AI支配でヒトは死ぬ。 の商品レビュー
AI支配で、人は死なない 養老さんxAI支配でヒトは死ぬ。という思想激強ツイートみたいなタイトルで手に取ったが、全然AIで人間は死なない。 養老さんの考えは、多分真逆。 AIみたいな人間の脳が生み出したもの=システムがいかに脆く、そして身体が生み出す実感=自然がいかに強かか...
AI支配で、人は死なない 養老さんxAI支配でヒトは死ぬ。という思想激強ツイートみたいなタイトルで手に取ったが、全然AIで人間は死なない。 養老さんの考えは、多分真逆。 AIみたいな人間の脳が生み出したもの=システムがいかに脆く、そして身体が生み出す実感=自然がいかに強かかということが随所で語られてるのが本書。 養老さんがよく言ってる事だけど、戦争によって国家という巨大システムが死んでも、人間は生きていたんだよな。そこに養老さんの身体に対する信頼の源泉があるんだと思う。 そしてそれは解剖学者という自然科学者であるにもかかわらず、科学をシステムだと喝破する姿勢にも繋がってる。1番それが現れてるなと思った箇所を引用。 >>> 自然科学はもともと普遍を主張する。物理法則は宇宙のどこでも、未来や過去のいつであっても成立する。ただしそんなことは実証できないから、これは思想ないし信念というしかない。 >>> なんて簡潔で明瞭なんだろう。 最近、『サピエンス全史』を読んでいて、自然科学は国家や宗教のような神話=システムではなく、自らが間違うことを前提とした思想だって言ってたのを思い出すが、養老さんが言ってるのはそれと真逆のことだ。 つまり。サピエンス全史では科学は神話ではないと言われていたけど、多分間違いを許容するだけで、結局人間が生み出したシステムであることからは逃れられない。 科学は間違いうる神話、という新しいジャンルの神話なんだ。 人間、どこまで行っても神話=システムから自由ではいられない。とはいえ、そのシステムへの適応の柔軟性の基礎には、身体としての人間の柔軟性がきっとあるのだと思う。だから国家みたいな巨大システムがぶっ壊れても、再び今日の繁栄を築き上げることができた。 スクラップアンドビルドができるのは、そういう人間身体への信頼があってこそだ。 そういう意味で、「手入れ」という身体的な比喩で、各個人のメンテナンスが語られていたのは面白い。コントロールするのではなく、手を入れるだけ。 人間は盆栽みたいなもので、作者の意図を実現しようとする剪定と、内から溢れる旺盛な生命力のせめぎ合い、そのコントロールできない面白さこそが人生なんだろうなと。 AIが人間を支配=コントロールすることなんかできない。コントロールを逃れていくところに人間存在の実感、実存があるからだ。
Posted by
過激なタイトルに釣られて笑 博識なお二人の対談なので、話題はコロナの話から幸福論まで読み応えは十分…いや、お腹いっぱいです。 過度にシステム化され、さらにAIの台頭と自分の頭で考えることを放棄しつつある現代は「事実」よりも「意見」が罷り通りやすい。それがコロナ禍で顕著に発露した...
過激なタイトルに釣られて笑 博識なお二人の対談なので、話題はコロナの話から幸福論まで読み応えは十分…いや、お腹いっぱいです。 過度にシステム化され、さらにAIの台頭と自分の頭で考えることを放棄しつつある現代は「事実」よりも「意見」が罷り通りやすい。それがコロナ禍で顕著に発露したことは記憶に新しい。 AI任せにしてしまう思考の原因は生活から“第一次産業”がなくなったからだと養老氏。 リアルしかなかった時代は「身体を動かしてやってみる」ことで、脳(システム)ではなく身体で判断ができていた。それだけ直接「もの」に触れる経験は大事だという。 また「こうすれば、ああなる」の世界で育つと「うそ」の基準がわからなくなってしまう危険を提示している。 後半では「自足」について見解を述べられている。 作家、建築家である坂口恭平氏の言葉を引用し 「居心地の悪いところから立ち去る」「資質に合わないことはやらない」ことがまず重要と説く。 そしてそれを実践しているのが「猫」である。 また、坂口氏が悩み相談を受けて分かった事が言い得て妙である。 〜悩みっていうのは、「人がどう見るか、人からどう見られてるか」っていうことに関するものばかりで、人間の悩みの中心にあるのはそれだけなのだ〜 みんなが1人ひとり、「人と私は違う。でも私はこれでいい」という自足ができれば、落ち着いた社会が生まれる…もうこれは国民の義務ではないかと。 今、正に働きながら自足活動中である身としては、猫を師と崇めつつ笑、自立した人間になるべく修身していきたい。
Posted by
知の巨人と呼ばれる養老先生の知識量の半端なさに感動。 現在、話題となっている地球温暖化に関しても政治問題的な側面もある、としてお話されている。 テレビなどのメディアではなく本を読む事の重要性が感じられる。
Posted by
通読しましたが、この本は実に難しかったです。私には。養老孟司「AI支配でヒトは死ぬ。」、2021.10発行。かろうじて理解した気持ちになったのは: ①OECD35ヶ国に対して「自分は健康ですか」のQに、9割がはいと答えた国、3割しかはいと答えなかった国。(1位の米国、35位の日...
