存在しない時間の中で の商品レビュー
壮大すぎて。これは映画になるの?なったら面白いかな… などと勝手に描きながら、ここはこうであーでと、読んでました。 4部の終章で落ち着くところに落ち着いて、スッキリしつつ〝あなた〟の生きたもう一つの世界、人生、それは私にもあるのか?ゾクッとしつつ、少しおもしろがったりした私です。...
壮大すぎて。これは映画になるの?なったら面白いかな… などと勝手に描きながら、ここはこうであーでと、読んでました。 4部の終章で落ち着くところに落ち着いて、スッキリしつつ〝あなた〟の生きたもう一つの世界、人生、それは私にもあるのか?ゾクッとしつつ、少しおもしろがったりした私です。ナツキや池沢美鶴の様に自分の知らない自分を教えてもらったら!!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
またまた壮大なストーリーだった…。『人類滅亡小説』と似た感じと聞いていたけどこちらの方が好みだし読みやすかった。 この世界、むしろ宇宙が本当に神によって作り出されたものだったとしたら…という想像がとても膨らむ物語。 序盤が数学や物理学の話から始まったので理解できるか不安だったけど大丈夫だったおもしろかった。 自分の過去の出来事を数値にして公式にできたら未来のこともわかるのでは、という辺りはもうなんかなんで数字でそんなことわかるの?な文系丸出しの感想なんだけど数学って奥が深いんだね…? 今作を読んでよぎったのが、東野圭吾のガリレオシリーズのドラマで、湯川先生がなんでもかんでもトリックを数式で表してて、テレビ映えを意識してるのだろうけどこのトリックは数式いらんやろと思ってたけど本当にアリバイ崩しとかも数式で表せたのかな?ということだった。
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表紙の絵に惹かれて手に取ったのだけど これは、面白かった! 期待をして読み始めたわけではないので サプライズ満足。 人知を超えた高次元の世界から 四次元の私たちの世界にメッセージが届く。 それは、この宇宙の設計図を描いた “何か” が存在することを示すもの。 異変について語ら...
表紙の絵に惹かれて手に取ったのだけど これは、面白かった! 期待をして読み始めたわけではないので サプライズ満足。 人知を超えた高次元の世界から 四次元の私たちの世界にメッセージが届く。 それは、この宇宙の設計図を描いた “何か” が存在することを示すもの。 異変について語られる舞台は二つ。 ひとつは、大学の天文・数学・物理研究グループ。 もうひとつは、黒猫を買った女性、莉央の周辺。 小難しい数学や物理の話はすっ飛ばして 変わっていく世界を追う。 研究グループのまわりと、莉央の周辺に起こる物語。 舞台や時間が次々入れ替わり、 テンポの良い展開に飽きることがない。 こんなに話を広げてしまってどうするの?!? と思ったところで、 第四部で なるほど という回収劇。 最後の一文が なんとも心憎い! 章が進むごとに前進する黒猫の絵も可愛い。 そして、読後に眺める表紙はさらに素敵!
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一流フランス料理が作るジビエ料理みたいな一冊。とっつきにくい食材を見事な技法で親しみやすく仕立ててきやがる。いい仕事してまんなぁー 壮大なSFかと思われた内容が次第に迫真さを増して我々のリアルに近づいてくる様はまさに驚異。「神が人類が滅ぼす」という小学校低学年が自由帳に書いたと...
