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新しい世界の資源地図 の商品レビュー

4.4

38件のお客様レビュー

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2022/10/30

エネルギー安全保障を軸にアメリカ、ロシア、中国、中東のキープレイヤーたちの思惑が見て取れた。 アメリカでのシェール革命はそれまでの石油市場のパワーバランスを大きく変え、経済力に圧倒的な影響を与えている。 ロシアは天然ガスを人質に取っている。 中国はシーパワーを手に入れるべく...

エネルギー安全保障を軸にアメリカ、ロシア、中国、中東のキープレイヤーたちの思惑が見て取れた。 アメリカでのシェール革命はそれまでの石油市場のパワーバランスを大きく変え、経済力に圧倒的な影響を与えている。 ロシアは天然ガスを人質に取っている。 中国はシーパワーを手に入れるべく南シナ海を改造し一帯一路を張り巡らす。 中東はオイルマネーを持て余し発展に活かせていない。 そのような中、地球環境の持続性が喫緊の課題となり化石燃料の扱いを巡る先進国と発展途上国に大きな溝が生じている。 クリーンエネルギーへの傾斜が一時的であれ高負担を強いることに世界はどこまで耐えられるのか。 コロナやウクライナ侵攻を見るとエネルギーは地産地消でなければ自らの命運を他に委ねることななることがよくわかった。

Posted byブクログ

2022/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本には、地政学とエネルギー安全保障の変化によって、世界がどうなっていくかが書かれている。 舞台となるのは、4つの国と地域。アメリカ、ロシア、中国、中東だ。エネルギー安全保障において、現状最も重要なのは、石油と天然ガスの確保である。アメリカでのシェールガスとシェールオイルの発見は世界のバランスを大きく変えてしまった。 そして、今後のエネルギー安全保障の鍵となるのが気候変動への対策(カーボンニュートラル)になる。めちゃくちゃとも思えるくらい高い目標が設定されているが、これを達成させるための3つのキーワードがある。1つ目が炭素回収、2つ目が水素、3つ目がバッテリーだ。この3つの技術革新が求められる。 この本の原書の発売は2020年だったので、少し情報が古い。今の世界情勢を知ったら、もっと違った考察が出てくるのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/09/04

プーチンの話は面白かった。石油を手にすることがロシア復活に繋がることをよく知ってたんだな。プーチンは。サウジアラビアも石油をアメリカと繋がった王族が手にして国を富ませてるから、石油だけで、他に産業が弱くてもなんとかなるんだなとか思ってサウジアラビアの話に期待。中国の話は新聞に書い...

プーチンの話は面白かった。石油を手にすることがロシア復活に繋がることをよく知ってたんだな。プーチンは。サウジアラビアも石油をアメリカと繋がった王族が手にして国を富ませてるから、石油だけで、他に産業が弱くてもなんとかなるんだなとか思ってサウジアラビアの話に期待。中国の話は新聞に書いてあることだけ。イランやイラクについては、感情的なアメリカ人。読む価値なし。ホント恥ずかしくないのかね。 国別だと中国やインドが悪いと書いてあるけど、国民1人当たりにするとどれくらいなんだろ。ヨーロッパとか人口少ない国多いから実は1人当たりの消費量って中国少ないとかないのか?

Posted byブクログ

2022/08/04

エネルギー安全保障の過去から未来までを俯瞰できる一冊 脱炭素、カーボンニュートラルの世界的な潮流は間違い無いが、具体の対応はその国の地政学、資源、経済状況で異なってくる。 太陽、風、水の自然エネルギーは重要ではあるが、変化の鍵は化石燃料および資源国が握っている。 本書は、米...

エネルギー安全保障の過去から未来までを俯瞰できる一冊 脱炭素、カーボンニュートラルの世界的な潮流は間違い無いが、具体の対応はその国の地政学、資源、経済状況で異なってくる。 太陽、風、水の自然エネルギーは重要ではあるが、変化の鍵は化石燃料および資源国が握っている。 本書は、米国のシェール革命、中東の宗教と石油、南シナ海、自動車業界など、今の世界を知るのに重要なテーマを広く、濃く解説する。1章ずつが短くトピックごとに明確に分かれるため全体を俯瞰して部分を読み返すのが容易。 新型コロナ、ロシアのウクライナ侵攻など、世界はますます先行きが見えない。資源のない日本にとって、本書の知識は教養として皆が持つべきものだと感じた。

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2022/07/28

エネルギーを主役に歴史的観点や経済、政治動向を踏まえた国ごとの考え方、戦略がコンパクトにまとまっていて有益。ただ、コンパクトと言いながら鈍器レベルの分厚さ… 個人的には中東の予備知識が足りず若干消化不良ながら、サウジアラムコの上場等腹落ちする部分も多かった。定期的にアップデートし...

