木曜殺人クラブ の商品レビュー
引退した高齢者たちが暮らす高級な施設で木曜日に開かれる木曜殺人クラブ。リタイアした元警部の過去の事件のファイルを皆で検討するクラブだ。謎解きを楽しんでいた高齢者のメンバーたちは、施設の開発者の一人が殺されたことから、本物の謎解きをすることになる。地元の警察の女性警部を巻き込み、メ...
引退した高齢者たちが暮らす高級な施設で木曜日に開かれる木曜殺人クラブ。リタイアした元警部の過去の事件のファイルを皆で検討するクラブだ。謎解きを楽しんでいた高齢者のメンバーたちは、施設の開発者の一人が殺されたことから、本物の謎解きをすることになる。地元の警察の女性警部を巻き込み、メンバーの一致団結した謎解きが加速していく。 前半は、達者な高齢者たちによる安楽椅子探偵ものかと思わせるが、後半は施設の関係者たちの様々な過去が現れてくる。展開が面白く、メンバーのそれぞれの個性も多様で良かった。意外な展開ではあるものの、犯行の理由にシンミリさせられた。
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FBのグループで推薦されていたので読んでみました。本書はポケミスで500ページの重い本。それでも、面白く、一気に読めました。ご紹介ありがとうございました。 舞台は引退者用の高級施設。施設では、元警官の入居者が持ち込んだ捜査ファイルをもとに未解決事件の調査を趣味とする老人グループ...
FBのグループで推薦されていたので読んでみました。本書はポケミスで500ページの重い本。それでも、面白く、一気に読めました。ご紹介ありがとうございました。 舞台は引退者用の高級施設。施設では、元警官の入居者が持ち込んだ捜査ファイルをもとに未解決事件の調査を趣味とする老人グループ「木曜殺人クラブ」が開催されています。メンバーは経歴不詳の謎めいたエリザベスを筆頭に一癖も二癖もある70代の男女4人。ある日、施設の共同経営者のひとりが何者かに殺されます。これを知ったメンバーは大喜びで真相解明に乗り出します。 ネタバレがないように本書の読みどころを紹介すると 1)本書は多くの登場人物から犯人を探すという典型的な英国ミステリーです。読んでいたらマーサ・グライムズの刑事リチャード・ジュリーシリーズ(「『禍いの荷を負う男』亭の殺人」等)を思い出しました。大きなどんでん返しやトリックがあるわけではありませんが、一気に読ませるのはプロットの妙、登場人物の魅力と訳者(羽田詩津子さん)の力量と思います。 2)本書はユーモア・ミステリーに分類され、至る所に「くすぐり」が用意されています。素人探偵である彼らがどうやって警察を手懐けて捜査情報を入手するか、犯行時間の可能性をどうやって検証するか、容疑者をどうやって絞り込むのか、彼らの悪戦苦闘が笑わせてくれます。 3)メインとなる登場人物の年齢は70代から80代。私自身も還暦を過ぎて、だんだんとその年齢に近づいてきました。登場人物の独白がときどき刺さりました。 「エリザベスには、あと何回の秋が残されているのだろう?あと何年、履き心地のいいブーツに足を入れ、枯れ葉を踏みしめながらそぞろ歩けるのだろう?ある日、彼女のいない春が巡ってくる。湖畔では毎年スイセンが咲くが、永遠にそれを眺めることは誰にもできないのだ。仕方がない。楽しめる間に楽しんでおこう」 彼らは今日という日がいかに大事か知っています。本書を読んでいて気持ちがいいのは、彼らの積極的な日常が伝わってくるのも一因です。 久しぶりに買ったポケミスですが、例のギザギザのビニールカバーがなくなり、表紙絵も抽象絵から具体的な絵に変わりました。ちょっと寂しい気もしますが、嬉しいのはしおりが「登場人物表」になっていること。これは助かりました。 老人たちの会話を面白いと感じるか退屈と感じるかで評価が分かれると思います。冒頭の数ページを心地よく読める人にはお勧めです。
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先進各国で高齢化が進む中、こういう小説が出てくるのは当然かもしれない。かつてのヒーローは老いたりとはいえども衰えず。痛快以外のなにものでもない。 舞台は英国ケント州の高級リタイアメントビレッジ。そこには未解決事件を正義感と趣味から解決しようとする秘密の会合があった。称して木曜殺...
