1,800円以上の注文で送料無料

同志少女よ、敵を撃て の商品レビュー

4.4

1816件のお客様レビュー

  1. 5つ

    893

  2. 4つ

    630

  3. 3つ

    175

  4. 2つ

    34

  5. 1つ

    6

レビューを投稿

2025/01/26

ソビエト

ロシア好きな私にとっては非常に楽しく読ませて頂きました。
しかし、戦争に関する書籍として見るとリアリティに欠けます。
展開がアニメなどで良くある作為的な構成が多く、違和感を感じました。
当事者目線で物語は進むのですが、何処か俯瞰している感覚が付き纏い、没頭する事...

ロシア好きな私にとっては非常に楽しく読ませて頂きました。
しかし、戦争に関する書籍として見るとリアリティに欠けます。
展開がアニメなどで良くある作為的な構成が多く、違和感を感じました。
当事者目線で物語は進むのですが、何処か俯瞰している感覚が付き纏い、没頭する事は出来ませんでした。
しかし展開がイメージしやすく、分かりやすさもあるので読みやすい本である事は間違いありません。

良いところが悪いところにもなってしまうという変な印象です。
罪と罰を初めて読んだ時は、殺害現場のリアリティとラスコーリニコフの心境の描写に感情移入し過ぎて、読者である私まで体調不良になってしまった事があります。
カズオイシグロの満たされざる者を読んだ時は、没入してるのに展開と時系列の整合性が合わない為、自分が今どこで何をしてるのか分からなくなった事もあります。
まるで合法的なドラッグのようでした。

こちらの小説は、内容とウクライナ戦争のタイミングと表紙の秀逸さが合わさって、非常に沢山売れた事でしょう。
ライト層からヘビー層まで楽しめる稀な作品であると思います。
次回作は追っていませんが、見つけたら必ず買います。

r@

2023/10/25

命の意味とは、撃つべき敵とは

第二次世界大戦の「独ソ戦」を舞台に、当時唯一実在したという女性のみで組織されたソ連軍の狙撃手部隊の一員となった少女セラフィマが、狙撃手訓練学校での過酷な訓練やドイツ軍との最前線での激烈な戦闘を通じて成長しながら必死に生き抜いていく姿を鮮烈に描き出した長編小説である。ドイツ兵などへ...

第二次世界大戦の「独ソ戦」を舞台に、当時唯一実在したという女性のみで組織されたソ連軍の狙撃手部隊の一員となった少女セラフィマが、狙撃手訓練学校での過酷な訓練やドイツ軍との最前線での激烈な戦闘を通じて成長しながら必死に生き抜いていく姿を鮮烈に描き出した長編小説である。ドイツ兵などへの憎悪・復讐心から、その仇を討つために狙撃手となる決意をしたセラフィマであったが、戦闘での仲間達の博愛的な行動や眼前での非業の死、敵兵の抱く葛藤や自身の狙撃による被弾死、女性への許されざる性暴力の実態などを体験、体感していく中で、ゲームで競うがごとく戦果を上げることやその果てなさへの懐疑、終には、狙撃手の道を選んだことへの自責、後悔とともに、戦争から「命の意味」を学び取る。「失った命は元にもどることはなく、代わりになる命もまた存在しない。…ただこの率直な事実、それだけを学んだ。もしそれ以外を得たと言いたがる者がいるならば、その者を信頼できない」というセラフィマの確信を持った独白が胸に刺さる。書名にある撃つべき「敵」とは本当は誰なのか、何なのかに思いを致さざるを得なくなる。ただ、本書の物語はあくまでフィクションであると理解しつつも、本書の持つテーマが重く大きいだけに、著者の描く狙撃や戦闘シーンのスマートさやマニアックなエンターテインメント性の強さにはやや違和感を覚える。

fugyogyo

受け付けない

殺戮に次ぐ殺戮の連続。主人公が狙撃手なのでそれはあるだろうとは思っていましたが、やっぱり殺し合いは無理でした。途中斜め読みで、後半は飛ばし読み。私だけではなく女性はこのような作品は受け付けないかも知れません。

ほんよみ

2025/02/13

何のために戦うのか、本当の敵は何か? セラフィマが自分が戦う理由、そして敵に気づいてしまった展開に度肝を抜かれた。 面白いという表現が適切でないかもしれないけれど、分厚さを感じさせないくらいどんどん読めた。 これと同じことがロシアとウクライナでも起きていると思うと、何ともいな...

