ある男 の商品レビュー
他者への愛情は、どこに向けられて感じるものなのか。 もし今隣に居る人が本当の過去も名前も隠していたら、あなたは一緒にいられますか? 美しく薄暗い文学的作品。 「亡くなった配偶者は、あなたが認知している名前も過去も違う別の人でした。」 もうパニックですよね。 本当は一体誰だったの...
他者への愛情は、どこに向けられて感じるものなのか。 もし今隣に居る人が本当の過去も名前も隠していたら、あなたは一緒にいられますか? 美しく薄暗い文学的作品。 「亡くなった配偶者は、あなたが認知している名前も過去も違う別の人でした。」 もうパニックですよね。 本当は一体誰だったのか?弁護士が調べます。 この弁護士が主軸となるお話。 遺された家族も真実が気になるけど、相談された側も気になりますよね。 そこで弁護士さん、「普通」とは「愛情」とはと考えを巡らせながらの謎解きを始めます。 「愛する」ことに過去は必要なのか、違う誰かだったとしても「その人」を愛することが出来るのか。 たぶん「イエス」「ノー」で答えられる問題ではないけれど、考えてしまう作品。
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面白かった。少し私には読みにくい文章で、新鮮みがある本でした。 思っていたミステリー的な要素はあんまりない。 タイトルのある男とは、どの男のことを指しているのか、、興味深い。
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平野氏のアールデコっぽい文章は、たまに無性に読みたくなる。 死んだ家族が他人だった話。 途中まで焦れったい感じだったが、中程の急展開から俄然面白くなる。 ・時間の経過と愛 ・相手の過去まで愛せるのか ・普通に生きたかった男とチャンピオンになって欲しかったオーナー ・自分が他人の人生と入れ替わったとして、元の人間より上手くやれるのか ・他人が自分の人生をやることになったとして、「これはいい人生だ」と思うのか ・ナルキッソスの過去とエコーの愛 等々、咀嚼が必要なテーマが矢継ぎに出てくる。 点在していたモチーフが最終的にまとまり収束するのは見事。 しばらく思考の海に沈んで、自分なりの見解をまとめていきたい。 異世界転生とか親ガチャとかのブームを、穏やかに説き伏せる感じ。 あ、2018年連載か。こっちのが先か。
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ミステリ要素だけでなくて、戸籍や在日差別に関するアウトローな話、ギリシャ神話や愛について多元的に描かれていて、読み応えがありました。 最後の2行でウルッときて、良い読後感でした。 読んでる最中は誰が誰になって、何がどうなってるのか分からず、数ページ戻って読んだり、序文にまで戻って...
ミステリ要素だけでなくて、戸籍や在日差別に関するアウトローな話、ギリシャ神話や愛について多元的に描かれていて、読み応えがありました。 最後の2行でウルッときて、良い読後感でした。 読んでる最中は誰が誰になって、何がどうなってるのか分からず、数ページ戻って読んだり、序文にまで戻ってみたりと忙しい内容でしたが、とても面白かったです。
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内容が少し難しかった。誰が誰で、誰が誰なのか?なかなか入り込めなかったが、内容はとても興味深いもので、最後はなんとか。。
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神話とか音楽に学がないので読みにくかったのですが、人をいい方に変えるのが『自信』で、悪い方に変えるのが『万能感』かな...と思いました。確かに、弱者から強者になったらそうなるなぁ。普通の人生を歩みたくなる、という境遇には共感しました。原誠が死ぬ時になにを思ったのかを想像して切なくもなりました。
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読み終えたところでもう一回序文はどんな内容だったっけ?と思った。 違う人になるということの不思議さを哲学的な表現で展開されるストーリー。神話や音楽などを用いた抒情的な表現がやや鼻につく印象はあるが面白く読んだ。
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弁護士が主人公なのもあり内容が法律要素が強かったり、言葉遣い・表現が難しめだったりしたのが他の本にはない点で良かった。 事件や神話、文学作品を所々引用して、主人公の思考シーンを描いているところは主人公(著者)思考の高さを感じた。 一体谷口は誰なのかと内容が気になって面白かったが、...
弁護士が主人公なのもあり内容が法律要素が強かったり、言葉遣い・表現が難しめだったりしたのが他の本にはない点で良かった。 事件や神話、文学作品を所々引用して、主人公の思考シーンを描いているところは主人公(著者)思考の高さを感じた。 一体谷口は誰なのかと内容が気になって面白かったが、それよりも、表現・引用から想像される思考シーンが魅力的な部分だと感じた。 (自らを重ね合わせられる・共感を生むのは難しい系の本だという印象)
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話の展開がとても気になるもの、一方で何故だかとても読みづらい文章に感じた。作品全体の雰囲気もいまいち好きになれない。
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仕事の兼ね合いで最近なかなか読めていなかったので、久しぶりに読了した。 マチネの終わりに の作者の作品。読み終えてみればストーリーとしてはシンプルなのだけど、心理描写や主人公の内面描写が、わりと小難しいので、ちょっと頭に入ってきづらかった。でもそれは良くいうと文学的ということにな...
仕事の兼ね合いで最近なかなか読めていなかったので、久しぶりに読了した。 マチネの終わりに の作者の作品。読み終えてみればストーリーとしてはシンプルなのだけど、心理描写や主人公の内面描写が、わりと小難しいので、ちょっと頭に入ってきづらかった。でもそれは良くいうと文学的ということになるのかもしれない。
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