密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック の商品レビュー
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久しぶりの物理!タイトル通り密室がどんどん出てきて結構楽しかった。でもひとつひとつが薄っぺらくて満足感が得られない。カーテンに穴って。持った弾丸が暴発って。天井から脱出って。なんだそりゃ。 とりあえずの十戒で雰囲気を作っても細部が軽すぎて浮いちゃうし、もっとライトに振り切ればいいのに。
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密室トリックが6つも出てくる豪華さ。 しかも4つは惜しげなくあっさりと解答が提示されてしまうのに、そもそも密室が解明されなければ無罪というキッカケの大ネタが、最後の最後まで分からないのもとてもいい。
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密室に恋し、密室に憧れ、密室に想いを馳せて。 密室好きが再現なく密室を活用し、作中全てのトリックに密室を使い、最後の最後まで密室に抱かれたまま幕を閉じる、そんなイかれた作品だ。 作中、何度も殺人が起きるが、何故か暗さは無くまるで青春ミステリーを読んでいるかの如く清々しい気分だ...
密室に恋し、密室に憧れ、密室に想いを馳せて。 密室好きが再現なく密室を活用し、作中全てのトリックに密室を使い、最後の最後まで密室に抱かれたまま幕を閉じる、そんなイかれた作品だ。 作中、何度も殺人が起きるが、何故か暗さは無くまるで青春ミステリーを読んでいるかの如く清々しい気分だ。ある意味、きちんと密室殺人を表現しながら、癖のある登場人物達がきちんと役割を担い、とても明るく健全に密室殺人が行われていく。読み始めてから数分は、実際に殺人は起こらず、主人公が作家の残した密室を暴いていくストーリーなのかと思う程、毒気がない、コミカルな部分が多い作品だと思ったのだが、一度事件が起きれば骨太の密室殺人が待ち構えており、とても楽しむ事が出来た。 主人公の葛城香澄は高校生で、幼馴染で年上の大学生、朝比奈夜月に誘われて、過去に有名作家が暮らしていた雪白館を訪れる(理由がUMA探しという導入もコミカルで好きだ。二人の関係性を読み解く事ができる)。 訪れた雪代館で、過去同級生だった蜜村漆璃や透き通る様な美少女フェンリル・アリスハザードなど魅力的な人物達と遭遇する。 また、この世界は日本で初めて密室殺人が起きた世界線の話をしており、密室はアリバイ工作と同じく証明されなければ、被疑者は無罪となる判決が出されている。それにより密室殺人が増加し、密室にかかわる職業や犯罪者たちが増えている。こういったストーリーの土台が明かされながら、密室というものに取り付かれていった人間たちの物語が今作だ。 ベースは密室殺人を解き明かしていくことが工作の魅力なわけだが、その中でも見立て殺人など思考を凝らし、単純な密室、殺人の寄せ集めにならないようにしている。密室についての知識やミステリー好きならお馴染みの知識などふんだんに盛り込まれており、作者がいかに密室とミステリーを愛しているかがが窺える。 一部残念な点としては、登場の際に魅力的だったフェンリルの印象が小さくなってしまっていること、幼馴染みの夜月の活躍があまり見受けられないことが挙げられる。ある意味主人公の葛白は作中で魅力的な女性に囲まれているわけだが、誰とどのような関係になっていくのかも面白さの1つだと思われる。 探偵役が予想外で、しかし、慣れてしまえば面白い状態なのだが、ここにある意味で、大きな裏切りが隠されており、さらには後半の大どんでん返しは驚きで、今までミステリーでこのような展開の作品を見たことがない。 最後、ある意味でハッピーエンドで終了するが、まるで青春ミステリーを呼んでいるかのごとく甘く清々しい締めくくりになった。人がたくさん死ぬミステリーで、これほど清涼感のある作品は滅多になく、しかもその構成にほとんど違和感なく、読了することができたのは作品の魅力であり、筆者の魅力なんだと思う。 しかし、作中叙述トリックについては、認めないと主人公が超えたからに宣言していたが、ある意味とある部分において、叙述トリック的な方法を活用されており、思わず笑ってしまった。 明らかにまだかつて読んだことのない面白い構成のクローズドサークルものだった。主要な登場人物たちが密室に毒されており、僕も四六時中密室について考えれば、この世のトリックが思い浮かぶのかなあと感心する一方、それを生み出している鴨崎暖炉はよっぽど変わった人なんだろうなぁと思いにふける。
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プロローグの時点で、文句なしの星5! 今まで読んだ本の中でもトップレベルに面白い導入である。名前が覚えやすいのも良かった。 解説にもある通り、遊びたっぷりの作品。エンタメ性、ゲーム性に軸足を置いた振り切った設定という言葉もまさにその通り。 イメージするのに体力は使うけれど、実際の...
