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コロナ後の世界 の商品レビュー

3.8

16件のお客様レビュー

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2024/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明朝体のなかにもいろいろあって、 明朝体の新しいフォントの作り方が詳細に説明されています! まず、 漢字、ひらがな、カタカナ、あとはローマ字系・数字と、 それぞれに作り方のステップがあるようで、 一文字一文字が思ったよりも芸術的であることが分かりました。 とくに漢字について多くのページを割いているのですが、 そこでほんとうに、機械的と思っていたフォントの手作り具合がわかります。 手書きレタリングから入るのです`ね。 - 歴史 漢字の書体の歴史的には、 中国の漢字では古く、水平垂直の篆書、隷書が生まれ、 その後、書家・王羲之などが手本とされる、右上がりの 草書が出てきて、 唐立体文字のピークとして、欧陽詢などに特徴づけられる楷書。顔真卿、右上がりが弱まり始める。 1716年の康煕字典 明朝体の漢字デザインのおおもととなる。 そして今も水平化の流れがあるそうです。(例、小塚明朝) 楷書体ー唐の時代の筆書きの再現。 明朝体ー明の時代の木版印刷用の字体、楷書字形にもとづきながら仕上がりに差が出ないように、正方形を意識、点画を直線化、直角心、正方形を意識した大胆なデザイン化。 そして現在主流なフォントそれぞれにも、デザイン開発に歴史や実際の個人の発想、実体験があるのだと気づきます。 遊明朝体ーふつうであること。 イワタオールド ー2000年に 1951年からのベストセラーの岩田明朝体をデジタル化上重心、クール。 平成明朝体ー政府機関・普及センター主導の文字フォント開発、低解像度の機器でも高品質を保てるようデータ量押さえている。 - テクニック フトコロ、錯視と黒み…フォントの専門用語。 同じ編でも、文字全体ぼなランス上、サイズも変えていく必要が出てくる。 重心: 文字の力が集中する箇所寄り引き、文字が仮想ボディのどのあたりに配置されているか。 フトコロ: 画と画に囲まれた空間。 縦線、右太く、外太く、うち細く 偏 と ぼうの関係、 均一性… … 「東」はひとつ、デザインの基本となるので始めに作られるそう。 「国」からの字種拡張、すでに作り終えた文字のエレメントを利用しつつ、漢字を増やしていく。 普段私たちの手書き文字にある筆跡の一貫性って何だろう。 無意識のフォント、ともいえるのか。これを人工的、意識的に作るととても難しいことが分かります。 作業時間は、JIS第1を作り出すとすると、8時間で20-30字、4人チームで印字テストと修整も含め、3-4ヶ月、とのこと。今後、技術の発展で、修正前までの作業はAIも可能になるだろうと述べられています。 そして、ひらがな。 ふところ、エレメント、大きさ… 組版、 各フォントを特徴づけるポイントとして、 骨格: クラシックーモダン 粘着度: うねり、複雑 ー簡潔 速さ: 動的ー静的 横文字にしたときの調整も必要になってくるらしい! なぜなら、横文字にすると、有機的な文字のメリハリがない=リズム感がなくなってしまうとか。 ほんとうに深いですね。 当たり前のように使っているいろいろなフォント。 見慣れた文字を眺める視点が新たに加わりました。

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2023/07/11

街場のコロナ後論といった具合だろうか。 内田樹の著書はいつでも政治を論破して気持ちいい。 この読み方は危険!

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2022/12/30

ぼくは理系脳なので、理屈と理論とか言われると、ついつい科学的&即物的な方向へ脳が漂流していってしまうのだが、なるほどこういった理屈、理論もあるのだな、と感心しつつ読んだ。もちろん科学理論と違って実験などによって証明ができないから、著者の言っていることが正しいのかどうか客観的に判断...

