ヨーロッパ・コーリング・リターンズ の商品レビュー
2014年〜2021年にかけての混迷するイギリスの状況を、労働者の生活から鮮明に捉えた鋭い考察と社会批評。 この時期のイギリス国内を表す事柄として、ブレグジットをはじめ、緊縮財政下における広がる格差や子どもの貧困、徹底的な自由市場化で能力主義礼賛による社会の屋台骨を支える労...
2014年〜2021年にかけての混迷するイギリスの状況を、労働者の生活から鮮明に捉えた鋭い考察と社会批評。 この時期のイギリス国内を表す事柄として、ブレグジットをはじめ、緊縮財政下における広がる格差や子どもの貧困、徹底的な自由市場化で能力主義礼賛による社会の屋台骨を支える労働者の軽視など、日本のメディアではあまり知ることができない現状が、著者のブレディみかこ氏が普段の生活で直面するリアルなものとして書かれている。 もちろんこういった流れはイギリスだけではなく他の先進国でも見られる問題で、日本でも少なからず同じような現象は起こりつつあると思った。 緊縮財政がイギリスの社会にもたらした多くの問題を見ると、自由な市場における競争は格差を助長させるがままとなり、良い方向にはいかないのではないかと考えるようになった。
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如何に情報を表層的にしか捉えていなかったかと、強く感じさせる。 日本の報道を通して知った事と、イギリスの現地で暮らし体感している事との差は大きい。 そして一般の庶民の目線から感じる格差やBrexit、緊縮財政の影響は、本当に難しい問題だ。
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丹念に日々の出来事を文章化するみかこさんの馬力に驚いた.ブレグジェットの話題は日本では詳しく取り上げられないマターではあるが、当地では多くの人の口に出てくるようで凄いと感じた.我が国で憲法改正などのアイテムが普通の人の話題に上がるような雰囲気がでるのかな.コロナ禍の話題では、英国...
丹念に日々の出来事を文章化するみかこさんの馬力に驚いた.ブレグジェットの話題は日本では詳しく取り上げられないマターではあるが、当地では多くの人の口に出てくるようで凄いと感じた.我が国で憲法改正などのアイテムが普通の人の話題に上がるような雰囲気がでるのかな.コロナ禍の話題では、英国との違いもあるのが当然ながら庶民の暮らしが垣間見れて、楽しめた.
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2014年~2021年に執筆されたコラムや時評を収録している。冒頭に収録されているのは「子どもの貧困とスーパープア」。IS問題、ギリシャ危機、プレグジット、新型コロナなどの影響、一方でグローバリズム、新自由主義、小さな政府による緊収財政。英国から貧困と分断の拡大が進む様子をレポー...
2014年~2021年に執筆されたコラムや時評を収録している。冒頭に収録されているのは「子どもの貧困とスーパープア」。IS問題、ギリシャ危機、プレグジット、新型コロナなどの影響、一方でグローバリズム、新自由主義、小さな政府による緊収財政。英国から貧困と分断の拡大が進む様子をレポートしている。日本で最近ニュースで流れているような問題は既に何年も前から存在していた。外地からの情報について自分がいかに「無知」であったか。世界のことを知ることが日本を知ることになると改めて考えさせられた。
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2014年から2021年まで各種媒体に発表された政治・社会時評をまとめたものだが、まとめて7年分の時事問題を読むと、大きく社会が変わっていることかと思う。そして、自分がどれだけ忘れっぽいか。。
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著者が小論を語る場所はイギリス、日本と同じく島国だ。でも自分たちの生活やその基盤を担うまつりごとへの眼差し、地べたの活動をあきらめないパワーになんだかちがいを感じてしまった。他の国々により近く囲まれているからだろうか? けれど「自分たちすごい」に頼り、酔って「ガラパゴス化」どころ...