通読しましたが、この本は実に難しかったです。私には。養老孟司「AI支配でヒトは死ぬ。」、2021.10発行。かろうじて理解した気持ちになったのは: ①OECD35ヶ国に対して「自分は健康ですか」のQに、9割がはいと答えた国、3割しかはいと答えなかった国。(1位の米国、35位の日本)②自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断するという「バカの壁」③居心地の悪いとこにはいないっていう猫の生き方 ④「修身」のもともとの意味は「自立して生きていく」。
Posted by
題名が少し内容と乖離してるかな?と感じるが、養老さんの考え方は非常に興味深いものだった。実際、コロナでグローバリズムの考え方が変化した時期もあった。しかし、教育の考え方は変わらずグローバルの視点を重視している。 わたしは、この本を読むまでグローバルな人になりたいと思っていた。それ...
題名が少し内容と乖離してるかな?と感じるが、養老さんの考え方は非常に興味深いものだった。実際、コロナでグローバリズムの考え方が変化した時期もあった。しかし、教育の考え方は変わらずグローバルの視点を重視している。 わたしは、この本を読むまでグローバルな人になりたいと思っていた。それがいいと、私たちZ世代は義務教育によって洗脳されていたのかも知れない。
Posted by
養老先生と西部邁は同世代であり、表現者クライテリオンと親和性があるのだろうと感じた。やはり戦前を経験して、そこから劇的に変化してきた戦後の世界を見てきたからだろうか。どちらにも、社会を外側から落ち着いて俯瞰するそんな姿や言動が見られる気がする。 現代社会では本来定まったものではな...
養老先生と西部邁は同世代であり、表現者クライテリオンと親和性があるのだろうと感じた。やはり戦前を経験して、そこから劇的に変化してきた戦後の世界を見てきたからだろうか。どちらにも、社会を外側から落ち着いて俯瞰するそんな姿や言動が見られる気がする。 現代社会では本来定まったものではない、自然や経済活動を何でもシステム化、理論化しようとする。グローバリズムや現在のコロナ渦においては、脳化社会が進み、自然を排除して型にはまったものを推進しようした結果、身体との不具合が生じている。そして生きにくさに直面し、それをまた脳で解決しようとする。そこから抜け出すには、自分で考え、動くことを放棄しないこと。都合の悪いものが出てきたら、それに少しずつ手入れをし、バランスを取っていく。そのように自足して生活する。それでも都合が悪ければネコのようにそこから立ち去って居心地のいい場所を見つける。それでもいいのだろう。
Posted by
自足〜が足りないと養老さんはいう。 今、科学は実験室の中で再現可能なものが真実だと言わんばかり。だが果たしてそうであろうか? 養老さんが専門の「解剖学」 学生の頃、解剖すると神経の走り方が本とは違うので、先生に質問すると、「そういうものだ」といわれたそうだ。 画一的に全て同じ結...
