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記憶の中の誘拐 の商品レビュー

3.7

20件のお客様レビュー

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2024/12/29

大山誠一郎の連作ミステリ作品『記憶の中の誘拐 赤い博物館』を読みました。 『赤い博物館』に続き、大山誠一郎の作品です。 -----story------------- 緋色冴子シリーズ第二弾。文庫オリジナルで登場! 赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が、過去の事件の遺留品...

大山誠一郎の連作ミステリ作品『記憶の中の誘拐 赤い博物館』を読みました。 『赤い博物館』に続き、大山誠一郎の作品です。 -----story------------- 緋色冴子シリーズ第二弾。文庫オリジナルで登場! 赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が、過去の事件の遺留品や資料を元に、未解決事件に挑むシリーズ第二弾。 文庫オリジナル。 ----------------------- 2016年(平成28年)から2021年(令和3年)にかけて文藝春秋の雑誌『別冊文藝春秋』、『オール讀物』に掲載された後、2022年(令和4年)に刊行された作品、、、 捜査中に大失態を犯してしまい警視庁捜査一課から警視庁付属犯罪資料館・通称「赤い博物館」に左遷された寺田聡巡査部長が、いつも無表情でコミュニケーション能力皆無といういわくつきの美女で、ずば抜けた推理力をもつ赤い博物館館長の緋色冴子とともに、過去の事件の遺留品や資料を元に、未解決事件(コールドケース)の再捜査を行い解決するシリーズの第2作で、以下の5篇が収録されています。  ■夕暮れの屋上で  ■連火  ■死を十で割る  ■孤独な容疑者  ■記憶の中の誘拐  ■解説 佳多山大地 未解決事件などの捜査書類を収蔵する通称“赤い博物館”の館長・緋色冴子……遺留品や手掛りを元に、ずば抜けた推理力で事件を幾つも解決してきた、、、 ある日、部下の寺田から相談されたのは、26年前に起きた奇妙な誘拐事件……犯人と目されたのはその子の親だったようで―表題作他、予測不可能なミステリ全5篇。 本作品も面白かったですねー 正確な観察力や聞き取りが優秀な元警視庁捜査一課の刑事で助手の寺田聡が情報を収集し、優秀なキャリアでありながらエリートコースから外れ犯罪資料館の館長を長年務め類稀な推理力を持つ緋色冴子……このコンビが未解決事件(コールドケース)の真相を暴くという展開が愉しめました、、、 前作では勤務先である犯罪資料館から一歩も出ずに事件を解決する安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)を決め込んでいた緋色冴子が、意外や本作品では“頼れる助手”寺田聡とともに再捜査の聞き込みや容疑者との直接対決の場に赴くなど行動に変化があるのも新鮮でしたね……5篇とも面白かったのですが、あえて言うなら特に印象に残ったのは、 23年前、校舎の屋上で2年生の女子高生が殺害された……彼女は、その直前に「先輩」への募る想いをに告白していたが、彼女を殺した「先輩」とは誰なのかを推理する『夕暮れの屋上で』、 24年前に東京都西部地域で連続して起きた放火事件……神出鬼没の放火魔は、標的にした住宅は跡形なく燃やしても、火をつけてすぐ「火事だ。逃げろ」と電話を掛けて死人は出さないように配慮していたのだが、その目的は何で、放火魔は誰なのかを推理する『連火』、 15年前、赤羽の河川敷で起きた、10個の部位に切断されたバラバラ殺人事件! そして、何の因果か被害者の妻は、夫の死体発見の前日、電車に飛び込んで非業の死を遂げていた……死体をバラバラにした理由探しと殺人犯は誰なのかを推理する『死を十で割る』、 の3篇かな……緋色冴子は証拠品の声を聴き、当時の関係者に新たな問いを放って真相を見抜く展開が愉しめましたね。 過去の事件という枠組みと周到な伏線を活かしつつ、意外な真相を読者に気付かせずに示す技量は抜群でしたねー もっと、もっとシリーズ作品を読みたいところですが、現時点で刊行されている作品は2作品のみのようです……続篇を期待しています。

Posted byブクログ

2023/04/21

シリーズ2つ目なのでまとめて読了 警察ものの小説(推理小説であってもなくても)もそこそこ読んできたと思っているが 死後硬直が始まるということを知ってはいてもそれが解けるのは知らなかった 推理は論理的だが犯人の動機はとってもウェットなかんじ 館長が出歩くことを始め、1作目より登...

