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全員悪人 の商品レビュー

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41件のお客様レビュー

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2023/01/12

1時間もしないうちに読み終えた。 あまりの短さにやや拍子抜けしたけれど、アタマの痛い現実であり、恐ろしい話だと思った。 もともとプライドの高い人や、努力家は、高齢者になるとそのギャップが受け入れられなくなりそう。 さらにこの女性は、既に90歳に近い夫に対しても、浮気していると常...

1時間もしないうちに読み終えた。 あまりの短さにやや拍子抜けしたけれど、アタマの痛い現実であり、恐ろしい話だと思った。 もともとプライドの高い人や、努力家は、高齢者になるとそのギャップが受け入れられなくなりそう。 さらにこの女性は、既に90歳に近い夫に対しても、浮気していると常に疑っている。そういう感情もにじむのかと、改めて怖くなった。 当初、作中に出る呼称、あなた、が誰を指すのかなかなか分からず。 作者の村井さん≒あなた、なんだと理解してからは読みやすくなった。 先週亡くなった私の祖父は、96歳で認知症らしいものはなく、聡明なままだった。 社会の動きにも敏感で、周囲の人間の様子にも興味を持っていたが、体や気力の衰えは大きかった。それを本人が自覚できる分、別の苦しみがあったかもしれない。しかし昨今では、稀有なケースなのは間違いない。 認知症とその周囲について、誰しも無縁ではいられないだろう。近親者の中に見るべき近未来、自分の中の来るべき未来、と思うと、この本はとても他人事ではなかった。

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2022/08/20

認知症の人の目線で描かれた小説というのは珍しいのではないかと思うが、そこは読者にも理解できる程度の論理的思考は残されている(でないとそもそも一貫した本にはならない)ので、あくまでもそういう体裁の小説である、というにとどまる。 背景にある「認知症の人の発言に対して否定しない」等のケ...

認知症の人の目線で描かれた小説というのは珍しいのではないかと思うが、そこは読者にも理解できる程度の論理的思考は残されている(でないとそもそも一貫した本にはならない)ので、あくまでもそういう体裁の小説である、というにとどまる。 背景にある「認知症の人の発言に対して否定しない」等のケアの基本的な考え方が小説を通して描かれているとも読める。

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2022/06/06

そうか…認知症の人はこんな目線なんだな… そんな気づきをくれた本 わかっちゃいるけど… 家族が認知症になったら なかなか冷静に受け答えできないんだよね… ついついイライラしちゃってね… そんな反省をしつつ読みました。 あとがきにあった包括支援センターの職員さんの 「認知症はね、...

そうか…認知症の人はこんな目線なんだな… そんな気づきをくれた本 わかっちゃいるけど… 家族が認知症になったら なかなか冷静に受け答えできないんだよね… ついついイライラしちゃってね… そんな反省をしつつ読みました。 あとがきにあった包括支援センターの職員さんの 「認知症はね、大好きな人を攻撃してしまう病なんですよ…」 という言葉が本当に心に刺さった~

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2022/05/03

認知症の本人にとっては周りから責められて、悪いのは自分と思ってしまう所とか、なんとも切ない。 周りの人達も当事者を責めたいという訳ではないのに、お互いに攻撃し合ってしまうのが、とても心苦しい。

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2022/04/08

認知症の義母、鬱病の義父を翻訳家・エッセイストである著者が別居サポートするようすを、義母目線で綴った異色の作品。 認知症という個人差の大きな病気を持つ人を主体的に描写することなどできるのだろうか、本人の尊厳を踏みにじることと紙一重なのではないか、などの心配は全くの杞憂であった! ...

認知症の義母、鬱病の義父を翻訳家・エッセイストである著者が別居サポートするようすを、義母目線で綴った異色の作品。 認知症という個人差の大きな病気を持つ人を主体的に描写することなどできるのだろうか、本人の尊厳を踏みにじることと紙一重なのではないか、などの心配は全くの杞憂であった! 「私」(=義母)の日常に現れる数々の「悪人たち」とそれに翻弄される「私」の怒り、戸惑い、不安、、、 老いることの自認と事実の狭間でさまよう認知症老人の苦悩を、持ち前の雑さと極上のユーモアで痛快にさばく「あの子」(=息子の嫁、著者)のふるまいや視座からは、義両親への深い愛情と尊敬の念が感じられる。 認知症患者に日々敬意を持って接することがどれほど大変なことかは経験者でなくても想像に難くないが、子育て・執筆活動・別居介護の3足の草鞋で日々を爆走しこの本を書き上げた著者の胆力… 章が進むとともに「私」の症状も刻一刻と変化していく。この時間と症状経過の描写がまた秀逸で、介護する側の難しさと被介護者の苦悩それぞれが染み入るように鮮やかに感じられた。 心がギュッと苦しくなる、先の見えないトンネル。 祖父母の介護を終えふたりを立派に見送った父も、その嫁であった母も、このトンネルの中にいただろうか。わたしは何ができただろうか。来たる介護の日々に何ができるだろうか。 半フィクションとはいえ介護される側の視点から語られる他人さまの老後生活を覗き見ることで、我が身を振り返るよいきっかけとなった。 さながら現代日本のイソップ童話である。 

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2022/04/21

一人称で書かれた認知症のリアル。 身近に認知症の人がいない読者といる読者では、受け止め方が違うと思う。 ほんの少しだけれど、認知症の人の理解につながったかもしれない。

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2022/03/28

3年程前に亡くなった義母が一時期こんな感じで過ごしていたのかもと思った。周りの人と言うより同居の嫁だけ。あとがきの言葉が心にしみた。大好きな人を攻撃してしまう病なのだと。

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2022/04/22

認知症の本人目線で日常が語られる 怒り、不安な気持ちの描写が多く、楽しい気分の描写が少なくて辛くなってくる 自分や両親も含めた家族も、認知症になってしまう可能性があると思うと、他人事として読めなかった 自分が認知症になってしまっても毎日機嫌良くいられるためにはどうしたらいいん...

認知症の本人目線で日常が語られる 怒り、不安な気持ちの描写が多く、楽しい気分の描写が少なくて辛くなってくる 自分や両親も含めた家族も、認知症になってしまう可能性があると思うと、他人事として読めなかった 自分が認知症になってしまっても毎日機嫌良くいられるためにはどうしたらいいんだろう? 自分の身近な人にも読んで欲しい本

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2022/02/21

そう遠くない将来に家族、そして自分にも起こるかもしれない認知症。その当事者目線の語り口は斬新であり、ドキュメンタリーよりも参考になりました。頭の中はそうなってるのかもしれないですね。。

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2022/01/16

リコさんのブログを15年くらい前から 読んでる身としては、家族が老いていく、 病のせいで『家族だから』が、『家族なのに』 になってしまう悲しさ。 決して他人事じゃないし、もう介護してる 友人もいる。て思うと身につまされる。 パパゴンと、パパゴンの浮気疑惑には笑った。 んなわけあ...

リコさんのブログを15年くらい前から 読んでる身としては、家族が老いていく、 病のせいで『家族だから』が、『家族なのに』 になってしまう悲しさ。 決して他人事じゃないし、もう介護してる 友人もいる。て思うと身につまされる。 パパゴンと、パパゴンの浮気疑惑には笑った。 んなわけあるかー!て。

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