自足〜が足りないと養老さんはいう。 今、科学は実験室の中で再現可能なものが真実だと言わんばかり。だが果たしてそうであろうか? 養老さんが専門の「解剖学」 学生の頃、解剖すると神経の走り方が本とは違うので、先生に質問すると、「そういうものだ」といわれたそうだ。 画一的に全て同じ結果、全て教科書通りは違う。 データばかりで頭の中でわかった気になる昨今だが、 体を通して、自然を通して実感し、腑に落ちる感覚こそ今一番大事なことなのであろう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
抽象的な観念ではなく、具体的な現実に立脚すべきという話。私自身、観念的な傾向が強く、現実と乖離して上滑りしてしまう自覚があるので、本書で語られる問題意識には共感できた。 「バカの壁」は昔読んだが内容はほとんど覚えておらず、タイトルから上から目線な印象だけが残っていた。だが、本書を読んで、養老孟司自身が全共闘との関係や大学勤務などで苦労する中で色々考えてきたということや、観念的なことを全否定しているわけではなく現実とのバランスが大事だと行っていることが分かり、印象は良くなった。 以下、面白いと思ったこと。 - 抽象的な観念/決め事と具体的な現実、人間にはどちらも必要でその間でバランスを取っていくしかないが、現代は前者に偏りすぎている。 - 「実感信仰」という言葉で小林秀雄を批判したのは丸山眞男。だが、それを承知で養老孟司は「実感信仰」しかないと言う。 - 無限の自己反省を止めるのが「実感」 - 日本語の特性は情動的なところ。語幹より語尾。客観より主観。英語や西洋の考え方からすると違和感があるが、日本語で考えるしかない日本人にとってそれは仕方ないこと。 - 虫に対しては自由に好き嫌いが言える。日本語では得体が知れない無意識的なものを「虫」で表現する。「虫が好かない」「虫の居所が悪い」。 - 中村哲の「内発性」。 - 東大は長男で京大は次男。研究者という点では京大の方が面白い。東大は「通説」でないと講義できない。東大は「自分は優秀だ」と思っている人が多いので師弟関係が成立しない。だが、東大はそういう役割なので仕方ない。 - 徹底的に真似しようとして真似できない部分だけが個性。これだけ学問、文化の積み重ねがある世界で簡単に個性など出てくるはずがない。 - 「修身」は「自立」。人さまに余計なことをするなということ。古来の人は自立した人で作る社会を理想としていた。 - 人の評価と関係ないところで「自足」することが大事。その正反対がSNS。 - 仕事と生活のダブルスタンダードに耐えられなかった。アメリカ人は自分の研究を平気でThis Gameと言うが。 - 大学を辞めた日は空の青さを感じた。大学勤めの時期は顔が暗かったと妻から言われた。 - 挫折のない人間は複眼的な視点を持てない。 - 複雑系。初期値で非常に小さい小数点以下の端数を丸めると、天気図予測のコンピュータの計算結果が大きく変わってしまう。正確に予測するには超詳細な初期値を設定する必要があるが、それは論理的に不可能。即ち、物事の正確な予測は不可能。
Posted by
いつもの養老節のようでいて、ちょっと毛色が違ったかな、という気もしないでもなかったか。クラリオンという媒体によるのかもしれないけど。基本的には今まで読んでいたことをなぞるライン。西部邁とか、江藤淳の関係とか、あんまり聞いたことのない話も出てきたかな。あと、八割おじさんとか、コロナ...
いつもの養老節のようでいて、ちょっと毛色が違ったかな、という気もしないでもなかったか。クラリオンという媒体によるのかもしれないけど。基本的には今まで読んでいたことをなぞるライン。西部邁とか、江藤淳の関係とか、あんまり聞いたことのない話も出てきたかな。あと、八割おじさんとか、コロナ対応にも批判的だったんだ。そちらは、らしいといえばらしいかもしれないけど。養老氏には、まだまだ本を出してほしいと思う。
Posted by
ーシステムから外れ、自分の身体で考えるー 養老孟司さんは「ムシ」、そのレベルの高さは置いておいて、 僕は「植物」、自分の身体で考えるのにお世話になった。 振り返れば、幼少時から。 心に残った目次 脳は「違う回線を使って「同じこと」をする 「データ」が「現実」になってしまった時...
ーシステムから外れ、自分の身体で考えるー 養老孟司さんは「ムシ」、そのレベルの高さは置いておいて、 僕は「植物」、自分の身体で考えるのにお世話になった。 振り返れば、幼少時から。 心に残った目次 脳は「違う回線を使って「同じこと」をする 「データ」が「現実」になってしまった時代 「観念」ではなく「もの」に従うこと 「身体」に耳を傾けること 「病は気から」ー心身平衡論 温暖化論の虚実 「意見」が先で、「事実」が後になってしまった時代 瞑想と身体ー「意識」の突き放し方 虫と「不気味なもの」 「実感信仰」の射程ー「生き方」としての学問へ 「ノイズ」を切り落とすことの退屈
Posted by
- 1
- 2