著者が小論を語る場所はイギリス、日本と同じく島国だ。でも自分たちの生活やその基盤を担うまつりごとへの眼差し、地べたの活動をあきらめないパワーになんだかちがいを感じてしまった。他の国々により近く囲まれているからだろうか? けれど「自分たちすごい」に頼り、酔って「ガラパゴス化」どころかまつりごとの「良い良いなすがまま」の日本と比べると……とついつい思ってしまう。この差はなんだろうか。とまれ、この小論集では、2014-2021のイギリス(ときに他国)事情が、たっぷり毒も薬もそのまま、「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」のパンクな母ちゃんのしっかりした視線で語られている。ほんとうに必要なのは公助、それは日本も同じだろうな。
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食べ物のトピックが多い印象を受けた。貧しさゆえに朝食を食べられない子どもたち、あるいは貧弱な食生活がもたらす肥満の危険性、などなど。こうした具体的な、目に見えるトピックがマクロな次元での政治や経済と結び付けられて語られる。この手腕こそブレイディみかこの真骨頂であると思う。私自身ブ...
食べ物のトピックが多い印象を受けた。貧しさゆえに朝食を食べられない子どもたち、あるいは貧弱な食生活がもたらす肥満の危険性、などなど。こうした具体的な、目に見えるトピックがマクロな次元での政治や経済と結び付けられて語られる。この手腕こそブレイディみかこの真骨頂であると思う。私自身ブレグジットの騒ぎの時は何がなんだか一ミリも把握できていなかったので、遅まきながらこの本を読んで彼の国そして日本の狂騒を学べたように思う。ひもじい、という切実な感覚を政治と結びつけ、身体をして「生きたい」と言わしめる。ああアナーキー
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「クロニクル」とは年代記。2014年~2021年、英国より。8年は長いか、短いか?・・国民投票の決着は着いた。ブレグジットが決まった。首相はキャメロンからメイへ、そしてジョンソンに。労働党は衰退し、党首も変わった。コロナショックが起き、ロックダウン。繰り返される波に、ウイズコロナ...
「クロニクル」とは年代記。2014年~2021年、英国より。8年は長いか、短いか?・・国民投票の決着は着いた。ブレグジットが決まった。首相はキャメロンからメイへ、そしてジョンソンに。労働党は衰退し、党首も変わった。コロナショックが起き、ロックダウン。繰り返される波に、ウイズコロナの社会実験。2014年の起点から、様々な変遷があった。・・積極財政への転換は道半ば。人々の心が変わるのは少しずつ。緊縮マインドを脱するには足りなかった。この後起きるウクライナ危機。”もったいない”のは、お金ではなく人の命。
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今の日本ひどいなぁ、これからどうなってしまうんだろうと思う毎日だが、ここがダメ、みたいなところはイギリスでも似たようなダメさで、元々が階級社会であったり、移民の人たちが多かったりなので、貧困問題もより深刻な感じだ。「ゆりかごから墓場まで」と言われてた時代は遥かに遠い。 グローバル...
今の日本ひどいなぁ、これからどうなってしまうんだろうと思う毎日だが、ここがダメ、みたいなところはイギリスでも似たようなダメさで、元々が階級社会であったり、移民の人たちが多かったりなので、貧困問題もより深刻な感じだ。「ゆりかごから墓場まで」と言われてた時代は遥かに遠い。 グローバル資本主義が続く限りは、どの国でも貧富の差は広がるばかりなのだろう。本当の意味での先進国はもうどこにもないのか。 イギリスの政治問題、社会問題をブレイディみかこさんのおかげで知ることができ、そのことから日本の問題も考えることができる。立ち位置(地べた)というのか考え方というのか共感できるし、書き方も具体的ですごくわかりやすい。他国の政治なんてわかりやすく書いてくれなければ興味など持てない。すごい書き手だと思う。私が偉そうに褒めるのも何だかだが。 日本にもいてくれないか、誰か。日本の問題をこのように書いてくれる人。私が見つけられてないだけか。女性がいいのだが。
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2014年〜2021年の間に発表されたブレイディみかこさんの社会・政治時評集。ブレグジットに始まりコロナに終わるさまざまな社会的・政治的な問題への短めの評論が多数集められています。基本は反緊縮、反貧困で、英国の現状は日本の未来を予測する上でも役に立ちます。
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