ぼくは理系脳なので、理屈と理論とか言われると、ついつい科学的&即物的な方向へ脳が漂流していってしまうのだが、なるほどこういった理屈、理論もあるのだな、と感心しつつ読んだ。もちろん科学理論と違って実験などによって証明ができないから、著者の言っていることが正しいのかどうか客観的に判断するのは難しい。そういう意味では理屈とか理論というより、主張といったほうが正しいのだろう。著者の主張すべてに同意するわけではないが、なるほどそういう見方をすればいいのか、と思うところが結構あって面白かった。ちなみに折々に書いた文章をリライトしつつ一冊にまとめたもので、特に「コロナ後の世界」にフォーカスをあてて書いているわけではない。 現状の日本や安倍政権(やそれに続く自民党政権?)への批判がぎっしり。批判は結構だし、なるほどもっともと思うところもあるのだが、こう悪口(という言い方は適当ではないが)ばっかりだと、この人ひょっとしたらただの文句言いオヤジなんじゃないかという気もしてくる。著者から見ると、1から10まで箸にも棒にもひっかからない最悪政権だったのだろうか? だとすれば、もうちょっとましだった政権は過去にあったのだろうか? それともずっとダメだったんだろうか? この人が褒める政権ってどんなものなんだか知りたい。

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2022/09/17

The World After Corona https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163914589

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2022/07/16

内田さんの文章はいつもメッセージの宛先に自分が含まれていると思えるので、たとえ悲観的な話題だとしても読んでいて気分が落ち着いてくる。

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2022/04/22

あまりコロナとは関係ない感じがしますが 最後の大瀧詠一、加藤典洋、橋本治、吉本隆明への追悼の話が残りました。 あと、今ここという考え方の危険性もある程度納得です。

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2022/03/27

2021年10月発行の書籍。内田樹が、ブログやその他の色々な媒体に書いたものをまとめ、加筆・修正したもの。「コロナ後の世界」という書名になっているが、ポストコロナについてのものばかりではなく、色々なテーマのについての論考を集めたもの。章立ても「コロナ後の世界」「ゆらぐ国際社会」「...

2021年10月発行の書籍。内田樹が、ブログやその他の色々な媒体に書いたものをまとめ、加筆・修正したもの。「コロナ後の世界」という書名になっているが、ポストコロナについてのものばかりではなく、色々なテーマのについての論考を集めたもの。章立ても「コロナ後の世界」「ゆらぐ国際社会」「反知性主義と時間」「共同体と死者たち」という題名になっている。もとになっている原稿が書かれたのは、2020年から2021年にかけてのもの。 本書を読んだ後、あらためて世界のコロナウィルス感染状況がどうなっているのかをネットで調べてみた。 全世界での感染者数は4.8億人、これまでの死者数は6百万人強。世界人口は75億から80億人の間であり、全世界の感染率は6%弱。致死率は感染者数の約1.3%、人口の0.078%ということになる。 日本の感染者数は、おおよそ6.2百万人、これまでの死者数は27,000人強。日本の人口は約1.2億人なので、感染率は5%強、致死率は感染者数の0.45%程度、人口の0.022%ということになる。世界的な数字と比較すると、感染率は少し低く、また、致死率は世界の数値から比べると随分と低いということになる。 また、約100年前のパンデミックであるスペイン風邪について調べてみた。スペイン風邪には、全世界で約5億人が感染したと言われている。数自体はCovid-19と変わらないが、当時の世界人口が18-19億人であったので、感染率は27%、4人に1人は感染したと言われている。また、死者数は1億人を超えていたと言われており、致死率は感染者の約20%、人口の約5.6%なので、今回のパンデミックよりも感染率・致死率ともに高いものであった。 Covid-19について内田樹の2020年当時の論考をあらためて今回読んでみて思い出したのは、パンデミック発生直後は、Covid-19の感染率、致死率、あるいは重症化率は、もっと高いものである、Covid-19というのは、とても危険なものであるという認識が一般的であったということだ。実際に重症になられた方、実際に亡くなられた方もいらっしゃるので、軽々しいことは言えないが、現時点の実際の感染率・致死率よりも、もっとずっと高いもの、例えばスペイン風邪に近いものをイメージしていたと思う。もちろん、危険なものであるという認識のもとで対応したり、あるいは、比較的早くにワクチンが接種できたりしたことにより、結果的に感染率・致死率は上がらなかった、すなわち、世界の人たちの対応は、ある程度うまくいったということでもある。 内田樹の論考が、ということではなく、もう少し一般論的に言って、パンデミック発生直後に言われていた「コロナ後の世界」についての論考が現実のものと少しずれていることが多いように感じるのは、こういった実際の感染率や致死率についての予測が(良い方に)はずれていたから、とも言えるのではないか、とあらためて感じた。

