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刑務所の精神科医 の商品レビュー

3.8

29件のお客様レビュー

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2026/03/22

https://x.com/nobushiromasaki/status/2035559642168971435?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw

Posted byブクログ

2026/02/15

タイトルからして大変な仕事なんだろうな、と思ったが、淡々とした語り口のエッセイであまり大変さを感じない。刑罰よりもむしろ治療が必要だと思われる収監者(特に少年院)には同情さえ感じる。精神科医ばかりではなく、様々な局面に対応できるソーシャルワーカーも一体になって支援を行う必要がある...

タイトルからして大変な仕事なんだろうな、と思ったが、淡々とした語り口のエッセイであまり大変さを感じない。刑罰よりもむしろ治療が必要だと思われる収監者(特に少年院)には同情さえ感じる。精神科医ばかりではなく、様々な局面に対応できるソーシャルワーカーも一体になって支援を行う必要があるだろうな、と読みながら考えた。凶悪事件を起こして捕まった犯人が、精神鑑定で責任能力を云々されることに少なからず違和感を感じていたが、少し見方が変わった。

Posted byブクログ

2026/01/26

たまたま図書館でタイトルに惹かれて手にした本書だったが、いい本を見つけた。見つけた自分を褒めたいくらい。 とにかく、著者の洞察が鋭くて指摘が的確なのに、押し付けがましくなくてわかりやすくて、でもとても著者の専門に根付いた考察の上に立っているところがとても好感が持てる。 精神医学...

たまたま図書館でタイトルに惹かれて手にした本書だったが、いい本を見つけた。見つけた自分を褒めたいくらい。 とにかく、著者の洞察が鋭くて指摘が的確なのに、押し付けがましくなくてわかりやすくて、でもとても著者の専門に根付いた考察の上に立っているところがとても好感が持てる。 精神医学にそれなりに興味関心のある私にとって、非常に有益な本だった。 著者はエッセイと言っているが、依存や神経発達症に関して、初学者がその概要を掴むのに非常に適した優れた入門書とも言える。事例があり考察が簡潔で、尚且つ症状に適応する主な処方薬についても、大まかな傾向を知るのにとても都合が良い。 コメディカルや、医療職ではないが対人援助職で、医療の必要がある人と接する機会の多い人、これからそのような立場で働く人にうってつけ。 そういう立場の人には、是が非でも一読を勧めたい。 個人情報に配慮して、取り上げられる事例はそれほど細かく描写されていないところがやや物足りなく感じられる面はどうしてもある。 それでも、「虐待が奪いゆくもの」の章では、とても端的にわかりやすく、しかも的確に、虐待の本質やその回復について、本人への影響について、関わる周囲の在り方について述べられていて、本当に秀逸。個人的でありながらとても普遍的な考察で、対人援助に関わる人は是非とも一読すべき章ではないか。 またあちらこちらで述べられている家族問題と犯罪の関係についても、いずれも現代社会の在り方への指摘が鋭すぎる。 とても感銘を受け、またいろいろ参考になるので手元に置いておきたくなり、買いました。 別の著作も読んでみようっと。

Posted byブクログ

2026/01/17

刑務所勤務のお医者さんのお話を、居酒屋とかで話しながら聞いてる感覚になる本だった。エッセイ形式なので読み進めやすい。 刑務所に来る人や出て行く人にそこまで思い馳せたことがなかったので、どういう人が来てどういう困り事を持ってそうか知れたので、知識が広がった。 そして犯罪者自体も、当...

刑務所勤務のお医者さんのお話を、居酒屋とかで話しながら聞いてる感覚になる本だった。エッセイ形式なので読み進めやすい。 刑務所に来る人や出て行く人にそこまで思い馳せたことがなかったので、どういう人が来てどういう困り事を持ってそうか知れたので、知識が広がった。 そして犯罪者自体も、当然ザ・極悪人以外もいるわけであり、その人たちはたまたま国のルールでNGとされることをしてしまったのだなと解釈した。著者も書いていたが、私も何かのボタンの掛け違えがあれば、刑務所に行く側になっていたかもしれないと思う。 再発防止のために出所後支援を行うことが、社会的にも良い(犯罪自体も減るし、犯罪したら2度と通常の居場所に戻れず刑務所と娑婆をループしなくてよくなる)という考えが、現実的だし人に優しい対応だなとは思いつつ、犯罪の内容やその人の気質次第で難しいこともあるんだろうなぁと思い馳せた。

