絵の中のモノ語り の商品レビュー
『怖い絵』シリーズの作者、図書館で『怖い絵』を探していたら、こちらの本が目にとまったので、ひょいと手を伸ばして読んでみた。 元々は『通販生活』のエッセイだったそうで、『モノ』にこだわった視点での絵の読み解きということらしい。 後半はモノグラムとかが取り上げられていて、ちょっと無理...
『怖い絵』シリーズの作者、図書館で『怖い絵』を探していたら、こちらの本が目にとまったので、ひょいと手を伸ばして読んでみた。 元々は『通販生活』のエッセイだったそうで、『モノ』にこだわった視点での絵の読み解きということらしい。 後半はモノグラムとかが取り上げられていて、ちょっと無理があるんじゃね。と、そう思うところもあるけれども、著者が楽しんで書いていること、絵を鑑賞していることが伝わるので、楽しんで読むことが出来た。 一番気に入ったエピソードは、表紙にも使われている絵のそれ、女性がなにやら意味ありげに花瓶というか植木鉢にしだれかかっている。その鉢には髑髏の意匠が施されていて、いわくがありそう……その通り、実は……という話。青々と茂っているバジルがなかなかに恐ろしい。そして、実に物語的だ。 そう思う。
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絵画の中のモノについて、時代背景と共に語られる。こういう解説付きで絵画を見ると、面白さがわかるから楽しい。 ベストセラー「怖い絵」シリーズの著者が32のモノと物語に迫る! 身分違いの恋、救いのない終焉。 少女が抱える鉢の中には愛しき人の頭部!? ルノワール、ミュシャ、ホッパー...
絵画の中のモノについて、時代背景と共に語られる。こういう解説付きで絵画を見ると、面白さがわかるから楽しい。 ベストセラー「怖い絵」シリーズの著者が32のモノと物語に迫る! 身分違いの恋、救いのない終焉。 少女が抱える鉢の中には愛しき人の頭部!? ルノワール、ミュシャ、ホッパー、クリムトなど、名画に描かれたアイテムをもとに、歴史の謎や闇、社会背景、画家たちの思惑を読み解きます。
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西洋絵画にまったりと浸かって至福の時を過ごした。 絵画に描かれている生活用品、食べ物、動物、装飾品など6つの章に分けて特徴が書かれている。中野京子氏の軽妙な文章は読み物としても面白かった。
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絵画の解説書ですね。 解説書と書きましたが、この本は雑誌に連載されていたもので、一作に四ページしかありません。ですから込み入った美術評論には到っていないので、エピソードが主体に成っています。どこからでも読める比較的軽い内容に成っています。 だからと言って流石に中野京子さん(年齢...
絵画の解説書ですね。 解説書と書きましたが、この本は雑誌に連載されていたもので、一作に四ページしかありません。ですから込み入った美術評論には到っていないので、エピソードが主体に成っています。どこからでも読める比較的軽い内容に成っています。 だからと言って流石に中野京子さん(年齢不詳、北海道生まれ)作家であり、ドイツ文学者、西洋文化史家、翻訳家の多才な叡知で鋭く核心を衝いて語ります。 中野さんだから出来る本ですね。 全部で三十二点、全てカラーですから、作品も観賞出来ます。残念ながら単行本サイズなので迫力はもうひとつです。 手軽に持ち運び出来て、少しの時間で楽しめるのが良いですね。 この本を切っ掛けにして、美術に親しめるようになれば幸いだと思います。
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見て鑑賞して感じる事も必要だが、その歴史や背景も知ると、より深く感じられる。このシリーズはちょこちょこ読みたくなる。
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昔「怖い絵」シリーズが大好きだったので、またなんか読みたくなって図書館で探索。 そしたらサージェントの『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』をフューチャーしてる本があったのでこちらを借りた。この絵好きなんだよなー!!どこかの美術館で10年くらい前に買った飴ちゃん入ってたこの絵...
