祝福の子供 の商品レビュー
プロローグを読んで、んんん…なんだか記憶あるようなと思いながらもページを捲る。 ここのところ児童書を読んでいたので、大人の身勝手さやたくさんの罪に昏い気持ちになる。 どっぷりと汚い泥沼に足を突っ込んでしまった…感じだ。 新聞社に勤務する柳宝子は、離婚していて娘を虐待していると...
プロローグを読んで、んんん…なんだか記憶あるようなと思いながらもページを捲る。 ここのところ児童書を読んでいたので、大人の身勝手さやたくさんの罪に昏い気持ちになる。 どっぷりと汚い泥沼に足を突っ込んでしまった…感じだ。 新聞社に勤務する柳宝子は、離婚していて娘を虐待しているとの理由で夫が引き取っている。 宝子のもとに父親が死亡したと知らせが入るが、21年前に父は火災で亡くなっていた。 だが、父親の遺品の中に自分に宛てた手紙と自分の名前の入った新聞の切り抜き。そしてちょうど世間を騒がせている猟奇的殺人事件の切り抜きも入っていた。 すでに母も亡くなっていて、誰を頼ることもできずにこの不可解な事件と父親のことを調べるのだった。 とても複雑ではあったが、親ってなんだろうか?と考え本当に罪深いのは一体誰なのかと… エピローグを読み、また苦しくなった。 最後にこの作品は2019年『ゆりかごに聞く』を改題したものとあった。 もしかして少し記憶にあったのは、これを読んでたのかな?
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人それぞれ皆違うように母と子、親と子、家族の在り方もそれぞれ違う。 真っ直ぐでも歪んでいても捻じ曲がっていても皆誰かの子、子供が産まれれば誰かの母。(父) そして親であったり子であったりする前に皆1人の人間。 親子って何なんでしょうね〜 正しい親子の在り方とかあるんですかね… そ...
人それぞれ皆違うように母と子、親と子、家族の在り方もそれぞれ違う。 真っ直ぐでも歪んでいても捻じ曲がっていても皆誰かの子、子供が産まれれば誰かの母。(父) そして親であったり子であったりする前に皆1人の人間。 親子って何なんでしょうね〜 正しい親子の在り方とかあるんですかね… そしたら皆それを教本にすれば良くてそしたら皆良い母(父)良い子になれる…はずないんですよ! だって皆違うんだもん。 少なくとも世間が笑顔で紹介するような家族の絆ってやつは表面で見てるほど綺麗なものじゃないはず。 押し隠し繕っている表情もあるはずですよね、世の中も家庭の中も良い事ばかりじゃないから。 親子の愛なんて突き詰めれば突き詰めるほど分からなくなる。 そして分からないけど突き詰めれば突き詰めるほど深い関わりがある…絶対に切れない繋がりを目の当たりにする。 そこには純粋に愛おしく想える愛があって欲しいなぁ 表面だけで終わらせないまさきとしかさんの作品は好きだぁ
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過去の読了まさきとしかさん中でいちばん時間がかかってしまった作品だった おもしろかったんだけどもちろん あの日君は〜 の時ほどの、謎が解けた時の衝動はなかったかも でも、ひとりひとりの登場人物のキャラは濃くて個性的 まさかとしかさんしか書けないキャラ 私も、子供を溺愛する親とかに...
過去の読了まさきとしかさん中でいちばん時間がかかってしまった作品だった おもしろかったんだけどもちろん あの日君は〜 の時ほどの、謎が解けた時の衝動はなかったかも でも、ひとりひとりの登場人物のキャラは濃くて個性的 まさかとしかさんしか書けないキャラ 私も、子供を溺愛する親とかに疑問で 息子がいるんだけど、親子であってもやっぱり個々の人間だという気持ちがあって、宝子の気持ちが少しわかってしまう… でも多様性を問われる世の中で、「子育て」にも多様性があってもいいのでは、その考え方を広げることで、逆に救われる子供たちがいるのでは、と感じたし、 いろいろ子供との向き合い方について考えさせられる作品だった
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子供を産んだら考えが一転した。 仕事を辞めたら、自分にはなにもなくなってしまうこではないか。 名無しの透明人間になってしまうのではないか。 わかる。胸が痛くなった。
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子供を愛してるか疑問の母親のそれを巡る過去の話。 愛し方を知らない母親たちと、愛してほしかった子供たち。 一定数いるであろう、子供を愛せない母親たちの闇の部分が浮き彫りになっている作品。
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2022.4.11読了 著者の本は初読み。 書店で別の本が平積みになっていたので、読んでみたいと思っていた。 テーマが重たく、また表現も暗い色合いを感じさせるので読み進めるのに時間がかかった。 自分の根源的な部分について考えさせられる内容だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
子供に対して無条件に愛情を抱けない母親は母親失格なのか、が一冊を通して描かれている。娘が主人公に対して虐待を受けた記憶があまり残っていなかったのが、救いだか、登場人物にモヤモヤしながら読了。
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主人公の柳宝子は、東京の新聞社に勤めている。一人娘は虐待を疑われて夫に引き取られてしまった。 「どんなときでもなにをされても、心の底からかわいい、愛おしい、と思えるのが母親としての正解なのだろうか」と悩み続ける宝子。いまだに正解は分からないが、自分が"不正解の母親&qu...
