夜行秘密 の商品レビュー
夜行秘密 / カツセマサヒコ 偶然座った席からこの本が見えて、そのまま吸い込まれた。まだ自分の感情を消化しきれてないんだけど、胸焼けが止まらない。自分の命削りながら読み終えた感じ。indigo la Endのアルバムがモデルらしい。もう一度読むのは心が耐えられなくて無理だなぁ...
夜行秘密 / カツセマサヒコ 偶然座った席からこの本が見えて、そのまま吸い込まれた。まだ自分の感情を消化しきれてないんだけど、胸焼けが止まらない。自分の命削りながら読み終えた感じ。indigo la Endのアルバムがモデルらしい。もう一度読むのは心が耐えられなくて無理だなぁ。笑 個人的には「明け方の若者たち」を遥かに超えるえぐさでした。浸ってる間は、入り込んでて気持ち良いんだけど話思い出すだけでうげーーてなるのやばい← ぜひ読んでみてください♡ なかなかメンタルが現実に戻れない、 さっき夕方だったのになんでもう夜なの、記憶がない。本読んでたからなんだけど、寝てて目が覚めた時みたいな、ぽっかり記憶がない感覚
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軽く読める◎。章ごとに主人公がどんどん変わってつながっていく群像劇で、好きなタイプの物語だった。「チューリップ」の告白のシーン好き。楽曲も聴いてみたいと思った。
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みんな宮部あきらに取り憑かれてる。 宮部あきらに出会って、宮部あきらと関係をもった人間と出会って、後悔を募らせて取り憑かれてるよ。 私は凛ちゃんが好きだった。 音色くんのギターを投げて、嘔吐した凛ちゃんがとても好きだった。 そんな凛ちゃんを殺した宮部あきらも、凛ちゃんと音色くん...
みんな宮部あきらに取り憑かれてる。 宮部あきらに出会って、宮部あきらと関係をもった人間と出会って、後悔を募らせて取り憑かれてるよ。 私は凛ちゃんが好きだった。 音色くんのギターを投げて、嘔吐した凛ちゃんがとても好きだった。 そんな凛ちゃんを殺した宮部あきらも、凛ちゃんと音色くんの過去がわかっていながらも葬式に来なかった理由を聞く早苗も嫌いだ。 音色くんは、英治くんが素直に泣いちゃうことや、凛ちゃんを失った喪失から、英治くんに殺人を犯すように脚本を渡したとしか思えなかった。 始めは英治くんに脚本を渡して、毎年2人で凛ちゃんの為に会うと決めた時は嬉しかった。 でも、凛ちゃんを置いて自分だけ幸せになっちゃう音色くん嫌いだよ。 憎くて不甲斐ないのに、それでも、最後に英治くんが一度だけ黙秘を破っていった言葉に、私は救われた気がしたよ。
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どうしようもなく救いようの無い終わり方がより本作をリアルにしていると感じた。ひとつひとつの話が読みやすいのも良い。登場人物の交錯が複雑なので読了までに時間が空くと少し混乱してしまうかもしれない。
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実際にあるアルバムの曲を1冊の小説にするってなんなん!って販売予告見た時すごく鳥肌がたちました!笑 1章1章読み進めていくにつれて色んな人が色んなところで出会って関わって傷つけあって助け合って、ひたすらにしんどくなっていった、、 誰と関わるかと同じくらい自分と相手がどういう状...
実際にあるアルバムの曲を1冊の小説にするってなんなん!って販売予告見た時すごく鳥肌がたちました!笑 1章1章読み進めていくにつれて色んな人が色んなところで出会って関わって傷つけあって助け合って、ひたすらにしんどくなっていった、、 誰と関わるかと同じくらい自分と相手がどういう状況でどういう気持ちで関わるかもすごく影響するんだなと思いました
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indigo la Endのアルバム、夜行秘密を基にした小説だと聞いて読んでみた。明け方の若者たちの著者と同一で驚く。まず、目次がそもそも、アルバム夜行秘密の曲名となっていて、面白い。曲の歌詞と、小説が完全に重なっているのではなく、微かにリンクしている程度なので、曲の世界観、小説...