昔「怖い絵」シリーズが大好きだったので、またなんか読みたくなって図書館で探索。 そしたらサージェントの『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』をフューチャーしてる本があったのでこちらを借りた。この絵好きなんだよなー!!どこかの美術館で10年くらい前に買った飴ちゃん入ってたこの絵の缶々今も飾ってる。かわいいから。 でも一番刺さった解説?は、本の表紙にもなってるハントの『イザベラとバジルの鉢』だね!!めちゃくちゃ好き!!こういうの!! あとミュシャの『メディア』!ミュシャって最近流行ってるよね、綺麗系だよね、としか思ってなかったんだけど超いい。オシャレ絵師。すこですね。
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2017に上野の森美術館で開催された「怖い絵」展とその関連書籍シリーズで知った中野京子さん。実はこの展覧会のとき、出口のところで朝の情報番組の取材を受け、かの宮司愛海アナウンサーと共にテレビに映ったという嬉しい思い出がある。それはそうと。中野さんの本は、絵画そのものの情報を伝え...
2017に上野の森美術館で開催された「怖い絵」展とその関連書籍シリーズで知った中野京子さん。実はこの展覧会のとき、出口のところで朝の情報番組の取材を受け、かの宮司愛海アナウンサーと共にテレビに映ったという嬉しい思い出がある。それはそうと。中野さんの本は、絵画そのものの情報を伝えるというより、その絵画にまつわる諸々のエピソードや、中野さんならではの独自の考察や仮説も含めて豊かに語ってくれるので、解説というよりひとつの物語を読んでいるような気分になる。この本も例に漏れず、「こんな解釈もあるかも?」「わたしはこう思ったけどどう?」というような自由な文章で楽しかった。 この本はタイトル通り、絵画の中に描かれた「モノ」にフォーカスした一冊。章ごとに、生活用品、食べ物、動物、装飾品、シンボル、楽器と区分してある。わたしは絵画を鑑賞するとき、全体の雰囲気であるとか、その作品が描かれた経緯や目的について興味を持つことが多い。精密に描かれた美しい景色は一体どこの国なのか、あるいはそもそも実在する場所なのか。「怖い絵」と呼ばれる絵がなぜ「怖い」のか。一見して意味不明なキュビスムやシュルレアリスムの作品を描いた作者の意図はなんだったのか。しかしこの本のように絵の中のひとつのモチーフに注目して、それが象徴するものは何か、どういう意味を持った「モノ」なのかを考えながら鑑賞してみるのもまた面白そうだと感じた。 わたしとって美術鑑賞は、読書や音楽や映画に比べてもずっと難しい。美術館に足を運べば例外なく心踊るけれど、興味がある作品とない作品の差が激しく、せっかく訪れた展覧会を十分に満喫できていないような気がすることも確かだ。視界に捉えた瞬間に魂を震わせてくるような衝撃的な作品ももちろんあるけれど(ピカソ「ゲルニカ」、ドラローシュ「レディ・ジェーン・グレイの処刑」、マグリット「光の帝国Ⅰ」、ジョアン・ミロの多くの作品などがわたしにとってはそれに当たる)、当然のことながらそれほどではない作品の方が圧倒的に多い。そういう作品にも何かのきっかけで興味のアンテナを反応させることができれば、もっと豊かな体験ができるようになる気がする。この本の「モチーフに注目する」という手法はわたしにとって新しかった。今後活用してみたいと思う。
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絵には興味あるけど、いきなり文字の細かい本は読む気失せる、、というところに中野京子さんの本に出会い、面白くてハマっています。この本も一つ一つの解説が短くてめちゃくちゃ読みやすいし、文章も堅苦しくなく理解しやすく面白い。いろんなテーマ・切り口で読んでみたいな〜!
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気軽に読め、好きな画家の説明も多かったので、楽しめました。モノについてもう少し時代背景やスタイルの説明があると良かったです。3よりの4です。 文庫本でネタ増やして書いて欲しいな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
絵の中に描かれる「モノ」に着目して書かれたエッセイ。最初に出てくる、ジョン・シンガー・サージェントの「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」(1885)がまず素敵。夕暮れの庭で提灯に夢中になる少女の、白くすっとのびた首がきれいで…。ひとつひとつの絵の解説が短いので気軽に読めるのもよい。
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