一流フランス料理が作るジビエ料理みたいな一冊。とっつきにくい食材を見事な技法で親しみやすく仕立ててきやがる。いい仕事してまんなぁー 壮大なSFかと思われた内容が次第に迫真さを増して我々のリアルに近づいてくる様はまさに驚異。「神が人類が滅ぼす」という小学校低学年が自由帳に書いたとしてもクラスメートに失笑されそうな突拍子もないテーマに対し、数理学のフィルターを通してアプローチしていく過程は見応えがあったし、登場人物を本当にそこらへんにいそうな設定にすることで、テーマがより際立つように描写されていると感じた。 特に登場人物について言うと、ほんと他愛もない会話が多く出てくるところに著者の意図があるのかなぁと考える。「うわ」「あのねえ」「はい」「あるいは」「でも」「そうですね…」などごく短い会話をちょくちょく挟むことで、神から示されたテーマの難解さに苦しむ人間の凡庸さをあぶり出して対照的に見せている。これがもし会話少なく、各々の思考を客観的に表記していたら、それだけで内容が難しく感じるだけでなくSFチックなテーマがぼやけるのだと思うんすよ。これはうまくできてる。 前にもどこかで書いたけど、そもそも人間は自分より賢いものに惹かれる習性があって、特に数理学なんかは学問としてその極致にあるワケ。中身はチンプンカンプンだけど、不思議と物理的考察の箇所も拾いながらだけど読めてしまうもんね。著者は神谷さんではなく春日井君に思い入れがあるんじゃないかなぁ。知性を喚起する役割という意味では彼が明らかにキーマン。農学研究科を出た身であるからこそ「知性」に関するリスペクトを著者は忘れてないなぁとも感じましたよ 「このことは、つくづく肝に銘じておいてください。いまのあなたは、嘘で人を救うことができる」(232頁) 「幻なんかじゃないさ。俺も、おまえも、この宇宙も」(302頁) この本は図書館で借りて読んだので発売時の帯の装丁を存じませんが、俺が帯作っていいなら上の2つのセリフを載せるかな。読んだ人には頷いてもらえると信じています。
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宇宙、科学、数学、物理学・・・ アインシュタインの相対性理論や、 苦手分野の羅列が続いて、何の話と思ったら、 とんでもないミステリー! 人類は何者かによって作られた。 そして10年後に消滅する! 十次元の世界って何?! 「夢だったんだ」とのおちかと思ったら、 とんでもない。 ...
宇宙、科学、数学、物理学・・・ アインシュタインの相対性理論や、 苦手分野の羅列が続いて、何の話と思ったら、 とんでもないミステリー! 人類は何者かによって作られた。 そして10年後に消滅する! 十次元の世界って何?! 「夢だったんだ」とのおちかと思ったら、 とんでもない。 一人の命が助かったのは、ほっとした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『今のこの世界は、誰が何のために作ったの!?』 難しい数学や物理の話が出てくるが、わからなくてもなんとなく雰囲気を感じれられればOK。科学→宗教→SFへと展開していくので、人により好みは分かれるかも… 10次元の世界、自分には想像できないけど、本当にあったら言ってみたいな〜
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やはり山田宗樹のSFは壮大です!面白くて、先が気になりイッキ読みでした。想像しようとしても想像出来ない世界、宇宙の謎とは?誰が創造して、どうなって行くのか?答えのない謎に架空の解答を示してくれるお話でした。
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山田宗樹先生の作品を読むのは『百年法』に続き二作目だけれど、フィクションに説得力を持たせるのが本当に上手だと思う。 本作は理論物理学によって神の存在を肯定する、という荒唐無稽な設定なのだが、作者の知識と文章力によって完全に説得されてしまう。 ストーリーを楽しみながら学問の面白さ、...
山田宗樹先生の作品を読むのは『百年法』に続き二作目だけれど、フィクションに説得力を持たせるのが本当に上手だと思う。 本作は理論物理学によって神の存在を肯定する、という荒唐無稽な設定なのだが、作者の知識と文章力によって完全に説得されてしまう。 ストーリーを楽しみながら学問の面白さ、可能性も感じられる。素晴らしいSFだと思う。
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たまたま三体暗黒森林と同時に読んでいたので頭の中でリンクしてしまった。 超弦理論は10次元。そのうち6次元は小さい領域に巻き込まれた結果我々の3次元+時間という次元がある。この宇宙は多次元の誰かが創造し、それを小説では仮に「神」としているが、10年後にこの宇宙は閉じられてしまう、...
たまたま三体暗黒森林と同時に読んでいたので頭の中でリンクしてしまった。 超弦理論は10次元。そのうち6次元は小さい領域に巻き込まれた結果我々の3次元+時間という次元がある。この宇宙は多次元の誰かが創造し、それを小説では仮に「神」としているが、10年後にこの宇宙は閉じられてしまう、というメッセージ。 結局その神のお告げのようになるのだが…それが存在しない時間の中、なわけです。 三体でも同じような次元の話が出てきており、こちらは光の速度をうまく扱っているが、本書では時間軸を入れた4次元空間をうまく使ってシナリオが成り立っている。三体と違って、「時間」の次元を理解(というか想像)できれば読みこなせます。ただ冒頭の数学の世界でギブアップしてしまうかもしれませんが、そこを軽く流せばあとは大丈夫。
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数学物理学理論を駆使して世界を構築した物語。分からないけれど分かるような読み心地。神に似た高次元の存在とリセットされる世界。荒唐無稽な世界観だが全否定しきれないところに、じわじわと不安感が忍び寄る。
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