格差と分断の社会地図 の商品レビュー
本屋さんで平積みされていて気になったので。 シンプルで分かりやすいタイトルと少しポップな装丁に魅力を感じた。 小さく16歳からの〜と書いてあったから気づかなかったけどそのサブタイトル通り読みやすく事実は述べてるものの暗すぎない雰囲気が良かった。イラストも可愛らしい。 この社会...
本屋さんで平積みされていて気になったので。 シンプルで分かりやすいタイトルと少しポップな装丁に魅力を感じた。 小さく16歳からの〜と書いてあったから気づかなかったけどそのサブタイトル通り読みやすく事実は述べてるものの暗すぎない雰囲気が良かった。イラストも可愛らしい。 この社会には育ちや生まれや性別、国籍、職業で分断があり現状を知らないから相手の立場を想像できずお互い分かり合えないことを書かれている。 実際の話や事件なども取り上げつつ話してくれるので結びつけやすかった。 最後の「一人一人が起きてることに問題意識を持ち溝を埋める努力をすることでしか負のスパイラルを止められない」とあってその通りだけれどもその余裕がない人、そもそも興味がない人の割合が多すぎると思った。 完璧にはなくせなくても今よりまだマシくらいには出来るかもしれない。コツコツ前に進むしかない広い視野で見れば世の中はより良くなっているから。
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結論 日本の闇の部分は本当に闇なのか? ホストの世界や貧困との差を考えさせられる1冊 普段生きているだけでは興味すら持たない世界をこの1冊で知ることが出来ますし何より今後の日本をどうしなければいけないかを考えたくなります。
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所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差。格差は至るところにあり、社会問題の地雷になっている。ここで簡単に名付けられるもののほかにも、細かい格差は無数に存在するのだろう。 両親とも大卒、自分も大卒で上場企業に就職し、同じ職場の夫と結婚し2児の子を持...
所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差。格差は至るところにあり、社会問題の地雷になっている。ここで簡単に名付けられるもののほかにも、細かい格差は無数に存在するのだろう。 両親とも大卒、自分も大卒で上場企業に就職し、同じ職場の夫と結婚し2児の子を持つ親になるという道を歩んでいる私にとって、少年院出身者、不就学児、生活困窮者、性風俗店勤務、性的マイノリティと出会う機会などほぼほぼない。浅はかで恥ずかしいことだけど、自分の見えている世界がすべてだと思いがちだ。だから、なぜホストクラブがコロナ禍でクラスターが起きているにもかかわらず休業要請に応じなかったのか、なぜ外国人がギャングとなり街の治安を悪化させるのか、ほとんど想像をしていなかった。きっと私なんかよりももっとエリート街道を進んできた政治家なんて、彼らのリアルな姿を想像できないのだろう。票にならない彼らの声なんて、無に等しいのだろう。 子を持つ前だったら、「自分は不自由なく暮らせているから」と目を背けていたかもしれないけど、自分の子たちが生きていく社会だもの、逃げ切ればいいだなんて1mmも思えない。私にできることは、格差の存在を知ることと地に足をつけて生きること。できるなら、小さな溝を少しだけ埋めることくらいだ。 とりあえずこの本を読んで決めたことは、子どもは地元の公立小学校に進ませようということ。自分の人生を振り返っても、高校以降は同質の人間ばかりとなったが地元の小中では格差をリアルに感じられたから。わが子たちが想像力を持てるように。
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知らない物に対しては、分からない、怖い、排除ってなりやすい。自分が生きている世界に、見えてない物・コトがたくさんあるのに、見ている物だけが全てだと思い込んで知らないフリをしてるだけなのかもしれない。 今、自分が生きている世界はどんな所で、どんな人たちがいて、何を思ってどんな風に生...
知らない物に対しては、分からない、怖い、排除ってなりやすい。自分が生きている世界に、見えてない物・コトがたくさんあるのに、見ている物だけが全てだと思い込んで知らないフリをしてるだけなのかもしれない。 今、自分が生きている世界はどんな所で、どんな人たちがいて、何を思ってどんな風に生きているんだろう。彼らから見える私はどんな風に見えるんだろう。 まずはそこから。同じ船に乗っている誰かに心を寄せる所から。
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良書。暗澹たる気持ちになった。 16歳向けということで平易にかつ網羅的に書かれていて、教育レベルに関わらず読みきれる本というのも良い。 この本を手に取る"階層"にいる若者にとって、学歴と職業、貧困の再生産と格差の拡大、ジェンダー問題あたりまでは容易に想像がつ...