エネルギーを主役に歴史的観点や経済、政治動向を踏まえた国ごとの考え方、戦略がコンパクトにまとまっていて有益。ただ、コンパクトと言いながら鈍器レベルの分厚さ… 個人的には中東の予備知識が足りず若干消化不良ながら、サウジアラムコの上場等腹落ちする部分も多かった。定期的にアップデートして欲しい本。

Posted byブクログ

2023/01/22

温室効果ガス実質排出ゼロに向けて、急激な変化を目前にする今、踏まえておくべき世界情勢。 ・アメリカのシェールガス、シェールオイルによる輸出国化 ・中東依存の低下、世界の警察の必要性低下 ・欧州へのLNG輸出、エネルギー地図の変化 ・ロシアとウクライナとのパイプラインを巡る紛争...

温室効果ガス実質排出ゼロに向けて、急激な変化を目前にする今、踏まえておくべき世界情勢。 ・アメリカのシェールガス、シェールオイルによる輸出国化 ・中東依存の低下、世界の警察の必要性低下 ・欧州へのLNG輸出、エネルギー地図の変化 ・ロシアとウクライナとのパイプラインを巡る紛争、ウクライナの西側シフトと戦争の予感 ロシアの欧州パイプラインとEU各国の思惑、米国の制裁、復元力 ・欧州のLNG基地建設による相対的地位の低下 ・北極圏LNG開設による東方シフト、多様化 ・2014年に購買力平価GDPで中国が世界一位 ・東シナ海を巡る米中対立(資源次第で重要性が変わり得る) ・一帯一路(BRI: Belt and Road Initiative)と米リバランス政策、インドの台頭 ・サイクス・ピコ協定による国境、中東の混乱 ・国境を廃するカリフ制 ・東地中海のガス田 ・コロナ後のOPECに代わる米、ロシア、サウジの石油安定秩序

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2022/07/13

米国、ロシア、中国、中東と世界のエネルギー資源をめぐる各国との関係を詳細な事例に基づき説明した本。なぜ、米国が近年、中東への関与だ減ったか、なぜ中国が南シナ海を支配しようとするのか背景がよく理解できた。結局、人類は、未だエネルギー資源、レアアースに支配されており、その価格、産出量...

米国、ロシア、中国、中東と世界のエネルギー資源をめぐる各国との関係を詳細な事例に基づき説明した本。なぜ、米国が近年、中東への関与だ減ったか、なぜ中国が南シナ海を支配しようとするのか背景がよく理解できた。結局、人類は、未だエネルギー資源、レアアースに支配されており、その価格、産出量に振り回されるのかがよくわかる。

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2022/07/02

すごい読み応えだ。 グローバルな環境でエネルギーや資源ビジネスに関与する人には必読書だろう。 ロシアによるウクライナ侵攻の前に、すっかり背景が解説されていたことに驚くと同時に、ヤーギン氏のような俯瞰的な思考を繰り返すことが、世界情勢とそれに連動する経済動向の将来予見性が高まるとい...

すごい読み応えだ。 グローバルな環境でエネルギーや資源ビジネスに関与する人には必読書だろう。 ロシアによるウクライナ侵攻の前に、すっかり背景が解説されていたことに驚くと同時に、ヤーギン氏のような俯瞰的な思考を繰り返すことが、世界情勢とそれに連動する経済動向の将来予見性が高まるという事を意識させられる。

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2022/06/21

エネルギーの専門家であり、ベストセラーとなった「石油の世紀」の著書でもあるダニエル・ヤーギンの新書。 10冊読んだような読後感だが、エネルギー問題を地政学(アメリカ、ロシア、中東、中国)やESGの観点(環境問題や電気自動車)から多面的に描き出しされている。 この1冊を読んでか...

エネルギーの専門家であり、ベストセラーとなった「石油の世紀」の著書でもあるダニエル・ヤーギンの新書。 10冊読んだような読後感だが、エネルギー問題を地政学(アメリカ、ロシア、中東、中国)やESGの観点(環境問題や電気自動車)から多面的に描き出しされている。 この1冊を読んでから、世界で起きている様々な紛争の背景にあるものがより立体的に見えるようになった。

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2022/06/19

信頼のダニエル・ヤーギン著作。歴史的なエピソードを交えて現在の問題を様々な思惑の地図として描き出す。ロシアのウクライナ侵攻前に出版されたものではあるが、その侵攻もこの「新しい地図」の文脈で考えることができる。 大きな潮流としては、個人的にこうまとめた。 ・アメリカのシェール革命...

信頼のダニエル・ヤーギン著作。歴史的なエピソードを交えて現在の問題を様々な思惑の地図として描き出す。ロシアのウクライナ侵攻前に出版されたものではあるが、その侵攻もこの「新しい地図」の文脈で考えることができる。 大きな潮流としては、個人的にこうまとめた。 ・アメリカのシェール革命によるエネルギー自立 ・それによるアメリカの中東関与の弱まり ・中国の共産党独裁国家としての経済発展と、その結果としてのアメリカとの対立 ・ロシアの大国幻想、結局資源頼みの経済とプライドのアンバランス ・電気自動車へのシフトによるエネルギー需要の転換 ・気候変動リスクに対応する化石燃料からのシフト ・これらの転換における中国の存在感 ・そして全てに関連する地政学的なリスク、領土的野望 今後の産業や国際社会がどう進んでいくかを予言するものではないけど、予想するために必要なピースが素晴らしく読みやすい書き振りでまとめられており示唆に富みまくりの本。

Posted byブクログ