シリーズ2つ目なのでまとめて読了 警察ものの小説(推理小説であってもなくても)もそこそこ読んできたと思っているが 死後硬直が始まるということを知ってはいてもそれが解けるのは知らなかった 推理は論理的だが犯人の動機はとってもウェットなかんじ 館長が出歩くことを始め、1作目より登場人物の人間味増してる 人生を〈偶然〉が手引きする 〈必然〉で〈運命〉 と解説に載っており、心に残りました

Posted byブクログ

2023/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

未解決事件などの捜査書類や証拠品を収める警視庁の犯罪資料館─通称『赤い博物館』の館長・緋色冴子と部下の寺田聡が未解決事件を再捜査する全5編の短編集です。事件関係者の視点、提示された証拠、聞き込みそして推理していく様子はわかりやすいです。 こちらはシリーズ2作目で前作は原作にしたテレビドラマ(二時間ドラマ)を観たことがきっかけで読みました。前作が面白かったので今作も期待して読んだのですが期待値が高かったためか、犯人の行動に『えっ?確かに騙されたけれどこれは無理がないか…?』感じる話もありました。(犯人がある行為をしていたという点では前作の「死が共犯者を別つまで」のほうが無理を感じなかった)、犯人が何のためにその行為をしたか?という意外性では「連火」「死を十で割る」「記憶の中の誘拐」が良かったです。また前作とは異なり情緒的な面での動機があったり、安楽椅子探偵のように資料と寺田からの話で事件を解決していた冴子が外に出て事件関係者の話を聞きに行くという行動をしたりしており変化を感じました。次作も楽しみです。

Posted byブクログ

2023/03/04

赤い博物館の第二弾。内容は、第一作よりも深い感じ。ただ、館長緋色紗栄子が関係者の聴き取りに同行するなど、少し物語が変わっている。第一作のままで推理を働かせなかったか、少し残念に思う。

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2023/03/04

シリーズ、第二弾(だそうです)。 未解決事件の捜査資料を収蔵する通称『赤い博物館』の館長・緋色冴子。 ずば抜けた推理力を持つものの、対人関係に難を持つ警視。 部下の(まともな?)寺田聡とともに、過去に起こった未解決事件の謎を追う。 ・夕暮れの屋上で ・連火 ・死を十で割る ・孤...

シリーズ、第二弾(だそうです)。 未解決事件の捜査資料を収蔵する通称『赤い博物館』の館長・緋色冴子。 ずば抜けた推理力を持つものの、対人関係に難を持つ警視。 部下の(まともな?)寺田聡とともに、過去に起こった未解決事件の謎を追う。 ・夕暮れの屋上で ・連火 ・死を十で割る ・孤独な容疑者 ・記憶の中の誘拐 それぞれ味のあるストーリーですね。 視点を変えると、当たり前に見えていた景色がガラッと変わるシーンは、面白いですね。 なるほど、そう言う見方があったのか? きちんと伏線もあり、納得です。

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2022/10/25

未解決事件の再調査で、過去の真実が明らかになるシリーズの久々の2冊目だそう。 コミュ力欠如の名探偵ホームズ役の警視が鋭い推理で過去の事件をあぶり出す。ワトソン役としての刑事はその分平凡的ではありますが。短いけれどもなかなか読み応え、謎解きたっぷりで楽しめました。こうなると最初の作...

未解決事件の再調査で、過去の真実が明らかになるシリーズの久々の2冊目だそう。 コミュ力欠如の名探偵ホームズ役の警視が鋭い推理で過去の事件をあぶり出す。ワトソン役としての刑事はその分平凡的ではありますが。短いけれどもなかなか読み応え、謎解きたっぷりで楽しめました。こうなると最初の作品も読んでみたくなります。

Posted byブクログ

2022/08/11

 未解決事件などの捜査資料を所蔵する《赤い博物館》の館長、緋色冴子。助手は訳があって捜査一課からとばされた寺田。の第2作。1作目、未読で、寺田が捜査一課から追い出された理由は知らない。緋色はどうやら前作に比べて外へでるようになった模様。連作短編集。 夕暮れの屋上で・・・高校2年...