主人公の柳宝子は、東京の新聞社に勤めている。一人娘は虐待を疑われて夫に引き取られてしまった。 「どんなときでもなにをされても、心の底からかわいい、愛おしい、と思えるのが母親としての正解なのだろうか」と悩み続ける宝子。いまだに正解は分からないが、自分が"不正解の母親"であることは疑いようがないと思っている。 そんなある日、宝子のもとに20年前に死んだはずの父親の遺体が発見されたという連絡が入る。遺品には宝子への手紙と、最近起きた猟奇事件の切り抜き記事。 これは父からのメッセージだと、事件を追う宝子。思わぬかたちで明らかになっていく家族の秘密とは──。 "普通の母親"とは、いったいどういう母親を指すのだろう。"母性"とはなんだろう。 「仕事を辞めたら、自分にはなにもなくなってしまうのではないか。名無しの透明人間になってしまうのではないか」という宝子の危惧はよく分かる。 子どもがいると、どうしたって"○○くんママ"になる。そこに居るのは一個人としての私じゃなくて、子どもの母親としての私だ。仕事を辞めて社会から遠のくと、もうこのまま私個人の存在は消えてしまうような気持ちになる。だから社会とのつながりに必死にしがみつきたくなる。そう考えてしまう私も、あなたが言うように母親失格ですか?と、宝子に問うたらどんな返答が来るのかなあ、なんて。 それはさておき、宝子はずっと自分が不正解の母親だと信じてやまないが、本当にそうだろうか。過去の出来事は消えないけれど、娘を愛することができるのか、何が娘のためなのかと悩むこと。それだって愛の形だろう。 ただ、ふたりの場合は近くにいるより遠くにいるほうが、良好な関係を築くことができた。それだけのことだ。 親が子を愛しているかどうかよりも、子が"自分は愛されている"と感じるのかどうかのほうが重要なのだと思う。 宝子の母の言葉「偽物だとしても悪よりは善のほうがいいでしょ」がすべてだ。 「たとえ嫌っていなかったとしても、僕は嫌われていると感じたし、さびしかったり悲しかったりしたし、母を憎んでますから。ほんとうの気持ちなんて伝わらなければ意味ありませんよね」 「私はおかしいですか?母親失格ですか?どんな気持ちになれば普通の母親になれますか?」 「子供をかわいいと思えないのはどうしようもないと思う。だったら、かわいいと思っているふりをするしかないんじゃないかな。愛しているふりをする。大切に思っているふりをする。全力で演技をするしかないんじゃないかな。そうすれば、もしかしたらいつか本物になるときが来るかもしれない」
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先に読んだ著者の本に比べてテンポがゆっくりな印象。 登場人物がこんなに繋がり合っていると、やや現実離れした感じがしてしまう。 子供に対する感情は人それぞれなんだろうとは思うけれども、よくいるような一般的な自分からするとやっぱり産んだ我が子に無関心でいるという感情がどうしても理解し...
先に読んだ著者の本に比べてテンポがゆっくりな印象。 登場人物がこんなに繋がり合っていると、やや現実離れした感じがしてしまう。 子供に対する感情は人それぞれなんだろうとは思うけれども、よくいるような一般的な自分からするとやっぱり産んだ我が子に無関心でいるという感情がどうしても理解しづらい。 単純にミステリーとしては真相が直ぐには分からなかった分面白かったです。
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あの日君は何をした では母親の執念とも取れる狂気が描かれていたが、 今作では相反して母親からは子供への無関心さと虚無感ばかりで、そこに生まれてきて子どもたちの親への執着と願望が 親から愛されなかった子供は、子供を愛することがわからず不幸は連鎖してしまう 子供に愛していることを...
あの日君は何をした では母親の執念とも取れる狂気が描かれていたが、 今作では相反して母親からは子供への無関心さと虚無感ばかりで、そこに生まれてきて子どもたちの親への執着と願望が 親から愛されなかった子供は、子供を愛することがわからず不幸は連鎖してしまう 子供に愛していることを伝えなければ。 生まれてきたことだけで存在しているだけで 愛おしいのだということを、そしてそれは 当たり前のことなんだと
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