格差と分断の社会地図 の商品レビュー
データがたくさん示されているところが良い。これを読んでわかったような気になってはいけないとは思うけど、こういう現実があることは知っていてもいいであろう。
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現代社会では自分と異なる境遇を生きている人との接点が無い、という著者の主張はとても納得いくものでした。 接点がないから他人がなぜ苦しんでいるのかが理解できない、理解できないから他人の苦しみの原因を本人の努力不足だと決めつけてしまう。 日本がこれから良くなっていくためには、様々な境...
現代社会では自分と異なる境遇を生きている人との接点が無い、という著者の主張はとても納得いくものでした。 接点がないから他人がなぜ苦しんでいるのかが理解できない、理解できないから他人の苦しみの原因を本人の努力不足だと決めつけてしまう。 日本がこれから良くなっていくためには、様々な境遇を生きている人たちがお互いに分かり合って共生できる仕組みづくりが必要だという意見には共感できました。 著書で少し残念だった点が2つ。 1つは、主張の根拠として採用しているデータが今一つ客観性に欠ける点です。例えば「障碍を持つ人の割合は〇〇%であるという説もある」といったような曖昧な表現を使われており、せっかくの素晴らしい主張に水を差すデータの使い方をしているなと思った点です。 2つ目は、養育能力の無い親への対策に焦点を当てていない点です。著書で紹介されている貧困層や不遇な環境で育てられた子どもたちの例を見ると、多分に漏れず親の養育能力の無さに起因しています。イライラして暴力をふるう親、家にも帰らず不倫をする親、酒浸りで仕事もしない親など、同じく子を持つ僕からすると想像もできないような下劣な親の態度のせいで、子どもが不良になってしまっています。 そういう親の元に産まれた子どもたちには何の罪もなく社会が手助けをするべきだと思いますが、そもそもなぜそんな親が存在するのか、養育する気の無い大人からなぜ子どもが生まれるのか、親が正しく子どもに愛情を注いで養育するにはどうするべきなのか、といったこれから親になろうとする大人が親として機能するための教育や対策をすべきだと僕は思うのですが、そこに焦点を当てていない点が残念でした。 この2点が個人的にはどうしても引っかかった状態で読み続けたので批評的な読書になってしまいましたが、僕が知らなかった考え方がたくさんあり参考になりましたし、「シェア金沢」など具体的な取り組みについても学ぶことができて、得るものも多い読書でもありました。
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『本当の貧困の話をしよう』がとても良かったので、これも読んでみた。 『本当の貧困』は古今東西の貧困をグローバルな視点で比較してあって、目からウロコが落ちたという感じだったのだが、こちらは様々な格差と分断はなぜ起きるかを、日本の問題に絞って分かりやすく解説している。この本も大事なと...
『本当の貧困の話をしよう』がとても良かったので、これも読んでみた。 『本当の貧困』は古今東西の貧困をグローバルな視点で比較してあって、目からウロコが落ちたという感じだったのだが、こちらは様々な格差と分断はなぜ起きるかを、日本の問題に絞って分かりやすく解説している。この本も大事なところは太字の上にマーカーまでひいてあるし、字もくっきりしていて読みやすい。読書慣れしていない子どもも読みやすい。 『本当の貧困』ほど、「そうだったのか!」という感じはなく、そうだよね、という感じ。しかし大人だからそう思うので、ターゲットの中高生はやっぱり「そうだったのか!」と感じると思う。 タレントの生い立ちや最近起きた事件も例として載っているので、若い人が興味を持って読める内容となっている。 私は読みながら松本俊彦さんの著書を度々思い出した。依存性になる人が、この本に例として取り上げられる人と重なるからだ。虐待(勉強や好成績を強いる教育虐待を含む)、貧困、人間関係の悩み、障害、家庭やコミュニティに居場所がない、など。 恵まれた人こそ、普通に生きていては決して交わらないこういう人々がいることからまず知ってほしいと思う。高校生になったら読むべき。 気になったところは、小澤征爾が裕福でない家庭だったのに「大きな情熱を持って」いたから世界的な指揮者になったと書かれている(P330)ところ。小澤家は家柄良く、何よりインテリの家庭で、クラシック音楽家の家庭の平均よりは裕福でなかったかもしれないが、貧困とは言えないし、情熱だけでなく才能とコミュニケーション能力もあったのである。凡人が「よし、頑張って小澤征爾みたいになるぞ!」とはいかないと思う。(そもそもクラシック音楽家に幼い頃から親しめるのはインテリ家庭) 残念だったのは、参考文献がないこと。飯島愛にしろ小澤征爾にしろ、直接の知り合いでなければ、著書とか評伝とかを読んで書いているのだから、巻末に参考文献は載せるべきだ。新聞記事やテレビ番組なんかも参考にしているようなので、それもあれば言うことないが。(グラフや表の出典は近くに書いてある。) 信頼性の問題だけでなく、興味を持った読者が読めるようにしておくべきだと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
5552さんの本棚拝見して図書館で借りました 〈16歳からの日本のリア〉とあります 婆さんにも分かるかなあと 分かってないんだなあ、わたし、平気な顔して暮らしてて なんて落ち込みました なんかもやもやと感じていたこと すっきりと問題提起していただいた本でした 若者の「声」本当に大事ですよね でも高齢者も考えなくっちゃ この「分断」 知らなければ! ≪ 無理解が 起こす衝突 勇気持て! ≫
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「格差社会」と言われて久しいです。 しかしその格差を身を以て体験していない人 にとっては、格差とは収入の差なのだろうな ぐらいにしか思っていないはずです。 しかし今は収入の格差どころではないのです。 米国社会で起きているような「分断」が日本 でも起きつつあるのです。 しか...
