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月の光の届く距離 の商品レビュー

4.2

56件のお客様レビュー

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2022/02/12

赤毛のアン 子供の頃に読んだはずだけど、よく内容を覚えていなかったんだって事を、この本を読んで思い出した。

Posted byブクログ

2022/02/10

確りとした文章力の宇佐美氏なので上梓作品の質に間違いないとは思っていても、ホラー・怪談・ミステリーとは全く違う里親制度をキーにした家族を考える本作品の題材には本当に驚いた。この新たな一面が、ジャイアントステップになったと思料する。血のつながりのある一般的な家族の繋がりが燦燦と輝く...

確りとした文章力の宇佐美氏なので上梓作品の質に間違いないとは思っていても、ホラー・怪談・ミステリーとは全く違う里親制度をキーにした家族を考える本作品の題材には本当に驚いた。この新たな一面が、ジャイアントステップになったと思料する。血のつながりのある一般的な家族の繋がりが燦燦と輝く太陽の光ならば、血はつながらずとも幸せに暮らすことができる家族の繋がりを月の光が届く距離と形容するタイトルに込められたメッセージにも深く共感できる。しかも月の方が距離は近いし。宇佐美氏の新境地を是非多くの方に読んでもらいたい。素晴らしい作品。

Posted byブクログ

2022/02/10

類子が素敵。 「男を父親の位置にきちんと据えようと思ったらね、女が上手に育てあげなくちゃいけないのよ。私はごめんだわね。そんな労力を使う時間が惜しかったの。」 カッコいい。 人と人との出会いは偶然だけど、大きく人生を変えることがある。 そうだね。 賛否両論あると思うけど、まず、 ...

類子が素敵。 「男を父親の位置にきちんと据えようと思ったらね、女が上手に育てあげなくちゃいけないのよ。私はごめんだわね。そんな労力を使う時間が惜しかったの。」 カッコいい。 人と人との出会いは偶然だけど、大きく人生を変えることがある。 そうだね。 賛否両論あると思うけど、まず、 17歳で妊娠した美優の彼がひどい。 美優の両親もひどい。 見放し方が、嫌だと思った。 でも、 人の成長ってすごい。感動する。 登場人物がそれぞれ、びっくりするほど壮絶な人生。 ラストに近づいていくうちに、とても優しい気持ちに包まれる。 光のある終わり方。

Posted byブクログ

2022/02/03

息を呑むようにして読み続け、読了。 『羊は安らかに草を食み』では、高齢者の所業に快哉を叫んだが、 今度は? 静かな涙というところか。 かつて、30年ほど前、アメリカで有名人カップルが、次々に養子縁組を行い、 血縁を越えた家族の存在をテーマにした小説を、やたら読んでいた。 日本...

息を呑むようにして読み続け、読了。 『羊は安らかに草を食み』では、高齢者の所業に快哉を叫んだが、 今度は? 静かな涙というところか。 かつて、30年ほど前、アメリカで有名人カップルが、次々に養子縁組を行い、 血縁を越えた家族の存在をテーマにした小説を、やたら読んでいた。 日本も、こんな風な時代が来るのかしら、羨ましいな、 いや、日本じゃ無理だよね、と、どれだけ考えたか。 まさか、まさかの30年後。 こういう小説を違和感なく受け入れる時代になっている。 それだけ、いわゆる「家族」が崩壊しているのかも知れないけれど。 小説についていえば、最後の最後は、著者からのプレゼントのようで 涙が止らなかった。 一度できた、大事な人との縁は決して切れないと、信じたい。

Posted byブクログ

2022/01/13

17歳で同級生との子供を妊娠した美優。怒る両親、逃げる男。そんな周囲の状況への意地で一人で産み育てることを宣言し家を出たものの行き詰まり、ビルの屋上から飛び降りようとしていた。 そんな美優が家族として迎えられた「グリーンゲイブルズ」というゲストハウス。 そこは兄と妹が、行き場のな...

17歳で同級生との子供を妊娠した美優。怒る両親、逃げる男。そんな周囲の状況への意地で一人で産み育てることを宣言し家を出たものの行き詰まり、ビルの屋上から飛び降りようとしていた。 そんな美優が家族として迎えられた「グリーンゲイブルズ」というゲストハウス。 そこは兄と妹が、行き場のない子供たちを養子や里子として育てている場所だった。 望まぬ妊娠をしたとき、相変わらず大きな犠牲を一方的に払わされるのは女性なんだと怒りを覚える。 それでも、美優がグリーンゲイブルズという居場所を得、さまざまな子供たちの環境を知ることで、自分の子供の幸せ、母親としての自らの行く末を考え、進むべき道を選択していく姿には希望があり、素直に応援したくなる。 明良と華南子の兄妹も、辛い事情を乗り越えて今の形を選んだことが素晴らしいし、何より、そこで救われていく子供たちが、たとえ氷山の一角であったとしても存在することが嬉しい。 行き場のない子供たちが繁華街に溢れる現状、それぞれの思い、里親制度や特別養子縁組制度、非配偶者間精子提供制度など重い社会問題を描きながら、決して暗いだけに止まらず、月の光のような静かな明るさと、希望に包まれる読後は爽やかだ。 ラストにある人物が再登場するのも嬉しく、暖かい気持ちで読み終えられたのが嬉しかった。 現実はこんなにうまくいかないかもしれないけど、せめて少しでも、辛い思いをする子供達が減ることを願う。 大人たちが自分のことだけではなく、子供の立場に立って物事を考えられる世の中、子供の幸せに寄り添った制度のあり方が整ってほしいとしみじみ思った。良い作品でした。

Posted byブクログ

2022/01/05

女子高生、美優は予期しない妊娠をしてしまう。堕胎するには遅すぎると、福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウス「グリーンゲイブルズ」に預けられる。そこには血のつながりよりも深い愛で結ばれた「家族」が暮らしていた。養子縁組、里親制度。小さな命に光を当てる、長編ミステリー

Posted byブクログ