深い河 新装版 の商品レビュー
生死と宗教について考えながら読める。 ストーリーが緻密で、登場人物ひとりひとりの人生に共感できる気がしてくる。
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宗教というものは 人を救うためにある しかし 現在のイスラエル紛争のように 戦争を引き起こすのもまた宗教 人を救うための宗教によって 多くの罪なき人々が死んでいく これほど理不尽なことはない 日本は世界から 仏教国と認識されているが 自分がそうであるように 熱心な仏教徒はほ...
宗教というものは 人を救うためにある しかし 現在のイスラエル紛争のように 戦争を引き起こすのもまた宗教 人を救うための宗教によって 多くの罪なき人々が死んでいく これほど理不尽なことはない 日本は世界から 仏教国と認識されているが 自分がそうであるように 熱心な仏教徒はほぼいないだろう そんな日本人からすると 宗教というものがうさんくさいものに見えてくる 人を救うための宗教が人を殺す どう考えたっておかしいじゃないか なぜそんなものを信じるのか 信じてなんの得があるのか 信じたところで神は 手を差し伸べてくれないじゃないか しかし熱心な信者は それでも宗教を、神を信じぬく いつの日か自分を救ってくれる いつの日かこの残酷な世界から 自分を救ってくれると信じている では僕たち日本人は 何を信じて生きているんだろう 家族?金?地位?名誉?外見? youtubeの登録者数? 経済という魔物に飲み込まれ 宗教を軽視し あまりにも実用的になってしまった日本 信じるものが見当たらない みじめなこの国で 僕たちは何を信じればいいのだろう 信じるものがないしんどさに 僕たちは耐え続けられるだろうか みじめでつらくてしんどくて 信じるものもなにひとつ見当たらなくて どうしようもない無力感に襲われたとき この「深い河」を手にとってみてほしいです
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アジアの母は 醜く、それでも懸命に生きた姿を生々しく表現している 過酷な環境においても子どもに愛情を注ぐ これこそ人間そのものなのではないか それぞれに心の劇がある 悲しみを背負っている そのすべてを飲み込み、受け入れ、流れてゆくのがガンジス河 人は愛する人を亡くすと心の中...
アジアの母は 醜く、それでも懸命に生きた姿を生々しく表現している 過酷な環境においても子どもに愛情を注ぐ これこそ人間そのものなのではないか それぞれに心の劇がある 悲しみを背負っている そのすべてを飲み込み、受け入れ、流れてゆくのがガンジス河 人は愛する人を亡くすと心の中に転生させるという表現が私は好きだ 人生ってなんだろうな 生きるってなんだろうな 生活と人生は違う 生活する上でたくさんの人と関わってきたが、人生で関わったのは母と妻のみという磯辺の言葉 私が人生で関わった人は、誰なんだろう 三条のような人間にはなりたくない だからと言って大津の生き方はあまりに不器用すぎる
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某所読書会課題図書:考えさせられるストーリーだが、キリスト教に対する日本人の様々な思いが詰まっていると感じた.磯部、美津子、沼田、木口、大津の主な登場人物の中で大津の生き方が、宗教としてキリスト教を厳しく捉えたものと思った.プロテスタントのクリスチャンである小生が見ても、大津の真...
某所読書会課題図書:考えさせられるストーリーだが、キリスト教に対する日本人の様々な思いが詰まっていると感じた.磯部、美津子、沼田、木口、大津の主な登場人物の中で大津の生き方が、宗教としてキリスト教を厳しく捉えたものと思った.プロテスタントのクリスチャンである小生が見ても、大津の真面目さは特筆できるものだが、あそこまでは行きつけない.インドに行ったことはないが、蒸し暑さの中で多くの人々が暮らしている状況が文の中から読み取れた.重苦しいストーリーの中で三篠夫人の我儘が唯一笑えるものだった.
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文句なしの星5つ。 ツアー旅行でインドに来た、心に闇を抱えた人々の群像劇。 宗教って役立つ事もあると思うが、残念ながら完璧ではないし絶対でもないと思う。真面目な人ほど深みにハマって傷ついてしまうのかもしれない。 一神教と日本人の親和性の低さが印象的であった。
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終節「危篤だそうです。」のあっけなさ。死に臨じた遠藤が描いた人間の終わり方と残され方。映像や情報が発展した現在より鮮明に貧困や格差が描かれる1997年の情勢。 印度に関心があり本書を手に取ったが、この国に貧困や格差を学ぶ時代は終わったと世界中を見て考えている。救いが人々に差し出さ...
終節「危篤だそうです。」のあっけなさ。死に臨じた遠藤が描いた人間の終わり方と残され方。映像や情報が発展した現在より鮮明に貧困や格差が描かれる1997年の情勢。 印度に関心があり本書を手に取ったが、この国に貧困や格差を学ぶ時代は終わったと世界中を見て考えている。救いが人々に差し出されていない時、何かを信じたり今世に無い何かに想いを託すしかないとただ現実を突きつけられただけだった。
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死に奉仕するマザー・テレサの尼僧が、美津子の言った「なんのためにそんなことをなさっているのですか」という問いに、え、と戸惑ってから 「それしかこの世界で信じられるものがありません」と答えたところに、すべて集約されていると思う。
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遠藤周作と言えば基督教なのだが。 本作はガンジス河へのツアー旅行に参加した日本人たちの物語である。それぞれがそれぞれに清算し難い過去を引き摺っている。 仏教、ヒンズー教、シーク教、而して基督教。様々な宗教とそれを信仰する人々が描かれる。 読み始める前は本作も基督...
遠藤周作と言えば基督教なのだが。 本作はガンジス河へのツアー旅行に参加した日本人たちの物語である。それぞれがそれぞれに清算し難い過去を引き摺っている。 仏教、ヒンズー教、シーク教、而して基督教。様々な宗教とそれを信仰する人々が描かれる。 読み始める前は本作も基督教文学の一種なのだろうと何処かで高を括っていた。いたのだが……。これはもう、何というか、宗教を超越した宗教観とでも云う可きものではないだろうか。安易な枠組みで括れるような生半可な作品ではない。
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喪失感を抱いた様々な人々がインドへと向かう。ビルマのジャングルでの死地を彷徨い、いわゆる地獄から生還した老人、妻を亡くしその妻の転生を信じ何かを求めてきた人、唯一の神と信じているキリスト教と日本的な多神教的な考えに揺れる友人に囚われている女性。 難解なテーマであり、理解が難しい。
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NHKのこころの時代ライブラリーで取り上げられていた小説。世界観が変わる。インドを舞台に人の命というものを考えさせられる名作。手元に置いてある数少ない一冊。
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