色にいでにけり の商品レビュー
お彩の感情の上下に揺さぶられているうちに、あっという間に読了。 時代物はあまり読んでこなかったが、文章が柔らかく、現代的だった。ジェンダーに対する価値観が、あまりにも現代的なので、本当かしら?となるものの、現代をどうしても反映してしまうものなのかも。 右近のキャラクターが面白く...
お彩の感情の上下に揺さぶられているうちに、あっという間に読了。 時代物はあまり読んでこなかったが、文章が柔らかく、現代的だった。ジェンダーに対する価値観が、あまりにも現代的なので、本当かしら?となるものの、現代をどうしても反映してしまうものなのかも。 右近のキャラクターが面白く、引っ張られてすいすいと物語が進んでいった。
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温かい文章です。 苦手な江戸のことをわかりやすく書いてくれるから好きです。 そして、色のことに詳しいので読んでいてワクワクしますね。
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摺師をしていた父の背中を見て育ち、知らず知らず色の感性を養っていたお彩。火事で仕事ができなくなった父と二人、ほそぼそと長屋暮らしをしていたところへ、うさんくさい京ことばの優男、右近と出会って(つきまとわれて)お彩の視界がひろがっていく。 自分では才能だなんて思ってもいなかったこと...
摺師をしていた父の背中を見て育ち、知らず知らず色の感性を養っていたお彩。火事で仕事ができなくなった父と二人、ほそぼそと長屋暮らしをしていたところへ、うさんくさい京ことばの優男、右近と出会って(つきまとわれて)お彩の視界がひろがっていく。 自分では才能だなんて思ってもいなかったことを、他人に見出されるのってどんな気持ちなんだろうなあ。やっぱり最初は居心地悪いというか、信じがたいんじゃないかしら。右近みたいにもともと知り合いでもない人に言われたら(しかも大金をちらつかされたら)何か裏がある、だまされていると頑なに考えるお彩の思いももっともだ。 でもそれだけ警戒しているのに、強引に連れ出された客先でひらめいたら舞い上がって叫んじゃうところがかわいい。 終盤、ついに右近が正式にお彩に仕事をしないかと誘ったところで幕引き。続刊ではどんな形で二人のやり取りが繰り広げられているのか、読んでみたい。 江戸時代には役者の好みにちなんだ色や、バリエーション豊かな藍やねずみ色が呼び名をつけられて浸透していたらしい。色名のひびきも美しく、たのしい。
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最新作を書店で見かけて手に取ったらシリーズでしたので、1作目を図書館で借りました。 色に対する感覚が優れているお彩が、その才能に目をつけた右近に丸め込まれて、色にまつわるトラブルを紐解いていく短編集。 ネタとしての目の付け所は上手いなぁと思う。人物描写は難あり。少し型にハマりすぎ...
最新作を書店で見かけて手に取ったらシリーズでしたので、1作目を図書館で借りました。 色に対する感覚が優れているお彩が、その才能に目をつけた右近に丸め込まれて、色にまつわるトラブルを紐解いていく短編集。 ネタとしての目の付け所は上手いなぁと思う。人物描写は難あり。少し型にハマりすぎていて、お彩にしても右近や卯吉にしても厚みが無い気がする。
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2023.7.12 読了。 火事で光を失い、弟子や職もなくなって自暴自棄に酒に溺れる元摺師の父と天才的な色彩感覚を持つ娘のお彩は貧乏長屋でその日暮らしをなんとか続けていた。そこにお彩の才能に目をつけた京男・右近はお彩に様々な難題を持ち込んでくる。 江戸時代の色彩を題材に描いた人...
