熱帯 の商品レビュー
不思議な怪奇小説。謎の小説の中にいつの間にか入りこんでいるような感覚がある。ただその奇妙な世界観は、「命短し恋せよ乙女」みたいな引き込まれるような世界ではなかった。長すぎるような気もするし、読み終えたからといってすっきりとした感じにもなれなかった。評価はされているようだが、私の...
不思議な怪奇小説。謎の小説の中にいつの間にか入りこんでいるような感覚がある。ただその奇妙な世界観は、「命短し恋せよ乙女」みたいな引き込まれるような世界ではなかった。長すぎるような気もするし、読み終えたからといってすっきりとした感じにもなれなかった。評価はされているようだが、私の好みではなかった。
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謎のある本であった。 550ページを超える長編であったが、森見さんの癖になる節回しに絡め取られて気づいたら読み終えていた。 物語は、執筆に手をこまねき「千一夜物語」を読み耽る森見氏が、佐山尚一著「熱帯」という小説をふと思い出すところから始まる。森見氏が謎のある本を持ち寄る読書会...
謎のある本であった。 550ページを超える長編であったが、森見さんの癖になる節回しに絡め取られて気づいたら読み終えていた。 物語は、執筆に手をこまねき「千一夜物語」を読み耽る森見氏が、佐山尚一著「熱帯」という小説をふと思い出すところから始まる。森見氏が謎のある本を持ち寄る読書会「沈黙読書会」で出会うのは、「熱帯」を手にする女性、白石さん。彼女が語るのは、同じく「熱帯」の謎を追う学団のこと。そして物語は、学団の一員、池内氏の京都での冒険譚を経て、「熱帯」の誕生へと続いていく。 登場人物の語りに語りを重ねて紡がれていく不思議な小説。
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中々に難しいが面白い。このようなタイプの小説は初めて読んだ。 千一夜物語を意識して作られているためか、登場人物の話す物語の中の、登場人物が物語を話す、と言ったように話が入れ子になっているため、ちゃんと意識して読まないと迷子になる。 小説を読むのが好き、読み慣れている人はとても楽し...
中々に難しいが面白い。このようなタイプの小説は初めて読んだ。 千一夜物語を意識して作られているためか、登場人物の話す物語の中の、登場人物が物語を話す、と言ったように話が入れ子になっているため、ちゃんと意識して読まないと迷子になる。 小説を読むのが好き、読み慣れている人はとても楽しめるかもしれないが、そうではない人は途中で挫折しないだろうか。 読書が趣味な人にはおすすめできるが、ライトな小説を好む人は気合い入れて読んだ方が良いかもしれない。 10代からすごく支持された本みたいだが、今の子達はみんな頭いいなぁ
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たまにある森見登美彦の森見登美彦感を極限まで抑えた美文の大海原で展開だけ大森見登美彦ワールドが炸裂してるハチャメチャ森見登美彦ファンタジー、最高すぎる。 めちゃくちゃやってんのに文章うますぎるから考えようとしなくても情景が全部イメージできて楽しかった。 とはいえごめんやけど展開がジェットコースターすぎて一周じゃ雰囲気しか掴みきれない。でもこの散々あっちこっち連れ回されて理屈とかリアリティとか考えたほうが負けみたいな世界観で広げるだけ風呂敷広げて最後しんみり締めてく感じ、乙女とか四畳半もそうだけどこの収束からでしか得られない快感ある気がしてるから雰囲気が掴めればいいかとも思う。 ていうか一章終わりの盛り上がりたるや、ミュージカルだったら絶対このあとタイトル入ってオープニング始まるくらいの雰囲気あってよかった。ただ一行の文章だけでミュージカルの風を感じさせる筆力、いいねが押せたらここで100回くらい押してた。 森見登美彦の文章力って本当にラブだよ。 あとつい最近きつねのはなしを読んで太陽の塔を挫折してたから意図せずして読み順天才になってしまった。内容ほとんど覚えてなかったけど乙女四畳半有頂天界隈の寿老人みたいな感じじゃなくて完全に同一人物だったから一瞬動揺した。 森見登美彦ってこの世界観で実はシェアードユニバースなの意味わかんなくて好。全員同じトンデモ京都に住んでるのおもろすぎんだろ。なんでそうしようと思ったのか知りたいよ。