何のために戦うのか、本当の敵は何か? セラフィマが自分が戦う理由、そして敵に気づいてしまった展開に度肝を抜かれた。 面白いという表現が適切でないかもしれないけれど、分厚さを感じさせないくらいどんどん読めた。 これと同じことがロシアとウクライナでも起きていると思うと、何ともいない気持ちになる。

Posted byブクログ

2025/02/12

重い内容で結構な長編小説 第二次世界大戦のドイツ対ソ連 十代の少女が狙撃手と成長し戦った物語 第21回アガサ・クリスティー賞の大賞受賞作品 戦争を題材にした本は読みたくないのだが、、、 色々命について戦争と言うことについて改めて考えさせられた 今も愚かな指導者の為に命が失われ辛...

重い内容で結構な長編小説 第二次世界大戦のドイツ対ソ連 十代の少女が狙撃手と成長し戦った物語 第21回アガサ・クリスティー賞の大賞受賞作品 戦争を題材にした本は読みたくないのだが、、、 色々命について戦争と言うことについて改めて考えさせられた 今も愚かな指導者の為に命が失われ辛い現実がある 購入していたが本の厚さに気合が有るタイミングで読もうと置いていた 重い内容だが文体は軽快で読みやすかった

Posted byブクログ

2025/02/12

ソ連の少女兵目線での戦争の話。 少女の戦う目的は何か、敵とは何か。 読む前に思っていたよりもずっと深いタイトルだった。 第二次世界大戦や独ソ戦について、世界史を勉強しているだけではわからなかった、兵士一人一人の人生や感情がわかった。 戦争において女性がどのような扱いを受ける...

ソ連の少女兵目線での戦争の話。 少女の戦う目的は何か、敵とは何か。 読む前に思っていたよりもずっと深いタイトルだった。 第二次世界大戦や独ソ戦について、世界史を勉強しているだけではわからなかった、兵士一人一人の人生や感情がわかった。 戦争において女性がどのような扱いを受けるのか、戦争がどのように人を狂わせるのかが生々しく描かれている。 民族や国をひとまとめに敵とみなすことで、「自分の国を守るため」と残酷な行為を正当化できてしまうのだろうか。 今も各地で続く戦争も、どちらが悪だと決めつけるのではなく、ただそこに悲劇があるのだということを忘れずにいたい。

Posted byブクログ

2025/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

村一番の秀才でモスクワの大学に行くはずだった猟師の娘・セラフィマ。得意のドイツ語を活かして「戦争が終わったら、必ず外交官としてドイツとソ連の仲を良くする」と母に語っていた。しかし、村を襲ったドイツ兵を殺すために猟銃を構えた母を撃った狙撃兵への復讐を誓って戦争へと巻き込まれていく。 ようやく会えた仇の狙撃兵・イェーガーはセラフェマのことなど覚えていなかった。イェーガーに勝つための心理戦は手に汗にぎり息を殺して一気に読んだ。 戦争が終わり、村の外れで人々と関わらないように静かに暮らすセラフェマは戦争から学び取ったことは、「拷問の耐え方でも、敵との駆け引きでもない。命の意味だった。」と言う。「失った命は元に戻ることはなく、代わりになる命もまた存在しない。」 今、世界中の人が考えるべき「命の意味」について自分も考えたい。

Posted byブクログ

2025/02/05

当時ソ連だった国で普通に暮らしていた少女の数奇な物語。まず、設定が斬新。舞台はソ連とドイツの戦場。狙撃兵となって戦う少女の目線で、ソ連側から 物語が描かれています。2021年末にこの作品が発表された数か月後、ロシアがウクライナ侵攻を始めました。一番びっくりしたのは作者だったかもし...

