ケアの倫理とエンパワメント の商品レビュー
ケアされたいと思った人が、ケアを求めるものであり、ケアする側が気づいて察するものでも無い。 また女性がすべきことでもなく、男性の中にもケアのエンパワメントは存在している。 男性、女性ではなく、両性具有的に捉えることで、ケアについての倫理観が変わるのかなと。 また人との関わ...
ケアされたいと思った人が、ケアを求めるものであり、ケアする側が気づいて察するものでも無い。 また女性がすべきことでもなく、男性の中にもケアのエンパワメントは存在している。 男性、女性ではなく、両性具有的に捉えることで、ケアについての倫理観が変わるのかなと。 また人との関わりは水平的であり、平行でも交錯でもない。水平的にずっと続いて行くもので、ケアする人、ケアされる人との距離間はしっかり考慮する。 オーランドーはちょっと読んでみたいな。
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『ケアの倫理とエンパワメント』 ケアの視点で文学を読むと、弱者の物語から横臥者や精神的苦痛を強いられる人々の視点が得られる この視点からの思考が社会の現状を変える原動力となる 知らない用語が多かったので勉強しつつ、登場する作品をこれから読んでいきたい とても面白かった #読了 #...
『ケアの倫理とエンパワメント』 ケアの視点で文学を読むと、弱者の物語から横臥者や精神的苦痛を強いられる人々の視点が得られる この視点からの思考が社会の現状を変える原動力となる 知らない用語が多かったので勉強しつつ、登場する作品をこれから読んでいきたい とても面白かった #読了 #君羅文庫
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キャロル・ギリガンが提唱した「ケアの倫理」を岡野先生の講演で初めて聞いて、まだ十分に咀嚼しきれてないために読んでみた。残念ながら、この概念は人口に膾炙しておらず、私自身も十分に血肉にはならないのは、これまでの価値観に左右されているからだろう。本書の価値は、ケアの価値の視点で文学を...
キャロル・ギリガンが提唱した「ケアの倫理」を岡野先生の講演で初めて聞いて、まだ十分に咀嚼しきれてないために読んでみた。残念ながら、この概念は人口に膾炙しておらず、私自身も十分に血肉にはならないのは、これまでの価値観に左右されているからだろう。本書の価値は、ケアの価値の視点で文学を読み直し、「ケアの倫理」の再構築を試みたことで、今後の議論の短調にもなることではないかと思う。本書に取り上げられた著者の本はあまり読んだことはなく、十分な理解には至らなかったが、この概念は、今後の世界を変えていく概念の一つであることは間違いないだろう。
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どこかの国の首相が言っている、 「成長と分配」 成長なくして分配なし、の理論は、 生きづらさの典型ではないか。 全てのものが等価交換となりがちな、 資本主義社会においては、何かと引き換えで なければ、何も得られないのか。 この論理に、ケアでさえも巻き込まれているのだ、 と感...
どこかの国の首相が言っている、 「成長と分配」 成長なくして分配なし、の理論は、 生きづらさの典型ではないか。 全てのものが等価交換となりがちな、 資本主義社会においては、何かと引き換えで なければ、何も得られないのか。 この論理に、ケアでさえも巻き込まれているのだ、 と感じさせてくれたのが本書であった。 ケアは、資本主義の外側になければいけない。 何も持たない私でも、受け取っていいのだ。
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いま「ケア」という言葉に注目が集まっている。反射的に職業としてのケアワーカーやケアギバーが連想されるが、この言葉の持つ意味は広く、ケアは誰もが日常的に行っている。世界はケアで成り立っている。ところが世の中には、ケアは女性が従事すべきものとする(特に男性を中心とした)見方が根強くあ...
いま「ケア」という言葉に注目が集まっている。反射的に職業としてのケアワーカーやケアギバーが連想されるが、この言葉の持つ意味は広く、ケアは誰もが日常的に行っている。世界はケアで成り立っている。ところが世の中には、ケアは女性が従事すべきものとする(特に男性を中心とした)見方が根強くある。 本書のタイトルにある「ケアの倫理」は著者の造語ではない。ローレンス・コールバーグのいわゆる「正義の倫理」やジョン・ロールズの「正義論」へのカウンターとして、倫理学者のキャロル・ギリガンによって提唱されたもので、ケアを他者への共感という視点で語るものだ。本書はその「ケアの倫理」を、文芸評論を通して論ずる興味深い内容だ。印象としては、序章と1章のヴァージニア・ウルフ、2章のオスカー・ワイルドまでで著者の意見の大方は語られている気がする。しかし全章を通して、文芸評論の枠に収まらず、政治哲学、社会学、倫理学、歴史学、ジェンダー論等、グローバルな知識が統合されていく心地よさがある。それだけに広範な基礎知識が求められ、読書のハードルは上がるけど、たまらない面白さ。 ギリガンのケアの倫理は、フェミニズム論者からは批判されることも多い。女性性を強調するものだ、ケアを女性の労働とすることを正当化するものだとの声もある。本書で著者はその点には明確に触れていないが、ワイルドや三島由紀夫など、境界を越境する作家たちを紹介する。また度々登場する両性具有的な存在は一つの解であるのかも知れない。 三島や平野啓一郎をケアの視点で読み解いた人はかつていただろうか。文学ってこういう読み方があるんだ。文学の可能性をググッと押し広げる一冊。
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倫理(ケア)には具体的な決断が伴う。だからこそ倫理には悩みや迷いが生じ、それゆえに創造的とも言える。 法や社会やモラルにただ盲目的に従う「道徳」ではなく、思わず逡巡してしまう「倫理」が人間の身体を作り出す。
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「正義の倫理」との対立により「ケアの倫理」が導入され、文学におけるその表象と細やかに往復を繰り返しながらその概念の変遷と未来が描き出されている。オスカー・ワイルドから平野啓一郎までを「ケアの倫理」を軸として一気に批評。「ネガティヴ・ケイパビリティー」など鍵概念が反復されたり、各章...
「正義の倫理」との対立により「ケアの倫理」が導入され、文学におけるその表象と細やかに往復を繰り返しながらその概念の変遷と未来が描き出されている。オスカー・ワイルドから平野啓一郎までを「ケアの倫理」を軸として一気に批評。「ネガティヴ・ケイパビリティー」など鍵概念が反復されたり、各章のむすびに小括が設けられたりしていて、一般書としての読みやすさにも配慮されているところからも「現代性」を感じさせる。
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