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モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 の商品レビュー

3.9

60件のお客様レビュー

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2024/09/12

イタリアのヴェネチアの古書店に通っているうちに、 本の行商人のルーツ知ることとなりトスカーナの山奥の 小さな村モンテレッジォを訪れることとなる。 行商人の歴史を辿ると共に本と書店の道筋を辿ったノンフィクション。 ノンフィクションとは知らずに手に取りましたが、 初めのページには山...

イタリアのヴェネチアの古書店に通っているうちに、 本の行商人のルーツ知ることとなりトスカーナの山奥の 小さな村モンテレッジォを訪れることとなる。 行商人の歴史を辿ると共に本と書店の道筋を辿ったノンフィクション。 ノンフィクションとは知らずに手に取りましたが、 初めのページには山奥と思われる緑深い美しいモンテレッジォの風景に 目を奪われ、それから読み進めていくたびにモンテレッジォの古めかしい街並み、 そしてイタリア各地を訪れた時の写真がいくつも盛り込まれているので こちらも同行しながら旅気分で読み進めていけるのが とても楽しいひと時でした。 モンテレッジォは山間部で過疎化で色々な諸事情で仕事も乏しかった 遠い昔ですが、そんな苦しい中から編み出された本の行商という仕事を 始めることになってから、各地でその行商人が活躍することによって 今日のイタリアの書店と本への反映へと繋がっていくということが分かってとても有意義な内容でした。 ただ本を売るということだけでなく、 その人のために読みたいものを選んで届けてくれる という心遣いが良いと思いました。 今では身近で手に取って本を選べる環境であっても、 イタリアと同じく日本でもどんどんと書店が減ってきてしまっているのでこの作品を読むと余計の書店への愛情や本への切なさが募ってしまいました。 本は一冊あれば、昔にも未来にも旅をすることができる。 黙って寄り添ってくれる。 という言葉も印象的で本の良さを改めて再確認しました。 ちなみに日本では年に二度ある本屋大賞のようなものが イタリアでは露天商賞(Premio Bancarella)というのがあり、 第1回受賞はヘミングウェイ「老人と海」ということでした。 さらにこの受賞した際の賞金が受賞作を少なくとも二千部以上は 実行委員会が買い上げ、そのうち半分の部数は刑務所や病院、 生活困窮者の支援所などの図書室への寄贈すること。 残りの半分は、全国の露天商たちに配本して瓜広めてもらうことということが掲げられているのも良い取り組みだと思い日本でも何か取り入れられることがあったら良いなと思いました。 内田さんの作品はこれが初めてですが、 イタリアの情景が手に取るように美しく描かれていて、 イタリアの雰囲気が隅々から漂っていました。 そして現地の人達との会話も優しくて温かく読んでいて 心地良かったので、内田さんのイタリアに対する思いも 深いなと思いながら読みました。 イタリアは好きな国の一つで特別な思い出もあるので、 これをきっかけにイタリアを舞台にした作品も読んでみたいと思いました。 モンテレッジォを知ることによって本の良さを知り、 本当に良かったなと心から思えた作品でした。 これからは益々本と向き合い方もより大事にしたいと思いました。

Posted byブクログ

2024/08/31

前評判以上の壮大な物語だった。 ここまで大きな熱量をもって書き上げられた文章は、読む人の熱量にも伝播してこちらも気持ちが盛り上がっていく。 様々な引っ掛かりからインタビューをされているのでルポの形相。知らない村の知らない人達の話だったけれど、知ることができて良かった。 時々差し...

前評判以上の壮大な物語だった。 ここまで大きな熱量をもって書き上げられた文章は、読む人の熱量にも伝播してこちらも気持ちが盛り上がっていく。 様々な引っ掛かりからインタビューをされているのでルポの形相。知らない村の知らない人達の話だったけれど、知ることができて良かった。 時々差し込まれるカラーの写真も贅沢な気持ちになれる。

Posted byブクログ

2024/08/30

ノンフィクション。イタリアの山深い小さな村から、本を担いで行商に出た人たちがいたという。今も続くイタリアの権威ある書店賞。その賞発祥の地だという。第1回受賞作品は、ヘミングウェイの老人と海。 これだけでも不思議で、とにかく読みたくなった。なぜ山奥の貧しい村人は、本の行商で生計を立...

