心霊電流(下) の商品レビュー
原著2014年発表。 「キングひさびさの正統派ホラー」との売り出し文句だが、最後の部分以外はあまりホラーっぽくなかった。ホラーらしさは無いものの話はやはり面白く、ストーリーテリングは抜群である。 ただし、いつものキングの文体にある「地口丸出し」感はあまりなく、割とすっきりとし...
原著2014年発表。 「キングひさびさの正統派ホラー」との売り出し文句だが、最後の部分以外はあまりホラーっぽくなかった。ホラーらしさは無いものの話はやはり面白く、ストーリーテリングは抜群である。 ただし、いつものキングの文体にある「地口丸出し」感はあまりなく、割とすっきりとした語り口。 書き手として設定されている「ぼく」がひと桁の年齢から50代、60代へと至る長大な時間遍歴の物語なのだが、50代になって実家に戻り兄弟や旧友と再会する場面はなにかじーんと来るものがあった。私にはそのような「再会して感動する」兄弟などないので、羨ましいような気もした。 ホラーらしさがあまりないというのは、もと牧師の操る電気による「治療術」の患者らの後遺症の出現確率が低いからだ。そんな低確率なら治療の著しい成功例の比率に対して問題にならない、というもと牧師の主張に対抗し得ない。なぜキングはこんな風に書いたのだろう? もっと切羽詰まった危機が明らかであれば、物語は緊張感あふれるものになったろうに・・・。 がそのぶん、物語は老いてゆく語り手の、幼い-若い頃の思い出を生き生きと愛おしく描いてゆく叙述が輝いてゆくのかもしれない。このノスタルジーのあたたかさは、ある時期以降のキングに顕著な情感だ。 気晴らしにと読んでみたスティーヴン・キングは、やはり語り口が上手く、情感の喚起力が素晴らしくて、印象に残るものがある。
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ものすごく良かった。 上巻からの仕込みが期待以上に炸裂していて大満足の下巻。 私がキングに望むのはこういうの。 とてつもなくおぞましく、でもその根底に流れるのは物悲しさとせつなさ。狂気に満ちた愛も。 冒頭の献辞。そうそうたるホラー作家たちの名前が連ねられてるのも、読み終わって納得...
ものすごく良かった。 上巻からの仕込みが期待以上に炸裂していて大満足の下巻。 私がキングに望むのはこういうの。 とてつもなくおぞましく、でもその根底に流れるのは物悲しさとせつなさ。狂気に満ちた愛も。 冒頭の献辞。そうそうたるホラー作家たちの名前が連ねられてるのも、読み終わって納得できる。 特に私が本作で感じたのはメアリー・シェリーとラヴクラフト。ラヴクラフトはそのまんま。キングお得意の虚実織り交ぜテクニック。 メアリー・シェリーについてはフランケンシュタインのオマージュで溢れかえっていると思う。過去の異端発明家たちからの影響を受ける牧師がそのまんまフランケンシュタインと重なる。取り扱うのが電気である点も。 ただ、キングがすごいのはそこからの展開。単なる真似事以上の世界に連れて行ってくれるのだ。 エピローグにいたってはそれだけで一冊できるほどの濃厚さ。 調べたわけではないので違うかもしれないけど、ダークタワーシリーズの一部にあたるように思う。 もちろんシリーズ未読でも問題なく楽しめる。
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キング作品4作目にして、酷く頁が進まない退屈で納得感のない作品だった。後半のスリリングなホラー展開は呪われた町、ファインダーズキーパーズに及ばず、前半の主人公がだらだらと人生を過ごすくだりも何のために読まされたのか理解ができなかった。冒頭の牧師が引越ししていくまでが興味を持って頁をめくれるピークだった。
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妻子を悲惨な事故で失い、神を呪ったジェイコブス牧師は、“神秘なる電気”に取憑かれ、その力で死後の世界を垣間見ようとする。そして、地獄よりも尚悪い“真実”を見てしまってショック死。余りに救いの無い人生である。主人公のジェイミーも、牧師に薬物依存から救って貰った一方で、呪いをかけら...
妻子を悲惨な事故で失い、神を呪ったジェイコブス牧師は、“神秘なる電気”に取憑かれ、その力で死後の世界を垣間見ようとする。そして、地獄よりも尚悪い“真実”を見てしまってショック死。余りに救いの無い人生である。主人公のジェイミーも、牧師に薬物依存から救って貰った一方で、呪いをかけられたような状態で物語が終わる。でも、女性関係では凄く良い目をみてたなぁ……。
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幼少期に出会った神父は奇跡を起こす人だった。 まあ、なにをどう言ってもネタバレになるんですよ。 でも、幼少期の出会いから、落ちて、救われて、そして、っていうのが、エゲツないぐらいうまい。 表現悪いけど、まじエゲツない。 中高の切ない初恋から、落ちていくのが、本...
幼少期に出会った神父は奇跡を起こす人だった。 まあ、なにをどう言ってもネタバレになるんですよ。 でも、幼少期の出会いから、落ちて、救われて、そして、っていうのが、エゲツないぐらいうまい。 表現悪いけど、まじエゲツない。 中高の切ない初恋から、落ちていくのが、本当に切ない。 ダメってわかっていても、彼女が好き、彼女にいい所見せたい、ってそれが切ない。 私は、だれかも憎んだりねたんだりしなくて、今いる。 その幸せを、思わずかみしめるのである。 …、もめっちゃ面白かったよ。
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キングらしい展開でした(;^_^A 『スタンド・バイ・ミー』を思い起こさせる子供時代から、結末までの流れはノスタルジックで好きですが、そこからが(◎_◎;) ですが、やっぱりキングが大好きです♪
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ジェイコブスが求めていたものは……… そこにあって見えないところ、生者の世界から移っていくところ。死者の通路を通り、治療を受けた者をカギに使って扉を開けること。 うーー 恐ろしい。 語られる言葉の映像を想像するだけでゾワゾワする。そんな世界は見たくない。そんな世界に行きたくない...
ジェイコブスが求めていたものは……… そこにあって見えないところ、生者の世界から移っていくところ。死者の通路を通り、治療を受けた者をカギに使って扉を開けること。 うーー 恐ろしい。 語られる言葉の映像を想像するだけでゾワゾワする。そんな世界は見たくない。そんな世界に行きたくない。 あぁぁぁ 怖かった。
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