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2022/03/05

何度も思うが、やはりこの人の考え方は面白い。だから面白く思えば思うほど、この人はもっと表に出ていくというか、もっと周りがこの人の言うことを取り上げて(もしかしたら自分が思う以上に取り上げているのかも?)、広く知られていてもいいのにと思うのだが。それこそ養老先生や、小林秀雄にだって...

何度も思うが、やはりこの人の考え方は面白い。だから面白く思えば思うほど、この人はもっと表に出ていくというか、もっと周りがこの人の言うことを取り上げて(もしかしたら自分が思う以上に取り上げているのかも?)、広く知られていてもいいのにと思うのだが。それこそ養老先生や、小林秀雄にだって引けを取らないのではないだろうか。 本の最後に、内田樹という人が敬愛していたのだなと思われる、大瀧詠一、橋本治、鹿島茂の諸氏がいずれも2019年に亡くなっていて、その追悼の意味合いで各氏の著者の書評をしたものが収められているのだが、自分にはなぜこれらが収められているのかわからず、でも本人の後書きでこの本で言いたいことはここに収められているとあったので、俺は何を読んでいたのだろうと、愕然としてしまった…

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2022/01/22

 著者が,いろいろなところで書いた論文を集めたもの。いつも通り,内田さんの筆はよく動く。視点が面白くて,しかも難しくないので読みやすい。本のタイトルにある「コロナ後の世界」は,本の4分の1くらいで,あとは,違う話題が多い。最終の第Ⅳ章では,4人への弔辞?がまとめられていて,ちょっ...

 著者が,いろいろなところで書いた論文を集めたもの。いつも通り,内田さんの筆はよく動く。視点が面白くて,しかも難しくないので読みやすい。本のタイトルにある「コロナ後の世界」は,本の4分の1くらいで,あとは,違う話題が多い。最終の第Ⅳ章では,4人への弔辞?がまとめられていて,ちょっと変わった編集となっている(これは編集者の工夫らしい)。内田さん本人は,「この本を通じて僕が一番言いたかったことは,(吉本隆明を含めた)4人の死者たちに向けて書かれたこれらの言葉の中に表現されていたように思います」と言っていて,ここだけでももう一度読んでみようかな。  気に入ったところに付箋を付けながら読んでいたら,付箋紙が30枚近くになった。この付箋の部分をこれから抜きだして,どっかに書き留めておくことにする。これがわたしの本の読み方の一方法である。  一カ所だけ,引用しておく。これを意識してくれれば,おそらく,ネトウヨ・ネトサヨなんていなくなるんだがなあ。これもわたしの加害責任がついて回るんだよな。     僕はものごとの適否を「それをすることによって、集団として生きる知恵と力が高まるか?」ということを基準にして判断しています。もちろん、その言明が「正しいか正しくないか」ということを知るのも大切ですけれど、僕はそれ以上に「それを言うことによって、あなたはどのような『よきもの」をもたらしたいのか?」ということが気になるのです。言っている言葉の内容は非の打ち所がないけれど、その言葉が口にされ、耳にされ、皮膚の中に浸み込むことによって、周りの人たちの生きる意欲が失せ、知恵が回らなくなるのだとしたら、その言葉を発する人にはそれについての「加害責任」を感じて欲しい。(p.2)

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2022/01/05

ほとんどのものをこれ「前にも読んだなぁ」と思いながら読んだ。そんなことは最初からわかっている。何度でも読みたいのでそれでいいのだ。

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