「格差社会」と言われて久しいです。 しかしその格差を身を以て体験していない人 にとっては、格差とは収入の差なのだろうな ぐらいにしか思っていないはずです。 しかし今は収入の格差どころではないのです。 米国社会で起きているような「分断」が日本 でも起きつつあるのです。 しかも収入の差だけではなく、職業間、男女 間、世代間などで分断が起きつつあるのです。 その内容を徹底した取材に基づいて、リアル に表現したのが本書です。 「え?日本って今こうなっているの?」とい う不都合な真実を皆が知って、そこから乗り 越えるべき道筋を説く一冊です。
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私は何も知らなかった――― ということが分かり、落ち込む。 いやいや、想像以上に何も知らないんだわ、自分。 今、この日本で、何が起こっているのか。 数々のノンフィクションを書き、「日本で屈指の進学校の生徒、一流企業の創始者、国会議員に会う一方で、ひきこもり、外国人ギャング、暴...
私は何も知らなかった――― ということが分かり、落ち込む。 いやいや、想像以上に何も知らないんだわ、自分。 今、この日本で、何が起こっているのか。 数々のノンフィクションを書き、「日本で屈指の進学校の生徒、一流企業の創始者、国会議員に会う一方で、ひきこもり、外国人ギャング、暴力団構成員と膝をつき合わせて話を聞いてきた」石井光太さん。 彼がつくづく感じるのは「大半の人は自分が生きてきた世界、あるいはそれに近い世界しか知らず、それ以外は想像できない」ということだそうだ。 「子供達は同じようなタイプで集まり、そのまま大人になってひとつの階層を形成していく。」 そしてそれが極まると「分断」による「無理解」そして「衝突」だ―――と書く。 本書は豊富なデータと図で今現代の日本の「社会地図」を示し、事例も出しつつ、問題点をあぶり出す。 金持ちと貧困、正規と非正規、男と女、夜の町と昼の町、日本人と在留外国人、健常者と障害者、若者と高齢者など、ともすれば対立関係に陥りがちな「分断」。 それはお互い事情を知らない、ということが大きいのかもしれない。 16歳からの〈日本のリアル〉という副題がある通り、石井さんは未来ある若者に呼びかけるように書いているのだが、自分の世界を広げたい大人の方にも読んでほしい。
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小学生でも分かる様に書かれてると思う。 内容がスッと頭に入ってきてとても読みやすかった。 格差と今まで言われてきたものが、今回は分断という言葉も使われていることが気になった。 そろそろやばいのか。
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「いま、国を動かしている政治家、実業家、あるいは発言力のある有名人を考えてほしい。彼らのうち、どれだけの人たちが日本で起きているリアルを知っているだろうか。 彼らの大半は格差社会の中で超エリートのレールを歩いてきた人たちばかりだ。そんな人たちが教育格差の底辺にいる子供の気持ち、夜...
「いま、国を動かしている政治家、実業家、あるいは発言力のある有名人を考えてほしい。彼らのうち、どれだけの人たちが日本で起きているリアルを知っているだろうか。 彼らの大半は格差社会の中で超エリートのレールを歩いてきた人たちばかりだ。そんな人たちが教育格差の底辺にいる子供の気持ち、夜の街で働く女性の気持ち、外国籍の不就学児童の気持ち、虐待を受けた障害児の気持ち、ひきこもりの気持ちをどこまで理解できるだろうか。それが難しいからこそ、抜本的な解決策を打ち出せないでいる。」 性別、世代、国籍、…さまざまな観点からの格差社会を描かれ、ティーンエイジャー向けに書かれているのでわかりやすく、かつ涙が出るほど胸が苦しくなるような現状ばかりだった。 自分自身の苦しみを説明するほどの語彙力を持ち合わせておらず、ごはんが食べられない、食べ方すらもわからない。置かれた状況から自分の力だけでは抜け出せず、毎日生きるので精一杯の人たちは何もアフリカのような途上国だけではない、日本国内にこんなにも存在してるなんて、どれだけの人が想像つくだろうか。 今起きている事に真剣に向き合い、負のスパイラルを止めるのは私たち若い世代の動きなくしては実現不可能だと思う。
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図書館の新刊コーナーから手に取った。 よく見るノンフィクション作家だなぁ、くらいのきっかけ。 無理解の先にあるのは、衝突。 違うからぶつかり合うのではなく、相手を知っていい影響を与え合おうよ、という内容。 違う職業でも国籍でも、どこかでは繋がっている。 この考えは、『人新世の...
図書館の新刊コーナーから手に取った。 よく見るノンフィクション作家だなぁ、くらいのきっかけ。 無理解の先にあるのは、衝突。 違うからぶつかり合うのではなく、相手を知っていい影響を与え合おうよ、という内容。 違う職業でも国籍でも、どこかでは繋がっている。 この考えは、『人新世の「資本論」』や『21Lessons』にも通じている。 一部の人が、他の人を使って無茶すると、将来的に共倒れになっちゃう。 家庭環境の章では、かねちーの『むき出し』を思い出した。 ノンフィクションで問題を知って、物語で当事者を理解するのは、とてもいい。 自分の立ち位置にこだわらず、学び続け考え続けるのが必要だ。
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日本における格差について分かりやすくまとめられた本。 導入には最適。 自分が生きる世界以外の世界を知ることはとても大切。 自分さえ良ければ、という人ばかりになったその先にあるものをみんなが想像することが大切。
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