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これを読む前に夜行を読んでいたので、同じ作者さんの本を読みたいと思って購入しました。 特に前情報なく読み始めたので、最初に作者が登場人物として出てきたのに驚きました。 読み進めると、途中から進みが遅いように感じてまだこの話続くのか、、と正直思いました。 でも、最後の展開は面白くて、集中きて一気に読めました。 ラストは面白いなと思いつつも、前半の登場人物の話が回収されなくて理解できない部分もありました。 読み慣れないだけで、もう一度読んだら印象変わるかもしれません。
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ものすごく不思議な本で私の頭では1回では理解はしきれなかった。 けれど絶対に読み終わらない本。 そして物語は自分の頭の中で生み出される。 森見さんの作品はコミカルで笑ってしまう大学生をテーマにした話も好きだけれど、ガラッと異なるこういった本も読み応えがあり好き。
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新訳走れメロス味を感じる、千一夜物語を妄想で膨らませた物語。プロットを作って精密に書いた作品では絶対ないだろうというまさかに怪作。 フィクションに作者が登場してメタフィクションもあり、そこにも面白味を感じた。 四畳半神話大系みたいなやはり迂遠な物語である。
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いやはや何とも難しい本ですな! 森見さん大好きやけど、今作は中々に入り組んでて、楽しむよりも先に混乱してしまった! でも「物語」の魅力を、余すことなく伝えようとする熱意は伝わってきました。 じんわり余韻を残すラストがとても素敵だった。 読了 1月8日
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部屋の中の部屋。物語の中の物語。箱の中の箱。いま自分はどの層にいるのか分からなくなる。ナンコメノハコ?この本を読みながらふとうたた寝をする。夢を見た。確かにその世界に生きていたように思うが自信はない。夢を見る前と後で私たちは同じ世界を生きているのか?自信はない。語られる=読まれる...
部屋の中の部屋。物語の中の物語。箱の中の箱。いま自分はどの層にいるのか分からなくなる。ナンコメノハコ?この本を読みながらふとうたた寝をする。夢を見た。確かにその世界に生きていたように思うが自信はない。夢を見る前と後で私たちは同じ世界を生きているのか?自信はない。語られる=読まれることで物語が動き出す。そのなかの人物は読まれた回数だけ生を賜う。彼らは彼らであったことを知っている?分からない。私たちはあることないことを繋げて、ひとつの物語にする。それはちょうど星座みたいに。この物語は終わらない。終わることができない。ないがある?
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「本というものが俺たちの人生の外側、一段高いところにあって、本が俺たちに意味を与えてくれるというパターンだよ。でもその場合、俺たちがその本が謎に見えるはずだ。だってもしその本が解釈できると思ったなら、その時点で俺たちの方がその本に対して意味を与えることになってしまう。」 「いろいろな本が含んでいる謎を解釈せず、謎のままに集めていけばどうなるだろうかということなのよ。謎を謎のままに語らしめる。そうすると、世界の中心にある謎のカタマリ、真っ黒な月みたいなものが浮かんでくる気がしない?」 沈黙読書会の店主が物語冒頭で語ったこの言葉。 まさに『熱帯』を表す言葉であった。 正直読んでいて謎が多いし、理解しにくい部分も多分にある。けれどもその謎が「世界の中心にある謎のカタマリ、真っ黒な月みたいなもの」を生むのであろう。 この本が私の人生にどのような意味を与えてくれているのか、今一度再読しよくよく味わってみたい。
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