ノンフィクション。イタリアの山深い小さな村から、本を担いで行商に出た人たちがいたという。今も続くイタリアの権威ある書店賞。その賞発祥の地だという。第1回受賞作品は、ヘミングウェイの老人と海。 これだけでも不思議で、とにかく読みたくなった。なぜ山奥の貧しい村人は、本の行商で生計を立てていたのか。本好きにはたまらない歴史でした。

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2024/08/02
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ブックセラーの歴史に出てきた行商の書籍商の話を知りたくて、検索してたらぴったりそうなこの本を発見。 あちらはメインがフランスだったけど、こちらの舞台はイタリア。 ジェノヴァとピサの間くらいの山深い場所にある寒村、モンテレッジォ。 本とその露天商人の故郷の地。 イタリアの由緒ある文学賞のひとつが<露天商賞>で、その発祥の地でも。 近くの村にはダンテも訪れていた。ダンテ…! ちょっと前にデカメロンを読んでいて、神曲もと思っていたところで同じ翻訳家さんの神曲が引用されているのを見るなど。 呼ばれてる気がする。 最初は籠に本を詰めて徒歩で、手押し車や本棚を改造した荷車を馬で引きヨーロッパ各地へ、更には新大陸へも行ったというからなんとも壮大な旅路。 ※アルゼンチンの人口の半分はイタリア系移民だそう。 それでも行ったきりってことはなくて、鮭の遡上のように産まれた場所へと還っていく。 ヴェネツィアの冠水のところは泣けてきちゃった。 ぐっとくる一冊でした。

Posted byブクログ

2024/06/27
  • ネタバレ

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本には世界が綴られている。 ヴェネツィアの古書店に通ううちにイタリアの山奥、本を届ける行商人の小さな村、モンテレッジォを調べることになった著者。訪れる先で出会う人々は村と本への愛で満ち溢れている。 本屋大賞のような露天商賞(Premio Bancarella)というのが気になりました(第1回受賞はヘミングウェイ『老人と海』)。 写真が色鮮やか!ヨーロッパの風景ってどうしてあんなに鮮やかに写るんでしょうね。 <夏のない年>だった1816年、村人は糊口を凌ぐために絵札などを籠に入れ売り始めた。イタリア独立のために情報を、本を大衆が求め、村人たちは出版社の売れ残りの本を売るようになり、その後、出版、書店を営むようになったりする人も現れる。そして現在、日本と同様にイタリアでも読書人口が減少している、とのこと。

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2024/06/08

図書館本 この本は購入します! イタリアの山奥にあるモンテレッジォ 開いてすぐに写真があるのですが、とても濃いグリーンの栗の木の中に村がある すごく素敵な写真です 何度も戻ってその写真を見ました モンテレッジォから本がどの様にして人々に届く様になったか 歴史を感じました ...

図書館本 この本は購入します! イタリアの山奥にあるモンテレッジォ 開いてすぐに写真があるのですが、とても濃いグリーンの栗の木の中に村がある すごく素敵な写真です 何度も戻ってその写真を見ました モンテレッジォから本がどの様にして人々に届く様になったか 歴史を感じました 本は世の中の酸素だ。という文章に感動! 本好きの人には絶対読んでもらいたい、おすすめです

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2024/05/24
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イタリアの山奥の小さな村の村人たちが、本の行商人をしていたということを丁寧に取材してまとめた本。もちろん生活が厳しいなかでそういった形の出稼ぎになったんだけど、なんだかいいなあ。山道を抜け、市井の人々に読書の喜びを届ける。地に足がついていながら夢があって。