当時ソ連だった国で普通に暮らしていた少女の数奇な物語。まず、設定が斬新。舞台はソ連とドイツの戦場。狙撃兵となって戦う少女の目線で、ソ連側から 物語が描かれています。2021年末にこの作品が発表された数か月後、ロシアがウクライナ侵攻を始めました。一番びっくりしたのは作者だったかもしれません。 戦場の緊張感と少女の心情がありありと浮かび上がる描写。息を呑むと同時に、読み進めるのが辛くなりました。故郷も家族もすべて失った少女、セラフィマ。呆然自失の彼女を生かしたのは復讐という情念。人を殺しながら、自分が怪物と化していくことに気づきながらも、彼女にやめるという選択肢はない。思いがけず再会した昔の親しい友人、ミハイルの言葉。「戦争には人間を悪魔にしてしまう性質があるんだ。僕はそれを言いたかった」物語の後半で、この言葉が恐ろしい皮肉だったことを読者は思い知らされることになるのですが…。 いったん始まった戦争は誰にも止められず、いずれの参加国にも大きな被害をもたらします。ただ、この作品では、この事実以上に女性の在り方を鋭く問う問題提起がされています。戦後に顕彰されたのは、戦った女性戦士ではなく、戦う男たちを待ち、銃後を支えた貞淑な女性だったとあります。百人を殺して戦った女たちは疎まれ、社会から隔絶される様子が描かれます。そして、戦争は男たちの物語だったと。 セラフィマの同志、看護師ターニャの言葉がわずかに救いを与えてくれました。「治療をするために敵も味方もありはしない。たとえヒトラーであっても治療するさ。もしみんながあたしみたいな考え方だったら、戦争は起きなかったんだ」世界中で きな臭い煙が上がっている今だからこそ思います。これを綺麗ごととして片づけてはいけないですよね。

Posted byブクログ

2025/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「歌われなかった海賊へ」が面白くて、次に手に取った逢坂さんの作品。そもそも歴史が弱い私、戦闘機や戦術も頭に入ってこずやや中だるみしてしまった箇所もあったが、終盤は一気読み。 今も世界で止まない戦争。そこには戦争によって人生を歪められた人たちがいる。 女性狙撃兵たちのシスターフッド、戦争の醜さ、とても読み応えがあった。戦いや拷問、女性加害の描写が生々しく本を閉じたくなることもあった。 スコープ越しにミハイルの行動を見たセラフィマに心を痛めた。信じていたのに。セラフィマは芯のある大人に成長したんだな、と同時に、ミハイルだってあの場で拒否できるはずがない、いや、それともやはり戦争によって変えられてしまったのか… 歴史をおさらいして、再読したい。

Posted byブクログ

2025/02/02

横文字に慣れてないせいか名前を中々覚えらない笑 映画やゲームみたいな展開もありつつ 戦闘シーンは緊張感があり良かった! 女性目線の戦争の体験 大学へ行き外交官になり平和を夢見ていた少女が村を襲われ焼かれ唯一の生き残り復讐を目指す… YouTube等で事前に「スターリンググラ...

横文字に慣れてないせいか名前を中々覚えらない笑 映画やゲームみたいな展開もありつつ 戦闘シーンは緊張感があり良かった! 女性目線の戦争の体験 大学へ行き外交官になり平和を夢見ていた少女が村を襲われ焼かれ唯一の生き残り復讐を目指す… YouTube等で事前に「スターリンググラードの戦い」など当時の独ソ戦を調べておくと良いかも

Posted byブクログ