中野のお父さんの快刀乱麻 の商品レビュー
帯に「本と日常の謎はコタツ探偵におまかせ!」とありました。しかしながら、読み終えて「日常」ってなに?と思ってしまいました。新聞に載ったりテレビに出たりという事件・謎は登場しないけど、私の周りではこんな謎に関わることはないとしみじみ考えます。探したり気が付いたりすると謎はあるのかも...
帯に「本と日常の謎はコタツ探偵におまかせ!」とありました。しかしながら、読み終えて「日常」ってなに?と思ってしまいました。新聞に載ったりテレビに出たりという事件・謎は登場しないけど、私の周りではこんな謎に関わることはないとしみじみ考えます。探したり気が付いたりすると謎はあるのかもしれませんが、関わることはないなあ。この本の中で解かれていく謎は、少なくとも学術論文の一章に匹敵するもの、この謎こそは非日常。新聞やテレビに頻繁に登場する犯罪、かつて凶悪犯罪と言われていたものこそ、最近では日常なのではないか、などと、この本の本質とは全くかかわりのないことを考えてしまいました。 お父さんの博覧強記、すばらしい。知識を蓄えておくだけでも素晴らしいのですが、それが整理され、必要な時にすぐに取り出される。知識に繋がりを付けることこそ難しいことなのに。 作者の表現のうまさは、今作も変わらない。一ページに一か所は引用したくなる、日常の会話でちょっと話したくなるようなおしゃれなフレーズが見つかります。「そうそう、その通りに思ってたんだけど、うまく言えなかったのよねぇ」ということを、サラリとどのページにも忍ばせている。忍ばせているつもりはないと思うけれど、そんな表現に出会うと、そうか、そうきたか、とにんまりさせられる。これも北村薫の大きな魅力。 太宰の名前が出てくると、なんだか登場人物の張り切り方が違うように見えるのは、作者の思い入れがあるのでしょうか。 そして志ん朝の一編。人の心に寄り添うのは知識だけでは難しい。これまでの人との繋がり方が現れるのだと思う。お父さんのこれまでの人との繋がり方も思わせる心揺さぶられる一編でした。 カバーにある現在の父娘、そして過去の父娘の様子に、毎回、心地よくなります。
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将棋のこと、落語とことなど、お話の種がとても興味深く一気読み。新型コロナ禍で緊急事態宣言が出て、皆がマスクをして、往来もストップしたり控えたりした頃のことがお話に盛り込まれていたことも読むスピードを全開にさせる理由になったように思います。 話を盛るってどこまで許されるのでしょう...
将棋のこと、落語とことなど、お話の種がとても興味深く一気読み。新型コロナ禍で緊急事態宣言が出て、皆がマスクをして、往来もストップしたり控えたりした頃のことがお話に盛り込まれていたことも読むスピードを全開にさせる理由になったように思います。 話を盛るってどこまで許されるのでしょうね。
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中野のお父さんの本の知識量が、ただただすごい。主人公の美希が持ち込む問題を、本の知識で解いていく。美希の言ったワードからいくつもの関連本を自分の書庫から出してくる。お父さんの書庫ってどうなってるのか見てみたい。 読んでると今話題になっている事とリンクしてるな、と思う箇所がいくつ...
中野のお父さんの本の知識量が、ただただすごい。主人公の美希が持ち込む問題を、本の知識で解いていく。美希の言ったワードからいくつもの関連本を自分の書庫から出してくる。お父さんの書庫ってどうなってるのか見てみたい。 読んでると今話題になっている事とリンクしてるな、と思う箇所がいくつかあった。 『大岡昇平の真相告白』 読んでて真っ先に思い浮かべたのが、週間誌と芸人さんの問題。はじめは気になって週刊誌を続けて読んでたけど、飽きて読むのやめてしまった。"これって書き手によって読み手に与える印象がだいぶ変わる"という事に気づいたから。 『小津安二郎の義理人情』 原作とドラマや映画では話が変わるみたいな箇所があるんだけど、まさに今起こってる事だ。ドラマを毎週楽しみに観てた。なのに、一月に入ってから揉めてる事を知り、それに続いて原作者の訃報。ショックだった。私は漫画を読んでないので原作がどうだったのか分からないけど、原作者の思いを知り悲しくなった。 あとは、私が印象に残ったのが、『瀬戸川猛資の空中庭園』。人の心を動かすのは人それぞれ違う、という事に改めて気付かされた。自分が面白いと思っても友達は「そう?」というのはよくある。押し付けてはダメだと思った。 「古今亭志ん朝の一期一会』が一番好きだな。亡き夫を思う妻にジーンときた。謎を解いたお父さんは素晴らしい。 全体的に私には難しかったです。
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菊池寛の将棋小説への疑問、志ん生のCDに隠された 秘密、小津映画の原作をめぐる謎…。国語教師の 父と編集者の娘が、本と日常の謎に挑む!