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2025/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

分類は刑事法の中の矯正ということになってますが⋯まぁエッセイですね。 タイトル「刑務所の」とありますが著者が勤務されていたのは医療刑務所だったり少年刑務所だったりで、収容されている人たちの犯罪の種類や重さもさることながら、年齢や病気の種類、病状の軽重など実に様々な人たちと関わってこられたことが綴られています。 他にも大学の先生になられたり頼まれて精神科病棟の医師になられたり様々な場所で受刑者だけでなく一般の精神病やADS患者、認知症と思われる高齢者などに関わられたということで、実務の中でしかわからない興味深い話がたくさんありました。 様々なケースを語られる中で「こういう点についてこうしたらいいと思うが」や「このあたりのことは外国と日本の違いがあって考えさせられる」や「こういうやり方がいいと自分は思って周りに聞いてみたが」というような、ここを改善したらいいのではという意見や提案や問題点の指摘などもあり、確かにそうだなと思うこともあったけれどだからこういう啓発をしたとか、どこかの機関に働きかけたとか、提言を挙げて改善に努力したということはなく、その点でも実用書や教養書的位置づけというよりはやはりエッセイですね。 頷くところはとても多かったです。 洗練された心理学的手法ではなく福祉的な配慮と根気強い支持的な対応なのである(p55) 医療刑務所に収容されるような人およびその家族に必要なものはそういうことだと自分も思うが、そのようなところに収容される事態になるまでに福祉的なところと繋がってそのような対応をされてきていたなら、そもそも刑務所に収容されるような事態にはならないで済んだだろうにと思えてしまいました。 精神鑑定が必要かもしれないと思われる被疑者であっても精神鑑定を受けていない、受けさせていないケースがほとんどだということには衝撃を受けました(著者の勤務していた当時で今も同じかは分からないが) 刑法39条をきちんと運用するなら被疑者の精神状態の評価のために精神鑑定というものが公平に運用されるべきだというような提言には深く頷きます(p84) 精神障害が疑われる被疑者の司法手続きや処遇が標準化されないと空しい(p89)著者のやりきれなさを感じます。 読んでいて時代を感じたのは、ADSが母親の育て方のせいにされていたということ(p119〜)かなりの長い期間、自閉症は育て方の問題とされて本当に多くの親たちが苦しんできた歴史があります。現在でさえも、自閉症について関心や知識のない人にはそのように誤解している人がまだ少なからずいます。 医学的にまだ分からなかった時代の話とはいえ辛い話でした。 そういえばその前段で触れられている(p115〜)アスペルガー障害という言葉も、一時流行りのようにあちこちで耳にしたものでしたがいつの間にかぱったり聞かなくなりました。その始まりと廃れていった経緯が本書を読んでよく分かりました。 (p136)受刑者を医療施設へ移すということの困難さ(その費用をどこで持つのか、誰が対応し手続きをするのかなど)は如何にも日本的だなと思いました。 触法精神障害者などの対応も福祉なのか司法なのかどっちつかずになっているケースがとても多いと思います(司法福祉という対応の仕方が導入されてきた地域も増えてきてはいるようですがまだまだ公平とは言えないのではないかと) (p148)法律の論理と医療の論理は違うのだと実感した フィンランドの刑務所の章はルポでしょう。(p162〜) 生まれた子供をそのまま刑務所で母親が育てることができるということに衝撃を受けました。そういう国があるのだなと。福祉が進んでいる国の考え方は違うなと思い著者がいうように子どもの人権について考えさせられます。でも日本ではやはりそのようにすることは考えられないでしょう。 文章がところどころ自分には冗長に感じられる個所がありましたが、貴重な記録だと思います。

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2025/10/29

塀の中の事は中々知ることはできない。 長年興味があった。 この本は作者が矯正施設に精神科医として勤めていた時の経験談が書かれています。 作者個人の経験なので限られた範囲にとどまってしまうが、犯罪を犯してしまった人たちの心理がわかることができた。 作者がフィンランドの刑務所を見学...

