人はなぜ、愛するわが子を虐待するのか の商品レビュー

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2025/02/12

保育者が日々のいろいろを考える時によんで欲しい本 教育・保育論集で図書館が紹介した本です。 ーーーーーーーーーーー 駅前キャンパス 配架場所コード:駅前書架 分類記号:367.6 著者記号:O ーーーーーーーーーーー

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2023/08/31

子育て、虐待についての、生物の進化から見た面と、社会の変化から見た面とがわかりやすく紹介されています。 児童虐待は、個人の問題ではなく、社会の問題。 社会の側から変わっていこう、なんとかしよう、と訴える本書を執筆されたのが行政の方、というところにも希望を感じました。

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2023/04/16

たまたま図書館で見つけただけの本書。よくある親子の連鎖的な話なんだろうな、と大した期待もせず、もっと通り一遍な論考に終わるものと高をくくっていたら、意外にも生物学的、社会学的見地からも考察されており、なかなかに興味深かった。 著者は、そもそもの児童虐待のルーツには、生物学的な理...

たまたま図書館で見つけただけの本書。よくある親子の連鎖的な話なんだろうな、と大した期待もせず、もっと通り一遍な論考に終わるものと高をくくっていたら、意外にも生物学的、社会学的見地からも考察されており、なかなかに興味深かった。 著者は、そもそもの児童虐待のルーツには、生物学的な理由があるのでは、と論じている。より生き残るための進化のはずが、人間の場合、相反する結果を呼んだのではないか、と。高度な知能を得た代わりに、その大きな脳が、出産に命の危険をもたらした。ここに、進化の矛盾があり、児童虐待の始まりがある。未熟で助けを借りないと生き延びられない赤ん坊は、泣く以外に主張するすべがない。その泣き声が、人類の生命を脅かす引き金であった、というのだ。確かに、その昔、まだヒトが狩猟採集で集団生活をしていたころ、彼らの周囲には野生動物という敵がたくさんいたわけで、夜中に泣き声をあげるなど、捕食動物の格好の餌食となりかねない。母親は、自身や集落の安全のために、とっさに口をふさぐ、などがあったのではないか。また、子どものイヤイヤ期は、子が自ら自立の第一歩を踏み出す期間として、親から離れる、つまり卒乳し、母親に次の妊娠のチャンスを作って、次なる子孫を残す一助に、そういう段階があるのではないか、とも言っている。かように、児童虐待が起きてしまうその根本原因を、いわゆる社会現象とだけとらえることをせず、生物学的な論考で仮設を立てていて、なかなかに面白い視点だと思った。 福祉の現場では、悲しいかな、すべて「申請主義」。だから、どこに言えばいいのかわからない、助けを求めるやり方もわからない、一歩を踏み出す力もない、SOSを出していいのかどうかもわからない、本当に支援が必要なひとが、その窓口にすらたどり着くことができないという旧態依然とした「お上」体制のまま。著者も言っているが、「支援を必要としている人に支援は一番届かない」。これが最大の問題だと思う。 著者がトライしたように、その根本を突き詰めるのもよいが、生物学的理由にしろ社会学的理由にしろ、結果として児童虐待という悲しい状況を生んでしまうのであれば、それは社会として手を打たなければならないことは明らかだ。その個人は、望んでそこに生まれたわけではないからだ。未熟な人間は、どうしたって環境の影響を大きく受けて人格が形成されていく。 旧児童福祉法では、明確に、国は子の健全育成の責任を親とともに負うと謳い、またすべての国民にたいしても、健全に子を育成する努力義務を謳っている。 子育て経験があればわかると思うが、子育ては決して一人ではできない。家族だけでは完結できないのだ。孤立化、密室化した家庭という環境が、児童虐待という悲しい現実を引き起こす。子は社会で育てる、という意識を全ての人が持てるように、周囲の人はもちろん、親自身もそう意識できるように社会を変えていかなければ、児童虐待はなくならない。 虐待を受けている子を救い出さなければならないのは当然だが、虐待をしてしまう親も、実は支援の必要な人なのだ。

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2022/12/16

人はなぜ、愛するわが子を虐待するのか〜児童虐待が繰り返される本当の原因を探る。大岡啓二先生の著書。児童虐待が繰り返される本当の原因を研究している研究者は少なくないのかもしれない。でも児童虐待が繰り返される本当の原因は児童虐待を受けた経験者にしかわからないことなのかも。児童相談所が...

人はなぜ、愛するわが子を虐待するのか〜児童虐待が繰り返される本当の原因を探る。大岡啓二先生の著書。児童虐待が繰り返される本当の原因を研究している研究者は少なくないのかもしれない。でも児童虐待が繰り返される本当の原因は児童虐待を受けた経験者にしかわからないことなのかも。児童相談所がないよりは児童相談所があるほうがずっと良いことは当然のこと。児童虐待が繰り返される本当の原因を知っている相談員がいる児童相談所が理想。

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