祝福の子供 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分で産んだ子どもに対する愛情ってなんだろう。責任感や義務感だけで育てている、そんな時もあるかもしれない。かわいいだけでは済まされない、人間を育てることも良くわかってない年齢で私も産み育ててきた。だからどの気持ちもわかるような、認めたくないような。 主人公は子育てと仕事を天秤にかけ、その重さを考えるのではなく、娘に嫌われているからという言い訳で離婚、子を手放す。 その一方、自分自身は亡くなった父母の血縁ではなかった。母親は、夫の浮気相手の女が産んだ赤子を誘拐し愛おしさで返せなくなった。そして愛情いっぱいに実子として育てた。 子を愛せない、金銭目的で産む、子を捨てる、親の愛情を求める子、など読みながら辛くなる。 そして自分が子育て終了の時期にもかかわらず、気持ちが揺れることにも驚く。一生誰かの子であり、私も子の母親であることに終わりはない。
Posted by
子どもを産んだけど、愛せない‥ 私には考えれないけど実際居るんでろうな 複雑な人間関係で少しごちやとなりそうになった所に上手く繋いでくれた感じで読みやすかった。 現実離れしてなさそうで少し重い小説だった。
Posted by
いつまでも余韻が残る本でした。 宝子の母の 「偽善でも悪よりは善のほうがいい」 という考え方に共感した。 そして、 「ふりをする」「全力で演技をする」「もしかしたらいつか本物になる時が来るかもしれない」 そう思って宝子を育てた母の生き方を、私は素敵だと思う。 事件をきっかけ...
いつまでも余韻が残る本でした。 宝子の母の 「偽善でも悪よりは善のほうがいい」 という考え方に共感した。 そして、 「ふりをする」「全力で演技をする」「もしかしたらいつか本物になる時が来るかもしれない」 そう思って宝子を育てた母の生き方を、私は素敵だと思う。 事件をきっかけに、そして愛里の存在によって、自分の子供時代を追体験し、宝子はしっかり愛されて育ったと実感した。 「愛里のことが大好きで大切にしてくれる人がママなの、それは愛里が決めていいの。血がつながっているとかつながっていないとかは関係ないの」と子供に言いつつ、自分自身にも語りかけている。 何だか心がホッと温かくなった場面でした。 「捨てた」と「あげた」は違うけれど、それを聞いて心が楽になっただろうか、、、 それより宝子から誕生日の祝福の言葉を聞いたとしたら、蒲生君はどう思うだろう。誰かを恨むばかりの人生から解放されるだろうか、と思った。 たくさんの罪を犯したけれど。
Posted by
なるほど、直球だな 複数の母親がメインテーマかな。でも、そこに聖母マリアは居ない。謎解きより、現実的な母親が描かれる部分にスポットが当たる感じ。シリーズ読んでみたいかな?
Posted by
まさきさんの世界観好きです 読み進めると、謎が深まっていく 謎が人間関係(家族関係)に絡み合っている 謎が全解決するわけではなく、謎を抱えたたま、それでも生きていく
Posted by
2024.7.27 重たい話だった。 命をあげるとか買うとかそんなことはしないで… 最後に一気に回収して行く感じ、面白かった。
Posted by
最初に伏線を散りばめて最後、一気に回収していくのはまさきさんらしくて素晴らしいと思った。作品に込められたテーマは重たいですね。「母はお腹を痛めて子どもを産んだんだから愛してあたりまえ」というのは違うと私も思う。歴史を勉強してみると、明治時代までは家族、親戚総出で子育てしてたんです...
最初に伏線を散りばめて最後、一気に回収していくのはまさきさんらしくて素晴らしいと思った。作品に込められたテーマは重たいですね。「母はお腹を痛めて子どもを産んだんだから愛してあたりまえ」というのは違うと私も思う。歴史を勉強してみると、明治時代までは家族、親戚総出で子育てしてたんですがね。個人差はあるものの、一般的に子育ての労力は半分以上母親が負担していて、重すぎると思う。労力が少なければ愛情がたとえもてなくても育てられると思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2024.06.01 母親になってから、考えさせられるテーマが世の中に溢れかえっているなと感じるこの頃だったので、とても刺さった。 母性って、何だろう。 私は無条件に子どもたちが大切で、宝もので、自分を犠牲にしてでも守りたいと思っているけど、それが全ての母親に当てはまるわけではないし、当てはめてもいけない。 宝子は自分の母親が鬼塚明美と知って安堵したのだろうか。子どもを優先できなかったのはこの母親にしてこの子ありなのだから、私はおかしくなかったと腑に落ちたんだろうか。 母親をテーマに扱う作品は多いが、こう言う切り口は初めてだったのでとても考えさせられた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み入ってしまった。 複雑に絡み合う糸を主人公がほどきながら、事件の全容を明らかにしていく。 まさか、宝子が…。 娘を虐待してしまい、離別した宝子。 自分が売られた子供だと知り殺人を犯す蒲生。 娘を可愛いと思えない黄川田。 宝子をずっと見守り続けていた勝木。 祝福の子供とは誰のことかと考えながら読んでいたが、誰もが祝福の子なのかな、、。
Posted by
産んだからには、責任が伴うのは 当然で その責任が重要で 物心がついた時点(物事のよし悪しの判断)で全ては、当人の責任だろう。 成人をむかえたから義務と責任が伴うわけではない。 生まれ落ちたことが奇跡なら、まともに育つことも奇跡。 誰のせいでもなく 全て当人の問題。
Posted by