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2024/05/08
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イタリアの小さな山村、モンテレッジォの行商人が籠いっぱいに本を担いでイタリア中を歩き、青空書店を開いたという歴史。イタリア各地に本が広がり、何世紀も経って今でも残っている本屋や古本屋が4軒も紹介されていた。 驚くのは内田洋子さんの取材力と膨大なイタリア語の本や資料をまとめ上げた語学力と精神力。 イタリア人でさえ知らなかったモンテレッジォと本の流通のシステムの歴史の関係を書籍として世に出したのが日本人だということがすごい。 そしてあとがきでは、形として残してくれたことにモンテレッジォ出身の人々が心から喜び出版を祝う様子に胸が熱くなって涙ホロリでした。 何も資源のなかったモンテレッジォを誇りに思い、村の子どもたちも歴史を学び始めたという。 何もないからこそ村を出て働いた行商人から全てがつながっていること、それらを知れてよかったなと感動しました。 また、民主主義の高まり、独立運動の機運の高まりなど、本が必要とされていった背景も知れました。行商人は書店には手の届かない国の各地へ毛細血管のように本を届け、本への理解を広め、人々が何を求めているか直接声を聞いて出版社との架け橋にもなりました。 「客たちにとって、行商人が持ってくる本は未来の友人だった。」 行商人の功績は計り知れないです。

Posted byブクログ

2024/03/30

まったく知らなかった本。 図書館でたまたま目に留まったので借りてみた。 下記の紹介文を読んだら、本好きなら絶対読みたくなるでしょ?w 各紙誌から絶賛、書店員からの熱い応援を得たロングセラーが、リニューアル+パワーアップして待望の文庫化。 きっかけはヴェネツィアの古書店だった。...

まったく知らなかった本。 図書館でたまたま目に留まったので借りてみた。 下記の紹介文を読んだら、本好きなら絶対読みたくなるでしょ?w 各紙誌から絶賛、書店員からの熱い応援を得たロングセラーが、リニューアル+パワーアップして待望の文庫化。 きっかけはヴェネツィアの古書店だった。客たちのどんな難しい注文にも応じ、頼まれた本は必ず見つけてくる。(ただ者ではないな)と修業先を聞いてみると、「代々、本の行商人でした」 トスカーナの山奥のその村、モンテレッジォでは、何世紀にもわたり村の人が本の行商で生計を立て、籠いっぱいの本を担いでイタリアじゅうを旅した。各地に書店が生まれ、「読む」ということが広まった。 わずかに生存している子孫たちを追いかけ、消えゆく話を聞き歩き、歴史の積み重なりを感じながら、突き動かされるように書かれた奇跡のノンフィクション。 Yahoo! ニュース本屋大賞2018〈ノンフィクション本大賞〉ノミネート。 文庫化にあたり、構成を一部変更。写真数点を加え、〈文庫版あとがき〉を追補。 本と本屋の原点を示してくれる、読み継がれるべき1冊。

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2024/03/13

「旅をする本」3冊というブクログの企画でどなたかの(調べなおしたが、分からなくなってしまった)1冊 BS日テレの「小さな村の物語、イタリア」と言う番組が好きで、昔からよく見ているので、もしかしたらそういう内容の本なのかなと思い、買ってみた。 内容はTVとは当然違うものだったが、、...

「旅をする本」3冊というブクログの企画でどなたかの(調べなおしたが、分からなくなってしまった)1冊 BS日テレの「小さな村の物語、イタリア」と言う番組が好きで、昔からよく見ているので、もしかしたらそういう内容の本なのかなと思い、買ってみた。 内容はTVとは当然違うものだったが、、、 イタリアに住む著者が仕事でヴェツィアの古書店に訪れ、イタリア北部山頂にある小さな村「モンテリッジッ」に興味を持ち訪れることから始まる。 山頂の村に本屋の起源があることを知り、11世紀から村の歴史から調べ始める。 本には写真もたくさんの掲載されていて臨場感があり、私達が今こうして本を読んでいる、元々を知る事が出来る。 今も書店は本を購入するのではなく、売れなければ返品すると言うこともおお昔からの慣わしのようである。 手描き、写本〜印刷技術、紙片〜製本 本を売る事が生計を立てる事になる 1501年、庶民が手にしやすい文庫本 1953年、第1回「露天商賞」ヘミングウエイ「老人と海」 本が好きなら読むべきだなと思った。 手に取るきっかけの方が、分からなくなったのが申し訳ない、、 で、著者の「ジーノの家、イタリア十景」を思わず注文してしまった。

Posted byブクログ