塀の中の事は中々知ることはできない。 長年興味があった。 この本は作者が矯正施設に精神科医として勤めていた時の経験談が書かれています。 作者個人の経験なので限られた範囲にとどまってしまうが、犯罪を犯してしまった人たちの心理がわかることができた。 作者がフィンランドの刑務所を見学に行ったときの言葉が印象に残る。 「私たちはよい受刑者をつくる事ではなく、よい市民を作ることを目標にしている」その言葉についての作者の感想が「日本の刑務所はよい受刑者を作ることに躍起になっていると言われたような気がした」とある。どちらが良い悪いは別にしてこの本を読むとそれを痛切に感じる。 私たちは自分に害を及ばす恐れがあるものを排除して隔離してしまえば、それでないことにしてしまいがちだ。 「諦めなければ夢はかなう」「努力は裏切らない」などの言葉をよく耳にする。だが、いくら努力しても成功できないこともある。一生懸命やっても報われないこともある。 この言葉を突き詰めていくと「出来ないのは努力がたりない」「夢がかなわなかったのは途中で諦めたから」という自己責任の思想にたどり着いてしまうのではないだろうか。 運不運や不確実性がつきまとうのが人生ではないだろうか。だとしたら失敗した人や、つまずいた人を一義的に非難することはできないと感じた。

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2025/09/14

支援に関する本なので難しいかなと思っていたが、けっこうするする読めた。 もとがエッセイなことを最後で知った。 罪か罪じゃないかの境界はとても難しい。だからといって、人を傷つけていいわけではないけれども。 本文にもあるが、実際そこまで遠い世界ではないはずなのに塀の外と中の世界が違...

支援に関する本なので難しいかなと思っていたが、けっこうするする読めた。 もとがエッセイなことを最後で知った。 罪か罪じゃないかの境界はとても難しい。だからといって、人を傷つけていいわけではないけれども。 本文にもあるが、実際そこまで遠い世界ではないはずなのに塀の外と中の世界が違いすぎる。その区分けをすることで、罪が減るわけではないのだな、と改めて思った。

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2025/09/13

主観系の本は、他者の行為に対して筆者の主観が足されるという点がそもそも好きじゃないのだが、それは置いておいて良い本だった。 カウンセラーの方ってどうして心を病まないんだろう等のことが気になっていて、その点はまだ疑問なのだが、学校の先生が授業の用意をするように、それぞれの職業にと...

主観系の本は、他者の行為に対して筆者の主観が足されるという点がそもそも好きじゃないのだが、それは置いておいて良い本だった。 カウンセラーの方ってどうして心を病まないんだろう等のことが気になっていて、その点はまだ疑問なのだが、学校の先生が授業の用意をするように、それぞれの職業にとって必要な準備や姿勢ってあるんだろうなあと、その準備や姿勢がまだ私の想像の届かないところにあるのだろうねと思った。 自己責任論がおかしいというのは近年のサンデルさんも言っていることで気になってはいた、やはり自己責任論はおかしいよね。大谷翔平と、本書に出てきた受刑者の方々ってなにも違わないもんね。 でも実際に生活していると、じゃあ変えられるの何?→本人しかその所在がない、みたいなことって多々あるから、難しさはあるね。 淡々としているようで、面と向かった人々のことは記憶にある感じ(主観で味付けされてはいるが)、その筆致が好みでとても心地よく読了できた。 あくまで仕事の話なので、本書に出てくる受刑者との付き合いは、すべて退所したら終わりであった。出来る範囲のこと、、、だ。

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2025/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