indigo la Endのアルバム、夜行秘密を基にした小説だと聞いて読んでみた。明け方の若者たちの著者と同一で驚く。まず、目次がそもそも、アルバム夜行秘密の曲名となっていて、面白い。曲の歌詞と、小説が完全に重なっているのではなく、微かにリンクしている程度なので、曲の世界観、小説の世界観はそれぞれある意味独立している。だからこそ新鮮に読めたし、全く予想がつかない展開も。 ただ、登場人物のことは、誰一人好きにはなれなかった。 読み終わったあと、アルバム夜行秘密を聴くと、小説での展開も思い出すという新しいアルバムの聴き方。
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一気に読んだので理解が早かったが、登場人物が少し多いので一気読みがおすすめ! 一人一人の視点別にストーリーが進んでいて各々感じている感情にフォーカスした運び方で、自分の生き方と重ね合うような人物を考えながら読んでいたら面白いと感じた。 終盤でああしておけば良かった、こうして置いたら違ったのかななどの回想が入る。確かに過去の行いで少しの違いが現在に影響することはあるが、結果論であることからその時に正しい選択をすることができるかと言うと難しいと思う。 TVやSNSで起こりうる炎上が話の分岐点であり、身近な事件としてあり得る話だったため想像しやすかった。
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朝になれば大丈夫。正気に戻るから。 夜になれば大丈夫。いつもの彼女になる。 対になる印象的なフレーズの、この物語は、主に夜を描く。 劇団員の凛、バンドマンの音色、クリエイター宮部。一見華やかで、でも苦悩の多いであろうことを生業とする彼らの繊細さが、切ない。ほんの偶然にも似たチャ...
朝になれば大丈夫。正気に戻るから。 夜になれば大丈夫。いつもの彼女になる。 対になる印象的なフレーズの、この物語は、主に夜を描く。 劇団員の凛、バンドマンの音色、クリエイター宮部。一見華やかで、でも苦悩の多いであろうことを生業とする彼らの繊細さが、切ない。ほんの偶然にも似たチャンスをものにしようとし、打ちのめされながら、結果的には成功した音色と、成功者となりながらほんの偶然からネットでたたかれ、絶望し、暴力に走る宮部。 もし、あのとき、こうだったら、こうしなかったら。そういう可能性を想起させる物語はたくさんあるけれど、これは特にそんな感じ。いろんな分岐点を見せてくれる。 そして、存在感は薄いけれど、本流のようにこの物語を支えるのが、この2人に関わる女性、凛だ。売れない音色を愛し、傷ついた宮部を支え、そしてひとりの少年を復讐者にする。しかし、彼女自身が報われることはない。あまりに可哀想で、同じ女性として、読んでいて悲しかった。けれど、物語としては、彼女なしにこのストーリーは成り立たない。 彼女の夜が早く明けますように。 読み終わって、すべてが終わっても、願っている自分がいた。
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登場人物が多くメインパートもコロコロ変わるので少し読みにくいが、それぞれの人間味ある感情が伝わってきて良かった。 indigoが好きで知った作品だが、満足です。愛情は時に歪んでしまうのね。
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好きになった人から裏切られるダメージは、何よりも心に深く傷を作ると、身をもって知っていた。 人を深くまで信頼せずに暮らすのが、機嫌良く生きる方法だ。 恋人との別れの理由にできそうなものなんて、本当はきっと、探せば無数にあるのだ。 でも、そのどれもが、相手を傷つけないために言うべ...
好きになった人から裏切られるダメージは、何よりも心に深く傷を作ると、身をもって知っていた。 人を深くまで信頼せずに暮らすのが、機嫌良く生きる方法だ。 恋人との別れの理由にできそうなものなんて、本当はきっと、探せば無数にあるのだ。 でも、そのどれもが、相手を傷つけないために言うべきではなかったり、関係を繋ぎ止めるために我慢したりしているものだったりする。 それでも、終わらせなければならない恋は、あるのだろう。 まだ好きなままだけれど、お互いのためにも、もしくはこれからの自分のためにも、終わらせなきゃいけない恋というのは、きっとある。 恋はきっと、そうした我儘の積み重ねでできている。 相手を想ったフリをして、自分を肯定したり、失ったことをきっかけにして、悲劇の主人公を気取らせたりするためにある。 凛ちゃんとの恋もきっと、そんな二人の我儘がバランスをとるように配置された結果、奇跡的に成り立つものだったのだ。 夢っていうのは全然綺麗なものじゃなくて、言うならば浴槽に浮かんだ髪の毛みたいだ。 目の前にあるのに、掴もうとした途端にフヨフヨと逃げてしまう。 追いかければ追いかけるほど、波が立つせいか離れていってしまうのだ。 私は「良い作品を作る人は、ハラスメントをしても許される」という考え自体は、否定されるべきと考える一方で、「良い作品を作る人は、極めて模範的な人格者で、品行方正でなければならない」という風潮もまた、馬鹿馬鹿しいと感じていました。 SNSには「生きたい」と思わせてくれる力と同じ数だけ「死にたい」と思わせる力も存在していて、その複雑性は人間そのものみたいだ。 一面だけに光を当てても実態は見えないし、全てを照らせるほどの光量はどこにも存在しない。 そして、影の部分にこそ居心地の良さを感じていたり、影のままありたいと願う要素も人は大抵持ち歩いている。 二人が最初に感じていた運命的な煌めきは、徐々に綻びを見せて、色を失くしていく。 鮮度を失うと、醜いところばかりが目についていく。 それを綺麗だと思えなくなった二人は、枯れ落ちた花弁のように、二度と元には戻れない。 人は、失ってから大切さに気づいて、そのあとはすぐに忘れる生き物だ。
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