プロローグの時点で、文句なしの星5! 今まで読んだ本の中でもトップレベルに面白い導入である。名前が覚えやすいのも良かった。 解説にもある通り、遊びたっぷりの作品。エンタメ性、ゲーム性に軸足を置いた振り切った設定という言葉もまさにその通り。 イメージするのに体力は使うけれど、実際の現場を思い浮かべながら謎解明の描写を読んでいき、すとんと腑に落ちる瞬間が気持ちよくて癖になる。 ただ本当に、エンタメ性とゲーム性に振り切ったが故のライトノベル感のノリだけがどうしても残念に感じた…。でも、それを含めても面白かったので星5。 続編もあるから楽しみ〜!
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小説として読ませる、というよりもなんかメディアミックスを前提にした感じがしなくもない。悪い意味ではなく。そのあたりにラノベ感があるのかもと思う。設定自体はぶっ飛んでるのかもしれないけど、作中においてその設定自体はむしろ論理的でさえある。そしてそれは密室にとことんこだわるためのものなわけで、徹頭徹尾論理性のみを追求したと言えそう。 その分、なのかはわかんないけど、時々出てくる「私、気になります」などのおちゃらけがより際立つのかもしれない。 トリックとしての完成度がどうかという専門的な判断は下せないけど、それでもなるほどなるほどと感じ入った。ただ、例えば料理において作り方にこだわれば美味しくなるとも限らないということと同じで、ミステリーも所作やトリックの美しさだけですべてが決まるわけではないのだろうと思う。特に僕のようなただの素人は「読み物」としての全体性とか統合性のようなところにも目がいくわけで。そう考えたとき、この作品の評価にはちょっと悩むところもある。動機というか、ミッシングリンクがけっこうあっさりしてたから。なんかもったいない気がするんだけど、多分それも意図的なんだろうなぁ。密室の不解証明だもんな(笑) そして、やはり隣室Aは存在するのかどうかは、私、気になります。
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たくさんの密室トリックが出てくるが、それを「その手があったか!」と感じるか、「小細工を弄してるな」と感じるか、そこが評価の分かれるところだと思います。自分は中間くらいの印象だったので☆3です。著者のやりたいことは十分に伝わってくるので次回作にも期待します。
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世はまさに大密室時代って感じの世界なのは独自性あって良かったのですが、謎解きの中心が密室に偏りすぎていて心理的側面やフーダニット要素が薄めであっさりとしていた。 面白くないわけではないけれど、好みとはあまり一致しなかった作品でした。
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がっつりしっかりとした密室トリックが満載で面白かった! 登場人物の名前が分かりづらく変だと思ったけど、ダジャレに絡んだ名前だった…! 合間合間のツッコミが個人的にはツボ。 続きも読みたいと思わせる1冊だった。
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これは酷くないか? 久しぶりに途中で読むのを止めてしまった 現場が密室である限り無罪であることが担保されるとあるが、この前提に疑問がのこる。 そもそも密室をつくることは、犯人が容疑から逃れるための手段なので、逃れられないのであればわざわざ労力をかけて密室を作る必要がない 言...
これは酷くないか? 久しぶりに途中で読むのを止めてしまった 現場が密室である限り無罪であることが担保されるとあるが、この前提に疑問がのこる。 そもそも密室をつくることは、犯人が容疑から逃れるための手段なので、逃れられないのであればわざわざ労力をかけて密室を作る必要がない 言うまでもなく、密室殺人が成立してしまえば、犯人はわからないはずである また、そんな前提の環境を作ってまで密室にこだわった割には、トリックもかなりお粗末 現実には成立しないトリックなので、興冷め 酷かった
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鴨崎暖炉さんの作品 初めて読みました 理科大の理工出身で学年も2-3個違いなので 野田のキャンパスにいたのかと 密室密室の密室推しの作品 設定がなかなか面白く 「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保され...
鴨崎暖炉さんの作品 初めて読みました 理科大の理工出身で学年も2-3個違いなので 野田のキャンパスにいたのかと 密室密室の密室推しの作品 設定がなかなか面白く 「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本という設定 そして、数々の密室(事件)が繰り広げられる 香澄(男の子)と漆璃(女の子)この 元同級生コンビがギャグもおふざけも交えながら 雪城館の孤城で繰り広げられる密室をひたすら 暴いていく。。。何人死んだのだろか。。。何個かトリックあったのだろうかw 後半の盛り上がりは勿論あるが お腹一杯の満足感はありながらも サクサク読めるトリックミステリー ノックスの十戒、モーセの十戒となかなか 連続密室の裏側は練られてるところは圧巻と 作者の密室愛がこれでもかとでてるところは 大変面白かった もう少し、香澄、漆璃、夜月、梨々亜、迷路坂 など、凄いキャラは際立ってていいのでもっとエピソードがほしかった 続いて狂乱、偏愛もあるので 読んでみようとおもいます
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