野村俊明「刑務所の精神科医 治療と刑罰のあいだで考えたこと」 ・私は臨床の勉強を始めた初期に患者(クライエント)に助言・指示なとを基本的に行わないロジャーズ派のクライエント中心療法を学んだせいか、患者に指示や教訓めいたことを言うことに抵抗があり、また言っても仕方ないと思っている。 ・精神科医サリヴァン「生活のために働く者が一番よい医師である」 野心や名誉欲はもちろんのこと、世のため人のため不幸な生い立ちの子どもたちのためといった理念や正義感が強すぎるとあまりいい結果を生まない。自分の生活のため淡々と働くのがよい精神科医なのである。 ・非行少年少女と接していて悩ましいのは、その逸脱行動の主たるの要因が養育環境に起因するのか、発達障害や知的障害等の素因と言えるものが主因なのか、その評価が難しいことである。 人生の早期にかなりのダメージを、しかも長期的に受けた場合、相当長い保護的環境に置かれても回復しないこともありうるだろう。それが対人関係の困難や衝動性という形で表現されると、自閉症スペクトラム障害や注意欠如多動性障害による症状なのか、虐待に起因するものなのか、診断(評価)することができない。 ・強い不安恐怖緊張など感じた場合、人間が示す反応は大別して三方向である。 ①そのまま体験する。人の気質や体質との関連で、トラウマをもつこともある。 ②身体症状に転換され表現されつづける。(身体化) ③行動面に表出される。なんらかの非適応な逸脱行動として示される場合と、ひきこもりという形で表現される場合とがある。 少年非行は虐待された少年少女が示す一連の不適応反応の一部(行動化)として理解することが可能になる。 ・大家族や大勢の人が出入りする家族での虐待は、ないとはいえないが、多少とも形を変えるのではないだろうか。加害者たる養育者自身が、貧困や心身の病気や障害のため安定した生活を営めないと、被害者を含めた家族が地域の中でどうしても孤立しがちである。 ・自閉症の概念自体、いろいろな変遷をたどっているが、言語非言語コミュニケーションの苦手さを中核とする社会性の障害とこだわりのつよさ(強迫性常同性)が主たる特徴である。 ASDは脳の機能障害が前提とされている発達障害である。認知障害説が有力になっている。 2000年代以降動機や目的のわかりにくい(共感しにくい)非行犯罪、およそ年齢にそぐわらない凶行を行った少年たちがアスペルガー障害と診断されたことが報道されだした。 ・わが国の検挙者数や受刑者数は1990年代から急増し、しばらくの間、刑務所は過剰収容が続いていたが2010年代に入って減少をはじめた。とりわけ少年をはじめとして20代30代の若年層ではそもそも逮捕される人数が減っている。 ・少年院や刑務所に収容することに治療的な意義があるとしたら、「困った感」を形成することにあると言えるだろう。心理的な負荷を感じるときに行動化する人の多くは、自分の感情を否認している。自分の境遇やつらい感情から逃避するために酒を飲み、博打を打ち、非行をする。一般に行動化を繰り返しているかぎり精神症状は改善しない。 行動化を繰り返しながら煩悶している人たちもいるのであり、強固な枠組みを提供することで、ようやく落ち着ける場合もあるということだろう。 ・海外の文献を調べてみると、1980年代にアメリカでADHDは素行障害(少年非行)との関係を指摘する論文が数多く出ていることがわかった。なかには素行障害の子どもはみなADHDだという趣旨の論文もあった。 日本では、ADHDであるゆえに養育者との関係がこじれたり、学校に不適応になったり、自己評価が低くなったりという二次的な要因により非行に至るという主張がなされることが多かった。 ・メチルフェニデート(リタリン)は構造式が覚せい剤に似た薬物で、脳内の報酬系に作用して意欲を高めることからうつ病の治療薬として認可されていたのだった。 リタリンは、2000年代に依存薬物として大きく報道されたことがある。やがて、リタリンを製造していた製薬会社はうつ病の適応を自ら取り下げ、リタリンの流通は止まった。 私の知人である児童精神科医によれば、ADHDの子どもの3分の1にはリタリンは著効し、3分の1にはそれなりに効果がある。 ADHDの治療薬が再び登場したのは、それからしばらくたってのことである。メチルフェニデートの代謝速度をゆっくりにする加工をほどこして再び使用されるようになった。

Posted byブクログ

2025/05/28

大学生の時、福祉専門官として働きたいと思った事がある自分としては、非常に興味深い内容でした。著者の野村先生の書き振りに、受刑者・被収容者に対する誠実さや実直さがあらわれているようで、最後まですっと読むことができました。

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