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ケアの倫理とエンパワメント の商品レビュー

4.1

17件のお客様レビュー

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2024/05/16

「ケアの倫理」について、文学の視点から考察したもの、 一般的に浸透している外部的なケア(身体的なもの介護とか)だけでなく内部的なケア(心のケア)について、多くかかれている

Posted byブクログ

2024/03/24

ケアの倫理の本は初めて読んだけれど、私がここ半年くらい考え込んでいたことと予想以上に繋がっていた。作中に出てきた本も読みたいと感じた。 理論を語るというよりは、文学作品と絡めた説明が続く印象だった。

Posted byブクログ

2024/03/20

興味深く読んだ。ネガティヴ・ケイパビリティ、カイロス的時間、多孔的な自己という概念がはっきりしてきた。私の理解力では一読で、この手の本を理解することはできないのだけれど、圧倒されつつもぼんやりと自分の中では著者の言いたいこと、私の身の回りで起きていることが繋がっていると感じること...

興味深く読んだ。ネガティヴ・ケイパビリティ、カイロス的時間、多孔的な自己という概念がはっきりしてきた。私の理解力では一読で、この手の本を理解することはできないのだけれど、圧倒されつつもぼんやりと自分の中では著者の言いたいこと、私の身の回りで起きていることが繋がっていると感じることはできる。 そして、この本を読むことで読みたい本が山ほど増えるということも楽しい発見。

Posted byブクログ

2023/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ケアの倫理とエンパワーメントから読み解く近代文学。とてもいい読書案内。倫理の本じゃなかった。いや、タイトルだけで決めたこちらの問題なんだけど。

Posted byブクログ

2023/09/05

自己と他者との関係において「ケア」とはどのようなものか。近代社会以降では「自律する個」という価値観の影に隠れて、ケアの価値は不当に貶められてきたのではないか。強くある「個」に対して、弱く他者に依存する「ケア」、男性的な理性と女性的な共感、そうした二項対立を超えるあり方や眼差しを西...

自己と他者との関係において「ケア」とはどのようなものか。近代社会以降では「自律する個」という価値観の影に隠れて、ケアの価値は不当に貶められてきたのではないか。強くある「個」に対して、弱く他者に依存する「ケア」、男性的な理性と女性的な共感、そうした二項対立を超えるあり方や眼差しを西洋文学、日本文学を題材に捉え直していく論考。最近考えてるネガティブ・ケイパビリティとも大きく関わるものだったのもまた視点が広がり、三島由紀夫から平野啓一郎への多様性を辿る系譜も面白かった。平野さんの三島論も読もう。

Posted byブクログ

2023/03/29

ケア、ネガティブケイパビリティ、クィア、ダイバーシティ、カイロス的時間、多孔的な自己、情動的転回、そしてホモソーシャリテイを背骨とした文芸批評である。一見とっつきにくそうだが、とても読みやすくヨーロッパや日本の文学作品を俎上にあげている。三島由紀夫文学から多様性の系譜を探る平野啓...

ケア、ネガティブケイパビリティ、クィア、ダイバーシティ、カイロス的時間、多孔的な自己、情動的転回、そしてホモソーシャリテイを背骨とした文芸批評である。一見とっつきにくそうだが、とても読みやすくヨーロッパや日本の文学作品を俎上にあげている。三島由紀夫文学から多様性の系譜を探る平野啓一郎の姿にシビれた。なお、本作で取り上げられる作品群の多くを私は未読なのだが、十分楽しめた。

Posted byブクログ

2023/02/08

THE論文。学生時代ならまだしも、しばらく離れていた今にこういった論文を読むのにはかなり骨が折れるようになった。さまざまな文献が参考にされており、このテーマを真面目に研究する場合にはかなり役立つのだと思う。趣味の延長で読むのには結構重かった。読破はできなかったけど面白かった。

Posted byブクログ

2023/01/30

雑誌 美術手帖でこの書籍を知り、手に取った。素晴らしい出会いだった。 文学研究者から見た、ケアの視点。全てにおいてリスペクトが感じられた。この書籍から、読んでみたいと思う本にたくさん出会えたのもよかった。2023年の幕開けにふさわしい。そして、私自身ネガティブ・ケイパビリティを...

雑誌 美術手帖でこの書籍を知り、手に取った。素晴らしい出会いだった。 文学研究者から見た、ケアの視点。全てにおいてリスペクトが感じられた。この書籍から、読んでみたいと思う本にたくさん出会えたのもよかった。2023年の幕開けにふさわしい。そして、私自身ネガティブ・ケイパビリティを持ち世界を見つめていきたいと思った。出会えてよかった!これからの私のベースになると思う。

Posted byブクログ

2022/03/30

美術手帖から。文学にあらわれるケアの思想が網羅されている。ケアという言葉に逃げず、でもケアを頭に置いておきたい。再読したい。

Posted byブクログ

2022/03/05

 「ケア」という言葉を意識したのはブルシットジョブを読んだとき。コロナ禍の今、エッセンシャルワーカーによるケアが話題になっている中で広い意味を含むケアを知りたくて読んでみた。こちらの意図を十分満たす本だったのは当然のこと、優れたブックガイドの側面が強く読んでみたい本が増えた。 ...

 「ケア」という言葉を意識したのはブルシットジョブを読んだとき。コロナ禍の今、エッセンシャルワーカーによるケアが話題になっている中で広い意味を含むケアを知りたくて読んでみた。こちらの意図を十分満たす本だったのは当然のこと、優れたブックガイドの側面が強く読んでみたい本が増えた。  タイトルにある「ケアの倫理」はキャロル・ギリガンというイギリスの社会学者が唱えた言葉で、著者が彼女に影響を受けながらも社会学から文学研究へとシフトしていく話が序章として用意されている。フェミニズムの観点だとケアというより自立した個を目指すべき、という主張が強いと思うけど、その対義の存在となりがちなケアする立場の人について思いを巡らす必要性を説いている。  知らない言葉がたくさん出てきて、そのどれもが使いたくなる。ネガティブ・ケイパビリティ、クロノス的時間、カイロス的時間、緩衝材に覆われた自己、多孔的な自己など。こういった知らない概念を丁寧に説明してくれながら文学作品を読み解いていくので知的好奇心がとても刺激された。紹介される文学作品の多くは読んだことなかったけど、本著で提供されえう作品の立て付けを前提とすることで「ケア」の概念に関する理解を深めることができるだろう。唯一読んでいた多和田葉子の「献灯使」だけでもその視点の鋭さに唸りまくりだったし、ヴァージニア・ウルフ、三島由紀夫、平野啓一郎など興味あるものの個人的には未読系作家の話がどれも興味深かったのでそれらを読んで本著を再読したい。  文学を読みながらここまで深くメタファーや社会背景をふまえて理解していく姿勢はすべてが加速していく今の時代に立ち止まって思考することの大事さを教えてもらった。著者が文学に可能性を見出しているラインが好きだったので以下引用。文学によるエンパワメント! ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- 文学は読者のなかに新しい他者性の意識を芽生えさせる驚異的な営為なのだ。 他者の言葉を聴こう、他者の気持ちを理解しようとすることは忍耐力が必要であるという点で、文学の営為にも通じる。物語を創作すること、あるいは読むことは、誰かの経験に裏打ちされた想像世界に向き合い、じっくり考えて耐え抜くプロセスでもある。

Posted byブクログ