やさしい猫 の商品レビュー
世の中には自分の知らない事がまだまだたくさんあって、その陰で苦しんでいる人達がまたいるんだと考えさせられた。 入管とか言葉は知っていても主人公と一緒で詳しい事は何も知らなかった。 一概に、どちらが正しいかとも言い難いデリケートな問題。 治安を維持するためには勿論厳しいルールも必要...
世の中には自分の知らない事がまだまだたくさんあって、その陰で苦しんでいる人達がまたいるんだと考えさせられた。 入管とか言葉は知っていても主人公と一緒で詳しい事は何も知らなかった。 一概に、どちらが正しいかとも言い難いデリケートな問題。 治安を維持するためには勿論厳しいルールも必要、でもそれにより必要以上に苦しめられる人もいる。 その匙加減が本当に難しいと思った。 きっと自分の置かれている立場で見方は変わるんだろうな…。
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入管のなんとひどいこと!ウィシュマ サンダマルさん死亡事件を思いながら、読んだ。 中学生の息子にも読んでもらいたい。 今後、日本は人口減に対応するため外国人を受け入れていくことになるだろうから、身近な問題としてあれこれ考えておく必要があると思う。
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入管は恐ろしいところです。日本人なのに知らなかったことがたくさん。日本国内でこんな非人道的な事が行われているなんて、人権はどうなってるんだと憤りを覚えました。日本という国に幻滅もしました。この物語では資格を得ることができていましたが、そうでない人たちはたくさんいらっしゃるのでしょ...
入管は恐ろしいところです。日本人なのに知らなかったことがたくさん。日本国内でこんな非人道的な事が行われているなんて、人権はどうなってるんだと憤りを覚えました。日本という国に幻滅もしました。この物語では資格を得ることができていましたが、そうでない人たちはたくさんいらっしゃるのでしょうね。 ハヤトがどうなるんだろうと心配です。
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入管法改正案が出されているこのタイミングで読むことができてよかったです。 日本人として知っておいたほうがいいことばかりでした。自分の配偶者も白人ではない外国人ですが、明らかに他の方からの目が白人に向けられるそれとは異なると感じていますし、 労働力不足の日本がカナダなど移民政策に成...
入管法改正案が出されているこのタイミングで読むことができてよかったです。 日本人として知っておいたほうがいいことばかりでした。自分の配偶者も白人ではない外国人ですが、明らかに他の方からの目が白人に向けられるそれとは異なると感じていますし、 労働力不足の日本がカナダなど移民政策に成功してる国から学ぶことも多くあると思います。考えさせられる本でした。
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知らなすぎた、日本の中でこんなことが起きていること。辛くて、悲しくて、胸が締め付けられる思いでした。今日もどこか空の下、同じような境遇の方がいるのだろうな…… 何も知らないまま、日本は平和だとボケてしまっている自分自身に対しても腹が立ちます。 無知なこと、無関心であることを自覚し...
知らなすぎた、日本の中でこんなことが起きていること。辛くて、悲しくて、胸が締め付けられる思いでした。今日もどこか空の下、同じような境遇の方がいるのだろうな…… 何も知らないまま、日本は平和だとボケてしまっている自分自身に対しても腹が立ちます。 無知なこと、無関心であることを自覚した一冊です。出会えてよかった。
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シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。 出会って、好きになって、この人とずっと一緒にいたいと願う。当たり前の幸せが奪われたのは、彼がスリランカ出身の外国人だったから。 大きな事件に見舞われた小さな家族を、暖かく見守るように描く長編小説。 入局管理とか難民とか・・日本が遅れていることは知っていたが・・ 正直な人が居る一方でそうで無い人もいる。しかし、その判別を誰かがしなきゃならない。 ただ・・・自分の生活がままならないのに・・・てのが正直なところだなぁ~
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外国人の在留資格の事、退去強制令、在留特別資格、入国管理局の収容所には収容期限が無い事、収容所での収容者に対する扱い、等など、色々教えられた。 在留資格を失ってしまう仕組み、その後の不法在留者として受ける扱い、難民認定率の低さ等、今この日本で現実に行われているこれらの仕組み、運用...