先進各国で高齢化が進む中、こういう小説が出てくるのは当然かもしれない。かつてのヒーローは老いたりとはいえども衰えず。痛快以外のなにものでもない。 舞台は英国ケント州の高級リタイアメントビレッジ。そこには未解決事件を正義感と趣味から解決しようとする秘密の会合があった。称して木曜殺人クラブ。創設者は元警部のペリー、経歴不詳(元政府の諜報員?)のエリザベス。メンバーは、元活動家のロン、元精神科医のイブラヒム、病に倒れたペリーに代わり加入した元看護師のジョイスである。うーん、ワクワクする設定。 ある日、ビレッジ内で殺人事件が発生。当然、エリザベスをはじめ、クラブのメンバーは大喜び。一癖も二癖もある70〜80代のご老人が、嬉々として殺人事件の解決に乗り出すのは何とも奇妙な味わいがある。 全体にいかにも英国な雰囲気が漂う本書の特徴は、短い場面展開と頻繁に変わる視点、そして間に挟まれるジョイスの日記である。これに慣れることができるかどうかで、本書を楽しめるかどうかが決まると思う。で、私は…お察しください。なかなかストーリーが頭に入ってこず(笑)。老いか。 続編もあるそうなので、各キャラクターの掘り下げはこれからに期待です。
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純粋なミステリ、推理小説というよりもエンタメとして読むと面白い 〈おすすめの人〉 ・エンタメ好きな人 ・ハリウッド映画『RED』のような最強御老人軍団大活劇が好きな人 〈むむむと思うところ〉 ・読者は想像だけで推測するしかないポイントが沢山あるので、謎解きというには「?」となる箇所が多い エリザベスを始めとする木曜殺人クラブの面々の掛け合いが好き。その辺りは著者がイギリスの売れっ子司会者ときいて納得だった。次回作も続篇となるらしいので、楽しみにしたい。
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大きなネタバレがあります。 評価が高い作品だが、登場人物の素性が中途半端でこの世界に入り込むことができなかった。 スパイ?出身の人物をもっと描き込んでいれば、警察の捜査を出し抜いていくのも好感が持てたかも。 どうにか最後まで読んでいったが、肝心のところで最大の疑問が。 第二次世界大戦時のイギリス兵士は、致命傷になるほどの傷を縫うことができたのか? 翻訳ではただの「兵士」とあり、衛生兵ではない。出版社に問い合わせたが、原文通りの訳とのこと。 なんともすっきりしない。
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早川書房さんのリツイートで気になっていた英国ミステリー。もう、めちゃくちゃ楽しかった!キャラ立ちがすごい。魅力的なキャラに沢山の謎。ラストのパタパタと解ける感じもたまらん。続編の翻訳が決定しているらしいんで楽しみ!
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引退者用高級施設、クーパーズ·チェイス。その入居者4人で構成された未解決事件の調査を趣味とする「木曜殺人クラブ」が施設の経営者の殺人事件の謎を解く。という話なので机上で推論を組み上げていく流れだと思っていたら皆アクティブに動き回るわリーダーのエリザベスを筆頭に特殊技術や謎のコネで証拠物件他確保するわで捜査官のクリスとドナのお株を奪う奪う。元気過ぎるんじゃ、と思ったけどある日自分のいない春が巡ってくる事を実感しているが上での元気だと気付くと苦味が効いてきた。過去が追いかけてきた真相もイギリスらしくていい苦味だけど、訳のせいかクラブのメンバーのジョイスの日記サイドと三人称サイドが入り混じるせいか読みにくかったよ途中までは。
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この「黒後家蜘蛛」スタイルの 安楽椅子探偵っぽいシチュエーシュンは とても好みで嬉しいのですが 視点がしょっちゅう変わるものだから 誰がどれで、どれがどこの人か混乱しちゃって。 結果、人間関係を把握するのに苦労して 「あの人が犯人だったのか!」の 驚きを味わい尽くせなかったのが残...
この「黒後家蜘蛛」スタイルの 安楽椅子探偵っぽいシチュエーシュンは とても好みで嬉しいのですが 視点がしょっちゅう変わるものだから 誰がどれで、どれがどこの人か混乱しちゃって。 結果、人間関係を把握するのに苦労して 「あの人が犯人だったのか!」の 驚きを味わい尽くせなかったのが残念。 おのれの脳を鍛えましょうぞ。 でも、歳をとって施設に入ってから こんなクラブで推理ゲームをするのは ちょっと楽しそうだなぁ。 ミス・マープルだらけ♪(´ε` )
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最初は取っ付き難かったが、木曜殺人クラブに集う老人達が楽しくなってくる。 解説でも言ってる「英国人にとって探偵小説は喜劇なのだ」これだな。 知るは楽しみなりと言うけど、殺人は楽しみなりだな。 一人も警察に捕まらない犯人達?ムム、やるなぁ婆さん爺さん。ホリーは馴染んでしまいそ...
最初は取っ付き難かったが、木曜殺人クラブに集う老人達が楽しくなってくる。 解説でも言ってる「英国人にとって探偵小説は喜劇なのだ」これだな。 知るは楽しみなりと言うけど、殺人は楽しみなりだな。 一人も警察に捕まらない犯人達?ムム、やるなぁ婆さん爺さん。ホリーは馴染んでしまいそう。ナオミ&サティ介入なら面白かろう。シャーロックはいらないがワトソンなら居て欲しい。 楽しかった。でも解決はするが、これにで一件落着とはならないから、誰か誰を殺したかリストを作ったよ。 悪いやつなら殺して良いとはならない。が、老人は許されるのた。ある程度。テヘヘ!
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秘密が秘密のまま終わるミステリーはしばしばあると思うけど、「秘密にしておく」という選択に各々の人生が滲んでいて、そこが印象に残った。 登場人物たちの個性が強い!ので、続編がもし出たら読みたいな
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