウクライナの対立 ・EUROとロシアの綱引き状態にあるウクライナの紛争は2004年の大統領選挙にまで遡り、2004年のオレンジ革命(不正選挙に対する民主化運動)に対してプーチンは反発していた。そのため、ウクライナを経由していたガスパイプラインから天然ガスをロシアは抜き取った。まさに報復 ④イラン・イラク戦争を巡る構図 ・イラン革命前は、サウジアラビアとイランは共産主義国への対策で協力していたが、イラン革命でイスラム原理主義に回帰し、ジハードの名の下へ革命輸出をしている ・シーア派が主流のイランでは、同じくシーア派のシリア、イエメン、レバノンをテロリズムで支援する。 ・イラン革命後にフセインと対立し、イラン・イラク戦争。対立の背景は、ホメイニ師はバース党(イラクの与党でスンニ派)を国民の多数派であるスンニ派を虐げていると糾弾し、フセインはイラン国境付近にある石油油田の確保を狙った。 ・サウジアラビアはイランの革命輸出を危惧し、イラン・イラク戦争ではイラクの金銭支援をしていた ・イラン・イラク戦争の長期化したことで、フセインがさらなる領土獲得と石油資源を求めてクウェートへ侵攻 ⑤イラクに侵略する革命国家イラン ・2001年のイラク戦争のきっかけになったのは、アメリカがイラクが核開発をしている疑惑があると考えられたことだ。開戦の根拠である大量破壊兵器はイラン国内で見当たらず、フセインは後に「イラクに対抗する手段として、破壊兵器の保有をちらつかせた」と述べた ・イラク戦争後のイラクにもイランは進出し、シーア派の革命輸出の拠点にし、そこからサウジアラビアや湾岸諸国への進出を狙った。既にイラク指導部には、イランの息が掛かったシーア派工作員がいる ・アメリカはイラクから撤退しているため、イランの侵略が進むイラクは一層のカオス ・中東の大国であるサウジアラビアは、王国でもあるため、革命国家であるイランとは対立関係にある ⑥レバノンはイランの革命輸出モデルケース ・政治武装組織ヒズボラはイランの手引により、レバノンで組成されたシーア派コミュニティ。ヒズボラは、イランによる武力訓練も受け、2020年には連立与党政権になった。 ⑤ISIS
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2022/3/23読了。思いもしなかったロシアプーチン大統領によるウクライナ侵攻には唖然としたが、実は2014年のロシアのクリミヤ地区侵攻から今日まで紛争の火種は顕在化していた。日本で平和に暮らしている人間にはただ分からなかっただけなのだが…。今回の戦争を目の当たりにして本書を手...
2022/3/23読了。思いもしなかったロシアプーチン大統領によるウクライナ侵攻には唖然としたが、実は2014年のロシアのクリミヤ地区侵攻から今日まで紛争の火種は顕在化していた。日本で平和に暮らしている人間にはただ分からなかっただけなのだが…。今回の戦争を目の当たりにして本書を手に取り地政学リスクを背景に政治状況の変化(強国の覇権争い)の中で資源がどう利用されているのか…これが権力に利用され悲劇を生んでいることも知ることになるのだが、世界地図を傍らに置き非常に感慨深く考えさせられた。この分野の第一人者だけあって分かりやすくかつ読みやすかった。
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読み応えのある本。 地域ごとの資源、産業ごとの資源。多角的にとらえています。 今のウクライナ、ロシアの話も分かりますし、ISなど中東情勢も分かります。
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