ベケット氏の最期の時間 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
よいです 私はベケット氏のことをこの本で知ったような者だからこそ、人柄を精分せずに読めたのかもしれませんが、よいものだったという読後感があります ずっと本当に手記だと思っていました 最後の追い立てられるようなまとまりのなさは、読者を一気に最後まで読み進めさせます
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サミュエルベケットの最晩年を描く。事実の部分と小説の部分、そして、さまざまな文学作品が散りばめられている。ベケットの伝記や戯曲などの予備知識があるとより楽しめると思う。
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「ゴドーを待ちながら」の作者サミュエル・ベケットが人生の最後の年に住んでいた介護施設「ティエル・タン(3番目の時間)」での日々、訳者あとがきによると3番目の時間とは、十分に働いたあとの余生という「特別な時間」を意味するという。ノーベル賞作家の3番目の時間は「最期を語って何になる?...
「ゴドーを待ちながら」の作者サミュエル・ベケットが人生の最後の年に住んでいた介護施設「ティエル・タン(3番目の時間)」での日々、訳者あとがきによると3番目の時間とは、十分に働いたあとの余生という「特別な時間」を意味するという。ノーベル賞作家の3番目の時間は「最期を語って何になる?語るべきことなんて何も残ってない。人間が語ることはいつだって過去に起こったことだ。ずっと前に起こったこと。あるいは、さっき起こったこと。いずれにしても、過去のことだ。最期のことなんて、誰にもわからない。それまでのこととは、何も関係がない。何も見る必要はない。ひたすら待つだけだ。」という独言で幕を下ろす。
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