 未解決事件などの捜査資料を所蔵する《赤い博物館》の館長、緋色冴子。助手は訳があって捜査一課からとばされた寺田。の第2作。1作目、未読で、寺田が捜査一課から追い出された理由は知らない。緋色はどうやら前作に比べて外へでるようになった模様。連作短編集。 夕暮れの屋上で・・・高校2年生の女子が学校屋上で頭を打って亡くなった事件。清掃業者は「先輩、これでお別れですね」の言葉を聞いていた。しかし、これは亡くなった女子高生が発したものなのか。 連火・・・連続放火事件。犯人は灯油で家を全焼させていたが、家族が逃げられるように火の動きを調節し、放火してすぐに被害者宅へ逃げるように電話していた。当時、警察へかかってきた電話によると、犯人は誰かに会いたかったらしい。 死を十で割る・・・コインロッカーに男性のバラバラ遺体が入れられた事件。同時に男性の妻も自殺を図っていた。緋色は、胴体は切断されておらず、腕、足の関節を切断していたことから、運転の姿勢だったことを突き止める。 孤独な容疑者・・・既読。 記憶の中の誘拐・・・寺田持ち込み案件。同級生は、幼い頃、誘拐されたことがある。犯人は実の母親。虐待があったため、医師の夫妻に引き取られたのだった。その両親は事故でなくなり、叔父が親がわりになっている。  スムーズに読めるし、トリックも趣向を凝らしてあって、楽しい。安定の作品だな。一番のおどろきは、解説にあった。ドラマ化された時、緋色は松下由樹だったらしい・・・イメージが全然違う。

Posted byブクログ

2022/06/26

未解決事件の捜査書類や証拠品を保管する警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」。 ミスにより刑事の花形・捜査一課から左遷された寺田聡の毎日は時効を迎えた事件の捜査資料を警察署から引き取り、QRコードを貼ってデータベースと紐付けるという単調なもの。 だが稀に、館長・緋色冴子警視が...

未解決事件の捜査書類や証拠品を保管する警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」。 ミスにより刑事の花形・捜査一課から左遷された寺田聡の毎日は時効を迎えた事件の捜査資料を警察署から引き取り、QRコードを貼ってデータベースと紐付けるという単調なもの。 だが稀に、館長・緋色冴子警視が『再捜査をする』の一声で当時の関係者に聞き込みをすることもある。法律上は時効が成立しているので犯人が分かったところで逮捕とはならないのだが『真実を暴く最後の砦』として出来る限り解決しようとしているらしい。 前作同様、今回も様々な事件の構図のある部分が引っ繰り返る瞬間が楽しい。 人物、事象、理由、原因、時系列…今回の事件は何がどう引っ繰り返るのかという興味で読んだ。 パターンとしては序盤に犯人視点の描写がチラッと入る。だがそれが真実とどう結びつくのかはまだ分からない。その後捜査資料にて事件の詳細が分かってくるのだが、疑問点があらわになるだけで主人公・寺田には事件の真相は全く分からない。だが『事件を再捜査する』と言った時点で緋色の頭にはある程度の真相が見えているようだ。 前作と違うのは、緋色が『赤い資料館』を出て寺田と共に聞き込みに出向いていること。コミュニケーション能力に難のある緋色は、前作では聞き込みは寺田に任せて自身はその結果を聞いて真相を明かすというパターンだった。緋色自身、何か思うところがあったのだろうか。 だが彼女の聞き込みは前作同様、一見不可解で寺田同様戸惑ってしまう。それが事件の真相とどう結びつくのかも楽しいところだろう。 捜査資料を読んだだけでなぜそれが分かるのか、緋色の頭の中がどうなっているのかこそ一番の謎だが、緋色はよくある名探偵キャラのように真実が分かるまでは考えを明かさない。緋色が『雪女』と寺田がこっそり呼ぶ沈黙キャラな分、守衛の大塚や清掃員の中川が補ってくれるから良いのだろう。 前作を読んで気になっていた、緋色が『赤い博物館』の館長となった理由、寺田が刑事に復帰する兆しなどは全くなかった。逆に言えばシリーズはまだ続くということだろうか。 ※シリーズ作品 ①「赤い博物館」レビュー投稿あり

Posted byブクログ

2022/05/31

大山誠一郎さんのミステリ、好み。 前作に引き続き面白い! 『夕暮れの屋上で』がとても良かった。 このシリーズ、まだまだ続いて欲しい。

Posted byブクログ

2022/05/17

前作同様よくできた短編集です。 本作だけでも楽しめますが、前作の続きから時間がスタートしているので、人間関係を知るには赤い博物館から読むことをお勧めします。 館長の緋色冴子と元一課刑事の寺田聡の今後が気になります。続編を期待するシリーズです。

Posted byブクログ