地球にちりばめられて の商品レビュー
言語をテーマに、地球の中を漂流しているような人たちを描いた物語。国がなくなり、色々な国を行ったり来たりして、生活をスムーズにするために自分で新しい言語を作った者、自分の国に嫌気が差し他国の人に擬態した人、海外を放流しているうちに言語が話せなくなった者。海外に暮らす、自分に重ねてし...
言語をテーマに、地球の中を漂流しているような人たちを描いた物語。国がなくなり、色々な国を行ったり来たりして、生活をスムーズにするために自分で新しい言語を作った者、自分の国に嫌気が差し他国の人に擬態した人、海外を放流しているうちに言語が話せなくなった者。海外に暮らす、自分に重ねてしまう部分もあった。また、言語が人を作るということについても考えさせられた。このことについてはもう少し研究してみたい。
Posted by
audibleで、今日聞き始めた。 一言も聞き逃すことができない。 どの文も全て、私が欲しいと思っていてまだ表現できていないポイントに向けて放たれていて、的を外さない。刺激で血圧が上がり、心臓の音に邪魔されそうになりそうなくらい興奮しながら聞いている。
Posted by
なにこれ、いいところで終わってる!? 最後まで読んでから『星に仄めかされて』、『太陽諸島』と続く三部作の1作目であることに気づいた。とりあえず最初に読んだのが1作目でよかった。このあと本屋に直行せねば! 日本の文化が世界に広まっていく。それ自体は良いことだが、裏を返せば日本の独...
なにこれ、いいところで終わってる!? 最後まで読んでから『星に仄めかされて』、『太陽諸島』と続く三部作の1作目であることに気づいた。とりあえず最初に読んだのが1作目でよかった。このあと本屋に直行せねば! 日本の文化が世界に広まっていく。それ自体は良いことだが、裏を返せば日本の独自性が薄まっていくということでもある。その先には「日本の消失」があるのかもしれない。それがグローバル化ということなのだろうが、そこには動植物の絶滅を思うときのような妙な焦りや寂しさを感じることがある。本書は、そこのところの感情を突いてくる。 多和田氏の作品自体を初めて読んだのだが、ドイツ生活が長いそうで、読んでいて異文化にまつわる気づきも多かった。 例えば、ある文化が異国の文化を取り込む際に「どこから来たか」というのは案外どうでもいいのかもしれない、ということ。振り返れば、日本でも「どこか外国から来たやつだよね」程度のものは数知れず。我々が「日本がルーツ」として誇っているものも、他国ではそのぐらいの扱いなのかも。 あとは、同じ人でも話す言語によって思考パターン、行動パターンが変わってしまうらしいこと。本書では章ごとに語り手が入れ替わるのだが、主人公(?)の Hiruko 自身が語る章と、他者から「自作の言語を話す女性」として描かれる章とでは、印象が全く違う。現実にもありそうなことであり、興味深い。 なお、本書には印象派の画家であるモネやその作品に関するエピソードが随所に出てくる。日本の浮世絵がモネに影響を与えたことは有名だが、彼の絵の中にも日本的なものが取り込まれ、必然的に薄められている。そんなメッセージを感じた。期せずして、今年(2026年)は、モネを含むオルセー美術館の絵画が数多く来日する。絵の中にちりばめられた日本を探してみるのもよいかもしれない。
Posted by
日本人の方がかかれた小説だけれど、私の印象としてはまるで翻訳本みたいだなと思いました。でも読みやすい。そして出てくる登場人物たちが魅力的で、この先の展開も気になります。クヌートとHirukoが素敵で好きになってしまいました。
Posted by
人は家族、学校、会社、町、国、言語、人種 さまざまなものに属している それらに疑問をもち、振り切って 心のままに国を超えて旅をする 読んでいて気持ちのいい本 続編あと2冊も読めるの嬉しい
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多和田葉子を初めて読む。 言葉はこんなにも存在に食い込んでいるのか。 自己の存在を考えるとき、恋愛や記憶、国家や生まれた土地が脳裏によぎるが、この作品にはそれらよりも色濃く、言語という明瞭なテーマがある。 正直、こんなに簡単に出来事が展開してよいのか?という思いはある。 ただ、以下に述べる内容は小説世界を純粋な表現空間に仕立て上げている。たどたどしい会話、人物の精神に深入りしない淡々とした一人称の文。関心に従って、あるいは成り行きに従った即時的な展開。その中で、移動に向かうことで前向きに保たれるゆるやかな連帯。近代的な1つの完成を目指すのではなく、その時々を一緒に生きる。健全な現代のつながり方が提示されている。 クヌートの母という、近代的な「物語」から逃れられない存在。Susanooという近代的な「物語」から脱落した存在。今を生きるHirukoたちの旅は近代的な「物語」とも向き合って、きっとその人たちの世界も揺さぶるだろう。 次作も読まざるを得ない。
Posted by
国はもういい。とひらりと言える情勢ではないけれど、なくなってしまったとして、たしかに独自の食文化などだけは残るのだろう。浮世に浮き足立つような、ふっとこの国から本の中で抜け出してひとりぼっちになったような、不思議な感覚で淡々と旅ができてよかった。ちょうどモネ展に足を運んだばかりで...
国はもういい。とひらりと言える情勢ではないけれど、なくなってしまったとして、たしかに独自の食文化などだけは残るのだろう。浮世に浮き足立つような、ふっとこの国から本の中で抜け出してひとりぼっちになったような、不思議な感覚で淡々と旅ができてよかった。ちょうどモネ展に足を運んだばかりでタイミングが良かったなと思う。なにしろ絵がちゃんと思い浮かんでくれたから。セットでおすすめです。 “ジャパンとかなり大きな滴が水たまりに落ちて、三秒くらい間隔をおいてまたジャパンと落ちる音だ。“ そんな意図かわからないけれど、上の一節で、ジャパンって水の落ちる音なのかと、ドキドキして珍しく薄く、線をひいてしまった。
Posted by
Posted by
多和田葉子さんの著作を読むのは初めて 割と最近(2018年)の作品 母国語とか出身がどことか手作り言語とか 話は続くようで続編も購入済 感想は全部読んでから、というわけではなく何を書いていいか分からない 語らず浸ればいいんだよ、というような作品(か?)
Posted by
初めて多和田葉子さんの作品を。架空の、近未来?のお話なのかな?でも現実と地続きで、なんとなく考えさせられるというか、世界レベルで評価されてる作家さんぽいので、海外文学的でもあり、読み応えあって、でも読みやすくて惹き込まれました。他の作品もぜひ読みたい
Posted by