良書。暗澹たる気持ちになった。 16歳向けということで平易にかつ網羅的に書かれていて、教育レベルに関わらず読みきれる本というのも良い。 この本を手に取る"階層"にいる若者にとって、学歴と職業、貧困の再生産と格差の拡大、ジェンダー問題あたりまでは容易に想像がつくと思う。いわゆる、自分ごととして捉えやすく、また解決策を議論することができる程度の知識も持ち合わせているだろう。 しかし、ホストやキャバクラ、風俗業界に生きる(生きざるを得ない)人間の思いを、背景を、想像できる人はどれだけいるだろう。それが経済的困窮だけではなく、虐待による自己否定感やグレーゾーンを含む知的障害とも密接に関わっていると考えたことはあっただろうか。 構造的搾取が問題とされている技能実習生制度を始め、移民問題を労働力以上の問題として考えたことはあっただろうか。低賃金で酷使される外国人労働者は度々問題視されるものの、そのさらに奥の就学の機会を奪われる移民の子の存在は自ら見ようとしなければ見えてこない。移民ギャング、ホームレス、被虐待児童、知的障害者、治安の悪化を、犯罪を彼らのせいにするのは簡単だが、自らが同じ境遇に置かれた際に罪を犯さずにいられるかどうか胸を張って答えることはできないはずだ。もしできると思うなら、それは想像力の欠如に他ならない。誰も彼も、苦しもうと思って苦しんでいるわけではない。貧困を望んで貧困に甘んじているわけではない。 何も弱者を理解して今の境遇に感謝しましょう、強きをくじき弱きをたすけましょう、という結論には至らなくていい。この本の主題はそこではない。ただ、この本をきっかけに、格差と分断の構造を理解して問題を俯瞰的に見られるようになるといいと思う。いま、自分の知らない日本の中で何が起こっているかを理解し、想像し、慮る努力をすべきだ。 きっと、そうした努力は十年、二十年後の人生もとい自分自身を豊かにすることに繋がると思う。
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所得、職業、男女、家庭、国籍、福祉、世代。あらゆる場面にある格差と分断を挙げ原因と対策を示す。 困っていない人は社会の恩恵に助けられている人であり、困っている人は助けが届いていない人であろう。未来と希望を若者に託すためにやるべきことを説く。
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感想 格差が存在しないことは善なのか。なぜカースト制度を消滅させることができないのか。上から下まで制度に浸っているから。均衡を崩すのは困難。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本書では、所得格差、職業格差、男女格差、家庭格差、国籍格差、福祉格差、世代格差という7つの格差がどのように生まれるのか、その格差によってどういうことが起きるのかが書かれている。「16歳からの〜」とあるだけあって、言葉もわかりやすく大人でも頭に入りやすく、幅広い年代におすすめしたく、また幅広い年代が読んで知る必要のある内容に思う。 私自身、犯罪に手を染めてしまうのは自業自得では、と少なからず思ってしまっていたので、そうではなく、周りの環境からそうせざるを得ないこと、そこから脱することができるのはほんの一握りだということがよくわかった。周囲の人たちが、自分たちの行動で犯罪や被害を減らせると理解することが何よりも大切だと感じた。 また、正直、格差があったとして、それが自分に対してデメリットとなるとは思っていなかった(=つまり、他人事)。もちろん、見返りがあるから格差をなくそう、という考え方が良いとは思わないが、格差をなくすことが、現在そして未来に日本に生きる人たちの利益になることがわかれば、動く人も増えるのではないか。 「福祉格差」 特にこの章を読んでいて、二つの別の作品を思い出した。 ①『ミステリという勿れ』 シェア金沢という、大きな土地で障害児、高齢者、大学生が一緒に暮らせる街の話を聞いた時、この作品を思い出した。 2巻では、認知症の人だけが暮らせる村(「ホグウェイ」という村がオランダにあるらしく、その村にはスタッフと認知症の方しかいないらしい)が紹介されている。認知症の方の徘徊は社会問題となっているが、村の中にはバスがないバス停があることで、しばらくバス停で待っていることで満足して家に帰っていくそう。『ミステリと〜』を読んで、こんな村は素敵だな、と思っていた。全くの素人知識だが、認知症は記憶障害や見当識障害などを含む(と私は理解している)ので、実際に日本にも似たような街があるとは知らず、素直に驚いた。障害を持った人を限られたコミュニティに閉じ込めるのではなく、高齢者などと交流の場を作ることで、双方にとっていい影響があることは想像に難くない。もっとこのような街が広がっていけば良いと思う。 ②『初恋、ざらり』 私にとって苦手な作品ではあった。ただ、本書にもあるような”知的障害のある女性が風俗にむかってしまうプロセス”がわかりやすい作品。今まで表に出てこなかった格差がこのように漫画などの読みやすい媒体で出てきて世間で広まることで理解が進み、それが(私含め)格差を埋める行動につながれば良いと切に願う。
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若い人向けに書かれていることもあり、わからない用語が出てくることもなく、とても分かりやすく世界のことについて書かれていた。 すごく参考になったし、良かった。 高校生に特に読んで欲しい本だ。
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大きい事件をのニュースを深読みすると、その時の容疑者が置かれていた立場や状況がなんらかの形で関わっていることが必ずあり、自分はそんなことしないだろうと思っていてもそれは相手の立場を理解していないから言えることであり、自分は狭い世界で生きてるなと思うことがあります。 このような社会...
大きい事件をのニュースを深読みすると、その時の容疑者が置かれていた立場や状況がなんらかの形で関わっていることが必ずあり、自分はそんなことしないだろうと思っていてもそれは相手の立場を理解していないから言えることであり、自分は狭い世界で生きてるなと思うことがあります。 このような社会問題の本を読み何が起きているのかを少しでも知ることができ、日本人としてこれから自分達が何か対策を打たねばならないのではと少し責任感にかられるような思いがあります。 たくさん勉強して生きづらさを感じる人が少しでも減る社会に変えられたらいいなと。
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