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文化を継承するって、 大変だけれども大事たなあと思う。 お父さんみたいな人、 今はどれくらいいるんだろう。 少なくとも私の身近にはいないなあ。 生きていく上で必要ない知識を 大事にできるのが人間の特徴だと思う。 こういうことを少しでも面白いと思える人が 増えてほしいと思う。 ...
文化を継承するって、 大変だけれども大事たなあと思う。 お父さんみたいな人、 今はどれくらいいるんだろう。 少なくとも私の身近にはいないなあ。 生きていく上で必要ない知識を 大事にできるのが人間の特徴だと思う。 こういうことを少しでも面白いと思える人が 増えてほしいと思う。 もちろん私もそういう人になりたい。
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作者の触れておられる書物、文芸、音楽の圧倒的な量と、それらをつなぎ合わせる力にただただ感服します。 一方で、文芸社と実家で起こる日常をほっこりする文体で紡いてくれているのが、なんだかホッとさせてくれます。 それらの2つが行き来するのがなんとも言えない魅力なのだと思います。
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文芸誌編集者の田川美希と中野に住む高校の国語教師のお父さんが本と日常の謎に挑む短編集の第3弾 やはり丸谷才一のエッセイ集に出てきそうな作家にまつわるエピソードが満載 それにしてもお父さん=北村薫であるわけでその博覧強記には驚かされる ○大岡昇平の真相告白 ○古今亭志ん生の天衣無縫...
文芸誌編集者の田川美希と中野に住む高校の国語教師のお父さんが本と日常の謎に挑む短編集の第3弾 やはり丸谷才一のエッセイ集に出てきそうな作家にまつわるエピソードが満載 それにしてもお父さん=北村薫であるわけでその博覧強記には驚かされる ○大岡昇平の真相告白 ○古今亭志ん生の天衣無縫 ○小津安二郎の義理人情 ○瀬戸川猛資の空中庭園 ○菊池寛の将棋小説 ○古今亭志ん朝の一期一会 古今亭志ん朝の回に出てくる加賀の千代の「朝顔に釣瓶とられてもらひ水」の句だが、自分も小学校の時に手塚治虫の「ブラックジャック」のエピソードで知ってとても印象に残ったので、作中の筏丈一郎の気持ちに共感した。北村薫はすごい。
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「中野のお父さん」3冊め。さらにマニアックな内容になってきました。すべて北村さんが疑問に思ったことをご自分で調べて解決しているんですよね。文芸に関する探究心と推理力には頭が下がります。 ブラックジャック、日本語であそぼ、鬼滅のことにも触れられていて、実際の講義で聞いたら興味も出て...
「中野のお父さん」3冊め。さらにマニアックな内容になってきました。すべて北村さんが疑問に思ったことをご自分で調べて解決しているんですよね。文芸に関する探究心と推理力には頭が下がります。 ブラックジャック、日本語であそぼ、鬼滅のことにも触れられていて、実際の講義で聞いたら興味も出て面白いと思います。 ただ本で読むんだったら、六話中二話ぐらいは身近な謎解きを入れて欲しいのが正直なところ。そう考えると1冊目が一番理想的でした。
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「中野のお父さん」シリーズ3冊目。今作の途中から物語の中でも主人公の編集者がリモートで仕事をするのが当たり前になっているのだけど、現実の我々の生活様式だとか社会の常識や価値観はまだまだ更新途中なのか、右往左往しているようでもどかしい。 ともあれ、落語や映画、将棋の小ネタ満載でなる...
「中野のお父さん」シリーズ3冊目。今作の途中から物語の中でも主人公の編集者がリモートで仕事をするのが当たり前になっているのだけど、現実の我々の生活様式だとか社会の常識や価値観はまだまだ更新途中なのか、右往左往しているようでもどかしい。 ともあれ、落語や映画、将棋の小ネタ満載でなるほどの嵐…さすがの面白さで一気読みでした!
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第3弾。出てたの気づかなかった! 相変わらずお父さんの知識のすごさよ・・・。(知ってるのもすごいが諸々リンクして記憶してるのがすごい。) 知っている文豪も知らない文豪も、もれなく読みたくなります。
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