外国人の在留資格の事、退去強制令、在留特別資格、入国管理局の収容所には収容期限が無い事、収容所での収容者に対する扱い、等など、色々教えられた。 在留資格を失ってしまう仕組み、その後の不法在留者として受ける扱い、難民認定率の低さ等、今この日本で現実に行われているこれらの仕組み、運用面あらゆる所で感じざるを得ない人権無視。 あまりにも酷く、腹立たしく、情け無い。 入管の審理官、収容所施設職員、など国側というかあちら側の人達は何を思ってこの人権無視を遂行しているのだろうか。作中の上原さんの様に転じる人もいるだろうし、感情を押し殺して従事せざるを得ない人、心が麻痺してしまっている人もいるのだろうか。 〝前例が無い、これを認めてしまうと歯止めが効かなくなる…〝。収容所で倒れたクマラさんを救うべく駆けつけた救急車を門前払いしてしまう職員のこれら発想は、ウィシュマさんに関わった人達も同じだったのか。 こんな、酷い現実と闘う小さい家族の物語が、中学から高校生となる娘の目線で優しく描かれて読み易く、読んで良かったと感じる良書!
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タイトルがほんわかだし、表紙も優しい世界だし すっかり油断してしまっていたのだ私は。 読み始めてしばらくしてから頭の中で小さく鳴り始めた警報音は 物語が進むに連れてもう聴こえないふりはできないくらいの音量になっていく。 同じ様な出来事を私は現実に新聞やニュースで散々見ていたではな...
タイトルがほんわかだし、表紙も優しい世界だし すっかり油断してしまっていたのだ私は。 読み始めてしばらくしてから頭の中で小さく鳴り始めた警報音は 物語が進むに連れてもう聴こえないふりはできないくらいの音量になっていく。 同じ様な出来事を私は現実に新聞やニュースで散々見ていたではないか。 いや、違う。悲惨な出来事を直視したくなくて 日本でこんな事が起きているって思いたくなくて 私は見て見ぬふりをしていた。 この小説だって、初めからそういう内容と知っていたら こんな優しいタイトルと表紙でなかったら きっと私は手に取ることもしなかっただろう。 もう読んでしまったのだから 知ってしまったのだから目を背けてはいられない。 この物語が大勢の人に届いてほしいと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
スリランカ人のクマさんと、私マヤと、私の母ミユキさんのお話。 でも本の表紙のように穏やかで温かなお話とは少し違う。 外国から日本に来た人の、在留資格、入国管理、収容所など、私たちが普段の生活であまり触れることのないことがテーマだ。 クマさんはビザや再就職のことをミユキさんに相談できなかった理由として「日本人は、入管のこと、在留資格のことを、何も知らない。それらをすべて説明するのは困難だと思ったのです」と言っている。 その通りだと思う。 読んでいて、三人にとって困難なことが続くが、色々な人の助けを借りながら力を合わせ、最後には乗り越えてとても読後感は良かった。 この作品の中で、入国管理局は悪のような描かれ方をしているが(確かにその通りなのだが)、逆に入管の側から描いた作品もあったら読んでみたいと思う。そこで働く人の思いや苦労なども読んでみたい。 そして法律や制度というのは100%ではなくて、少しずつでも歪みや誤りを良い方へ変えていくしかないのだと改めて思う。 読んでよかったと終える作品でした。
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日本の外国人に対する就労ビザが、あるいは雇用がいかに厳しいか、そして入管がいかに非人道的かを教えてくれた。この母子は強い、新潟のおばあちゃんも強い。 人間はどうあるべきかを教えてくれた。子どもから思春期へと成長した娘の目から書かれた作品。 素晴らしい。
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