2023.7.12 読了。 火事で光を失い、弟子や職もなくなって自暴自棄に酒に溺れる元摺師の父と天才的な色彩感覚を持つ娘のお彩は貧乏長屋でその日暮らしをなんとか続けていた。そこにお彩の才能に目をつけた京男・右近はお彩に様々な難題を持ち込んでくる。 江戸時代の色彩を題材に描いた人情物語。 幸せな日々が一転崩れて日々の暮らしもやっとという生活になってしまうお彩たちの切ない描写と右京や香乃屋、長屋の人たちに助けられていくところは優しくも感じた。 他人を信じられないどん底にいなければ、お彩も右京に対して不信感を持ちすぎずにいられたのではないか、と思うとそこは哀しい。 江戸時代の色名や流行色、着物の襲や今でいうならファッションの流行もちょこちょこと話題にのぼり勉強にもなった。 続編希望です!
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色の名前たくさんあるね。世界により細かく名前がつくの面白そうだな。 途中から彩にちょっと苛々する。話の型を作りたいのは分かるんだけど。嫌!断る!結局話聞く。はっ!ひらめいた!!が続くとちょっと…
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積読してたやつ読み終わった。2023/04/13 個人的にはよかったし、続き読みたいななった! ただ、表紙から想像するよりは、結構主人公のバックボーンは重めなので、気分転換に小説読むぞ〜のテンションだと、ちょっと、おも…ってなるかも。 特に悩みの原因が、現実の人生で悩んでる人...
積読してたやつ読み終わった。2023/04/13 個人的にはよかったし、続き読みたいななった! ただ、表紙から想像するよりは、結構主人公のバックボーンは重めなので、気分転換に小説読むぞ〜のテンションだと、ちょっと、おも…ってなるかも。 特に悩みの原因が、現実の人生で悩んでる人もいるネタなので… 主人公はさばけた性格で好感もてるし、バックボーンの話も最後には少し良くなっていきそうな雰囲気で終わってるのが救い。 江戸もの、女性主人公〜なんかの要素的に、「あきない世傳 金と銀」シリーズと読者層がかぶるとこもあるんじゃないかな〜と思ってるんだけど、そちらよりはライトな読後感で楽しめた。 恋愛要素は、今のところほぼない。 江戸の女と京の男、みたいに対で帯に書かれてたから、まぁ、最終的にくっつくんですかね〜?くらいの気持ちで読んでたけど、この巻では、主人公お彩の特技をいかして、京の男、右近の依頼を解決しつつ、謎の多い右近の秘密に、近づくとこまで。 こ、これからどうなるの〜??っていいとこで終わってくれる。 個人的には、ラブコメも純恋愛も好きだけど、どちらかといえばお仕事メインで展開する話がとても好きなので、好みにドンピシャでした! 今後のふたりの関係がどうなっても楽しめると思うので、続きも買います!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
色彩にするどい感覚を持つ主人公の彩。その才能を見出し、嫌がる彩をありとあらゆる手段を使って説得し、色の見立てをさせる右近。 生きる屍になっていた彩の父親のために、右近は仕事を斡旋し、父親の信頼も得ていきます。 外堀から埋めていくような右近の行動は、見事でした。 最後に右近の正体がわかり、彩は正式に色の見立ての仕事を依頼されます。 どのような見立てをするのか、続編の『朱に交われば』を読むのが楽しみです。
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江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗...
江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。 そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。 一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。 そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります! 着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、 色や柄にまつわる知識も満載。 例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。 ※お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。 白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略) 「あっ!」 唐突に、記憶の糸が張り詰めた。 一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より) 新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。
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「オール読物」で連載されているので読んでいるが、再度読みたかったので購入。 胡散臭い京男の右近と、色彩に閃きの才を持つ彩とのやり取りが面白い。色彩に関しての蘊蓄も満載。色覚異常の気付きも、小さい頃から摺師の家で育った賜物だろう。 現在も連載が続いているが、右近と彩との関係が気にな...
「オール読物」で連載されているので読んでいるが、再度読みたかったので購入。 胡散臭い京男の右近と、色彩に閃きの才を持つ彩とのやり取りが面白い。色彩に関しての蘊蓄も満載。色覚異常の気付きも、小さい頃から摺師の家で育った賜物だろう。 現在も連載が続いているが、右近と彩との関係が気になる。
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