変半身 の商品レビュー
『変半身』はとにかく不気味。安倍公房のような難しい世界だけど何故か引き込まれてしまう。ぶっ飛んでます。 『満潮』もなかなか、、、ある行為に意味を持たせようとする感じに純文学らしさを感じる。
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すごく嫌。気持ち悪い。なにが本当に嫌って、現実にもあるところ。 「若くて何も知らない女とセックスしたい男」「それとグルになってる大多数の男」「それらを許すのがいい女だという風潮(それらに加担する女)」全部(本ではなく現実が)キモい。 ファンタジーかな、いや他の作品からしてイマジナリーなものなんだろうな、からの現実を突きつけてくるのが嫌すぎる。 儀式のネタバレする所、現実の女性がフェミニズムを知る所みたい。今までちょっと違和感を抱きつつも「そういうもの」だと信じて疑わなかったけど、大人(ある時)になっておかしい事だったんだって知ってしまう、みたいな。あの「現実」が塗り変わって何も信じられなくなる感じ。 全部が金、金て言ってるのも、今の資本主義に走りすぎてる社会みたい。広告代理店て凄いね。 詐欺みたいな島を嫌に思ったのに、詐欺やってる夫と結婚しちゃうのも現実にありがち。DV受けてた子がモラハラ夫と結婚しちゃうみたいな。 現実の厭なところ全部詰め!て感じですごく嫌。 最後はわけわからなかった。 この作者て、ひたすら嫌〜なのが続いてやっと最後に救いがあるてパターンが多いから、短編のほうが好き。長いとそれだけ嫌な部分が多いだけだから。 『満潮』は、「性」がそうだったら良かったのにね、て感じ。人同士で搾取し合いながらするものじゃなく、個人で理想を追い求めたり自分の体を知ったり。そういうものだったら、性暴力とかが無い世界だったのかな。
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いやぁ、今回も村田沙耶香さんすごかったなぁ…。 「変半身」は、ミッドサマー的な感じ?と思っていたけど、卵ぽいものを産んだり、ポーポー言い出したり、「ニンゲン」が終わったりともうファンタスティックでした…。 「満潮」はもうね、意味がわからない。旦那が急に潮吹きたいとか正気の沙汰じゃないでしょ。それをなんだかんだ受け止めて、なんなら私も潮吹くことにした。とか言う佳代もすごい。でも、潮吹きたいって言ってからの方がお互いなんとなく分かり合えてる?仲良くなってる?そんな感じになってるからすごいのよ。ほんと、村田沙耶香さんの作品って、唯一無二だよなぁ。
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『変半身』 読み進める間ずうっと胡散臭さがあった。信じてた世界がひっくり返りひっくり返り…今日の友は明日の敵となり、今日の常識は明日の非常識となる。このまさに今生きている世界は、加速度的にそのどんでん返しが行われ続けている。信じることで考えることをやめて楽になる方が確かにずっと楽...
『変半身』 読み進める間ずうっと胡散臭さがあった。信じてた世界がひっくり返りひっくり返り…今日の友は明日の敵となり、今日の常識は明日の非常識となる。このまさに今生きている世界は、加速度的にそのどんでん返しが行われ続けている。信じることで考えることをやめて楽になる方が確かにずっと楽に違いない。しかし、本を読む限り、村田沙耶香に触れ続ける限り、疑うことを止めることはないと思う。 『満潮』 さっぱりわからない。 理解が及ばないものに対して、理解することを試してみることが読書の醍醐味であったとしても、さっぱりわからない。 ただひとつこの作品を読んで初めて気づいたことであるが、男性である自分は、男性器を鏡を使わずとも目視できるが、女性はそうではない、ということ。これは初めて気づいた大事なことだと思う。目に見えると比べてみたくなる。大きさを比べてみたくなる。力を見せつけたくなる。優位性を確かめたくなる。権力を誇示したくなる。「男って単純」といわれる所以がここにあるのでは?逆に言えば女性もまた然り。
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思っていたより内容が薄いと思いました。 世界観は不思議で独特。レビューで狂気だとか気持ち悪いとか言われていたので、期待してしまいました。メッセージ性があるし、おもしろいとは思うのですが、読み手の頭がおかしくなる程じゃなかったので少し残念に感じました。
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前半は生々しく、中盤から後半にかけては主人公と周囲の信仰心の乖離が見られる内容だった。前半は思わず顔をしかめるような嫌悪感の強い描写があったが、とても興味深く読めた。
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「変半身」「満潮」の2篇収録。村田沙耶香の作品を読むとフィジカルが勝手に反応する。生理的に落ち着かなくなり、いつの間にかやめられなくなってくるから困ったもんだ。
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独特。 変半身は、教団Xを読んだ後だったので、軽い気持ちで読めた。急にオチがきて驚いた。 満潮は、ほっこりと温かい気持ちになった。 人に勧めたくなる本かと言えば、そうではない。
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「何かを知るということは快楽なのだ。それが大嘘であっても」。 なんで我々はこんなにも村モノ…というか、なにかを妄信する物語が好きなんだろう?今回もとても質の良い寓話だったと思いました。 ただこの話には"知性"を信じる人がいなかったので、その点はやっぱり好みじ...
「何かを知るということは快楽なのだ。それが大嘘であっても」。 なんで我々はこんなにも村モノ…というか、なにかを妄信する物語が好きなんだろう?今回もとても質の良い寓話だったと思いました。 ただこの話には"知性"を信じる人がいなかったので、その点はやっぱり好みじゃないかもしれない(物語として、陸が嘘と真実の間にいる観 測者なので、知性や科学はもはやメタ認知になっちゃうからいらないんだけど)。 潮についての心温まるお話のほうがやっぱり好みではあるし、18頃の若者にぜひ読んでもらいたい短編だなあと思う。それみんな思ったことあるけど忘れちゃってたやつ〜!と、30手前のわたしは思った。
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