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結 妹背山婦女庭訓 波模様 の商品レビュー

4.2

31件のお客様レビュー

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2024/08/25

直木賞の後日談みたいで正直読むのが怖かった。が、また新たな江戸期の文化を蘇らせてくれた。誰もが知っている戯作者の面々。涙なくしては読めなかった。好みによるけど、江戸期の文化に興味あるなら是非とお勧めしたい。

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2024/05/12

浄瑠璃作者・近松半二の娘など浄瑠璃に魅せられた人達の縁が結ばれ、人形浄瑠璃のために生きていく喜怒哀楽と浮き沈みが生き生きと描かれていた。古典芸能の世界により興味が湧く。おきみちゃんのサバサバした感じが気持ちよかった。

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2024/03/13

妹背山婦女庭訓 シリーズ2 近松半二が鬼籍に入り、操浄瑠璃が、ますます尻すぼみになっていた。 それでも、浄瑠璃に魅せられた男たちが、ひたむきに、浄瑠璃に向き合う。 耳鳥斎が 近松徳三が 十返舎一九が 菅専助が 武内確斎が 畠中銅脈がいた。

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2022/11/20

直木賞受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』のスピンアウトと行った趣の連作短編小説.戯画作家の耳鳥斎と近松半二の娘おきみが進行役.「妹背山婦女庭訓」の著者,近松半二が亡くなってからの物語.人形浄瑠璃は少しづつ斜陽に向かい,歌舞伎が隆盛をむかえるという時代が背景である. たぶん,文楽...

直木賞受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』のスピンアウトと行った趣の連作短編小説.戯画作家の耳鳥斎と近松半二の娘おきみが進行役.「妹背山婦女庭訓」の著者,近松半二が亡くなってからの物語.人形浄瑠璃は少しづつ斜陽に向かい,歌舞伎が隆盛をむかえるという時代が背景である. たぶん,文楽を見たことがなくても楽しめる佳作.江戸時代中期の上方の商人を中心とした文化の雰囲気が伝わってくる.

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2022/11/07

続きはないなぁと思っていた話に続編があって嬉しい。「渦」で中心となった近松半二の次世代の話。操浄瑠璃の魅力に取り憑かれて、浄瑠璃地獄だと言いながらも、それなり楽しく生きている人たちの話。歌舞伎芝居や読本があり、素人義太夫や浮世絵があって、町民文化が盛りの、読んでいるだけで楽しくな...

続きはないなぁと思っていた話に続編があって嬉しい。「渦」で中心となった近松半二の次世代の話。操浄瑠璃の魅力に取り憑かれて、浄瑠璃地獄だと言いながらも、それなり楽しく生きている人たちの話。歌舞伎芝居や読本があり、素人義太夫や浮世絵があって、町民文化が盛りの、読んでいるだけで楽しくなってくる時代の話がまた読めて良かった。もちろん、のんびり楽しんでいるのは読者の私だけで、登場人物は、芸の道に苦しんでいる。

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2022/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『渦』よりは読みやすかったけど、盛り上がりは『渦』の方がある。 松へがあんまり苦労しないからかもしれない。 でも耳鳥斎は知らなかったので、本物の絵を見る機会があったら見てみたい。 裏の主役は近松半二の娘、おきみちゃん。 十返舎一九がこんな人物だったとは知らなかった!

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2022/08/17

人形浄瑠璃の世界に縁ある人々のとても人間くさい生き様が、飄々とした文体で描かれた、とても「粋な」小説でした。 魅せられるように浄瑠璃の世界に引き込まれていく人たち、訳あって離れていった人たち、浄瑠璃の世界のそばで芸を磨いていく人たち。 彼ら彼女らはそれぞれ気ままに、けれどきり...

人形浄瑠璃の世界に縁ある人々のとても人間くさい生き様が、飄々とした文体で描かれた、とても「粋な」小説でした。 魅せられるように浄瑠璃の世界に引き込まれていく人たち、訳あって離れていった人たち、浄瑠璃の世界のそばで芸を磨いていく人たち。 彼ら彼女らはそれぞれ気ままに、けれどきりっと自分たちの己を貫いて、世間の渦をうまく乗りこなしていく。とびきり秀才でなくとも、魅かれる長所ばかりでなくとも、憎めなく質感のある登場人物たちからは、ふと生活音を漏れ聞くような、温度のある身近さを感じていきました。 うまく実らなかった情の種もありましたが、そうであっても彼と彼女は末永く互いを大事に思って生きていくのだろう、ちらりと切なさを感じつつもそう思えました。 なにかに打ち込む日々はうつくしい。それが芸の極みであっても、幼子の成長であっても、なにであっても。 一日一日ちいさな渦に踏み込んでいく人々の小さなかけがえのない勇ましさを感じたお話でした。

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2022/07/02

みんな亡くなっていってしまうが、それでも虚しくならないのはすらすらした書き方のなかに彼らがこの世を遊んだ生き様が満ちみちているからかも。浄瑠璃地獄、浄瑠璃地獄と繰り返しながらもみな満足げ。

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2022/06/14

67続きが読めてよかった。人物像が年代を経ているのでややこしいけど、それを越えて、浄瑠璃を楽しんで、悩んで、人生を懸けて取り組んでいる生き生きとした市井の民衆の姿が見えて、読んでるこっちが楽しくなった。現代まで物語が続けばいいのに。

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2022/06/09

『渦』からの繋がりに、胸が熱くなる。 半二が残したもの、創作に携わることの業。 その半二さえ、門左衛門から続いてきた人。連面と続いていく伝統文化の厚み、重み。 芸能の魅力。 しかし、メディアミックス、二次創作は日本文化の根っ子にあるものなのだと納得。

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