月の光の届く距離 の商品レビュー
育てられない。 生きてゆけない。 深い覚悟が命をつなぐ。 それは、血の繋がりより強い愛。 月に光の届く距離 タイトルの意味を、巻頭の手紙の想いが 読後に読み返すとじんわりと胸に響く。 装幀 鈴木久美 作品 西浦裕太 写真 大隈圭介
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Amazonでもブクログでも、星の評価が5に近いという高評価の作品です。家族について、血の繋がりについて、未成年の妊娠、歓楽街での援助交際、虐待、そして里親制度‥など社会的に多くの問題を含んだ事柄を、一つのストーリーに織り込んで、丁寧に描いていきます。 冒頭、『私の赤ちゃんへ』...
Amazonでもブクログでも、星の評価が5に近いという高評価の作品です。家族について、血の繋がりについて、未成年の妊娠、歓楽街での援助交際、虐待、そして里親制度‥など社会的に多くの問題を含んだ事柄を、一つのストーリーに織り込んで、丁寧に描いていきます。 冒頭、『私の赤ちゃんへ』という手紙で始まります。『この手紙を読んでいるあなたは、今何歳ですか? ‥‥中略‥‥ 家族の形はいろいろです。 私たちは太陽のような明るい光では、あなたを包み込んであげられない。だけど夜になって空に月が出て、あなたをそっと照らすことがあったら、それはあなたへの私たち家族の愛だと思ってください。私たちは、いつも月の光の届く距離にいます。ママより』 こんなやさしい手紙で始まりますが、繰り広げられていく現実は辛い起伏に富んでいます。これでもか、と。 しかし終盤、読み手に希望を抱かせて、夜空の月を見上げるようにやさしい気持ちにさせてくれます。 ミステリーと紹介されていますが、 ミステリーというよりも、家族のあり方に光を当てた作品です。 第一章 夜の踊り場 第二章 夜叉を背負って 第三章 ただ一つの恋 第四章 月の光の届く距離
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第1章 同級生との子を身ごもって彼氏には捨てられ父母にも勘当された17歳の少女が自死を選ぶべくビルの屋上へ。そこで運命の出会いがある。 なんというか、安いドラマのような幕開けで読み始めたことを悔いる。 2章からは少女を救った人たちの過去が語られる。ドラマの脚本のような、短文で。一...
第1章 同級生との子を身ごもって彼氏には捨てられ父母にも勘当された17歳の少女が自死を選ぶべくビルの屋上へ。そこで運命の出会いがある。 なんというか、安いドラマのような幕開けで読み始めたことを悔いる。 2章からは少女を救った人たちの過去が語られる。ドラマの脚本のような、短文で。一文が短く「日記」のようなのですらすらと読める。 深夜に新宿を徘徊する家庭に恵まれない子供たち、その環境。目をそむけたくなるようなおそらくはありふれた事実。 淡々と読み進む、唯一、切なかったのは、明良が世話になった恩人へやっと自立の報告に行ったところ恩人は亡くなっていた、という場面。それはないでしょう、というような残酷な設定で、胸が詰まる。 明良と華南子の0.1%の運命の出会いも韓ドラのようだ。 類子さんが素敵だな。かっこいいな。いびつなようでいてそれぞれがうまい距離感でお互いを照らしあっている月の光。 そういう家族の物語。
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しっとりとした読後感。 色々な家族の色々な事情。どんなに崖っぷちでもしっかり前をむけば強く生きていくことは可能だ、人間捨てたもんじゃない。 凛として矍鑠とした老女の類子さんが素敵だ。
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望まぬ妊娠をした女子高生の話かと思いきや、そんな子ども達を救おうとする大人たち、その大人たちの壮絶な過去を描いた物語だった。 様々な家族の形があって、何をもって家族なのか色々考えさせられる。 個人的には江戸指物師の橋本さんが好きだった。朴訥とした中に優しさが溢れていて、すごく魅力...
望まぬ妊娠をした女子高生の話かと思いきや、そんな子ども達を救おうとする大人たち、その大人たちの壮絶な過去を描いた物語だった。 様々な家族の形があって、何をもって家族なのか色々考えさせられる。 個人的には江戸指物師の橋本さんが好きだった。朴訥とした中に優しさが溢れていて、すごく魅力的な人。 それにしても…明良と華南子の関係は、途中から想像がついたけど、いくらなんでもこんな偶然ある?
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高校生で妊娠してしまい途方に暮れている女子が、偶然出会った児童保護をしているNPOの人に助けられることから始まる、1年に満たない短い間の、長い物語。 説明的な文章が長いところがあり、途中で読むことを投げ出しそうになったが、その女子高生のことは置いておいて、全く別の話になってから俄...
高校生で妊娠してしまい途方に暮れている女子が、偶然出会った児童保護をしているNPOの人に助けられることから始まる、1年に満たない短い間の、長い物語。 説明的な文章が長いところがあり、途中で読むことを投げ出しそうになったが、その女子高生のことは置いておいて、全く別の話になってから俄然面白くなる。 そして、また女子高生の出産までの成長を描く最後、飛び出して来た実家の両親との和解に、ちょっと涙してしまった。 家族って何なんだろう、という言葉が本文に出てくる。私も、よく考える。うまくいっている時は考えない。問題が生じた時に考える。とても、心温まる答えが伝わってきた気がした。
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大事に大事に育ててきた一人娘が高校生で妊娠してしまう。家追い出すかな、、ちょっと理解できないな。って始まりでしたが、話しにぐんぐんと引き込まれていきます。 様々な家族のかたち。血が繋がっていてもいなくても、幸せな家族になる事はできる。その逆もしかり。
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久しぶりに本を読んで泣いた。 それぞれの辿ってきた人生の物語がとても壮絶で…私はどんなに守られた人生を送っているのか。 家族とは 幸せとか 人との繋がりの在り方とは
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タイトルに惹かれて手に取った本。 華南子と明良に起きたことは本当に悲運としか言いようがない。自分のことでも、まして小説の中の出来事だけど、私も千沙と同じように華南子と明良のことを思って泣いた。 家族の形は様々。本当の親にこだわる必要がないと思っているから、日本の制度ももっと子供が...
タイトルに惹かれて手に取った本。 華南子と明良に起きたことは本当に悲運としか言いようがない。自分のことでも、まして小説の中の出来事だけど、私も千沙と同じように華南子と明良のことを思って泣いた。 家族の形は様々。本当の親にこだわる必要がないと思っているから、日本の制度ももっと子供が不幸にならないようにダメな大人からは子供を救えるようになって欲しいなと思う。 あと、最後にカメが出てきてうれしい。本当に彼にピッタリの仕事に就いたなと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女子高生、美優は予期しない妊娠をしてしまう。 堕胎するには遅すぎると、福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウス「グリーンゲイブルズ」に預けられる。 そこには血のつながりよりも深い愛で結ばれた「家族」が暮らしていた。 (アマゾンより引用)
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